遊撃インターネット狂人雑記72
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2010

111-2日(月-火)警視庁公安流出資料を入手する

 まずこれを読んでください。北海道新聞の記事です。

 警視庁、大使館口座調査が流出か 洞爺湖サミット対策も(10/31
 インターネットに流出した警視庁公安部が作成したとみられる文書の中に、2008年の北海道洞爺湖サミットの対策や国際テロ組織とのつながりが疑われる外国人に関する調査、在京大使館の口座調査など、秘匿性の高い内容が多数含まれていたことが31日、分かった。
 警視庁は公式に作成した文書か確認を急いでいるが、国際テロ捜査を担当する外事3課の資料だった可能性が高い。横浜市で11月に開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の重点警備が始まっている時期だけに影響も懸念される。
 関係者によると、流出した文書の作成時期は、大半が07〜09年。08年の洞爺湖サミット開催時の国際テロ情勢分析や、在京大使館の口座を分析した結果とみられる文書、警察庁や愛知県警の資料の可能性があるものが含まれている。
 また、04年に国際テロ組織アルカイダの幹部が国内に潜伏していたことに関連して、テロ組織の関係者と疑われている人物の周辺情報とみられる資料もあった。
 外事3課は、国際テロ対策を強化する目的で02年10月に新設された。

 これはぜひとも手に入れねば! おそらくnyだろう。2ちゃんで確認したところ、さっそく話題になっていました。普段は偉そうな2ちゃん住人の腰が引けているところが笑える。とことん権力や暴力には、弱い連中だよなー。
 どうやら『
WINNY [仁義なきキンタマ] [殺人] (20101024-213413)警官が流出したファイル(Antinny除去済み)(4).zip 83091f824276b49c7fdda6c5ca8258c3』というファイル名で流れているらしい。ひと文字でも違っていると引っかからないので、『警官が流出したファイル』で検索しました。
 公安外事3課のオマワリさんと違ってオレは、
P2Pではウイルス感染の恐れが少ないPDに移行しています。nyさんを起動するなんて一年ぶりくらいですよ。ノードが古くなっていて接続できなくなっているのではないかと心配でしたが、なんとかつながって新しいノードを落としたりしています。ものの二〇分くらいでお目当ての『警官が流出したファイル』を落としてくれました。よくみると他にもけっこう『警官が流出したファイル』という名前のファイルが流れています。ついでにそいつらも入手したのでした。
 さっそく解凍してのぞいてみました。
114ファイルもあります。ワクワク!

 

 …これはすごいですねえ。昭和三〇年代に公安刑事が居酒屋に忘れていったカバンを共産党系の労働組合が暴き、『公安警察の内部文書』という題をつけて出版したことがありました。このファイルは、CIAFBIの情報も入っているので質量共にそれ以上です。この内容だったら商業出版しても売れるんじゃないかなあ。早いもん勝ちだろうから、オレが会社をおこして出版しようかしらん。…そう思わせるほどの内容でした。
 とりわけエグイのが『
イラン大使館銀行口座調査.PDF』でした。イラン大使館が口座を持っている銀行に手を回してカネの流れを探った記録です。職員に対する給与の支払い記録などを利用して人定に使っているらしい。こんな調子です↓ 個人名は伏せ字にしました。

2.bQ0 「××××× ×××××」(イラン人学校教師)については、給料が初めて3月に支給されている事実を把握した。概してイラン人学校の教師一般に言えることは、給料は各月ではなく、3 ヶ月に1 回まとめて支給されている節がある。(故に給料面からでは着任日を推定できない)
本名については、既に査証データ及び視察結果(
初回確認平成16 年11 月29日)から稼働の事実が把握済みであるが、当該調査からも本名の稼働が裏付けられた。

3. bQ2 「××××× ×××××」(イラン人学校教師) についてはは(ママ)、初めて3月に給料が支給されている事実を把握した。前記2と同様に、概してイラン人学校の教師一般に言えることは、給料は各月ではなく、3ヶ月に1回まとめて支給されている節がある。(故に給料面からでは着任日を推定できない)
本名については、既に査証データ及び視察結果(
初回確認平成16 年12月2日)から稼働の事実が把握済みであるが、当該調査からも本名の稼働が裏付けられた。

4. bR 「××××× ×××××」については、初めて5月に給料が支給されている事実を把握できた。新規館員であるが、継続捜査を実施し、解明予定。

5.bS 「××××× ×××××」については、初めて3月に支給されている事実を把握した。
 振込状況から本名は、イラン人学校の教師ではないかとの推測がなされようが、解明については事後捜査とする。

(3) その他

1.「別紙1 個人別、口座番号及び月別振込状況」における 、3 は、既存資料に登載されていない。
 また、「別紙2」の全2
名についても同様である。

2. 特筆すべきは、前調査時と同様に、陸軍武官の給料振り込みの形跡が無い。
すなわち、
前武官・××××
××× ××××××
現武官・×××××
××××××× ×××
の2名にあっては、当該調査では給料振り込みについて把握出来なかった。
よって武官の給料支払い方法は、一般外交官と異なる(軍から予算計上か?)と見るのが妥当であり、支払先口座(武官私的口座)
から手繰り、解明する必要がある。

 犯罪捜査ではないので令状をとれるとは思えない。無断で他人の銀行口座をのぞくのは違法だよな。公安警察が日常的に違法捜査に手を染めているという噂は事実であることが、ここに明らかになりました。金融機関の守秘義務は? マヌケなことにファイルに情報提供者の役職と名前まで書いてある。なにを受けとったか知らないが、警察に顧客情報を売り渡した東京三菱銀行虎ノ門支店の××主任は反省せよ。
 さらに公安警察は、イラン大使館に張りついて出入りをチェックし、新顔や重要人物が出てくると尾行して立ち寄り先をチェックしています。余談だけど、日本がスパイ天国だという俗説は、かなりあやしい。常に要監視地点に張りついて、出入りする者を複数の公安刑事が密着尾行している。この方式は日本独特のものらしく、日本に派遣された旧ソ連の
KGB員の手記に特筆されていました。俗説とは逆に日本では、スパイの仕事は非常にやりにくいそうです。
 なぜ日本と敵対しているわけでもないイランの動向にここまで公安警察が神経をとがらせているかというと、イランは日本で爆弾テロをやったことがあるんですねー。『
在日イラン人の現状とイラン対策.PDF』というファイルから引きましょう。

 5. イランによるテロの脅威

(1) 日本で発生したイランによるものと思料されるテロ事件

88 年3月21 日発生の千代田区内サウジアラビア航空事務所及びイスラエル大使館前路上爆発事件〜極左と異なり高性能爆薬が使用。87 年7月、メッカにおいて、イスラム革命を叫ぶイランのハッジ巡礼団とサウジ治安部隊が衝突、約400 人が死亡する事案が発生。東京の事件とほぼ同時期にマレーシア、インド、ドイツ、シンガポールで同様の事案が発生。

