トラブル防止と自主的解決の為に！　

バブル崩壊後の「失われた10年」の間に、企業は生き残りをかけた様々なリストラ策（人件費削減）を行って
きました。それ以前は労働者の労働条件は労働組合との折衝が中心であり、労使紛争は会社対労働組合
という集団交渉が中心でした。
1990年代からの労働組合の組織率の低下は、集団的労働条件の決定システムの機能を低下させ、その
一方で労働者個人と企業が対立する個別労働紛争が急増しています。
このような個別紛争の増加は、企業にとって管理コストの増加と時間の浪費を意味します。個々の
従業員や退職者を相手に様々な紛争に対応する必要が生じ、そのコストと時間は企業の競争力を
著しく低下させます。企業内での紛争を未然に防止し、円満な労使関係を形成するための対策と援助は、
社会保険労務士の本来の使命といえます。万一問題が発生した場合には、迅速で円満な解決に向け、
適正な労使関係の再構築の為に労務パルは確実にサポート致します。
社会保険労務士には、不正行為の支持等の禁止、信用失墜行為等の禁止、守秘義務等専門士業として
守るべき倫理規定が定めれておりますので安心してご相談下さい。
相談者の立場にたって誠実に対応いたします。

　　個別労働紛争解決制度活用状況

　不満先取りモラールUP！！
　
個別労働紛争解決促進法が制定され、�@ワンストップサービスとしての総合労働相談コーナー、�A都道府
県労働局長の助言・指導、�B紛争調整委員会によるあっせんという個別労働紛争解決制度が創設され、労働
者が公的な紛争解決システムをより容易に利用できるようになりました。このような紛争解決システムが
整備活用されてきますと、その前段として企業内紛争解決システムの整備の必要性が高まってきます。
苦情・不満が社員のモラールDOWNを招き、業務の効率性に影響を及ぼします。これでは労使ともにメリット
はありません。不満を先取りし、できるだけ紛争の数を少なくし、発生してしまったら迅速に解決するシステム
を構築して現実的な対応をとることが大切です。

紛争解決システム
�@ラインによる相談・解決の制度化
従業員の最も身近な相談相手は今も直接の上司ではないでしょうか。上司の紛争解決及び予防の役割は
大きく、管理職の業務の一環として取組むべきでしょう。但し成果主義等の導入により上司もライバルとなる
場合も生じていますので、会社全体として取組み、管理職をフォローするシステムが必要でしょう。
又、相談・申立内容により課長→部長→取締役といったラインで順次対応かつ回答を出し、不満が解決
しない場合は更に上級長へと進むという制度も考えられます。
　
�A企業内相談室
企業内の人間を相談スタッフとして任命し、広く相談を受け付ける。相談室という役割上、客観的立場で話を
聞き対処方法をアドバイスするといった事が想定されます。但し、この場合守秘義務が重要であること、
法的知識も必要となってくることから外部（例えば社労士）への委託も考えられます。

�B苦情処理委員会
労働組合がある企業では、労使協議会の変形として対応できるものです。ただ、セクハラ等の労働条件以外
の紛争に対しては向いていないかもしれません。労働組合のない企業では、労働者代表の選出等の手続が
必要になります。個別紛争は多岐にわたっていますので、委員会全体として対応する内容と、労働者代表
委員が個別に対応する場合も想定しておくことが必要かもしれません。「ラインによる相談・解決」では労働者
本人が申立しますが、この場合は委員が代行して申立することも考えられます。又、将来的には労使委員会
に発展することも視野に入れておく必要があるかもしれません。
いずれにしても、一定の結論を出すことが必要です。

労働者が権利を主張する機会が増え、労働条件にしても個々に差別化が進んだことにより、今までのような
画一的に労働条件を決定するシステムが維持できなくなっていますので、各企業にあったシステムを構築
する必要があります。

　　　　　

　公的機関への相談！！
　

総合労働相談コーナー

社内で解決できない場合又は社内では相談できない場合等に、法令や関連情報を入手したり相談することが
できます。知識を得ることによりお互いの誤解が解けることもあります。紛争を未然に防止し又は早期解決
するための第一歩です。
尚、総合労働相談コーナーは、都道府県労働局、主要労働基準監督署に設置されています。

