【げっぷで最後の大行進】

外観は美しいが中は荒廃しきっているウインズ浅草前で、人数確認及び記念撮影。他人と自分との境目がないバリアフリーなオヤジたちが、興味津々で説明に混じってくる。
オヤジとしゃべってみたい誘惑を断ち切り、スポット16・20号134〜136PげっぷでGO!最後の大行進の道である、国際通り〜吉原へ行く。
ここを歩くに当たって、「げっぷが出た人を記念撮影」というルールが発布された。今までもポイントごとに、こういうちょっとしたイベントはあったが、私が興味ないため書いてない。
私はめったにげっぷが出ないから安心して歩いていると、かおるちゃん携帯に参加者の笹井さんから電話がくる。さっき人数確認をしたはずなのに、笹井さんを置いてきてしまったらしい。そういえば宮野さんは「誰か足りないような…」と言っていたが、ここへ来るまで自然発生的に何チームかができており、全員揃ってる気がしていた。でも笹井さんは置いていかれたので、どこのチームにも入れてもらえなかったことがわかった。
塔島さんが「げっぷしながらゆっくり行きましょう」と声をかけ、それに応えるように最初のげっぷをしたのは、スタッフの角田さんだった。「げっぷ出ました」と申告する角田さんを、ほかの19人が次々と撮影。
美人な角田さんなので、通行人は「アイドル?」などと囁いていた。確かに、囲んでる人たちはアイドルオタクにも似た雰囲気だったかもしれない。
角田さんは辞書の編集をしている人で、今回、営業スタッフとして臨時加入している。辞書は編集にとても時間がかかり、現在27歳の角田さんは「この仕事終わる頃は32歳か…って…」思うそうだ。
花園通りに入り、こないだ吉原散歩で得たウンチクを自慢(おはぐろドブだったとか)し、ちょびっとだけガイドができた! と自己満足した。

【尾行で行方不明者続出】

吉原大門から上46系統 上野松坂屋前行きのバスに乗り、スポット17・7号トビラ上野公園西郷像前の国原さんに向かう。
国原さんは以前、車掌のスタッフで7号の表紙にもなった人で、本日最後のスポットに本人が来てるという。でも国原さんは時間とかを全然守らないから、本当に来てるかどうだか賭けた。
間をはしょると国原さんはちゃんと時間通りに来ていて、そのあといつもの記念撮影以外に、国原さんによる参加者の撮影とか、参加者によるスタッフの撮影とか、そういうことをやった。
私はこういうダラダラした交流が嫌いなので、時間のムダだと思った。でも時間のムダとか言ったら、今までやってきた2003年車掌の旅そのものがムダになるから、そう思ったことは打ち消す。
ムダ時間を過ぎ、あと尾行をすれば終わりというところまでこぎつけた。
「尾行」とは車掌の人気企画の一つで、尾行すると決めた「標的」を、どこまでもいつまでも尾行し続け、その詳細を勝手に記事にするというもの。
今回の尾行は、名簿順に1人3分限定のショート尾行だからラクラクだ。尾行の標的は「西郷像前にあるゴミ箱にゴミを捨てた人」と決定する。
みんなでじーっと見張ってもなかなか標的は現れない。6分ぐらいしてやっと来たーと思ったらそれはゴミ回収の人。標的の定義と逆なので、あーやっぱアカンなあと思ったら、かおるちゃんが「いま子どもが紙コップを捨てました!」と報告、18時12分に尾行開始。
標的は母親・兄とともに上野公園に遊びに来たらしい、推定5歳ぐらいの男の子だ。宮野さんが「母親がケンちゃんと言ってました」と重要報告。
標的はぶらぶら遊んでおり、あまり移動する様子はない。このまま30分ぐらい遊んでくれたら楽だなー。
だが標的(とその家族)はおもむろに公園から出て行った。
標的の後ろを尾行チームが、その後ろを参加者がゾロゾロ歩くという二層構造の尾行が始まった。常磐線とか乗られたらヤダな、と思ったら標的はアメ横に向かった。
誘導係の私は時間を計りながら「3分経ったので次は佐藤さんですよっ!」とか、「もうすぐ時間だからもっと前に行って!」とか、参加者に気を配りながら標的を見失わないようにする。ラクラクどころか、普通に尾行するより何倍も大変だ。
しかも18時20分頃には、気付いたら参加者が5人ぐらいになってしまった。塔島さんもいない。中通りとの二又道ではぐれてしまったらしい。慌てて伊藤さんの携帯に電話したり、「とりあえずいる人で続けて下さい!」などと指令を出す。

なんて書くと私がとても働き者であるかのようだが、途中でずっと探してた「檜の香りの泥炭石鹸」を見つけて購入。定価680円がなんと490円。さすがアメ横は安いなあー。
18時30分過ぎ、標的(というか母親)が「御徒町センター」に入ったきり出てこない。その間、あちこちにはぐれてしまった参加者が集まった。ありがとう、ケンちゃん(のお母さん)。だけど笹井さんは消え去った。
あまりにも標的(の母親)が化粧品選びに時間を食い、とにかく3分で終わる尾行チームはただじっと御徒町センターで標的を観察し続けるのみ。尾行終了まではあと2分ぐらい、もはや消化試合の如くダラけきった私は、早く終わって帰りたいということしか考えていなかった。

ところが終了間際、標的(の母親)が買い物を終え、御徒町駅に向かってしまった!
わーどうしようとうろたえつつ、全員がゾロゾロと御徒町駅へ。塔島さんが標的の後ろについて切符購入額を確認すると、なんと380円!と、遠い…。「どうしよう?」と言ってたら誰かが「でもあと1分ぐらいで終わりですよね」と発言。あっ、そうかー。この尾行にはタイムアップがあったことを忘れていた
塔島さんとか、あと誰か4〜5人が御徒町駅に入場し、残りの人は改札外で待っていた。そして終わった時間は忘れたけど、19時ぐらいにとうとう終了!!! やったあ〜!
いなくなっていた笹井さんも合流し、そのへんの「Enjoy天狗」で打ち上げ。それはまあまあ楽しく、「スズキミワ」という名の店員さんが偶然いて宮野さんが喜んだり、笹井さんは酒も飲まずに泥酔した人みたいになってたり、坂野さんがまたアンパンマンの話をしたりしたが、もはや書く気力はない。本日の功労賞は宮野さんだ。そして坂野さんはアンパンマンが好きだと思った。
22時、ちょうど開始から12時間後。
1人2200円を支払って「2003年 車掌の旅」は終わった。あー疲れた。収穫もそれなりにあったけど、二度と行きたくない旅でした。


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