91 年7月21 日発生の筑波大学構内における同大学五十嵐助教授殺害事件〜イランのホメイニ師が「悪魔の詩」著者に死刑のファトワを発出。五十嵐助教授は同著を和訳。

 (1)に記載されている爆弾事件は、よくおぼえています。過激派のしわざということにされましたが、過激派にしては爆弾が強力すぎたし弾体(爆薬をつめる容器。消火器、圧力鍋など)の破片も発見されず、どのセクトも犯行声明を出しませんでした。おそらく弾体なしで爆発する軍用爆薬を使ったのでしょう。C-4などの軍用爆薬を使ったのだとしたら外国の諜報機関の関与が考えられます。遊撃インターネットに掲載している 過激派の武器26 に、この事件についての資料があります。
 狙ったとおぼしい施設が、サウジアラビア航空事務所とイスラエル大使館ですからねえ。当時からイランがあやしいとささやかれていました。西側先進国では数少ない友好国である日本で爆弾テロをやらかすなんて血迷ったとしか思えませんが、公安警察もイランのしわざだと目星をつけていたようです。ただし犯人は検挙されず迷宮入りとなり、ふたつの事件ともイランの「勝ち」でした。
 スパイ小説みたいなこんな記述もあります。文中にある『
というのは、たぶんアメリカのことだろう。『MEK』とは、イランの反体制政治・軍事組織『ムジャヒディン・ハルク』のことだと思われます。イスラム社会主義をとなえる集団でイラン革命で重要な役割を果たしましたが、のちにイスラム原理主義者に追放され、反体制組織となって武装闘争をおこないました。徹底した弾圧を受け、イランでは組織がほぼ壊滅状態となりましたが、一部は日本に逃亡しているようです。公安は、彼らの日本滞在を見逃すかわりに情報提供者にしたてているようだ。公安らしいやりかたです。

(2) 日本おけるイラン機関員の存在

◎ 従来から、大使館出入り者を中心に、協力者情報や友好国との情報交換によって機関員性のある人物数名を抽出しているが、下記の機関員プロファイルに合致する者が12 名あり。さらに、イラン人コミュニティーの大きい県には、機関員が潜入している可能性がある。
◎ 現時点において、イランは我が国と直接の敵対関係にないので、我が国を標的としたテロを敢行するおそれは必ずしも高くはないと思われる。しかし、前述のとおり、機関員容疑性のある者が国内におり、
(1)が示すようにイランに係る事案が発生した場合、日本において報復すべきターゲットに対するテロを実際に敢行していることから、今後もイランを取り巻く情勢によっては、イラン機関員によるテロが発生する可能性がある。

6. イラン機関員のプロファイリング

◎ 海外機関との情報交換及び反政府組織員からの情報収集等により、機関員プロファイルとして以下の点が挙げられる
・大使館文化広報担当官等、文化センター職員として一般イラン人と接触する立場にある者
・宗教指導者の立場を利用して、テロインフラ整備のために国内外のコミュニティーの指導をしている者
・イラン大使館の出入り者で、稼働実態と生活実態が釣り合わず、イラン政府のバックアップが推定される者
(現地人との結婚により、現地コミュニティーに溶け込む者を含む)
・反政府勢力の在日イラン人の情報に明るく、これら勢力の監視・情報収集を行っていると思われる者
・反政府勢力イラン人から機関員との疑いを持たれ、疎まれている者
・イラン政府給費の留学生
・イランとの取引がある貿易会社の関連者
・日常生活、業務の範囲を超えて、シーア派レバノン人と接触のある者
・南米ブラジル、アルゼンチン、パラグアイの三国国境地域
(TFTriple Frontera)等、シーア派の活動が活発な地域への出入りがある者
・大規模な不法収益を挙げるイラン人グループを統括又は支援する者
(具体的情報はない)

94 年5月のべカー高原におけるイスラエル部隊によるヒズボラ幹部殺害事件が同年7月のAMIA 爆破テロの背景と見られるが、わずか2ヶ月間で準備を行っていることから、アルゼンチンではイランによるテロのインフラ整備がなされていた可能性が認められる。

7. 注目すべき在日イラン人
(1)××××× ××××× ××××××
生年月日19××. ×. ×× 生(×× 歳)
住所
××××××××××××××××
職業×××××(株)代表取締役
××××××会長
特記事項 在日イラン人関係者の言動からヒズボラとの情報あり。

(2) ××××× ××××× 
生年月日19××. ××. ×× 生(×× 歳)
住所
××××××××××××××××
職業×××××(有)社長
×××××××関係者、元イラン大使館員
特記事項 在京機関から南米ヒズボラコミュニティ出身者との情報あり。亜機関も同人については
TF 出入り者として認識。ただし、亜の出入国記録なし。

(3) ××××× ××××× ××××××
生年月日19××. ××. ×× 生(×× 歳)
住所
××××××××××××××××
職業 在京イラン大使館ローカルスタッフ(領事担当)、××××役員
特記事項 在日
MEK 関係者は情報省機関員と見ている。
情報提供者が東京入管に収容されていたフェダイーンハルクのメンバー(帰国後処刑されたとの事)に面会に行ったところ、
×××が近付いてきて「本国で待つ。楽しみにしていろ。」と声を掛けてきた。
現在
××××の役員を務めており、留学生の監視役も担っていると考えられる。

(4) ××××× ××××× 2007 7 月帰国)
生年月日
19××. ×. ×× 生(×× 歳)
住所イラン大使館内
職業 在京イラン大使館一等書記官(領事担当)
特記事項 在日
MEK 関係者は情報省機関員と見ている。
東京入管に出入りし、収容されているイラン人から反体制派のメンバーの聞き出しなどの調査活動を行っている。

(5) ××××× ××××× 2006 10 月帰国)
生年月日
19××. ××. ×× 生(×× 歳)
住所
××××××××××××××××
職業 留学生(×××大学大学院博士課程医学研究科在籍)
特記事項 在日
MEK 関係者は情報省機関員と見ている。
平成
17 年のイラン大統領選の在外投票立会人5名の内の1名。

 ざっとこんな調子で(12)まで、イラン機関員らしい人物をリストアップしています。
 ひとわたりファイルをながめたかぎりでは公安警察は、イスラム教スンニ派のアルカイダが日本で活動しているという情報は持っていないようです。むしろイスラム教シーア派のイランや、イランを後ろ盾にしたレバノンのシーア派イスラム教原理主義組織ヒズボラの動向に注目しています。