都道府県労働局長による助言・指導

労働相談コーナー等で紛争解決すべき事案と判断された場合は、助言・指導の申出をすることにより、都道
府県労働局長の指導・助言が行われます。しかし、これは自主的に紛争を解決する事を促進する制度
で、事業主に対して強制力はありません。具体的には、事実関係を調査・整理した上で、労働関係法令や
関係判例等に基づき都道府県労働局長が助言・指導を行います。また、違法行為を行っている事実がある
場合は、まず指導権限を持つ行政機関が行政指導等を行うことになります

紛争調整委員会のあっせん
労働条件、職場環境等の紛争に対しては紛争調整委員会のあっせんを申請することができます。双方の
主張を確認し、必要に応じて参考人からの意見を聴取する等により、事実の調査を行ったうえで、具体的な
あっせん案を提示することにより、当事者間の調整を行い、紛争の解決を図る制度です。尚、あっせん
により、当事者間に合意が成立した場合は、その合意は、民法上の和解契約となります。
　　　　　　　　　　

　　 　　
身近な相談相手！！

平成19年4月より、裁判外紛争解決手続の促進に関する法律（ADR法）が施行され、この法律に基づく試験
に合格した「特定社会保険労務士」は、ADR代理業務が行えるようになりました。企業内での紛争解決
システムにより紛争の未然防止及び解決に努めていたにも拘らず、万一外部に紛争が出て行った場合には、
早期に円満可決することが必要です。
ADRを利用することによって、費用や時間が掛かる裁判になる前に簡易で迅速に、かつ柔軟な解決を図り
ましょう。労働問題が発生する土壌のある職場では、従業員のモラールは低下し、企業の発展は望めず、
当然労働条件の改善もできずに、また問題が発生するという悪循環に陥ってしまいます。
早期に身近な相談相手の社会保険労務士に相談しましょう！

ADR代理業務
�@　個別労働関係紛争解決促進法に基づき都道府県労働局（紛争調整委員会）が行う
　　あっせん手続の代理
�A　個別労働関係紛争について都道府県労働委員会が行うあっせん手続の代理
�B　男女雇用機会均等法に基づき都道府県労働局（紛争調整委員会）が行う調停手続の代理
�C　個別労働関係紛争について厚生労働大臣が指定する団体が行う民間紛争解決手続の代理
　　　（紛争価格が60万円を超える事件は弁護士との共同受任が必要）
以上の代理業務には、相談、和解交渉及び和解契約の締結の代理も含まれます。

　　

　　　　　　
法令守ってモラールUP！！

労働問題は多岐にわたります。解雇、不払い残業、不利益変更、配置転換、安全配慮義務違反、偽装請負、
雇止め、セクハラ、パワハラ、etc.etc・・・
有名企業においても、不払い残業による是正勧告を受ける例があとを絶ちません。労務管理においては、
労働法や就業規則を守ることが、従業員のモラールUPに繋がり,労働災害も防止します。従業員に元気が
なくて、顧客に満足を与える仕事ができるでしょうか？従業員がモラールUPに繋がる労働環境を作ることが、
業績UPの近道です。
モラールUP！！で業績UP！！です。

解　　雇
普通解雇
使用者の都合によって簡単に従業員を解雇することはできません。解雇に関しては、労働基準法19条により
解雇制限があるほか、解雇理由が「客観的合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない
場合」は、解雇権の濫用(労働基準法18条の2)として無効となります。尚、労働基準法89条は、就業規
則作成義務を負う使用者に対して、解雇事由を「退職に関する事項」の一つとして就業規則に記載するこ
とを義務付けており、あらかじめ規程されていないときは、原則として解雇できません。
　　
　解雇予告　
使用者は労働者を解雇しようとするときは、少なくとも30日前にその予告をしなければならず、即時解雇
する場合は、30日分以上の解雇予告手当をす払わなければなりません。
解雇予告は、「解雇予告通知書」又は「解雇通知書」として書面で伝えることが後々のトラブル防止の為に
大切です。又、解雇予告手当は、解雇の申渡しと同時に,通貨で直接支払わなければなりません。
　　　　　　　

