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スキー日記・・・検定目指し一直線 〜完全思い込みスクール情報

   SAJ 中里スキー学校
スキー場 湯沢中里スキー場
日時 2006年2月10日(金)〜12日(日)
受講コース エレガントレッスン(中級者以上対象の3日間合宿)
リフト優先レーン なし
カード利用 ×
URL or TEL http://www.sportsprize.net/
その他 鈴木校長専任の合宿です


〜〜〜〜〜 廻旋・アンギレーション・踏め 去年同様熱血指導に感動〜〜〜〜〜


昨年(2005年2月)、中里スキー学校の常設レッスンに入ったところ、担当した講師が鈴木校長だった。その時の様子はこちらを見てほしいが、その熱血指導と最新式(?)のかっちょいい滑りをモノに出来そうな気がするレッスンに、この講師の集中レッスンはないものかと調べてみたところ、「エレガントレッスン」なる3日間集中レッスンがあるのがわかった。今シーズンは全4回企画されていたが、2月の部に僕らは参加する事にした。ホームページによると対象者は中級者以上となってる。となると問題はちゃまだ。事実上、去年の2月にスキーデビューしたのだからスキー歴はジャスト1年。ものすごい勢いで上達してるとはいえ、果たして中級者と言えるのだろうか・・・ 中級者はシュテムターンからと言う人もいれば、パラレルターンからと言う人もいる。形はどうあれ中級者コースを滑れればよしという人もいるが、彼女のレベルはコブのない圧雪されたコース限定での八の字気味パラレルなのだ。一応中里スキー学校に問い合わせてみると・・・受付女性は「中級は2級レベルです」ときた。な、な〜んと・・・ ちゃまはまだ3級。。。おまけに中里の2級が八方レベルとなると、僕自身もおよびじゃなくなるじゃないか! こりゃちゃまには言えないな・・・ 不安がるちゃまには「普通中級って言ったらシュテムターンくらいからだから大丈夫だよ!」と嘘をつき、自分自身もドキドキしながら当日を迎えたのでした。
さて、僕らがこうした集中レッスンに参加するのは黒姫・札幌国際に次いで3校目だが、どちらも宿は自分の好きなところを自由に手配するものでした。ところがここ中里では宿も決められていて、宿代も含めた参加費用となっていた。てことは、「学生時代の合宿みたいに宿でもミーティングなんかあるのかなぁ」勝手に想像してはビビリまくり。今年一番の楽しみの反面、まさに心臓が高鳴りながらの中里到着なのでした。

 
初日(金曜日)
 
越後湯沢駅から宿のお迎えがあり、着いたらすぐに部屋を使わせてくれた。

いよいよレッスン開始。何と参加者は僕らのほかは1名だけ。つまり3名でのレッスンなのだ。何て効率的☆ それにこれならちゃまがレベルに達してなくてもそれ程気遣いする必要はない^^
去年と変わらず話好きな校長。語りだけで20分は費やし、ようやくリフトへ。

まず指導されたのが基本姿勢。つま先を踏みながら、腰をディフェンスの体勢で抱え込む形だ。これは去年の常設レッスンでも言われたぞ。あれから1年、すっかり身についたと思ってたのだが・・・「全然出来てない!」校長の叱咤が飛んできた。「そんなんで力が入るか〜〜〜」

さらに3日間通じて耳にタコが出来るほど指導されたのが「無限大ぃ∞∞∞∞」という形を作るらしい”廻旋運動”。腰を起点にして、腰から下を身体の外側に大きく足を廻しこむ動きだ。つまりターンの時、常に両足は身体の中心軸より片側に片寄ってる状態で、体軸(内足)を中心にしてコンパスで輪を描くような滑りをしろというものだ。出来たらかっちょええんだろうなぁ。。。合宿中常に意識させられたものの、もちろんたかが数日で会得できるものではない。が、そのうち滑りはじめると、自然にイメージだけは浮かぶようになるのだから不思議なものだ。

廻旋の動きを意識できるようになると、次は内足の使い方についてレクチャーが始まる。僕らのような未熟者は、ターンしてる最中に足の並びを見ると、内足が大きく前に出ている。そもそもターンは円運動なのだから、外足の方が内足より大きな円を描く。ということは外足の方が内足より長い距離を滑ることになるのだから、両足同じように滑らせたら必然的に内足の方が前に出てしまう。
「それで内足のつま先踏めるか? 止まったまま、内足が前に出てる姿勢をとってみなさい。その姿勢で内足のつま先が踏めるか? かかとに荷重の体勢になる。そのままだとテールコントロールにつながってしまう。だから駄目なんだよ!」
なるほど、的は得てる。ではどうすればいいか。
「外足を滑らせろ〜〜〜」
繰り返し校長の檄が飛ぶ。でもちっとも出来ない。内足が止まってる状態ならいくらでも外足を走らすことはできるけど、実際の滑りでは両足とも滑ってるのだ。その中で外足を滑らせるっていってもねぇ・・・ 廻旋運動すら満足に出来んのに、その上外足まで意識するだなんて無理だ。。。
「先生、外足を滑らすのは出来ないんで、内足を引くのでもいいですか?」
「内足を引けば、外足を滑らすのと同じ効果は得られる。引いていれば、つま先荷重が可能となって、内足を軸として踏むことが出来る。ただ、滑りとしては消極的なんだよなぁ」
外足を滑らせて内足を外足に並ばせる滑りと、外足を意識的に滑らすのではなく ただ内足を引くことで外足を並ばせる滑りの両方を校長は実演してくれた。スゴッ! なるほど、ターン姿勢としては同じだけど、迫力と力強さが全然違う。
「だろ? 滑りは常に前へ前へ、攻めなきゃ、攻撃的に滑らなきゃ駄目だ〜〜」
と言われても、やっぱり僕らには無理な話。まずは内足が前に滑っていかないよう、引くことから始めよう^^