 いろいろすごい情報がつまった流出ファイルでした。とりわけ『国際テロリズム緊急展開班班員名簿』が面白い。他人のプライバシーをのぞき見するくらい面白いことはないよね。公安秘密警察官のプライバシーだったらなおさらです。なんといっても顔写真までついている詳細なものだからね。公安警察官なんていっても、シケた顔のおっさんが多い。四十歳こえてるのに独身で親と同居なんてやつもいます。
 反体制派からは「公安秘密警察」なんていわれるけど、公安警察官の個々人は、フツーに家庭を持ったフツーの人なんだよな。それなのに住所・電話番号・家族構成まで記録された名簿が流出してしまった。これはもうお気の毒としかいいようがない。ヘタしたら家族にまで危害がおよびます。グーグルマップでちょっと調べれば、子供がどこの小学校に通っているかまですぐわかる時代です。名簿にのっている人は、全員引っ越すことになるだろうな。

 

 nyからファイルを入手しても、アラブ人のフリをして奥さんに「アナタのダンナさん、秘密ケーサツね。ワタシたち、弾圧されてみんなオコてる。ダンナさん、ケーサツやめないと、ムスメの××ちゃん、コロしま〜す。××小学校にカヨてるの、知ってるヨ」なんていうイタズラ電話をかけたりしちゃダメだぞ。
 こういうイヤガラセは、革マル派の得意技で、「ナーバス作戦」とよばれています。ポイントは、手紙など物証が残るものを使用せず、電話の利用に限ること。当たり前だが、履歴が残る携帯や自宅電話を絶対に使わず公衆電話を利用するといったところだろうか。公安警察官や敵対セクトの活動家は、それなりの覚悟もあるし訓練されているからナーバス電話なんかをかけてもあまり意味がない。
雑記69917-18日(金-土)『寒村茶話』(荒畑寒村)をよむ』で書いた荒畑寒村に対する革マルのナーバスもそうですね。明治時代から死線をくぐり抜けてきた老闘士に、革マルごときが脅迫電話をかけたところでこたえるはずもない。ところが、自宅に電話して奥さんに「子供がどの学校に通っているかわかっている」とか臭わせると、普通の主婦である奥さんは、ヒステリー状態になって家庭争議が起こり最悪では離婚にいたるほど『効く』らしい。離婚になったりしたら気の毒だからね。イタズラ電話なんかかけたらダメだぞ。約束だからな。

 話がそれてしまいました。2ちゃんねるでは、どこかのヒマ人が創作した捏造ではないかという説をとなえる人もいました。しかし、この説をとなえる人は、明らかに肝心のファイルを読んでいない。たとえば『ミサワホーム_1.PDF』というファイルを開いてみましょう。ファイル名がミサワホームなので、公安がプレハブ小屋でも建てるのかと思いました。実際は、公安警察官が三沢の米軍基地を訪れ、爆弾処理の講習を受けた報告書です。一部を引用します。

3 主催者
在日米空軍第
35 施設中隊爆発物処理班
※ ロジ支援:米空軍特別捜査局(
OSI)東京事務所及び三沢事務所

4 参加者
警察庁警備課××警部
外事課××警部(ロジ担当)
国際テロリズム対策課××警部
同上××警部
警視庁外事第三課××警部補
同上××警部補
公安機動捜査隊××警部補(第三公捜班)
同上××巡査部長(第三公捜班)

5 研修実施者
米空軍三沢基地爆発物処理班(
Explosive Ordinance Disposal;略称EOD
×××・××××曹長
×××・××××××軍曹
××××・×××××上級空兵
××・××××××一等空兵

6 研修内容
(
1) 19日(一日目)
爆発物処理班(
EOD)事務所において
・米空軍特別捜査局(OSI)の任務と研修概要説明
・米空軍爆発物処理班の組織及び任務等
・爆発物の基礎知識、威力、発見時の措置等
・秘匿爆弾の基礎知識(威力、発見時の措置)
※ 秘匿爆弾とは、アタッシュケース、デイバッグ等に時限式や、トリックの起爆装置を取り付けた爆弾のことを示す。
・視聴覚による教養
・質疑応答(具体的な処理要領)
・爆発物処理用車両の見学と、説明
などを実施した。
※ 講義内容については、別添1(講義内容要旨)のとおり
(
2) 20日(二日目)
爆発物処理班(
EOD)事務所において
・視聴覚によるイラクの活動状況の説明
屋外グラウンドにおいて実技講習
・導火線による雷管点火
・フレックス※による金属切断(無線コントロールによる点火)
※ 正式には、「
Flexible Linear Shaped Explosive(又はCharge)」。断面が矢羽根型をした長さ約1mの鉛の筒にRDX が充填された可塑型爆弾
・C4(1.25ポンド)の爆破実験
・ダイナマイト(1.5ポンド)の爆破実験
爆発物処理班(
EOD)事務所において
・質疑応答と次回の講習における要望等
などを実施した。
※ 実技演習内容については、別添2(写真一覧)のとおり

7 入手資料
講義中に使用したパワーポイント資料(別添3)

8 その他(意見・雑感など)
(
1) 本研修における制約
○ 爆薬は、全て米軍で使用する軍用品に限られるため、テロリストにより独自に作成される可能性のある爆薬(
TATP ANFO など)については、研修用として使用することができない。
○ 海外法執行機関等に対する訓練は、FBIを通じたルートで行うことが基本となっており、今回のような研修において、より実践的な訓練を期待することは困難である。
(
2) 要望意見等(今後に資するために)
・イラク・アフガンにおける実際の処理状況などがわかるビデオ等による視聴覚教養をもう少し増やしてほしい。
・爆発物処理車を利用した模擬訓練を実施してほしい。
・爆発物を取扱う仕事上の苦労や工夫している点(事故防止の観点で)を教えてほしい。
・爆弾処理等による仕事上のストレスの解消方法などについて教えて欲しい。
・爆発物処理要領チャート、爆薬の性能比較チャートもしくはグラフなどがあれば理解が進むと思うのでそのような資料を用意してほしい。

 警察は、自衛隊ではなく米軍からテロ爆弾の講習を受けているんですね。たしかにテロ用爆弾処理の経験は、米軍と自衛隊では比較にならないでしょう。ここの記述に注目してください。

○ 爆薬は、全て米軍で使用する軍用品に限られるため、テロリストにより独自に作成される可能性のある爆薬(TATP ANFO など)については、研修用として使用することができない

 TATPとは過酸化アセトンのこと。過酸化水素と硫酸から容易に製造できる爆薬です。2005年のロンドン地下鉄同時爆破テロに使用されました。ANFOは、硝酸アンモニウムを主原料とした爆薬のことです。肥料から簡単に製造できるため、これもテロ用爆薬として多用されてきました。167人が死亡した1995年のオクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件で使用されたといわれています。
 こんな
TATPとかANFOなどという略称を一般の人が知っているわけありません。オレは、二〇年くらい昔に趣味で『日米軍用語辞典』を手元において米軍の武器製造マニュアルを翻訳したので知っていましたが…。まあ、こんな人はめったにいないでしょう。

