安全衛生管理でモラールUP!!
労働安全衛生法は、事業主に対して「快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない」と義務付けております。
安全衛生管理体制の整備、過重労働の解消、労働条件の確保・改善なくして、従業員のモラールUPを図ることはできません。
また、事業主の安全配慮義務(事業主責任)があらゆるケースで問われており、労災事故、過労死及び過労自殺、はたまた、セクハラによるPTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断された場合に労災認定される場合も発生しております。こういった場合、認定後に損害賠償に発展するケースが多く、従業員の安全確保と共に事業主のリスク管理が問われています。
安全管理体制は、安全管理の基本です!!
労働災害が頻発したり、職業性疾病による欠勤者が増えたりしている事業場では、従業員が意欲を持って働くことはできません。経営者がコンプライアンスの意識を常に持って従業員のモラールUPを図るのが事業発展の鍵です。使用労働者数により、下表のような安全管理体制を採ることが義務付けられています。
安全管理体制 |
業種 |
使用労働者数 |
業務 |
総括安全衛生管理者 |
@林業、鉱業、建設業、運送業及び清掃業 |
100人 |
事業場の安全及び衛生に関し、必要な事項を統括管理する |
A製造業、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業・小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業及び機械修理業 |
300人 |
Bその他の業種 |
1,000人 |
安全管理者 |
@、Aの業種 |
50人以上 |
作業場の巡視、安全保持の為の必要な措置を講じる |
衛生管理者 |
全ての業種 |
50人以上 |
週1回以上の作業場の巡視、労働者の健康障害防止の為の措置を講じる |
安全衛生推進者 |
@、Aの業種 |
10人以上50人以下 |
安全衛生に関する業務 |
衛生推進者 |
Bの業種 |
衛生に関する業務 |
産業医 |
全ての業種 |
50人以上 |
健康診断の実施その他労働者の健康管理に関する事項 |
安全委員会 |
林業、鉱業、建設業、製造業(木材、木製品)、化学工業、鉄鋼業、金属製品製造業及び輸送用機器製造業、道路貨物運送業及び港湾運送業、自動車整備業、機械修理業並びに清掃業 |
50人以上 |
安全に関する事項を調査審議 |
製造業(加工業含、上記の業種を除く)、運送業(上記除く)、電気業、ガス業、水道業、通信業、各種商品卸売業・小売業、旅館業、ゴルフ場業 |
衛生委員会 |
全ての業種 |
衛生に関する事項を調査審議 |
健康第一!モラールUP!!
心身両面にわたって健康を維持していなければ従業員のモラールUPは図れません。従業員各自の自己管理はもちろんですが、事業主に対しては一定の健康診断が義務付けられています。
また、最近では従業員が心の健康を保持することが困難な状況もあり、事業所におけるメンタルヘルスケアが急務です。健康診断、メンタルヘルスケアにより従業員の健康状態を把握し、良好に保つことがモラールUP、業績UPに繋がります。
健康診断の実施
一般健康診断 |
対象労働者 |
実施時期 |
雇入れ時の健康診断 |
常時使用する労動者を雇入れるとき
・パートタイム労働者
1週間の所定内労働時間が通常の労働者の3/4以上の者
(3/4未満〜1/2以上の者は健診を行うことが望ましいとされています) |
・雇入れ時
他の健診後3ヶ月以内省略可
(証明書要) |
定期健康診断 |
・1年以内毎に1回
1年以内に他の健診を受けた者は、受けた検診の項目を省略できる |
特定業務従事者の
健康診断 |
坑内、暑熱、有害放射線、異常気圧下、寒冷、振動、騒音等の場所における業務
深夜業を含む業務 他 |
・左記業務に配置換えの際
・6ヶ月以内毎に1回 |
海外派遣労働者の
健康診断 |
海外に6ヶ月以上派遣される労働者及び派遣された労働者 |
・6ヶ月以上派遣者の出国前及び帰国後 |
ジックリ、ゆっくりメンタルヘルス!!