この日は金曜日のせいかゲレンデはがらがらで、ジョイフルコース&高速リフトを使って効果的にレッスンが進んだ。
午後のレッスン終了後、何とスキーセンターの喫茶店を利用してミーティングが始まった。ここでも校長は雄弁だった。とにかくしゃべって模写して実演して、エネルギッシュな校長だ。喫茶店の営業時間を考えると30分くらいで終わらす筈のものが、1時間にも及んでしまった。まぁ、この校長の場合はよくある話らしい。(宿で中里常連さんに聞きました^^)
ストックワークについての熱演も印象的。ストックはただつくものではないということと、つき方も引くのではなく押す意識が必要だということを、一連の話の中で論理的に話してくれました。残念ながら、僕はそこまで気を遣えるほどのレベルに無かった為、今ではもうどんな話だったか忘れてしまいましたが、もう一人の生徒には役立つレクチャーだったみたいです。ただ、この校長ですら、常設レッスンでは一般的に教えるようなつき方指導しか出来ないという本音は心に残りました。。3日間の時間があって、トータルでスキー運動というのを教えられるからこそ、ストックワークの重要性と動きに応じた場面場面でのつき方の話が出来るということでした。来年はレベルアップして、この校長のストックワークを身につけられるようになりたい、これが僕の課題にもなりました。


2日目(土曜日)

「本当のエキスパートの滑りは、腰から上の上体が止まってるように見える。だからよく真似をして上体を動かさずに滑ろうとしてるスキーヤーいるけど、あれは大きな間違いなんだ〜〜〜」
またまたリフト下での長い語りから始まった2日目のレッスン。
「じゃあ本当に上体を動かさずに滑ったらどうなる? 腰から下は常に向きを変え動いてるんだから、上体を動かさなければ当然下半身の動きに連動して左右に動くことになる。わかるか? 上体は常に下半身とは逆に動かすことによって、止まってるように見せかけてるだけなのだ。いいか、間違えるな。動かさないんじゃなくて動かすんだっ!」
なるほど、この熱弁も実に説得力がある。この校長のレクチャーは一事が万事この調子でほんとに論理的なのだ。
「この下半身と逆の方向に上体を動かす逆ひねり運動、これをアンギレーションという」
フムフム。かくてこの日からは、ことあるごとに「アンギレーション!」と口酸っぱく言われ続けることになるのだ。

腰を低く、常にディフェンスの体勢を維持しろ〜〜! ターンの時伸び上がったらパワーが逃げて操作がリセットされるぞ! 伸び上がるな〜〜前のターンの反動をそのまま利用しろ〜〜! ほら、ターンは廻旋運動だ! ターンの時腰を外に向けるな〜〜それでは上体も同調してしまって廻旋にならないぞ! アンギレーション! アンギレーション!

全て昨日からのレッスンの積み重ね応用なのだ。てことは、前段階の動きをマスターできないのに次のことなんか出来るわけない と、即効性のない自分の滑りに欲求不満が溜まる一方の2日目でした。僕ですらそうなのだから、ちゃまなんか鬱屈が溜まって暴発寸前。頭の中では動きを理解してるのにーーー そんなもどかしさとストレスに見舞われた2日目のレッスンでした。

さすがに土曜日となると、去年と同じゲレンデ状況に陥りました。ジョイフルコースは荒れまくりの上、あちらこちらでボーダーが転がってる始末。ほとんど第4ゲレンデでシングルリフトを使ってのレッスンでした。


最終日(日曜日)