 最後に『日本における国産テロリストの脅威について.PDF』というファイルについてひと言書いておきましょう。以下引用です。一部省略しました。

平成20年11月20日
メモ
日本における国産テロリスト(ホーム・グローン・テロリスト)の脅威について
最近の各国のテロの傾向を見ると、イスラム過激派等のテロ組織に属さない普通のムスリムが、インターネット等によりアル・カーイダなどの過激思想に触発され、自ら過激化して、居住している国内でテロを起こす所謂「国産テロリスト(ホーム・グローン・テロリスト)」による犯行が顕著になっており、取り締まる側にとって、計画を事前に察知することがますます難しくなってきている。
日本でも同様の傾向が存する可能性があると見られていたところ、当庁でも、北海道洞爺湖サミットの直前に、インターネット上のチャットルームを利用して、ジハード(聖戦)を煽動するパキスタン人や、ヒズボラ支援者であることを標榜し、オルグ活動をするレバノン人の存在を認知し、それぞれ事件化により容疑を確認し、サミット開催中の脅威を排除した事案があった。
これら事案は、在日ムスリムの過激化の萌芽とも言える事例であると思われるのでご紹介する。

1 当庁の事件化事例

(1) チャットルーム「パルトーク」によるジハード扇動事案の容疑解明

  − 略 −

(2) 国際テロ組織「ヒズボラ」容疑人物の容疑解明

  − 略 −

3 今後の対応

両事例のように、社会や環境に対して不平・不満を抱いているムスリムがパルトーク等のチャットルーム内で互いに呼応し合い、過激思想に傾倒した場合、急激に過激化が進行し、特に、第2世代のムスリムの若者は、過激思想に感化されやすい状況にいるとも考えられ、ホーム・グローン・テロリストとなってテロを敢行する可能性も否定できない。
従って今後、
(1) インターネットのチャットルームに関する情報線を構築してこの種在日ムスリムを把握していくこととしたい。
(2) また、都内14,254人の対象国人(H20.1.1現在の外国人登録者数)のうち当課の把握では、1,600人程度いると見られる2世、3世、この内、小中高校生が788人49%を占めておりますが、彼らについても、次のサミットのある8年後には、海外の過激化事例に多く見られる世代、すなわち10代後半から20代前半に達することから、刑事、組対、生安、交通、地域、会計、受付業務等各部門においてイスラム諸国人等の子息を扱った場合は、人定事項等の情報が確実に公安部門に集約される体制を構築するなど、連携を強化し実態把握を強化することとしたい。
 3. 最後に、インターネットの関係で申し上げれば、爆発物の原材料をインターネットで入手することは、店舗に置いて
(ママ)入手するのに比べて容易であると言うことができ、今後、インターネット等の通販業者を含む化学剤取扱い業者等に対する管理者対策をより一層綿密に実施する必要がある。

 どうやらビン・ラディンに代表されるアルカイダの第一世代は、完全に押さえこまれているようです。それに代わってネット上に流れるアルカイダ・プロパガンダにかぶれた若者が、それぞれ勝手自由にテロを起こす事例が増えています。ネット・テロですね。2005年のロンドン地下鉄同時爆破テロなどが典型と思われます。
 理系の高学歴インテリが多かった一次世代のアルカイダと異なり、ネット・テロを起こすイスラムの若者は、都市のスラムでくすぶっている無職の貧困層が多いのが特徴とのことです。これってモロに日本のネトウヨに一致します。
 ネットというのは、低額で利用できる時間消費型の貧困層のメディアです。弱者特有のルサンチマンに満ちていて、日本でも「在日朝鮮人は劣等民族だから収容所に入れて皆殺しにしろ」くらいの主張なら、
2ちゃんのニュース速報+あたりで普通にみることができます。日本のネトウヨは口だけですが、アラブ世界は日本と比べものにならないくらい社会の矛盾が大きいので、実際に行動する者があらわれるのでしょう。
 ここではまだムスリムについてだけですが、警察もネット掲示板やチャットなどに監視の目を向けはじめていると考えた方がいいでしょう。ネットは便利なようだけど、足跡が残るので警察に補足される可能性は非常に大きい。超一流企業といわれる東京三菱銀行から非合法に外国大使館の口座情報の詳細を入手するくらいだから、プロバイダーから令状なしで履歴をとるくらい公安警察なら可能でしょう。実際にネットを利用した『
「パルトーク」によるジハード扇動事案』と『国際テロ組織「ヒズボラ」容疑人物の容疑解明は、二件とも別件で容疑者が逮捕されています。
 まあ、オレが書くことじゃないかもしれないけど、ネットだからといっていい気になってカゲキなことを書き散らすと警察に目をつけられて監視され、なにか容疑があると適当な理由をつけてガサ入れしてくる可能性が大きいということです。裁判所なんて警察の言いなりで令状を出すからね。せいぜい気をつけましょう。

 (追記)
 113日の報道によるとこの文書は、ルクセンブルグのサーバーを経由して意図的に流された形跡があるということです。革マルっぽい言いかたをすると、権力内謀略グループの陰謀なのだろう。オレには、社会党出身の岡崎トミ子が国家公安委員長になったことに反発する公安警察内部の者が意図的にファイルを流出させたように思えます。

 公安警察の内部文書購入ページ

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113日(水)『うさぎドロップ』八巻、『木造迷宮』四巻、『ジャジャ』十三巻、『ナポレオン 獅子の時代』十四巻を読む

 休日なので終日ゴロゴロしてたまっていたマンガやアニメを消化しました。
『うさぎドロップ』は、リンちゃんが高校生になったらただの恋愛作品に堕落してつまらなくなってしまった。いいかげん切ろうと思っていましたが、最後と思って購入した八巻でまた面白くなってきた。うーむ、リンちゃん、その人を好きになったらまずいだろう…。この展開のための高校生編だったんだな。これは面白いので、今後も購入することにしました。
 女中さんマンガ『木造迷宮』四巻は、「うーん」という感じでしたね。売れない小説家と可愛い女中さんのほのぼの二人暮らしを描いたほんわかマンガなんだけど、四巻でこのパターンは飽きました。消費者とは残酷なもので、同じパターンを続けるとすぐに飽きてしまう。五巻もこのパターンだったら切ってしまおう。
 イタリアバイクマンガ『ジャジャ』十三巻は、話しが横道にそれて若干停滞しています。それに恒例のイタリアバイクのうんちくが少ないなー。変なうんちくを読んでいると不思議に面白いんだよね。オレにはまったく何の役にも立たない知識なので、一瞬で忘れてしまうけどね。三十路に近いヒロインのレナさんは可愛かったし、いつもの通りという感じでしょうか。十四巻も買うつもりです。
『ナポレオン
獅子の時代』十四巻は、相変わらず『北斗の拳』のフランス革命版という感じです。こんなんですからねえ↓ 

