鉢植えフルーツ(果物)の栽培方法  ホームへ


 果樹は、落葉樹と常緑樹に大別することができます。
最初は落葉樹の栽培方法について、次に常緑樹の栽培方法について記載します。

◎落葉樹の栽培方法

 ●苗木等の鉢植、又は、植替えの時期
   11月、3月が最適期。鉢に植えてから4年目に入る前に植替えを行い
  ます。年数を経て、鉢の中が根でいっぱいになると、鉢植えをした初期に
  あった鉢土の有機物等が微生物等により分解され、養分として根に吸収さ
  れ、鉢土の量は減り、保水性、保肥性、通気性の機能が減少します。
   したがって、長年、植替えをしないと、樹に勢い、元気がなくなり、病
  気にかかりやすくなったり、枯れやすくなります。


 ●植替え時の根の整理
   鉢に植えてから長年経過し、植替える場合は、古い根を3分の1切り詰
  めて、3分の2残すことを原則としますが、我が家では古い根を半分切り
  詰めて、半分を残すことも行っています。


 ●鉢植に使用する鉢
   鉢を選ぶことは大変重要なことです。選び方を間違えると大事な果樹が
  枯れてしまうことがあります。
  選択の重要ポイント 浅鉢を選ぶか? 深鉢を選ぶか? 
  浅鉢の特徴・・・ 鉢の中の用土が乾きやすい。従って、根が過湿を嫌う
          果樹に向いている。
           桃、洋梨、、梨、りんご、ビワ等は過湿を嫌う性質な
          ので浅鉢の方が良い。
  深鉢の特徴・・・ 鉢の中の用土が乾きにくい。従って、根が乾燥を嫌う
          果樹に向いている。
           さくらんぼ、ブルーベリー、ポポー、柿、キウイフル
          ーツ等

  次は鉢の材質を考える
   鉢の材質で、素焼鉢は鉢土が乾きやすく、プラスチック・陶磁器の鉢は
  鉢土が乾きにくい。

   鉢の種類等(浅鉢・深鉢等)と果樹の根の性質(乾燥・過湿の適否)の
  組み合わせを間違えて、何度も枯らしてしまったことがありました。

   組み合わせの失敗例として、梨の話をしましょう。
   梅雨時は屋根がある場所に置かないかぎり、毎日、鉢土が乾かない状態
  で雨が降り、常に鉢土が湿りがち。
   浅鉢と深鉢を比べると、深鉢の方が過湿状態から適湿状態になるまでに
  時間がかかり、過湿状態が長く続くことになります。
   梨の豊水と幸水を深鉢に植えて数年たつた時、梅雨が終わった頃に元気
  がなくなり、夏の終わりに2本とも枯れてしまいました。
   梨の根は他の果樹より過湿に弱いのです。梨を深鉢に植える場合は、植
  材と水やりに細心の注意を必要としますが、浅鉢に植える場合は、水やり
  等の管理がとても楽になると共に、枯れる確率が小さくなります。

  浅鉢の使用例
   我が家で使用しているプラスチック浅鉢:直径46cm、深さ19cm。
  他のプラスチック鉢と比べて、弾力性があり、長年使っても割れにくい優
  れ物。
   当時、100円均一ショップで、100円。ただし、今は見かけません。
     


  深鉢の使用例 
  我が家で使用しているプラスチック深鉢
  一番手前の鉢
  直径42cm、深さ42cm。        直径40cm、深さ34cm。
     


 ●鉢植に使用する用土等
   赤玉土中粒3分の1、鹿沼土中粒3分の1、バーク堆肥3分の1を混
  ぜたものを使用(腐葉土よりバーク堆肥の方が長持ちするのでバーク堆
  肥を使用している)。鉢底に赤玉土大粒又は軽石大粒を深さ2cmほど
  最初に敷いておく。鹿沼土とバーク堆肥は乾燥すると風で吹き飛ばされ
  てしまうため、鉢土の表面は赤玉土のみで、3cmの厚さに敷き詰める。
   最近はバーク堆肥の代わりに牛糞堆肥を使う場合もあります。
   ブルーベリー、パイナップルのような酸性土を好む果樹等には、バー
  ク堆肥の代わりに
無調整のピートモスを使用。また、摘果した梅、杏の
  実を鉢土の表土に埋め込むと鉢土が酸性化します。ただし、これらの実
  が根に直接触れないように注意して埋め込む必要があります。


