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   マッターホルン・スキーパラダイス(ツェルマット)

第三章 マッターホルン・スキーパラダイスにて

8.ツェルマット

T.ツェルマットの街
ツェルマット唯一と言っていい目抜き通り
ツェルマットに着くと早速ホテルにチェックイン。今晩のホテルは、午前中観光案内所で
予約したホテルポストツェルマット。ツェルマットの街の目抜き通りの中心にあり、
散策には便利な場所だ。本来ならこの日もクルムホテルゴルナーグラートに泊まりた
かったとこだが、高度障害に悩まされやむにやまれずキャンセルした経緯は既に
前述の通りだ。

ツェルマットは谷間に細長く開けた街。崖のようにそそり立つ山と山の間は狭いところで
400メートル、広いところでも700メートルあるかないかというところだろう。したがって
細長く開けるのも道理なのだが、奥行きは2キロあるかないかだ。わずかな谷あいの
中心を小川が流れてる。街の中心はその小川より鉄道駅寄りに片寄ってる。
環境保全の為、車・バス・トラックなどは規制されていて、自家用車やバスでやって来る
観光客は隣町のテーシュに車を置いて列車でアクセスすることになる。
では、街中の交通手段は何かというと電気自動車か馬車。電気自動車ゆえに、
排気ガスは出ないしエンジン音などの騒音もほとんどない。文字通りクリーンな空気
維持の立役者となってる。(馬車の方は糞が臭い、、、)
鉄道駅から教会方向に延びる通りが街の目抜き通りである。往来は
ほとんどが歩きで、わずかにタクシーやホテル送迎の電気自動車が走る
建物の支柱の円盤状が特徴的なネズミ返しだけなので、古き良きヨーロッパの道幅がそのまま踏襲されている。
その両側をシャレー風の建物が所狭しと並んでいるさまは、はるばる
スイスまで来たんだと実感させられる風景だ。ツェルマットに居住してる人
も多いため、スーパー・病院など実用的な施設も整ってる。

小さな街なので歩いて回っても半日あれば充分。またスキーパスで
自由に乗れる循環バスを使えば、左右の移動はほぼ全域まわれてしまう。
小川の方に出ると美しいマッターホルンが堪能できるし、目抜き通りを少し
外れると、昔ながらの古い小屋(家?)も建ち並んでる。建物の土台に
特徴がある。写真の建物を支えてる柱に備わってる大きな円状の構造は
ネズミ返しといって、穀物を食い荒らされないようネズミが昇ってこれない
ようにとの工夫だ。

目抜き通りを鉄道駅から250メートルほど歩いた右側にクレープ屋さんが
ある。フランス菓子に目がない僕はもちろん並びました。(かなりの列に
なってた) 日本のクレープは紙でくるくる巻いて渡してくれるが、こちらは
写真のように小皿に載って出てくる。かぶりつく
のではなくて、ナイフとフォークで切って食べる。
生クリームバナナチョコ 千円也〜〜〜クレープはかなりの行列そのせいか(?)デザートクレープより軽食感覚
(ハムだのツナだの)クレープを注文してる人が
ほとんどだった。ちなみに僕が注文したのは
「生クリームバナナチョコ」。日本ならどんなに
高くたって500円まではするまい。がここでは
何と10スイスフラン=約千円もするのだっ!
とっても美味しかったから許せたけど^^

治安はとてもいいので、夜遅くでも安心して散策
できるし、鉄道駅にスキーを立て掛けておいても
ベンチの下にスキーブーツを置いておいても
盗まれることはなかった。ただ・・運が良かった
だけかも。マッターホルンゴッタルド鉄道駅の地下
にコインロッカーや手荷物預かり所があるので、
放置よりはいいですね。

