佐野元春(なりきり) in 追浜
〜 なりきり激情 第5弾 in ぼっけもん〜

2018年2月3日(SAT)
追浜 フォーク酒場ぼっけもん



大陸から押し寄せている史上最強と言われる寒波が長いこと居座り、すっかり冷え込んでしまっている日本列島だが、この日、追浜のフォーク酒場ぼっけもんは、そんな寒さを吹き飛ばすが如く熱く熱く盛り上がっていた。
JULYの相方・ちいさんプロデュースによる大好評企画「なりきり激情」の第5弾が、前回から9ヵ月ぶりに満を持して開催されたからだ。
その熱狂ぶりは、いつの頃からかタイトルの「劇場」が「激情」に変わってしまっている事で計り知れよう。

第1弾の模様はこちら
第2弾の模様はこちら
第3弾の模様はこちら
第4弾の模様はこちら

今回は新たな試みも加えた為、集結したなりきりミュージシャンの数は史上最多、のべ31組となる。
ちいさん作の気合の入ったプログラムを見ていただくと判るように、(これが全て本物だったら)実に豪華な面々である。



定刻の午後1時、プレゼンター・ちいさんの挨拶で、長い長い宴の幕が切って落とされる。
プログラムに書かれている「スペシャルゲスト」が誰なのか、新コーナー「あの人のあの一曲」って何をやらかしてくれるのか・・・等々、ワクワク感をそそる演出は流石だが、客席の片隅に陣取っている、どうにも場違いなオッサンにも目を奪われる。(笑)
いや、今回のなりきり激情、スタート前からいつもとちょっと違う空気が漂っている。

今回も前回同様、対戦形式でステージが進行する。
まずは、無期限休養中の「山本潤子」と、今回唯一の海外アーティスト「Joan Baez」という、女性同士の対決。
潤子さんは、黄泉の国からご主人の俊彦さんを呼び出してサポートにつける。
一方のJoan Baezさんは、懐かしい名曲をリストアップして会場のシルバー世代を唸らせる。(笑)

(なりきり)山本潤子

(なりきり)Joan Baez
第2回戦は、ある意味「師弟」対決といったところか。
先攻するのは、ここ数年は話題に事欠かない道産子の「玉置浩二」。
後攻は宇宙的頭脳を持った実力派ミュージシャン「井上陽水」。
お二方とも凡人には理解できない言動が多いが、どちらも音楽のクオリティは最高だ。

(なりきり)玉置浩二

(なりきり)井上陽水
3組目の対戦は、再び熱き女の戦い!?
先攻した「チェリッシュの悦ちゃん」、写真には写っていないが、当然隣ではご主人の松崎君がサポートしている。
後攻の「あべ静江」は「お元気ですか?〜」で始まるセリフで会場の男どもを悩殺。(笑)
どちらもその透き通る歌声は健在で、眼を閉じて聴いていると、若かりし頃の美貌が瞼の裏に蘇る。

(なりきり)チェリッシュ・悦ちゃん

(なりきり)あべ静江

4組目は、若い女性に人気のこのお二人!
毎回この手のなりきりはブーイング必至だが、それを覚悟でステージに上がる度胸と根性は称賛に値する。
先攻の「福山雅治」、後攻の「山崎まさよし」、共に眼を閉じて聴いていただきたいステージだ。(笑)

(なりきり)福山雅治

(なりきり)山崎まさよし
続いて、なりきり激情ならではの対戦!
この日の為にわざわざあの世から舞い戻って来たお二人、48歳という若さでこの世を去った「川島英五」と、知る人ぞ知るフォークの大御所「加川良」の一騎打ちだ。
こうしてお二方の演奏を聴いていると、「惜しい人を亡くした」という言葉が身につまされる。
対戦の後は、仲良くあの世行きの飛行機で冥界へ帰っていったそうな。(笑)

(なりきり)川島英五

(なりきり)加川良

以上の5組をもって前半の対戦が終了
そして、ここで満を持して会場の片隅にいた「場違いなオッサン」がステージに上がる。

(なりきり)加藤茶

なんと!このオッサン、本日のスペシャルゲスト「加藤茶」だったのだ。
写真には写っていないが、足にゲタを履いての登場で、120%究極のなりきり度!
たった2曲の為に惜しげもなくお金をつぎ込んだパフォーマンスは、まさになりきり激情の真髄!
勿論ただふざけているだけではなく、音楽だって気を抜かない。「カトちゃん、ぺっ」のネタもぶち込む圧巻のステージは、間違いなく今回のなりきり大賞だろう。

カトちゃんが会場を大いに盛り上げてくれた後は、今回始まった新企画、「あの人のあの一曲」コーナーに突入する。
まぁ早い話「一発屋」の皆さんが集合した訳だが、この言葉はそのアーティストをリスペクトする方にとってあまり響きがよろしくないので、気を遣ってこの企画名にした次第。(笑)
正直、何方がいらっしゃるのか判らなかったのだが、始めてみると、中には何曲かヒット曲を持つお方もいたので、結果的にこの企画名にして正解だったかも。
このコーナーの進行は、ゆきちゃんが担当。
以下、駆けつけてくれた全ての一発屋さんたち。


三善英史 「雨」

五十嵐浩晃 「ペガサスの朝」

小林明子 「恋におちて」

中西保志 「最後の雨」

伊藤敏博 「サヨナラ模様」

城みちる 「イルカに乗った少年」

雅夢 「愛はかげろう」

岸田智史 「君の朝」

ジュディ・オング 「魅せられて」

竹原ピストル 「浅草キッド」

チョー・ヨンピル 「釜山港へ帰れ」

大塚博堂 「旅でもしようか」

クリスタルキング 「大都会」

一発屋・・・いや、「あの人のあの一曲」コーナーが終わると後半戦に突入する予定だったのだが、ここであの大物ゲストが!