 ●水やり
  T果実が生る成木の場合
   5月から9月下旬までの期間で、樹に果実が生っている場合は、鉢土
  の表面が完全に乾ききる前に、鉢土の表面の一部分が乾き始めたら鉢底
  から水がジャポンジャッポン出るように十分水をあげます。水はけの良
  い鉢土を使用することが絶対条件です。果実が樹に生っている時期は、
  樹自身の生長のほかに果実を成長させるための水分を必要とするため、
  果実が生っていない時期よりも多く水を供給してあげる必要がありす。
   ただし、収穫する日が近くなってきたら、果実の糖度を上げるため、
  少し、水やりを控え気味にします。この調節は果樹の種類によって多少
  異なり、とても難しいです。

     

   収獲が終わったら、収獲前より水の供給は少なくてすむので、鉢土の
  表面が全部乾いてから水やりを行います。
   市販されている果樹栽培の本の中には、『鉢土の表面が乾いたら、水
  をやる』と書かれているものがありますが、鉢土の表面がどのくらい乾
  いたら水をやるのか、良く解りません。
   樹に果実が生っている期間に鉢土の表面が全部乾いてから水やりする
  と、ジューシーな果実を収獲できる確率が、とても低くなります。サク
  ランボ等は、鉢土が乾燥し過ぎると落果してしまい収獲することさえ、
  できないことがあります。

   10月から4月までは、鉢土の表面が全部乾いていても、鉢土の表面
  から下へ1cmほじくって湿っていれば潅水しません。鉢土の表面から
  下へ1cmほじくって乾いていたら鉢底から水がチョロチョロと出るく
  らいに少し控えめながら十分水をあげます。
   夏場(7〜9月)の水やりは夕方に行います。日中の最高温度の時に、
  根を過湿状態にしないためです。
   夕方に水やりをすると、根の周りの余分な水分は夜のうちに、鉢土か
  ら流れ出て、日中の最高温度の時には、根の周りに空気の隙間ができて
  います。この空気の隙間が断熱効果をもたらし、高温から根を守ってく
  れるのです。
   冬場の水やりは午前10時から午前中までに行った方が良いです。凍
  害から根を守るためです。
   上記の『●鉢植に使用する鉢』で説明した鉢の選択により、水管理が
  楽になります。


  U果実が生らない幼木の場合
   5月から9月下旬までは、鉢土の表面が完全に乾いたら鉢底から水が
  ジャポンジャッポン出るように十分水をあげます。水はけの良い鉢土を
  使用することが絶対条件です。
   その他の時期の水やりは、成木の場合と同じです。


 ●施肥
   肥料は有機肥料を使用した方が無難です。少しくらい多めに与えても
  枯れることは滅多にありませんが、化成肥料は少し多く与えると枯れて
  しまうことがあります。

  T果実が生る成木の場合
   施肥は1年間に3回とし、幼木の時期より回数を減らして、1回に与
  える量を増やします。量を増やすということは、有機肥料を使うことに
  なります。
   秋に(秋に収穫するものは収穫直後に)1回、3月に1回、梅雨明け
  に1回、それぞれ同量を与えます。なお、収穫日の少なくとも1ヶ月前か
  らは、施肥しません。
   樹勢が弱い、葉の大きさ・色・艶が良くない場合は、数回に分けて様
  子を見ながら少量の肥料を与えます。
   着果している期間は、肥料を大量に与えない方が良いです。その理由
  は、窒素成分を多く含んだ肥料を与えると、葉の中の窒素濃度が高くな
  り、この結果、果実の糖度上昇が抑えられる現象が起きるからです。
   また、他の肥料成分によっても果実の味に悪影響がでるからです。


