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名ばかり管理職とリスク管理 |
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マクドナルドが東京地裁で敗訴し、NHKで「名ばかり管理職」の特集が放送されて以降、すっかりこの名称が定着してしまいました。 「名ばかり管理職」とは、労働基準法第41条で労働時間関連規定の適用を受けない3つの項目のうちの1つである、「管理監督者」の適用範囲外の者までも「管理監督者」に含めて、時間管理適用を除外された人達を指します。 「管理監督者」には残業手当(深夜業を除く)を支払う必要もなく、36協定の締結や届出義務も生じません。と言うことは、「名ばかり管理職」には本来支払わなければならない、「残業手当」支払われないと言うことです。 「日本マクドナルド事件」とは、マクドナルドの直営店店長が、「店長を管理監督者として残業代の支払いを認めないのは違法だ」として1300万円の未払い残業代と慰謝料を求めた裁判で、東京地裁は、直営店店長は「管理監督者には当たらない」として残業代約755万円の支払いを命じた事件です。 この判決はこのような事実を世間に知らしめたと言う意味で大きな効果をもたらしましたし、その後のファーストフード、コンビニ業界の会社側の対応に大きな影響を及ぼしました。 名ばかり管理職かどうかの判断基準は、「労働基準法第41条代2項」及び「監督又は管理の地位にある者の範囲」という通達により以下の3点で総合判断することされています。
今回のマクドナルド判決では、以上の3点について全て否定され、店長は管理監督者とは認められないと判断されています。
従来の日本企業は、管理職をになると組合のある会社では組合を離れ、会社側に移ることになります。するとどうなるかというと、課長になったにもかかわらず残業代がなくなって給料が下がるという珍現象が起こるとになってしまいます。それでもサラリーマンは会社の中で地位を上げていくためのステップとしてそれを受け入れ、または喜びとしてきたのです。
しかしそれも、景気が右肩上がりの終身雇用が当然であった時代までのことです。終身雇用が崩れ、成果主義による賃金形態の中で長時間労働を強いられる今の中間管理職にとっては、「名より実」取るのも当然の選択肢であって、名もない中間管理職にとっては、実態が伴わない「管理監督者」に対する不満が爆発した形になっています。
行政の対応も、今後強化される可能性が高く、潜在的な名ばかり管理職を抱える企業(殆どの企業でしょうが)、特に中小規模以下の企業にとっては、”対岸の火事”とは言っていられない状況でしょう。 マクドナルド判決以降の各企業の対応を見ても、「社内管理職」としての職務はそのままに「管理監督者」を外す動きが活発化しており、今後さらに「社内管理職定義の確立」、「賃金体系の見直し」、「労働時間の削減」、「裁量労働制の導入」、「変形労働時間制の導入」等の動きが活発かつ具体的になってくると思われます。
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