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問題点は、ふたつある。 ⇒退職金規程の問題と適年の問題 (⇒退職金とは?)
退職金規程の問題
将来の不確定な退職金支給額を、退職金規程で、保証している。
一般的に、退職金の計算方法は、給与連動型が、多い。
算定計算式の例 最終基本給×勤続年数別係数×退職事由別係数
⇒将来の給付額が不明であり、退職金給付水準が、上昇する傾向がある。
また、勤続年数が長いことが、退職金額に大きく影響した。
適年の問題
適年は退職資金調達手段のための外部積立制度だが、運用利回りの低下により、その役目を果たしていない。
適年の積み立て不足は、なぜ起きるのか?
例 制度設計当初の予定利率 5.5%
勤続40年 退職金支払い予定額 1,000万円
1,000万円÷(年金終価係数)144.1189=69,387円(年額掛金)⇒5,782円(月額掛金)
69,387円×40年=277万5,480円(元本部分)
約30%弱の元本、70%の利子で、退職金原資1,000万円を賄えた。
予定利率1.3%で、40年間複利運用にすると、
69,387円×(年金終価係数)52.7069=365万7,173円(元利合計)
⇒約370万円にしかならない。
つまり、この場合、約60%の積立不足になる。
適年は、もう死んでいる!
適年は、平成14年の確定給付企業年金法の施行により、法的根拠がなくなり、廃止された。
現在は、経過措置期間中で、平成24年3月末までに、他の制度に移行するか、廃止する必要がある。
適年を解約した場合分配金は、従業員の口座に直接振り込まれる。
これは退職所得ではなく一時所得として、課税され、社会保険料も上がることになる。
この場合、退職金規程で保証している退職給付債務の残額は、負債として残ることになる。
適年問題の解決法は?
退職金規程の変更⇒退職金制度の改正。
適年の解約⇒中退共・401k等の制度への、資産の移管。