  U果実が生らない幼木の場合
   原則として、一回に与える肥料の量は少量にして、与える回数を多く
  します。鉢が小さく、潅水するたびに鉢底から水と一緒に肥料成分が流
  れ出てしまうので、与える回数を多くして補充します。
   3月から11月までは毎月1回与えていますが、夏場の施肥は控えたほ
  うが無難です。肥料が強すぎると花芽分化に影響し、翌年、開花しない
  場合があります。また、根は、あまり暑すぎる時期は活動がにぶります。
   12月から2月までの冬場も、寒くて根の活動がにぶるので施肥はし
  ません。


 ●高品質の果実を収穫するために
   葉で生成される養分は果実等に蓄積されます。高品質な果実を収穫す
  るためには、前提条件の一つとして、十分陽が当たる一定以上の葉の合
  計面積が必要になります。
   果樹栽培の本等には『果実1個当たり、○○枚の葉が必要』と書いて
  ありますが、概して、葉の枚数だけに注目しがちですが、基準となる葉
  の大きさにも注意が必要です。基準となる葉の大きさは、健康に育った
  成木の葉を基準にして
書いてあるものが一般的です。
   重要なことは、基準となる葉の大きさに比べて、自分が栽培している
  果樹の葉が、仮に、長さが1/2、幅が1/2だったとすれば、『果実1
  個当たり、○○枚×4倍の葉が必要』ということになります。
   この例からもわかるように、鉢植え栽培で、高品質な果実を多数収穫
  しようとすると、必然的に大きな樹形が必要になり、鉢植え栽培では、
  鉢の大きさ等の制限があるので、あまり大きな樹形にすることはできま
  せん。また、鉢土の量によっても、高品質の果実の収穫数は制限されま
  す。
   鉢植え栽培で、樹形をコンパクトサイズにして、高品質の果実を収穫
  したい場合は、結果数を少数にすることが必要です。


◎常緑樹の栽培方法

 ●苗木等の鉢植、又は、植替えの時期
   4月、5月が最適期。鉢に植えてから4年目に入る前に植替えを行い
  ます。年数を経て、鉢の中が根でいっぱいになると、鉢植えをした初期
  にあった鉢土の有機物等が微生物等により分解され、養分として根に吸
  収され、鉢土の量は減り、保水性、保肥性、通気性の機能が減少します。
   したがって、長年、植替えをしないと、木に勢い、元気がなくなり、
  病気にかかりやすくなったり、枯れやすくなります。

     

 ●植替え時の根の整理
   上記の落葉樹の『植替え時の根の整理』と同様。


 ●鉢植に使用する鉢
   鉢を選ぶことは大変重要なことです。選び方を間違えると大事な果樹
  を枯らしてしまうことがあります。
  選択の重要ポイント 浅鉢を選ぶか? 深鉢を選ぶか? 
  浅鉢の特徴・・・鉢の中の用土が乾きやすい。従って、過湿を嫌う果樹
         に向いている。
          フェイジョア、ドラゴンフルーツ等は根が浅く張り、
         過湿を嫌う性質なので浅鉢の方が良い。
  深鉢の特徴・・・鉢の中の用土が乾きにくい。従って、乾燥を嫌う果樹
         に向いている。
          柑橘類の根は乾燥を嫌うので深鉢のほうが良い。

  次は鉢の材質を考える
   鉢の材質で、素焼鉢は鉢土が乾きやすく、プラスチック・陶磁器の鉢
  は鉢土が乾きにくい。
  

 ●鉢植に使用する用土等
   上記の落葉樹の『鉢植に使用する用土等』と同様。


 ●水やり
   上記の落葉樹の『水やり』と同様。


 ●施肥
   上記の落葉樹の『施肥』と同様。


 ●高品質の果実を収穫するために
   上記の落葉樹の『高品質の果実を収穫するために』と同様。


◎個別のフルーツ栽培方法

 ●ドラゴンフルーツ

 ●リスボンレモン
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