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   マッターホルン・スキーパラダイス(ツェルマット)

第四章 さようなら!マッターホルン&ツェルマット


最終日のマッターホルン。ツェルマット小川周辺から。いよいよマッターホルンエリア4日目を迎えた。楽しい日々はあっという間に
過ぎ去るもんだ。今日は雲が出ていてマッターホルンの全容が拝めない。
思えばほんとに天気には恵まれた。雲一つない快晴の二日間に恵まれ、
また初日は思ってもみない雲海の素晴らしさも味わうことが出来て、
マッターホルンを味わいたいという今回の旅行の最大の目的は達せ
られた。天に感謝感謝☆

今日はイタリアミラノ止まり。特に何か用事があるわけでもなく、最後の
ツェルマットをゆっくり堪能してもよかったが、ざっと街の見物もすんだこと
だし、もう一つの楽しみを味わうことにしよう。

こちらで紹介した通り、ツェルマットに入るためのゲートウェイ(空港)都市は
ジュネーヴ・チューリッヒ・ミラノとあるが、最も近いのがミラノである。
ツェルマットからは来たルートを逆進し、マッターホルン・ゴッタルド鉄道で
ブリックへ。そこから国鉄インターシティに乗り換えミラノまで直通する。
このツェルマット・ブリック間は有名な氷河急行の末端区間となっていて、
冬季も一日一往復だけ運行している。せっかくだからブリックまで氷河急行を
乗車体験したのでした。


T.氷河急行 ツェルマットからブリック

   ツェルマット 10:30→11:51 ブリック

氷河急行の機関車
スイスツアーのパンフレットには必ず登場する「氷河急行」。いや、
ひょっとしたら氷河特急の名の方が知られてるかもしれない。
英語表記は「グレーシャー エクスプレス」なので、当サイトでは忠実に
氷河急行と題したい。

夏季は数往復運転の氷河急行も、冬季はこの1本だけ。僕らはブリックで
下車するものの、いわゆる氷河急行の本番(?)とされるのはさらに先の
区間。ブリック 671m地点から次第に標高を上げ、最高地点は2033m。
そこからクール 604mまで高度を下げ、再び登ってサンモリッツ 1775m
への到着時刻は18時58分。終点まで延々8時間28分かけて走り抜くのだ。
世界一遅い特急(急行)列車と謳われてるが、直線の緩坂は飛ばすのは
こちらのレポートにある通り。急坂になるとアプト式レールを使って上り下り
する為ぐっと遅くなる。トータルで平均時速32キロということになってしまう。
これだけ長い時間走るのにもかかわらず、昨年(?)食堂車が廃止された。

さて、ツェルマットからブリックまでの風景案内はこちらで紹介したので
ここでは省くとして、ここでは列車案内に徹しよう。
一等パノラマワーゲン車輌
編成は一等車と二等車がばらばらに連結されている。座席番号のところに
黄色いステッカーが貼られてるところは座席が指定されてる。どこかの駅
から指定券を持った乗客が乗ってきた時移動する羽目になるので、
指定券を所持してない客はステッカーの貼られてない席に座る仕組みだ。
(ということは、列車が始発駅を出発後は座席指定が不可能ということなのかも。。)

これまで乗ってきた鉄道で座席指定されてる席は少なかったものの、この
氷河急行では約5分の2くらいが指定されていた。ブリックーツェルマット間
の乗車の場合は指定する必要はないが(実際駅では受け付けてもらえな
かった)、ブリックとサンモリッツの間を乗車する場合は指定しといた方が
良さそうだ。

一等と二等の違いはこちらで記した国鉄車輌と変わらないのでご参照を。

一等パノラマワーゲン車内一等の場合、従来車輌とパノラマワーゲンと称される車輌の2種類ある。
この編成では従来の一等車が一両、パノラマワーゲンが二両連結されて
いた。座席の仕様は同じ感じだが、「パノラマ」と称されるだけあって窓の
大きさが全然違う。ワイド窓というだけでなく、写真の通り天井部分に
向かって斜めにサイドカットされてる部分まで窓で覆われてる。どこの座席
に座ってもワイドな眺望が楽しめる車輌なのだ。
しかし反面、この窓だらけというのが災いして、直射日光の強い時は
日差しや暑さを遮れないということもあって、どちらを選ぶかも良し悪し
ということになりそう。ブラインドやカーテンはついてません。列車の中で
日焼け止めが必要というのも不思議な話ですが^^

