1級クラスは15人ほど。20代くらいの若い講師と50過ぎのおじさん講師2名が担当。滑りにより
班分けされるかと思いきや何と年齢別! 僕は・・・爺婆班に。。。 でもおじさん講師にあたったから
よかった^^(何故かはここみてね)

「最初は足慣らしで滑ってみましょう」の言葉と裏腹に、いきなり連れてかれたのはダウンヒルコース。30度のコブコブが
待っている。ヒエ〜〜〜〜〜 いつもなら壁の半分に圧雪が入ってるのだが、今日は全く入ってない。
全然足慣らしにならんっ!
「どうせ滑るんなら、1級検定の斜面滑らなきゃ意味ないでしょ」 そりゃそうなんだが。
不整地大嫌いで必ず避けて通る僕にとって、コブを滑るのはこれが今シーズン始めて。まともに下りれるわけがない。
思いっきり後傾ーお尻が落ちるー板が操れないー何とか曲がってもそのままシャリーンと板が突っ走るーぼこぼこ斜面の
斜滑降で最後は悲鳴・・・ ぎゃぁぁぁぁ
こんなんじゃ迷惑かけると思いきや、みんなも似たようなもんだった。おばちゃんなんか頭から派手に転んでるし。
他人の不幸は喜ばないが、このクラスなら何とかやっていけそうと不安は一掃されたのだ。それだけでこの足慣らし(?)に
意味はあった。
しっかし去年同様すっごくいい雪。今朝は悪天候に強風が重なって、スキー場の営業が出来るか危ぶまれた状態だった
らしい。国際に来る途中はずっと大雨で、滑れてもひどい状態になってると覚悟したのだが、朝里ダムを越えた辺りから
みぞれに変わり、スキー場では完全に雪に変わっていた。さすがは北海道でも有数の豪雪地帯と感心したものだ。
レッスン開始の頃になると雪も風もすっかりおさまって3月下旬にして信じられないふかふか状態のコースとなっていたのだ。
次のゴンドラは全員一緒に搭乗。講師1人に受講生7人の総勢8名なので、8人乗りゴンドラ貸切状態。講師の音頭で
自己紹介が始まった。爺婆組なので年配者が多く、女性は還暦近い方と50過ぎの2名。男性は一人が学生で、
残りは全員(?)40オーバー。札幌近郊組が多いと思いきや、大分・岡山・東京と、半数以上が道外だったことに驚き。
世代がバラバラだったせいか、3日間話の絶えないとてもアットホームなクラスだった。
1級クラスということは皆さん2級をお持ちなわけだが、札幌国際の2級のレベルは既に別ページで紹介した通り。(
ここみて)

が、幸い今回のクラスにこれでほんとに2級? という方はいなかった。講師がかっ飛ばせ〜〜と
騒ぐと、おばちゃんたちもエンジン全開。最年長の還暦女性は止まれず雪壁に突っ込むという技を
2度も披露してくれた^^ 去年の2級クラスのおばちゃんとは大違いだ!
といって2級レベルを凌駕し1級間近と思われる方もいなかったので、それが今回どうしても1級
というガツガツした雰囲気が漂わなかったのかもしれない。
ともあれ1級クラスのせいか、2日間通じてF講師は基礎練習を反復したり、個別の技術について
口やかましく言うようなことはなかった。滑りを見て思いつく点をいくつか指摘し、その中で各自が
納得し、自分に合ってると思われるものを自分で取り込んでくださいという、いわば大人の講習
というべきものだ。但し、皆に口酸っぱく繰り返してたのがスキーに乗るポジション。
膝をスネにあてて足を前に傾けられるだけ傾けろというものだ。このサイトの読者の方なら、
「ん? どこかで聞いたことあるぞ」ってなもんですよね。そう、黒姫と全く同じだ。ということは、
かぐらや八方とは正反対ということで。
さて、僕自身はこのスネあて前傾というレクチャーには悩まされた。今までのスキー日記にある通り、僕のスクールスタイルは
スネあて前傾を辿ってきた。かぐらや八方でかかとに乗りなさいと言われた時はパニックになりつつも、こりゃ自分には
合わんと無視を決め込んだ。それほどにスネあて前傾神話を信じていたのだが、今年2月の中里スキー学校での鈴木校長の
教えと滑りが衝撃的だった。無視できない筋道だった論理的なレクチャーと、どんな滑りでも瞬間模写してしまう卓越した技術力、何よりもかっこよすぎる滑り方。すっかり惚れこんだ僕は、これからは中里スタイルで行こうと誓ったのだ。
その中里で、スネあて前傾は100%否定された。詳しくは
中里スクールのページを参照してほしい。
身体を軸にして、腰から下を∞を描くように廻旋運動でスキーを廻し込む。その際はスキーをずらすのではなく、
親指を踏み込んで輪を描くように削って押す! スネに力をあてて思いっきり前傾しようもんなら、足首や足の甲には
力が加わるかもしれないが、親指自体で踏んで削ることが出来ないじゃないか!