廻旋運動、アンギレーションに加え、この日はよりトップコントロールを意識したスキー操作の練習でした。テールコントロールでずらさないということは、初日に習った「ターンの時つま先を踏む」という操作がより重視されるわけで。
「外スキーと内スキーの操作は初日やった通り。その意識をより高めよう。外スキーは親指を踏んで、スキーの内側トップ部分をらせん状に削るようにおすっ! 内スキーは体軸の中心におき、小指側で踏ん張る! いいか、外足は押し出す意識だが、内足は踏ん張らなきゃ駄目だぞ。綱引きを思い出せ。踏ん張らなきゃ力を出せないだろ〜!」
これまた単純明快ではある。だけど出来ない・・・ そして去年常設レッスンで教わり感動した、あの校長の名言「踏みぃ削りぃ押すぅ」が、今ここでやっと出て来たのだ。なるほど、この一連の動作の中で行う動きだったのか。去年は常設レッスンで時間がないということもあって、単純に「踏みぃ削りぃ押すぅ」の動きだけで感動&影響されたけど、バックボーンというものがあったんだ。深いな〜と素直に感動してしまったのでした。
が、この踏むという動きがよくわからない。踏んでるつもりでも「そんなの踏んでないー」という怒声が飛んでくる。
「いいか、すねに力をあてるな。すねをぎゅっとすると親指が浮かないか? 浮いてしまうだろ。親指が浮いた状態でどうやって親指踏めるんだ。じゃがもちゃまも、今まで他のスクールで前傾前傾と習ってきたかもしれないが、そんなのはカービングのトップコントロールの滑りをするには捨てなきゃいかん! 滑りにも使い分けというのが必要なんだ。親指を踏むためには、むしろブーツにふくらはぎが当たる様な状態でないと無理じゃないのか! 思いっきり踏んだ上で、削って押すんだ!」
「つま先を踏むことが出来れば、ブーツだけでもターン軌跡を描くことが出来るんだ」と言って、スキーを外し、ブーツだけで力の加え方の練習もやらされた。校長はうますぎ。細かなターンの軌跡を描きながらスロープを下りていくが、一方の僕は、ブーツ先が雪中にめりこんでは頭からこける始末。すねに力のかかる前傾姿勢の弊害がこんな練習させられるとよくわかる。

全くできない。。。「先生、踏めないんですけど。。。」
「あのなぁ、踏めないんじゃない。踏む体勢をとってないんだよ。そんなに上体起こしといて力を足に加えられるか? ディフェンスの体勢をとって! 腰を折れ〜〜〜〜 お腹を折るんじゃない、腰を折れ〜〜〜っ!」
結局僕らのレッスンは、再び原点に戻ってきたのでした。この3日間、何だったのか・・・ いや、去年の常設レッスンと同じこと言われてるわけで、この1年何だったのか・・・ そんな虚しさもちらっとよぎったものの、実は無でははなかったことにすぐ気付かされたのでした。
えっ? こんなに腰を折って滑るの? 目の前にすぐ雪面が・・・雪面が近すぎーー
「そう、それくらい低く滑るんだよ!」
この中里集中レッスンで一番の成果といえば、この低い体勢で滑る体験が出来たこと。酔いそうなほどに雪面が近く、こんなの不恰好じゃない? と今までの自分ではありえない体勢。ところがこの低い態勢で滑ると、日曜午後の荒れまくりジョイフルコースもなんなく滑れてしまったのです。そんな現実にまたびっくり・・・

この日、もう一つ教えがありました。「ひねりにも色々あるが、両大腿をひねってターンできるようにしなさい」
僕の課題は内足を使うこと。この大腿をひねられるようになれば、きっと大きくレベルアップできるんだろうなぁ。

3日間のレッスンが終わりました。中里スキー学校では、こうした企画レッスン参加者にはカルテが作成され、生徒が次回レッスンを受ける際にスクールで生かすのだそうです。
今まで僕らが受けてきた数々のスクールでのレッスン、片足あげてぎゅ〜っだの、プルークの動きの確認だの、そうしたどこのスクールでもやらされた練習がこの中里レッスンでは一度もなかった。そういう意味では刺激的でした。
万年中級に陥ってる方には、この中里エレガントレッスンは絶対お薦めします。但し、今までの滑りを徹底的に壊されるかもしれませんよ^^ 責任はもてません^^
にしても、中里に集まる生徒のエキスパートぶりにはびっくり仰天。普通レッスンで見かける班は初級班が多かったりするのに、それが皆無に近い。一方カービングでぎゅんぎゅん滑ってる上級クラスは何班見かけたことか。人をおんぶしながらターンを決めてるクラスも!オソロシイ。スクール協定の宿にどんな人間が集まってるかはここみてもらえばいいんですが、話を聞いてると、他のスクールで講師をしてる人もゴロゴロ。僕からしたら何でスクールに?って感じですが。
道場と呼ばれる浦佐や八方には、ここで検定とらなきゃ意味がないという人達が集まると聞きますが、ここ中里は検定なんかより うまい人がさらに何かを求めて通いつめてるような気がします。。。ゲレンデ自体に魅力や求心力を感じない中里スキー場にあって、宿に板を預けっぱなしという中里学校信者もゴロゴロ。ほんと色んな世界があるもんですねぇ。

さて、来年。またエレガントレッスンに参加しますかって聞かれたら、もちろん即答ですね。「参加しますっ!」

 
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