 

 この『ナポレオン 獅子の時代』の十四巻では、まったく女が出てこないな〜。オレとしては、同人誌時代のこんな↓方向に進んでもらいたかったのだが…。

  

 創作同人誌のETWAS時代からこの人の作品を読んでいたから、もう二〇年以上も読んできたことになります。こんなに極端に絵柄が変わった人も珍しいだろう。しかし、同人誌時代から基本的な漫画力の非常に高い人だったので、どんなに絵柄が変わっても読めてしまう。この人は女の子をけっこう可愛く描けるのに…。もっと女を出してほしい。

    

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114-5日(木-金)『ドイツ海軍魂』(カール・デーニッツ)を読む

 自殺したヒトラーに遺言で国家元首に指名されたデーニッツ海軍元帥の自伝です。ひどい題名だけど、原題は『波乱のわが一生』です。
 デーニッツによる第二次世界大戦中の回想は、『
10年と20日間』という本で別に書かれています。『ドイツ海軍魂』は、それ以外の幼少期、青年期、第一次世界大戦、ワイマール時代、そして第二次世界大戦後の戦犯裁判などが書かれています。第二次世界大戦中のUボート戦について知りたければ先に書いた『10年と20日間』や『デーニッツと灰色狼』の方がはるかに分量があって面白いと思う。しかし、第一次世界大戦でのUボートの活躍は? ドイツ軍の士官がなぜあれほどまでに有能だったのか? ドイツ帝国時代には、どのような教育がおこなわれていたのか? ドイツ海軍士官のメンタリティーは、どのようなもので、どのように形成されてきたのか? そういうことを知りたい人には、大変参考になる本だと思う。
 総力戦では、国力に裏打ちされた物量が最も重要です。しかし、あえて物量を抜きにして考えれば、当時のドイツ軍はおそらく世界最強だったでしょう。日本陸軍は、ノモンハンでソ連軍にコテンパンにやられました。当時の日本が北進をあきらめ南進したのは、それがトラウマになったことも理由のひとつらしい。ところがドイツ軍一個師団は、ソ連軍一個軍に相当する戦力を持っていたとされており、実際に数倍ものソ連軍を何回も殲滅しています。一個軍は三個師団だから、数が同じならドイツ軍はソ連軍の三倍の戦闘力があったことになります。名将ジューコフに率いられていたとはいえ、ソ連軍と日本軍だったらソ連軍の方が強いということは、ノモンハンで実証されています。ドイツ軍の強さは、日本軍の三倍以上といえそうです。
 ドイツ軍が、ソ連軍や日本軍の三倍の火力を持っていたわけではありません。ドイツ軍の一個師団がソ連軍三個師団と戦闘した場合は、優秀な偵察力と通信能力を駆使して一番弱体なソ連軍師団の最も守備のうすい所を探知し、戦車の突撃と急降下爆撃を駆使した立体的な戦術で突破して背後に回り殲滅する。残りの二個師団は、味方の師団の全滅で士気が低下し混乱をきたしており、同様の戦法で敗走させる。このような戦術は、歩兵の突撃しか能のない日本軍には無理な相談です。装備とともに、上級指揮官の質の差によるものが大きいと思う。
 ノモンハンで日本軍と戦ったジューコフや、米軍も、英軍も言っていることだけど、日本軍は、兵や下士官は勇敢で有能。ところが指揮官は、創造性が無く無能というのが定説です。将官の質については、愚劣とまで酷評している場合さえあります。現代にも共通するだろうけど日本では、上流ほど無能で無責任で腐敗しているようです。たとえば街のオマワリさんには、絶対ワイロなんて通用しないでしょう。ところが警察官僚の上の方や検察は、裏金をつくったりヤクザからピンハネしたりと相当にダメです。なぜ日本では上流ほどダメになるのかは、稟議制によって責任の所在を制度的に不明確にしているからとか、権力を上へ上へとシフトさせて権威者ではあるが無権力であるはずの天皇に帰納させてうやむやにしているからだとか、いろいろ考えられます。しかし、これ以上は論じないことにしましょう。
 対照的にドイツ軍では、士官や将官など上に立つ人たちほど義務感が強くて有能です。この差はどこからくるのだろう。そんなことも、この本を読んだ動機のひとつでした。やはり文化の差のように思えます。日本の上流階級は、いかにもアジア的で庶民を搾取の対象としかみていない節があります。ところが、ドイツの上流階級には、イギリスと同じくノブルス・オブリージュの伝統があるようです。そのせいか上流階級ほど厳しく徹底した教育が施されます。デーニッツが受けた士官教育も容赦のないものでした。売れない絵描きとしてウイーンでブラブラしていたころのヒトラーとは大違いです。
 とりわけ自殺する直前のヒトラーに指名され、なりたくもない国家元首となった後の一週間に及ぶデーニッツの義務感と活動に感銘を受けました。デーニッツは敗戦は避けられないと見切っており、西側連合軍と終戦交渉すると同時に東部地域に取り残されたドイツ人の救出に全力をあげます。東部では、親ドイツ的で比較的民度の高かったリトアニアですらドイツ人に対する虐殺事件が起こるほどで、東部に取り残されたドイツ人がどうなるかわからない状態でした。デーニッツは、海軍の経験を生かし国家元首の立場を利用して東部地域から二百万人以上のドイツ人を救出することに成功します。ただし、その間にも強制収容所では虐殺が続いており、戦闘でおそらく数万人が戦死したことも忘れてはならないでしょう。
 ナチスの戦犯を裁くニュールンベルク裁判では、ナチスドイツ最後の国家元首だということで十年の禁固刑を言い渡されました。ヒトラーに国家元首として指名されるまでは、海軍軍人としての仕事をしていただけだし、国家元首であった間も降伏交渉と東部からのドイツ人救出活動しかしていないのだから、これは不当判決に思えます。デーニッツは、従容として刑に服し
1956年に出獄。1980年に八九歳で亡くなりました。
 ナチスによるユダヤ人虐殺については、つぎのようにのべています。

 一九四五年五月七日、私は当時の国家元首として初めて、ドイツ国民の背後で犯罪者の一味によって行なわれた強制収容所における人間虐殺について聞いた時、ドイツ人によって行なわれたこれらの犯罪についての調査と処罰が、早急にドイツ国法廷で可能になるように、アイゼンハワー大将あて申請させたが、アイゼンハワーからの返事は、いつまで待っても来なかった。
 人道に反するこれらの犯罪が、当時ドイツ法廷の手で直ちに追求されていたとしたら、私はそれが正しかったと思ったし、また今日なお正しいことと思っている。それがわれわれドイツ人の義務であり、またこのような非人道的な事件を直ちに解明することは、われわれドイツ国民の道徳的健全化のためにも重要なことだった。