企業間の競争激化、IT化による対応、成果主義の浸透、雇用への不安感等、急激な労働環境の変化に伴い労働者のストレスは増加傾向にあり、慢性的な長時間労働を強いられることにより精神的に追い詰められる労働者も増大しております。
過労自殺が社会問題化しており、心の健康についても安全配慮義務が明確に問われています。うつ病、過労自殺等での労災申請・認定件数も増えており、その場合、損害賠償請求へと発展するケースが多く見られます。
事業主にとってメンタルヘルスケアは無視できない問題となってきましたが、何をどうすればよいのか分からないという事業主の方も多いのではないでしょうか。
当事務所では、そのような事業主の方々のメンタルヘルスケア制度策定のお手伝いをさせて頂きます。
「心の健康づくり計画策定」、「職場環境等の改善」、「メンタルヘルスケアの推進」、「個人情報保護の規定策定」、「欠勤期間、休職中及び復帰後の人事労務関係の整備」等、貴社の取り組みをバックアップ致します。
「心の健康づくり計画」
それぞれの事業所の現状と必要性に応じて計画を策定し、全社で継続的かつ計画的に取り組みます。その為には事業主自らが対策を積極的に実施する決意を従業員に表明することが大切です。
@ 事業場の体制整備
A 問題点の把握及びケア対策実施に関すること
B 必要な人材確保及び事業場外資源の活用に関すること
C 個人情報保護に関すること
D 事業主の安全配慮義務
「メンタルヘルスケアの推進」
メンタルヘルスケアは、配置転換や人事異動、教育研修等の人事労務管理と連動させ、全社的に継続して取組むことが大切です。また、心の健康に影響を与える問題点を把握しこれを一つ一つ解決していく中長期的な取組が重要です。
@ セルフケア
従業員自身がケアを行うためには、正しい知識が必要です。その為の教育研修、情報提供を行い、あわせて従業員が上司や専門家に対して相談できる体制を整備します。また、従業員自身が自分のストレスの状態を把握するためにストレスチェックシート等を活用します。
Aラインによるケア
管理職が各従業員の健康状態を把握し、その就業状況によって過度なストレスが生じないよう配慮し、従業員からの相談に対応します。尚、この場合の管理職は心のケアが必要な従業員に対しては中心的な役割を果たしますので、事業主は管理職に対してその方針を指示するとともに、管理職の活動を支援することが大切です。
B事業場内産業保険スタッフ等によるケア
管理職と協力し、職場環境等の改善や従業員のストレス、心の健康問題を把握する取り組みを行い、指導・相談等を行います。管理職、人事担当者と産業医等の専門スタッフとの連携による対応や支援が必要となります。
C事業場外資源によるケア
必要に応じて医療機関及び地域保健機関の支援を受けることも有効です。特に小規模事業所では、社内で人材を確保することが難しい場合が多いことから、地域産業保健センター等の事業場外資源を活用することが有効です。
ゼロ災害を目指して!!
平成18年3月に労働安全衛生マネジメントシステム(Occupational Safety and Health Management System)に関する指針の改正が行われました。また、改正労働安全衛生法により、OSHMSを実施している事業場が労働基準監督署長の認定を受けることにより、建設物、機械等の設置、移転、構造変更の際の計画の届出が免除されることとなりました。
但し、OSHMSの導入はあくまで災害・危険ゼロを目指すことを主眼として導入することが大切です。貴社の安全衛生活動を確認し、その現状に合わせて取組む事項を決め、できることから始めましょう。当事務所は、そのお手伝いをさせて頂きます。
OSHMSとは
事業主の安全衛生方針に基づき事業主と従業員が一体となって取組む自主的な安全衛生活動です。
災害を減少させるには、今までの経験や勘に頼った管理や実際に事故が起こってから対症療法的に行う管理ではなく、より積極的、自主的に職場に潜在するリスクに着眼し、事前にリスクを減少させ、未然に労働災害を防止しようという管理手法です。
OSHMSのへの基本的な手順
(1)事業者によるOSHMS導入宣言・・・事業場の全員が協力して推進していくために事業主自ら宣言。
(2)組織体制の整備、人材の養成・・・導入の中心となる部署、各担当者を決め、研修会等で人材養成。
(3)労働安全衛生管理の現状把握・・・現在の管理状況、規程の内容等を確認整理
(4)OSHMSの構築・整備・・・現在の管理状況と指針で要求している事項を比較し、不足部分を補充整備。
(5)OSHMSの実施・・・P→D→C→Aサイクル及び計画期間毎のシステム監査により水準を段階的に向上。
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