氷河急行だからと言って特別な乗車券は必要ない。僕らはスイスカードをそのまま利用した。急行といってもこの区間は
各駅停車だった。但し、ブリックから先の区間をスイスカードや各種パス類でそのまま乗車できるかは不明。

さて、このツェルマット・サンモリッツ間だが、全区間直通するのが氷河急行というだけで、部分部分の区間を走るローカル
列車は数多い。パノラマワーゲンは氷河急行専用なわけではなく、運用によりローカル列車にも使われることがあるようだ。
また、逆に夏季シーズンの氷河急行の中にはパノラマワーゲンが連結されてない編成もあるそうだ。それでもこの鉄道に
乗る人々は氷河急行に押しかける。(パックツアーなどで氷河急行でなくローカルに乗る行程は見たことがない) 
世界中の観光客が押し寄せるのだから車内はさぞ混雑することだろう。
ローカルと急行という名の差はあれ、所要時間はほとんど変わらない。車輌増結や機関車付け替えなどの停車で、逆に
ローカルの方が速いということも多いくらいなのだ。空いてるローカルなら、景色に応じて自由に左右の座席を移動することが
出来るし、夏の繁忙期に利用される方はローカル列車も選択肢に入れられてはいかがでしょうか。


U.ブリック(Brig)の街とホテル紹介
ブリック市街の中心広場右が国鉄駅の駅舎。ツェルマット方面私鉄駅とは隣り合ってる
ブリックの中心広場周辺ブリックでは次の列車の接続時間が1時間半あったため、街中を散歩してみた。
荷物を引きずりながらなので、街のセンターサークル(広場)まで歩くくらいがせいぜい
だったが、広場周辺は中世そのままの街といった佇まい。日曜日のせいか、あるいは
いつもそうなのか駅前から広場に至ってはほとんど人気がなかったものの、広場を
囲むいくつかのカフェには人が集い、談笑したり読書したり。こうした風景はスネガを
はじめマッターホルンエリア各所で見慣れた光景となりました。

ブリックはスイス・イタリア・フランスを結ぶ数少ないアルプス越えの要衝として、はるか
ローマ時代の昔から交易で栄えた街。数々の為政者を抱き、中世は特に華やいだ
欧州屈指の街だったに違いないでしょう。今では空路をはじめ物流手段が発達し、
この街はその中の一つのルートに過ぎず加えて単なる通過点となったおかげで
発展から取り残され、時が止まったような広場周辺の穏やかな佇まいが残されてる
のでしょう。時間があれば、是非ぶらりと歩いてほしい所です。

ここでブリック駅前の便利なホテルを2軒紹介しましょう。
僕らのように短い日数でマッターホルン旅行を企画される方もいると思います。そんな
強行スケジュールの場合、とにかく滑る時間を作りたい=初日からツェルマットに
入りたいと考えるのは必然ですが。。。現状のヨーロッパ線のダイヤを考えると非常に
厳しい。飛行機が遅れることもあれば、荷物のピックアップ・入管に手間取ることも
あります。強引にツェルマットのホテルを予約しても、到着できなかった場合の1泊分の
チャージは馬鹿にならないです。
ではどこまでならほぼ確実に辿り着けるか? それがこのブリック。
ミラノ経由の場合、現状のダイヤと空港から駅までのアクセス時間を考慮すると絶望的ですが、チューリッヒやジュネーヴ空港に
降り立った場合は空港駅直結ですから、よほどイレギュラーなことが起こらない限り終電には間に合います。ブリックに
泊まってさえいれば、翌朝からスキーを楽しむことが可能!
ということで僕らも旅行前にブリックのホテル情報を探しましたが、詳しい立地までは調べきれず。ホテルが駅から離れてる
場合、到着が深夜にかかることからタクシーが常時待機してるのかという心配もあって、今回はチューリッヒステイにしたという
経緯がありました。
ということで今回駅前のホテルをチェックしてきました。
ホテルヴィクトリアとツェルマット方面行き列車のホーム
@ホテル・ヴィクトリア  http://www.hotels-suisse.ch/minotel-415/minotel-415-en.htm