 一週間とはいえドイツの元首まで務めた人によるこの発言は、アウシュビッツは無かったとか主張している連中に対する強力な反証になるでしょう。
 ヒトラー暗殺未遂事件については、つぎのように記述しています。ヒトラー暗殺が成功していたとしたら、ドイツ軍は崩壊しその結果三百五十万人のドイツ人がスターリンの手にわたっていただろうと予想し、

 それゆえに私はヒトラー暗殺計画には賛成しなかった。特にヒトラー政府による人間虐殺事件については − 本件については、東部戦線の反ヒトラー派の抵抗者の中には、同方面におけるヒムラーの活動に関する知識を通じて知っていたらしい者もいる − 私は全然知らなかったからでもあった。
 私から見た当時の状勢は以上のとおりだった。今日私はこれらの事態をどのように見ているだろうか。この場合特に問題となるのは、いろいろな、たとえばユダヤ人虐殺のような犯罪について、もしも私が知っていたとしたら、私自身としてはどんな行動をとっていただろうか、という点である。このような犯罪は私には絶対に我慢できないことであり、むしろ反対していたと固く信じている。このことが、どんな風に展開していたのだろうかと、後から想像したり、または主張することは、不可能であるとともに無益である。
 そういうわけで、今日の私としては次のような見解である。ドイツ人の男女が良心的に深く内省し、そして自国民を滅亡しないように救うことができるという信念をもって、抵抗の道を歩み、大逆罪と暗殺計画にまで進んだのだったら、それは − このようなことが非行であることを知っておりながらも − 道義的には正当なことだった。
 しかし、これと同じように善意の信念をもって、祖国防衛のために戦う義務を忠実に履行することも正当である。したがって、軍隊の司令官が、このような戦闘のための力を弱めて、損失を増大させるような一切のことを阻止しなければならない、という見解を持っていたら、それも同様に正当なことである。

 ここらへんが忠誠の誓いにしばられたドイツ軍人の限界なのだろう。しかし、どうしてこんなにも有能でまともな軍人が最後までヒトラーに忠誠を尽くしたのか、根本的には理解できませんでした。いくらなんでもスターリングラード以降のヒトラーが総司令官では、見捨てるか逃げだすかすると思うのだが。デーニッツははっきり書いていないけど、彼の頭の中ではヒトラー ドイツだったのだろうか。だとすればバカだと思うけど、デーニッツはバカではないしなあ。政治的な知恵と軍事的な才能は、また別なものなのだろうか。

 題名のセンスでもわかるように訳文が古くさく、誤字脱字当て字が多くて決して読みやすい本ではありません。読了するのに二日もかかってしまいました。しかも絶版で、古本だと五千円くらいする。戦記とか戦史ではなく、ドイツ軍人の精神や生き方について知りたいという人に特におすすめします。

   

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116日(土)DVDGUNSLINGER GIRL』をみる

 1021日の雑記に書いたマンガ版『GUNSLINGER GIRL』が非常に面白かったので、アニメの『GUNSLINGER GIRL』をみました。アメリカアマゾンで全巻セットを千五百円くらいで購入して積んでいたものです。
 欧州映画を意識したと思われる叙情的というかダルな演出が格好つけてますねー。作画の水準が高く、よく動いて、声優も上手。非常に水準の高い作品だと思います。外国版を安く買えたけど、このくらい内容がいいと
Blu-ray版がほしくなるよなあ。ちょっと調べたら二万三千円もするでやんの…。高いよ。
 外国版を安く買えたと書いたけど、外国版だとオープニングとエンディングのクレジットが英語だったり、いちいち音声を日本語に変更するのが面倒くさかったり、リージョンフリーに改造した
DVD再生機を使わないとみることができないなど、不便な点が多い。楽天レンタルで50円で借りてAnyDVDCloneDVD2を使ってピーコするのが一番安くあがって、画質もよいですな。ブラウン管テレビでは気がつかなくてもハイビジョン環境でくらべると、やはり日本版DVDのほうが画質がいいんだよね。DVD一枚に二話しか入っていなかったりするから、四話入っている外国版にくらべると容量にゆとりがあって当然画質がよいわけです。日本版DVDは、九〇分程度のアニメでも二層DVDだったりするからね。
 大いに楽しむことができました。おすすめできる作品です。あえて気に入らない点をあげるとしたら、原作の持つ不健康で狂気な部分が若干薄められてしまっているところでしょうか。クスリを使って少女を殺人マシンに洗脳し、そのクスリを使えば使うほど寿命が縮まるという設定とかね。オレが大変感銘を受けた下↓のセリフも、「
先月は10人も殺したんです」から「先月は10人もやっつけたんです」に改悪されてしまっていた。プンプン!

 

 この出来からすれば当然ですが、とても評判が良かったらしい。続編の『GUNSLINGER GIRL -IL TEATRIN』が制作されました。オレはまだみていないんだけど、ネット上の情報によると、こちらはトラウマになるほどの大駄作らしい。面白いのは無印の『GUNSLINGER』のほうです。うっかり『GUNSLINGER GIRL -IL TEATRIN』と間違えないように気をつけてください。

  楽天レンタル。全三巻借りても150円…。

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117日(日)アニメ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』『神のみぞ知るセカイ』『海月姫』『心霊探偵 八雲』をみる

 ちょっと油断するとHD録画機に深夜アニメがたまる〜。『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』『神のみぞ知るセカイ』『海月姫』『心霊探偵 八雲』の四本をみました。みたというか、みさせられたというか。アニメとは、消化するものなのだろうか。作品というよりも消費物のような感じです。なんだかそんな気がしてきました。
『けいおん
!!』と『ストライクウイッチーズ2』が終了してしまって面白いアニメがなくなると思っていましたが、そーでもなかった。『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』『神のみぞ知るセカイ』『海月姫』『心霊探偵 八雲』の四本と、『侵略!イカ娘』が面白い。特に『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』は、予想以上の面白さです。他にもみなければならない作品としては『それでも町は廻っている 』があるんだけど、もう三回分くらいたまってしまっている〜。週に六本もアニメをみれば十分だよな〜。他の作品は切ってしまおう。
 期待していた『とある魔術の禁書目録2』は、面白くねえなあ。なにやら正体不明の戦っているだけで、みているうちに寝落ちしてしまう。こいつも切るか
?

