【車掌賞グランプリ認定証】

業平橋ではスポット11・19号80P車掌賞第80回グランプリの業平橋駅前の交差点と、スポット12・同81P車掌賞第81回グランプリの3人のお地蔵様及び、スポット13・同82P車掌賞第82回グランプリの業平橋駅と業平駅という3つのスポットをいっぺんに見られる。
3個いっぺんに消化できて嬉しい、と思うのは足にキテるということだ。業平橋に向かう間、読者というか車掌の大ファンである志村さんとおしゃべりする。
志村さんは、なんと郵便局の配達員。なのに、私がこのごろ気になっている風景印のことはよく知らないと言う。本当に風景印はマイナー趣味。でも風景印を押してもらいに郵便局を歩く「局めぐ」は、絶対やりたい散歩のひとつ。
志村さんは公務員にふさわしい清潔なルックスと美しい言葉遣い、さらに車掌のバックナンバーを1万円も出して買ったという、読者の鑑のような人だ。なんでも神保町には、車掌のバックナンバーを6千円で売ってる古本屋があるという。「疲れました?」と訊ねたら、はにかみつつ「いつも車掌を探しに古本屋を歩き回るので、歩き慣れてます」と答えた。郵便配達で…じゃなく、車掌探しで歩き慣れてるという点が鑑だ。
説明を聞いたのち、参加者があらかじめ用意してきた「グランプリ認定証」をお地蔵様や交差点に貼る。お地蔵様用の認定証は、お供え物のフリをしたモノが多かった。ていうか、お供え物自体神様の霊験に対する認定証だろう。
お地蔵様と交差点の間に古本屋があったので、記念に50円でアラン・シリトーの「土曜の夜と日曜の朝」を買う。げんざい読み中だが、内容を一口に言えば自分をあやしながら厳しい労働をしのぐ青年の物語で、車掌の旅の記念にはピッタリだった。

【後悔だらけの浅草観音温泉】

住宅街を脱し、ようやく繁華街・浅草へ。ずっと「2003年 車掌の旅」の旗が道行く人々に注目され続けてきたが、浅草ではあまり気にされないようだ。本当に都会は素晴らしい。
浅草ではスポット14・8号尾行の舞台である「ふくちゃん」や「常盤堂」や「一品香」を自由見学したり、上野で使う賭けの対象品を購入したあとスポット15・8号4〜6P尾行の舞台のウインズ浅草へ16時20分に集合。やった、自由時間だ!
私はもう足&汗が限界に来ており、まえあんぱん団!のトビラにしていた浅草観音温泉に行こうと決めていた。
私は去年から、ロケハンで疲れると通りすがりの銭湯に30分ぐらい入ることにしている。喫茶店より安いし、足の疲れにてきめん効果があるからだ。
あと浅草観音温泉は、あんな外観だもん中味もきっとすごくボロいに決まってるから、一度は入らなければと思っていた。あと15分ぐらいで集合時間だというのに、意匠堂さんを誘って入ってみた。入泉料700円、貸しタオル150円(うち100円は保証料として返金)。昭和32年建築の風呂は、期待通りものすごくボロかった。
すごーく天井が高くてだだっぴろく、湯ぶねも1個しかない。もしかして観光客で混んでるかな? と思ったが、近くのROXにはまつり湯というスーパー銭湯があるせいか、客は婆さんばかり。
それにしてもレジャーブームの頃にできたジャングル風呂みたい。大感激! あー、廃墟好き(たぶん)の三本さんも誘えばよかった…と後悔した。辛い辛い車掌の旅だが、ここに入れただけでも収穫だと思い込むことにした。
よく考えてみれば、いつものロケハン旅に比べれば歩く距離も短く、何より「ネタないかネタ!」と血まなこになる必要がない。住所確認もメモもいらないし、楽ちんなはずなのに、なんでこう疲れてるんだろう?
たぶん時間で動いてて、任務を遂行しなければならないという強制感で気疲れするのだと思った。ポイントごとに自由時間があればなあ〜。ていうか、もっと風呂につかっていたいなあ〜。
買い物なんかちゃっちゃとすませて、ここに突入しちゃえばよかったなあ〜。と立て続けに後悔した。
上記ぐらいの内容を考えたらもう上がる時間だ。正味5分入浴。
汗でベトベトの服を着るのは心底気持ち悪く、なぜTシャツを持ってこなかったのか、また後悔した。さらに、5分では汗が噴き出すだけで逆効果だったような気もして、それも後悔だった。  車掌の旅終焉の地へ→


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