この中里の滑りを何とか身に付けたいとこの1ヶ月練習してきたが、廻旋運動で板を身体より先に廻しこもうとする際に、
どうしても後傾になってしまうのだ。板を前に走らそうと思う余りに腰から下を先に出す=上体が遅れてしまう。
F講師はその後傾ポジションが気になって、膝スネ前傾と口を酸っぱくしてるのだろう。
「そりゃわかるんだよぉ。でも、元に戻したら何の意味がないんだ。このスタイルで後傾しないように矯正していかないと
いけないんですぅ」
そう叫びたい気持ちだったが、そんな心境を説明するにはこのサイトの2年の歴史を振り返ってもらわなければならないし^^
面白山や黒姫のI講師の時と違ってこのF講師は素敵な先生だっただけに無視を決め込むのが辛い。。。で、たま〜に
スネあて前傾で滑って良い生徒を装ったりするのだが、その後「何やってんだぁ」と自己嫌悪に陥るのであった。
これはこの日ばかりでなく、3日間のレッスン中 終始悩まされたことでした。
この集中レッスンは千円分のランチ券に加えドリンク券もついてる。昨年はランチは勝手にとるスタイルだったが、
今年はF講師も一緒になってみんなでお食事となった。年齢がバラバラだったことや、華になるおばちゃんたちが
陽気だった事がアットホームな雰囲気を盛上げてくれた。思えば男性陣だって、春休み期間中だというのに
家族をほっぽいて自分だけスキーに来ちゃって楽しんでる人達の集まりなんだから暗いわけがない^^
3日目
今日も快晴。昨日までと違うのは前夜に雪が全く降らなかったことと、気温が上昇し、雪の状態が時間が経つにつれ悪化していったこと。初日と2日目が最高で3日目が悪化したのは、偶然とはいえ去年と全く同じだ。
検定前にゴンドラ2本使って事前に滑ることが出来る。こんな親切な事前講習のある検定って他にあるんだろうか?
11時からいよいよ1級検定初挑戦。八方で2級に完敗してる男が1級を受けるなんて不思議といえば不思議。
昨年は1・2級とも同じ検定員が務めた為、1・2級が同時に斜面を移動しながらテストが行われたが、今年は
1級と2級別個だった。したがってコブ不整地を転がりながら落ちてく様を2級の人達に見られなくてすむわけで、
このプレッシャーから逃れられるだけでも大きい。
検定員はゴール地点に3名。去年はスタート地点にも検定員がいたが、今年はない。
1級検定は整地の小回り・中回り・大回り・フリー滑降、不整地小回りの5種目。合計が350点以上で合格となる。

最初は大回り。ダウンヒルコースのコブ斜面を下りたところがスタート地点。
フリー滑降と共に僕の最も得意&好きな種目だ。直滑降でスピードを稼いで
プレターンに入ったが、昨日と違って雪が溶けてスピードに乗っていけない。
が、それはしょうがないことだ。自分ではうまくまとめた(つもり)。
ターンの時、アンギレーション癖が出て身体が「くの字」にならないよう
(腰が外れないよう)にすることだけ意識して滑った。
続いてコース最下部にある中斜面に移動しての整地小回り。
ここではテールコントロールでスキーを回しこむのではなく、カービング要素を使って
高速で身体の重心移動だけで直線的に落ちて行きなさいというのが教えだった。
廻し込むのが苦手でかつ暴走癖のある僕としては、その滑り方も今日の溶け気味の
スピードの乗らない雪は小回りにはもってこいだった。ヨシヨシ、うまく乗り切れたかな。
一方我が班で最も1級に近いと思われるT君の小回りはメリハリなく、ただスピードに
任せて下りてきてるように思えた。本人はまぁまぁですと言ってたけど、
やはり自分の感触と見た目というのは違うもんだから判断は難しい。
再度ゴンドラに乗って再びダウンヒルコースへ。いよいよ不整地小回りだ。。。
もう語るに及ぶまい。やっぱりダメだった。自分の今の実力が忠実に反映されて
しまった。せめて失点を小さくしたかったが、後半後ろからずり落ちて一回転、
手を付いてしまった。あぁやっちゃった〜
去年1壁下で1級班の不整地小回りを眺めていた時の感想を引っ張ってこよう。
>>1壁下で、1級班の小回り検定を眺める。
>>うーむ、みんなへたっぴだ。最初の一人はコブをきれいに回り込んで決めてたが、あとの人は板を持ってかれたりずり落ちたり。
>>さすがに暴走してる人はいなかったけど。僕の1級検定のイメージには程遠いレベル内容だった。
まさに今の自分がそうじゃないか、、、予想できたこととはいえ、かなり情けなかった。。。
続いて先ほど大回りをした斜面でフリー滑降。フリーは演技だ。とにかくかっ飛ばして気持ちよ〜く滑れば、見てても決まるもんだ!