 いらないエロ同人誌をヤフオクに出品していたところ、障碍者さんが落札してくれました。なんでも、収入がないのにエロ本ばかり買っていると家族に責められるので郵便局留めにしてほしいとのことです。ホロリとしてしまい、いらないエロ同人誌を何冊かオマケに同封したのでした。

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118日(月)『週刊石川雅之』(石川雅之)を読む

 ドラマにもなった『もやしもん』の石川雅之の短編集『週刊石川雅之』を読みました。これは面白い! 『もやしもん』よりも良いくらいです。気が強そうな女の子がいいし、水木しげる風のひょよよーんとしたおっさんもうまい。絵が魅力的でアイディアがあってオチがあって、よく練られた非常に完成度の高い短編集でした。なぜかウチの子供も菌のオリゼー絵本が好きなんだよねー。人を引きつける絵柄なのかな。

 2002年に放送された9.11テロ一周年の特集番組を録画したビデオをblu-ray化しました。VHSテープに三倍モードで三本もあるから十八時間です。がんばって十二時間分ダビングしたところでイヤになってしまった。

 日本テレビの『DON!』という番組で『女テロリスト重信房子の半生』なんていう小特集をやっていました。十八分という短尺だけどね。日本赤軍の重信房子が逮捕されたのが、ちょうど十年前の118日だったので企画したらしい。あれからもう十年もたつのか…。重信房子が新幹線で移送されるのを実況中継でみたっけなあ。ビデオにも録画していて、ちょっと前にblu-ray化したばかりだよ。
 こんな番組を放送しているなんて気がつかなかったけど、録画機が自動で録画をしてくれていました。みている番組の傾向に合わせて録画してくれる『お好み録画』という機能のようです。同じような
HD/blu-ray録画機を二台持っているんだけど、なぜか片方しか録画していない。こいつらは、それぞれまったく違う番組を自動録画します。デジタル機器は、よくわからんな。
 娘さんの重信メイがインタビューを受けていました。美人だよなー。母親の重信房子もかなりの美人だったが、重信メイはモデルとしても通用するほどの美人です。これで三七歳ですか
? 日本人とアラブ人をかけあわせると美人ができるのかなあ。
 重信房子の出所予定は
2022年だそうです。あと十二年か…。出所時には、七七歳になっているはず。規則正しく健康的な刑務所の環境だったら長生きできそうだ。なんとか生きている間にシャバに出られそうですね。

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119-10日(火-水)肺の影

 細君が妊婦検診に大学病院にいってきました。なんでも超音波検査の結果、胎児の肺に水が溜まっているらしい。先週の検査では見当たらず、小さなものらしいのだけどひょっとしたら重大な疾患かもしれない。CCAMの可能性があるとのこと。日本語では、『』というらしい。 奇形! 奇形ですか?
 医師に来週は旦那さんもつれてきてくれといわれ、細君はすっかりションボリして帰ってきました。CCAMでググっみると、けっこうたいへんそうです。肺にできるでき物みたいなもので、大きくなってもう一方の肺や心臓を圧迫して死ぬこともあるらしい。まれに癌化するので手術が必要だとか。慶応大学病院のホームページより。

 出生直後の呼吸障害、または乳幼児期のCCAMでは繰り返す肺炎、合併症を回避するために摘出するのが普通です。この場合CCAMを含む肺葉(右:三葉、左二葉からなります)切除を行うのが通常です。またCCAMと他の悪性腫瘍との関係が報告されており、この意味からもこの治療が妥当と考えられます。

 医師が絵つきで説明してくれたぞ↓ あああ…、不幸…

 

 オレも一気に鬱になってしまった。産まれてすぐの赤ちゃんに手術ですか…。肺を切りとるの? ひょっとしてアバラ骨をへし折るのかな? 想像しただけで腰が抜けそうです。それに「悪性腫瘍」とかいわれると震えあがってしまう。このあいだ継母がすい臓癌で死んで以来、オレは癌恐怖症なんだ…。
 細君といっしょに寝こんでしまいました。やる気が出ないので雑記も休み〜。

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1111日(木)ビデオ『脱走大陸』をblu-ray化する

 本箱ひとつ分あったビデオもずいぶん減ってきました。二度と手に入らないテレビ番組を録画したビデオのblu-ray化は、だいたい終了して、残るのは映画やアニメなどです。DVDや動画で手に入るアニメビデオのたぐいは捨ててしまいます。blu-rayにダビングするのは、現在はDVD化されていない映画が中心です。『ニュールンベルグ裁判』一.二巻、『アウシュビッツの女囚』、『脱走大陸』、それに宗教団体が出した変なビデオなどですね。
『脱走大陸』は、レーガン大統領時代の第二次冷戦期につくられたアメリカ映画です。モスクワオリンピックに参加したアメリカ人選手が、罠にかけられスパイとしてシベリアの収容所送りになってしまう。主人公は、アメリカ魂を発揮し仲間を集め知恵を絞って地獄のような強制収容所からなんとか脱走するというお話し。まあ、典型的な反ソ映画ですね。八〇年代には、もうソ連には労働強制収容所は存在しなかったですからねえ。
 当時のアメリカ人が想像していたソ連の監獄の描写が面白い。主人公は、両腕を看守につかまれて床が汚水でビショビショの不潔な独房に文字通り放りこまれる。取り調べに対してスパイ容疑を否認する主人公が、だんだんボロボロになっていきます。シベリアの労働強制収容所の描写も一九五〇年代ふうで、囚人が斧を使って森林伐採をやっとります。それに、なにかといえば見張りの兵隊が
AK47を連射する。たまりかねた囚人が暴動を起こすと無差別に射殺して、多数の死体を逆さ吊りにしてさらしものにします。
 この映画をみたのは二〇年ぶりくらいです。テンポ良くて面白かったですよ。現在絶版なのがもったいない。潜水艦モノと脱走モノの映画は、たいてい面白いよね。

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1112日(金)『イスラム過激派・武闘派全書』(宮田律)を読む

