心理学者 原口鶴子の青春  100年前のコロンビア大留学生が伝えたかったこと 本文へジャンプ
泉 悦子監督について


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プロフィール
早稲田大学第1文学部演劇卒。記録映画社の演出助手を経て独立し官公庁や企業PR映画など、これまで100本以上の脚本・演出を手がける。87年女性たちでグループを立ち上げ映画誌“シネマジャーナル”を創刊、女性監督作品とアジア映画を広く紹介し、06年創刊20年大会を東京で開催。
92年テス企画を設立、女性の自立や医療をテーマに多数の映像ソフト製作。98年50歳で企業財団の映画基金を得てニューヨーク大学映画学科に短期留学、16mm短編映画を作成。06年自主製作ドキュメンタリー映画「ニューヨークで暮らしています彼女たちがここにいる理由」完成。
07年本作品完成、07年東京国際女性映画祭、08年あいち国際女性映画祭の招待を受ける

本作品で08年度山路ふみ子映画賞福祉賞を受賞。三児の母である。


コメント

 
1998年、企業の映画基金をいただいてニューヨーク大学へ短期留学したことがきっかけで、ニューヨークにおける日本女性の活躍に大きな興味をもちました。縁あって、原口鶴子さんの存在を知り、鶴子さんが書かれた留学記『楽しき思い出』を読み、感銘を受け、資料を調べるうち、2年前に無謀にも自主製作に踏み切りました。

鶴子さんについては、あまり知られていませんが、20年以上前に書かれた伝記や調査資料は驚くほど正確で充実しており、感動的で興味をさらにかきたてるものばかりでした。パソコンも普及していない時でしたから調査は足とペンで、ボランティアのような形でコツコツ調べたものだと思われます。本当に体力と気力で鶴子さんの足跡を追ったものでした。彼女に関してほとんど調べられておりましたので、これら文字資料を映像に置き換えたらどうなるかと考えました。

鶴子さんの写真は、留学中と確定できるものは一枚もありません。それで鶴子さんが書かれた『楽しき思い出』をもとに、ニューヨークで調査取材を行い、内容が合致したものだけを撮影することにしまし。

 それでも何かないかと調べましたらコロンビア大ティーチャーズカレッジのアーカイブに鶴子さんらしき人が映っている写真がありました。撮影時期といい、活動内容といい鶴子さんに合致していたのですが、誰も鶴子さんであると断定できず、大学へ写真の詳細を問合せましたがホームページにある情報以外はないとのこと。万事がこのような状態でした。

しかし、皆様のご協力で鶴子さんのご著書はすべて現物を撮影することができました。鶴子さん自筆の英文手紙など、この作品のために初公開してくださったものもあります。
 映像製作の元となった研究書『原口鶴子 女性心理学者の先駆』を書かれた荻野いずみ様、ご自身がコロンビア大留学中に鶴子さんのレポートをまとめられた國枝マリ様、日本女子大学、コロンビア大学はじめ日米の教育機関、群馬県富岡市、NY州トロイ市、そしてなによりも熱心に製作を支えてくださいました倉西正武・早百合ご夫妻をはじめご親族の皆様に深く感謝申し上げます

                                 


 トロイ市ロケのため、早朝ペンシルバニア駅からアムトラック(長距離列車)でオルバニーへ。そこからバスで30分。ビクトリア朝の建物が並ぶトロイ市があった。
 アムトラックはハドソン川にそって進む。紅葉の季節で、様々な色の葉が川面に映り、自然の油絵のような美しさだった。
 しかし、カメラマンも私も鶴子さんがニューヨークへ向かうイメージシーン撮影のため、左右の窓際に座り、往復のほとんどはカメラを回していた。(泉)

         上映会の様子、ご感想、写真などは監督ブログ「シネジャでシネマ」へどうぞ
  

       製作・配給のテス企画とは

        1994年、女性たちで作る映画誌「シネマジャーナル」の仲間から
        ビデオ製作をしていた泉悦子が中心となり設立した映像製作会
        社。詳しくは→テス企画のHPをご覧下さい。

       女性たちで作る映画誌「シネマジャーナル」とは
        1987年、ガリ版刷りからはじめた映画ファンが作る映画誌。
        創刊当初から女性監督の作品およびアジア映画の取材力に定評
        があります。
        詳しくは→シネマジャーナルのウエブサイトをご覧下さい。
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