これ以上ないという最高の立地。写真を見れば一目瞭然ですね。
お城のような瀟洒な洋館がホテルヴィクトリア。すぐ右側の赤い列車が
マッターホルン・ゴッタルド鉄道駅です。
まさかこんな地方に世界的チェーンの系列ホテルがあるとは・・・。
ベストウエスタンですから高望みは出来ませんが、寝るだけですし^^

Aホテル・ヨーロッパ  http://www.hotel-europe-brig.ch

写真でホテルヴィクトリアの4軒ほど先に写ってる5階建てくらいの建物が
このホテルです。あくまで外観だけの判断ですが、ヴィクトリアよりはこちら
の方が安そう。ただ、フロントに行っても誰もいないし閑散としてるので、
深夜に到着の場合はその旨の確認が必要かも^^ 
怪しそうなホテルじゃありません。


V.ブリック(Brig)からミラノへ

   ブリック 13:20→15:35 ミラノ

スイス・ミラノ直通インターシティスイスからイタリアへ国境をまたいで走るインターシティが2時間おきに
走ってる。所要時間でわかる通りミラノは近い。朝の3本はイタリアの誇る
振り子形高速列車を利用してる為、1時間47分でミラノまで走り抜けて
しまう。
ブリックを出るとすぐにアルプス越えの19.8キロという長い長い国境越え
トンネルに入る。係官がパスポートチェックに来るがスタンプはなし。
トンネルを出ると右側の車窓がいい。深い山あいの景色を楽しめる。
最初の停車駅ドモドッソラ(Domodossola)。スイスカードは国境駅までの
通用なので、ここからミラノまでは別料金となる。差額は一人約2,500円
(一等)、ツェルマット駅で購入可能でした。
ドモドッソラから先は左側の車窓がお薦め。風光明媚な湖沿いを走り、
高級リゾートの洋館の数々が見え隠れします。ブリックーミラノ間における
方向転換はありません。
おそらくマッターホルンエリアに旅行される方がミラノをゲートウェイにされる
ことは少ないと思うので、この区間のレポートはこれでお終い。
はしょりすぎかな?
なお、なお、一等二等の座席仕様はスイス内インターシティと同じですので
こちらを参照下さい。


W.旅の終わりに(ミラノにて)
ドゥオモ周辺の街並み城内でのパレード薄曇の暗く寂しいミラノの街でホッとさせられた城内でのパレードドゥオモ近くのショッピングアーケード
ミラノの代名詞 ドゥオモ
ミラノ到着の翌日、日本に向けて飛び立ちました。夜9時過ぎの便なので、
この日はミラノの街を歩き回りました。ドゥオモやスフォルツェスコ城などの
名所を訪れ、世界に轟くファッションストリートを歩いたりしましたが、
やっぱり人工物は人工物。何ともいえない心寂しさを覚えました。
アルプスの山々と氷河の連なり、雄大な自然の息吹の中で凛とそそり立つ
荘厳なまでの美しさは、僕らの脳裏に焼き付いて離れないのです。
スキーばかりでない幾多の旅行の中で、僕らにとってこのマッターホルン
への旅が人生最高の感動と衝撃と断言できる旅となりました。この感動を
サイトをご覧の皆にも是非味わってほしい。皆のマッターホルン旅行が
より充実したものになるよう手助けをしたい、その想いで相当詳しくこの
スキー旅行をレポートしました。
長々とお付き合い頂いた皆に感謝。

なお、次章からはホテル紹介など実用ガイド編を進めてまいります。



第五章 実用編 スキーシーズンおよびホテルの選び方 につづく

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