懲戒解雇
懲戒解雇は、懲戒処分の中で最も重い処分です。実際には、解雇予告も解雇予告手当の支払もなく、即時
に解雇される場合もあり、退職金の全部又は一部が支払われないことも少なくありません。また、懲戒解雇
の根拠として就業規則等に、懲戒解雇事由（経歴詐称、勤務不良、業務命令違反、職場規律違反、私生活
上の非行等）が具体的に明示されてることが求められますし、退職金不支給に関しては退職金規程等に
明記されていることが必要です。
　　　　　　　

整理解雇
整理解雇とは、業績悪化等の経営上の理由による、人員削減のための解雇です。解雇理由が経営者側の
理由によるものであることから、厳しい制限があり以下の要件により、解雇権濫用の成否が判断されます。
　�@　人員削減を行う経営上の必要性
　�A　使用者による十分な解雇回避努力
　�B　被解雇者の選定基準及びその適用の合理性
　�C　被解雇者や労働組合との十分な協議
　　　　　　　

不払い残業
労働基準法上の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間を言い、休憩時間を
除いた8時間／日、40時間／週が法定労働時間で、原則として法定労働時間を越えて労働させること
はできません。
法定労働時間を超えて労働者に労働させるためには、「時間外及び休日労働に関する労使協定（36協定）」
の締結・届出と就業規則等に時間外・休日労働の定め、さらに割増賃金の支払が必要となります。
この割増賃金を支払わないのが不払い残業で、監督署の「是正勧告」に及んだ場合には、最大で2年間
遡って支払うことになる場合も有り、企業の存続に影響を及ぼすケースも考えられます。
不払い残業の場合、単に管理不足、知識不足というケースも見受けられますので、法令に則った使用者の
時間管理が大切です。

労務パルでは、御社にマッチした適正な労働時間の管理を行う為のシステムの整備をサポートします。

されることも想定されます。
　是正勧告を受けた場合は、速やかに改善の姿勢を示すことが大切ですが、割増賃金に対する労働時間が現実
　の労働時間と対比して差異がある場合等には監督署に対しても主張する事は可能です。専門家である社労士
　に相談しましょう。
　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　

不利益を負わせるものと判断されれ
　ば、権利の濫用として無効とされます。
　　　　　　　　　

　職種の変更
　採用時の労働契約・労働協約及び就業規則等により、職種等を限定する合意が認められれば、原則として
　異職種への配転には労働者の同意が必要となると考えられます。又、採用時に職種が限定されなかったとし
　ても、医師、弁護士、看護師といった専門技能等の資格を有する者については、職種の限定があると見るの
　が通常です。しかし、単に同一の仕事に長期間勤務していただけでは、職種限定の合意があったとは認められ
　難いと考えられています。
　結論としては、職種の限定がなく、労働協約、就業規則によって、「業務の都合による転勤、職場、職種の変更
　を命じうる」との規程が明確になっていて、労働慣行によって実際に職種変更の配転が行われている場合には、
　労働者は職種変更を伴う配置転換に従わなければならないと考えられます。ただし、その必要性、合理性から
　見て権利の濫用となる場合は、無効となります。
　　　　　　　　　　

　出　　向
　出向（在籍）とは、現在勤めている会社との雇用契約関係を維持したまま、他の会社に就労することをいいます。
　出向は同一会社内の配転とは根本的に違いますので、就業規則等に明確な定め、又は採用時の同意が必
　要です。この出向命令の根拠が満たされていない場合、出向は、使用者の権利の一部譲渡であるという考えか
　ら、民法625条1項により労働者の同意が必要と考えられます。

となることもあります。
　　　　　　　　

であり、事前の包括的
　同意（採用時又は中途での同意）では原則として認められません。包括的同意が認められる可能性としては、
　事前に転籍先、労働条件等が明確になことや、転籍先と転籍元が同一会社とみなされる系列グループ内企業
　への異動に限られます。