という教えに従い・・・と行きたいが、雪の状況が許さない。スピードに乗るまで加速したら直滑降で演技が終わってしまう。
今の僕の技術では、この雪できっちりターンを決めたらスピードがほんとに落ちてしまう。結果浅周りで下りていったが、ほんとにターンに
なってたか(綺麗に弧を描いていたか)疑問が残った。
最後は先ほど小回りをした斜面で中回り。僕は能動的に中回りをする実力はない。というのも、コンディションのいい雪の中で
ターンの時下半身を倒しこみ、外板が切れ上がってくる反動を利用して次のターンに入るやり方、つまりほとんど板の性能に頼っての
受動的な運動をしてるに過ぎないのだ。だからぐちゃになってきたこの雪質では、外板を踏んでも湿め雪に吸収されてしまい、
板が反発で戻ってこないのだ。ここで内足を使えない弱点があからさまになるばかりか、きちんとしたターンが出来なくなるので
浅廻りで誤魔化す以外にない。プロの目を誤魔化すなんて絶対ムリなわけで。。。
5種目が終わった。去年はランチを挟んで午後がフリー滑降だったが、今年は2級とは別だったので一気に終わった。
検定後の満足感からすると、整地小回り以外は去年の方が上だった。が、去年とは自分の滑りも違うし、今は中里スタイルへの
試行錯誤の時期。そういう意味では今の実力がそのまま出たかな。
終わってみたら、練習では大回りや中回りで斜面が目の前に見えるくらいにもっと傾けて滑ってたような気もするが、検定独特の
緊張感の中、そんな滑りを忘れてたということはまだまだ身についてないということ。
15時過ぎ、結果発表の時が来た。ジュニアの結果発表から始まった。
2級や1級の発表では、子供より母親の方が興奮してる。あつかましい親は
ランチ時にいくらでも見た。この3日間、札幌国際スキー場は混雑してて
ランチ時に並ぶことも度々だった。3日間集中レッスンの生徒だからといって
優先されるわけではなく、一般客と同様順番待ちで並ぶことは言うまでもない。
が、割り込みをする子供のなんと多いことか。ばかりかそれをけしかけるバカ親も
多く、一度目に余って注意すると、
「この子は検定レッスンに参加してるんです。だから構わないんです」
と開き直る始末。検定に参加することが割り込みと何の関係があるの?
えらいことなの? と聞くと、あんたにはどうせ言ってもわからんという態度で
「とにかくどいてください」ときたもんだ。
あんな母親もった子供の将来が・・・不安だ。。。
話が脱線してしまったが、こんなあつかましい親に限って過剰反応してる。
合格すれば大喜びだし、不合格になろうもんなら冷たい視線が突き刺さる。子供はたまらんでしょ。
いよいよ一般の部に移る。3級は全員合格。フムフム。2級は8名、ということは去年よりは幾分まともな判定基準になったかな。
それでも合格率は6割超?? ジュニアが一般の部を受けるためにはジュニア検定1級だかを持ってなければならないとか。
一人のちびっ子がこの一般2級に合格したが、この母親と興奮と絶叫ぶりは笑えた。喜ぶにしても何事も度が過ぎると、素直によかったねと
思えないもんだなぁとは反面教師^^
1級発表の前に検定員の一言。「1級というと次はインストラクターですから、それなりに厳しい難しい資格です」うむ、いいこと言う!
「続いて発表です。今回の合格者はいませんでした」 コケッ。
でも素晴らしい判断ではないかっ! やっぱり検定はこうじゃなきゃ! 僕のイメージする1級とは、不整地もコブ斜面も飛んでこなしてく
印象だ。整地なら内足もしっかり使って、ズレの少ない切れるようなターンの連続でかっ飛んで行く。僕達でそのレベルに達してるのが
一人もいないというのが実感だったから、合格者0という判断には拍手をおくりたい。それでこそチャレンジし甲斐があるというものだ。
落ちたというのに去年と違って妙に清清しい気分だった。
ちなみに点数は、大回り69・中回り69・整地小回り70・不整地小回り68・フリー69、計345でした。
個人的には不整地小回りは65くらいつけてほしい気分だけど、、、
爺婆班の仲間達とは最後までアットホームで楽しく過ごすことが出来ました。また来年ここで会いましょうと挨拶を交わして別れました。
僕にとって札幌国際でのラストスキーは恒例になってる為、また来年3月の集中レッスンに参加する事になると思うが、この仲間と
再会するのも楽しみなら、お互いどれくらい上達した姿を見せられるのかもまた楽しみです。
願わくば、貸切送迎バスを定山渓温泉経由にしてほしいものですが。。。