(なりきり)松山千春

前回同様、予告なく会場にフラッとやって来たのは、北海道の星「松山千春」。
この方が会場にいるのに、周りが黙っているはずがない。
当然ながら今回も無理無理ステージ上げられてしまった訳だが、嫌な顔ひとつ見せず、むしろいつもにも増して心を込めた熱唱をしてくれた千春さん、やっぱり超一流のエンターテイナーだ。

松山千春がステージを降りると、間髪入れず後半戦のスタート。
まずはフォーク界の大御所2人のバトル。
直前まで衣装に苦労したという「小椋佳」は、珍しくちょっと緊張気味?
一方、髪が自然増毛したと喜んでいる「谷村新司」は、流石に余裕のステージで、対照的な対戦となった。

(なりきり)小椋佳

(なりきり)谷村新司
後半2組目は、美人の奥様を持つこのお二人。
「相棒」のヒットで役者業が乗りに乗っている「水谷豊」は、喉の調子が悪く、残念ながら1曲のみの演奏。
一方の「山下達郎」は、一瞬ムッシュかまやつが冥界から舞い戻って来たかと思える風貌で登場。
言うまでもなく、どちらも演奏のクオリティは最高!

(なりきり)水谷豊

(なりきり)山下達郎
そしてこの日最後の対決は、東西のカッコいいミュージシャン対決!
・・・と言うと、またあちこちからクレームが入る可能性が高いが。(爆)

まずは、東のカッコいいうミュージシャン代表として、私「佐野元春」がステージに上がる。
過去5回のなりきりで、最も難易度の高いアーティストだと言っても過言ではない。
にも拘らず、前日まで諸事情によりアルコール断ちをしていた体に、延々4時間以上焼酎を流し込んでしまったせいか、声もギターも覚束ない状況だったが、そこは稀代の天才的ミュージシャン!?
ステージに上がったらシャキッとしてしまうから不思議だ。(笑)

(なりきり)佐野元春
気持ち良く予定の2曲を演奏し、追浜の夜にめでたく昇天!


(なりきり)桑名正博

そしてこのライブの大トリを取ったのは、西のカッコいいミュージシャン代表、「桑名正博」だ。
前出の数名のミュージシャンと共にこの世に舞い戻ってくれた。
あの世に行って随分と声が太くなった感もあるが、その堂々とした唄いっぷりは健在!
しかしこの風貌、どうしても嘉門感が抜けないように感じてしまうのは、果たして私だけだろうか。(笑)

こうして全ての演奏が終わり、延々5時間にも及んだライブは大盛況のうちにその幕を降ろした。
休憩なしのぶっ続けだったのにも関わらず、なんとこの5時間が早く感じた事か!
いやいや、やっぱりこの企画は最高だ。
毎回いろんなネタを仕込んできてくれる出演者の皆さん、本当にお疲れ様!
お陰で今回も大いに笑い、大いに飲み、日頃のストレスを思いっきり発散できました。

もうネタが無い!
は合言葉のようなものかな?
きっとみんな次回も更に楽しいネタを仕込んできてくれるに違いない!・・・と確信した今回のなりきり激情だった。

企画してくれたちいさん、ぼっけもんの靖さん、みよちゃん、そして最初から最後まで一緒に遊んでくれた音楽仲間の皆さん、
メチャ楽しかった!
ありがとー!!



■演奏曲目

■競演

(なりきり)佐野元春

 ガラスのジェネレーション

 SOMEDAY


(なりきり)岸田智史

 きみの朝


山本潤子 (ゆき)

Joan Baez (ちい)

玉置浩二 (マーチン盛本)

井上陽水 (チャンベカン)

チェリッシュ・悦ちゃん (くみ)

あべ静江 (abi)

福山雅治 (台湾のかず)

山崎まさよし (駄美)

川島英五 (まっちゃん)

加川良 (JUN)

加藤茶 (ジョエル)

三善英史 (台湾のかず)

五十嵐浩晃 (Toshi)

小林明子 (みよっち)

中西保志 (よし)

伊藤敏博 (まっちゃん)

城みちる (小西)

雅夢 (緑川&靖)

ジュディ・オング (ちい)

竹原ピストル (マーチン盛本)

チョー・ヨンピル (チャンベカン)

大塚博堂 (駄美)

クリスタルキング (靖&みよっち)

松山千春 (緑川)

小椋佳 (Toshi)

谷村新司 (よし)

水谷豊 (ゾンピー)

山下達郎 (靖)

桑名正博 (小西)





 ライブレポート表紙に戻る