国貞 北廓月の夜桜

玉ノ井・吉原 遊郭散歩




【南千住はコツ通り】

ここんとこ、趣味で散歩をしてないなあ。ふと思ったら、どーしても散歩がしたくなったので吉原に行った。
なんで吉原に行ったかといえば、こないだ歩いた長者町〜野毛がヘンな町だったから、風俗街はヘンかもしれないと思った。でも「吉原」がどこにあるか知らない。なんか浅草だか千住の近くだった気がする。
地図を見ても「吉原」なんて地名はないけど、千束に「吉原大門」という交差点や「吉原神社」があるからきっとそこが「吉原」だ。
そう思って常磐線で南千住駅へ行った。

常磐線を降りると、駅前はなにやら工事をしている…あっつくばエクスプレスか! そのせいかわからないけど、駅の東側はウォーターフロントぽく開発され、高層マンションが立ち並んでいる。アクロシティとかリバーハープとか、そういう名前。億ションもあるらしい。
駅の西側はせまぜましい住宅街。ちっこい駅なのに客待ちタクシーが並んでる。若い女性の一人客がどんどん乗るとこ見ると、出勤されるおねーさんユースかもしれない。タバコ屋の上に「手荷物預り所」という看板があった。誰のためのクロークか謎。

駅前から大通りに出ると地図では「吉野通り」になっている。しかし地元では「コツ通り」らしい。このコツはのことだ。小塚ッ原刑場や回向院があって、地面をちょっと掘り返すと人骨がざくざく出てくるからコツ通り。
あと、江戸時代は吉原=ナカに対して、千住=コツと呼んだらしい。
骨なんて縁起悪いのに商店街の名前として採用し、揃いのバナーまで作るとは。
でも、縄文時代の骨だと喜ぶくせに江戸時代の骨を怖がるのは、骨差別だ。コツ通り商店街の人たちは、骨差別に敢然と立ち向かっている。えらいなあ。
などとムリヤリ思い込もうとしたが、やっぱり変わった名前ですコツ通り。「白骨温泉」というのもおっかないけど、コツ通りもおっかない。

コツ通りには架空線があった。架空の線だから本当には線はない。でも注意を呼びかけてる。赤線青線架空線。
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