なお、電気バス(循環バス)やホテルなどの選び方・紹介(製作中)についてはそれぞれの項をご覧下さい。

U.ホテルポスト  http://www.hotelpost.ch
入口はパブにしか見えないのだが^^
ツェルマット鉄道駅から300メートルほど、目抜き通りの中心に建ってる三ッ星ホテル。
入口外観はホテルというよりはパブで、地図で確認してたものの一度は通り過ぎて
しまった。
当日の予約だったが、1泊朝食付き2人で2万円弱と思ったよりリーズナブル。駅の
インフォメーションセンターからの割引レートなのかどうかは不明。
スタンダードルームは騒々しいので、3千円ほど上乗せしてのスーペリアルームを
薦められたが、安い部屋でお願いした。街の喧騒が部屋に響くのかと思いきや、
若者の一団が階下のバーやクラブを貸し切ってドンチャンパーティーをしていたのだ。

良く言えば伝統的だが、悪く言えばただ古い^^ エレベーターは僕が初めて体験する
古式ゆかしいタイプ。上下のボタンを押してエレベーターを待つ。普通のエレベーター
なら到着したら自動でドアが開くのだが、これは扉(ドア)を押して自分で開けて
入らなければならない。到着したかどうかは、動いてる時には点灯していた筈の
エレベーター内の照明がドアの曇りガラスごしに消えるのでわかる。(それに到着して
なければドアは押しても開かない) ドアは手動なので、エレベーターに開閉ボタンは
当然ない。行き先階ボタンを押すとエレベーターは動き始める。と同時にドア側の壁も
動き始める。そう、エレベーターのドアは各階に備えられてるがエレベーター自体には
ドアがないため、壁が上下してるように見えるのだ。ディズニーランドのアトラクション
「ホーンテッドマンション」と同じ仕組み。エレベーターが止まったら、目の前の壁ドアを
押すだけだ。ちゃまによるとヨーロッパの古いホテルではこうしたエレベーターが数多い
らしいが、僕にとっては初めての経験。大喜びで何度もこのエレベーター乗って遊んで
ずっしりと重い部屋の鍵しまった^^
廊下はまっすぐ部屋の入口まで歩いていける程度の灯りしかない。暗くて鍵穴が見えない
くらい。ところがこれもよく出来たもので、ドアの近くに廊下照明のスイッチがある。
鍵をあけたり閉めたりする時はライトをつけて、用を足したらスイッチを切るのだ。
エネルギーの無駄遣いをおさえる立派な知恵ではあるが、不審者が潜んでたとしたら
コワイかも。。。

部屋は古く老朽化してるが、夜帰って寝る分には充分。ただ狭いのと窓が小さいことから
総じて部屋内が暗い。部屋でのんびりリゾートというには不向きだ。
ホテル案内書によると、このホテルも一部マッターホルンビューの部屋が
掛け布団がとっても快適なのはクルムホテル同様古さを感じさせるが、それが温かみにもつながってるあると紹介されていたが、見えたとしてもほんのチラッという程度だろう。
ツェルマットの街でマッターホルンビューを楽しみたければ、小川周辺の
宿をとるべきなのだ。また、バスタブが約束されてるのはデラックスの
部屋からで、スーペリアやスタンダードタイプはシャワーだけの部屋に
あたる可能性がある。僕らの部屋はスタンダードながらバスタブがついて
いたが、かなり老朽化によるシミが目立ってたのでシャワーですませた。
窓は駅方向を向いていたが、連なる建物に遮られて楽しめるようなもの
ではなかった。
この日のディナーはリッフェルアルプリゾートで摂ったため(ここ見て)、
ホテルカー。座席が高くて足が床に届かなかった・・・(汗)ホテルで食事をしたのは朝食だけ。バラエティに欠けた内容は貧弱だった。

ただ値段を考えた時、総じてこのホテルの滞在は充分満足のいくものだった。フロントスタッフは
ホスピタリティ溢れてたし、ホテルカーでの無料送迎もついてるので、駅からそれほど離れてない
とはいえ荷物を担いで到着した時にはありがたい。目抜き通りのど真ん中だし、パブやクラブは
宿泊者以外でいつでも盛り上がってそう。静かに楽しみたい人には不向きでも、賑やかなスイスを
エンジョイしたい人にはお薦めのホテルです。



第四章 さようならマッターホルン&ツェルマット につづく

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