 静岡県立大学准教授による本です。三五〇ページ以上もある浩瀚な本で、パキスタン・イラク・アフガニスタンなど台風の目となっている地域から、インドネシアやフィリピンまで世界中のイスラム過激派・武闘派の組織と指導者を紹介しています。
 こんなに詳細なテロ資料を個人の研究だけで書き上げるのは、まず無理でしょう。アメリカ国務省あたりが出したイスラムテロリズム関係の資料を相当参考にしているように思えます。自分が取材した地域の記述は、生き生きしていて「
私が取材したところでは…」とか書いているのに、アメリカの資料を写しただろう部分は、文体が訳文調で面白くないのですぐにわかります。だいたい世界中のイスラム過激派・武闘派組織のカタログみたいな本なので、そんなに読んで面白いものではありません。オレは読んだけどね。寝る前に読むとすぐに眠れるよ。
 イスラム過激派の指導者の経歴は、みんな同じようなものです。おおむね三世代に分けることができるでしょう。一次世代は、けっこういい大学を出てアフガニスタンに渡り、イスラム義勇兵になる。ここで義勇兵のリーダーだったオサマ・ビン・ラディンと知り合います。外国人部隊は、世界中にイスラム原理主義思想を広める要員として大切にされていたようで、あまり戦死者は出ていません。ソ連軍と数年間戦争をしてから母国に帰り、イスラム原理主義組織を立ち上げます。最初は神学校をつくったりして言論や福祉で活動するんだけど、当局に弾圧され投獄されたりして過激化。テロ闘争を始めるという感じでしょうか。
 二次世代は、この一次世代に教育された神学生などが中心です。子供時代から神学校にあずけられイスラム原理主義を注入された人たちです。オサマ・ビン・ラディンと直接面識があるのは、この二次世代まででしょう。アメリカがアブグレイブに収容所をつくり拷問までして情報収集にやっきになっているのも、このアフガニスタンのイスラム義勇兵を中心とするテロ・ネットワークを解明するためです。これは比較的うまくいったようで一次世代と二次世代のテロ活動は、おおむね押さえこまれています。
 しかし、現在は外国に出たこともない貧困層を中心とした三次世代が台頭しています。旧来のテロ組織とはほとんど関わりを持たず、無料のイスラム神学校やインターネット上のアルカイダ宣伝動画などでイスラム原理主義思想を吹きこまれ、テロに走ります。
 著者は、アメリカの資料を最大限に活用しているのにアメリカの対テロ戦略には極めて批判的です。イスラム諸国にはびこる社会的不正や貧困を解決しないかぎり、イスラム原理主義思想によるテロは根絶できないだろうとしています。イスラム教では産児制限をしないので、人口増加率が高い。人口は増えていくのに職は少なく、多数の失業者を抱えることになります。また、イスラム諸国の多くでは、義務教育は機能していないので、貧困層の子弟は無料のイスラム神学校に通うことになります。そのイスラム神学校は、サウジアラビアなど厳格なイスラム教国の援助でつくられた原理主義的なところが多く、教師はアフガン帰還兵だったりします。教育内容もコーランを丸暗記などです。これで反政府活動に走る者があらわれなければ不思議でしょう。
 アルカイダの画期的なところは、イスラム諸国内部の反政府活動にすぎなかったイスラム原理主義運動を、国際的な反米運動に方向づけたところです。政府の腐敗や弾圧もイスラエルの悪行もすべてアメリカのせいであるという論理を展開し、アメリカに対する聖戦を呼びかけました。アメリカは世界の最強国であるし、アラブの世俗政権を支持し、イスラエルの唯一にして最大のスポンサーです。アルカイダのこの論理は、かならずしも間違っていないでしょう。
 イスラム原理主義運動とは、ひとことで言えば七世紀あたりの中世カリフ制神権国家への回帰運動です。選挙や民主主義ですら神のするべき政治を人間がおこなう異端であるとするのだから無茶苦茶です。そんなことを目的とした運動は、無理に決まっています。しかし、そんな運動に賭ける以外にないところに、イスラム諸国の民衆の苦境があらわれているように思えます。
 イスラム原理主義運動の震源地であるアラブは、七〇年代まではアラブ民族主義やバース党などのソ連寄り社会主義が政治の中心でした。結局エジプトを中心としたアラブ諸国は、四次にわたる中東戦争でイスラエルに敗北しました。左がダメなら右だとばかりに台頭してきたのが、イスラム原理主義運動なのでしょう。イスラム原理主義運動というのは、宗教極右運動といってもよいだろう。
 アメリカの政界でキリスト教原理主義勢力が大きな力を持っていることは、よく知られています。イラクやアフガニスタンの対テロ戦争は、アメリカのキリスト教原理主義とアラブのイスラム原理主義の宗教戦争という側面も見逃せないと思います。
 宗教戦争には、お互いの価値観を認めて和解するか、一方がもう一方を絶滅させるか、いつまでもつづく百年戦争になるかの三つの道しかありません。アメリカと『テロリスト』の和解は、まず不可能でしょう。アメリカは、『テロリスト』を絶滅させるつもりのようですが、イスラム圏が常にテロリストを生み出す構造になっているかぎりそれは不可能です。いくらテロリストを殺しても、つぎからつぎへと新たなテロリストが現れるだけです。おそらくアメリカの対テロ戦争は、百年戦争になることでしょう。アメリカは、これから相当な長期間にわたり莫大な資源と人材をテロリスト殺しに浪費することになります。冷戦に勝利して世界で唯一の超大国とされたアメリカですが、無意味な戦争でこれから少しずつ国力を消耗していくことになるでしょう。ベトナム戦争では、交渉相手がいました。しかし、交渉の余地がなく交渉相手もいない対テロ戦争は、より性質が悪いといえそうです。
 先にも書きましたが『イスラム過激派・武闘派全書』は、百科事典的な本で面白いものではありません。イスラム過激派についてある程度楽しんで読みたいのでしたら、まえに『
遊撃インターネット狂人雑記68 934日(金ー土)』で紹介した『倒壊する巨塔』(ローレンス・ライト)上下巻をおすすめします。通史的な『倒壊する巨塔』を読んで個々のイスラム過激派や指導者についてよりくわしく知りたくなったら、『イスラム過激派・武闘派全書』を読んでもよいと思う。

   

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1113日(土)NHK21世紀への奔流』をみる

 1996年にNHKで放送された『21世紀への奔流』をみました。21世紀に起こるであろうさまざまな問題を予測した十回シリーズです。こいつを録画してから、もう十四年になるんだな〜。NHKのホームページでは、下のように紹介しています。

 21世紀まであと5年、世界各地で動き始めた新しい世紀への流れを1年にわたって伝えるシリーズ。

 冒頭から解説者が「十年後にみていただいて、なるほどと思っていただけるような番組を制作するという自負をもってとりくみました」といっています。ほう、どれほどの番組かと、興味深くみせてもらいました。
 十四年も前にみた番組なのに、けっこう憶えているものです。
NHKの問題提起番組は、暗いにゃ〜。面白いんだけど、みているうちに気が滅入ってくる。それでも五回までみました。

 第1回 豊かさへの大移動 
 第
2回 アジア 沸騰するエネルギー 
 第
3回 民族・憎しみへの代償 
 第
4回 熱帯からの逆襲 
 第
5回 内戦の予感 

 1回 豊かさへの大移動 は、フランスが舞台で、発展途上国から大量の貧乏人が押しよせてきて街が占拠されてしまうというルポルタージュです。外国人移民に反対する右翼排外主義の台頭も指摘しています。21世紀には、国境の壁が低くなり、人・物・財の移動が容易になるということでしょう。中国の低賃金労働者のおかげで、日本人の単純労働者の賃金が下がっていく現在の状況を予言しているようです。
 右翼排外主義の台頭の部分では、ネトウヨの出現をも予言している感じがします。ネトウヨって、時給八百円の仕事を中国人やらと取りあってる層が中心だよね。自分と職や福祉を奪いあっている中国人やら朝鮮人やらを憎むのは当然かもしれないが、なんだか情けないよな。おフランスの排外主義ウヨの集会も出てきました。こちらも同じような連中で、生活に疲れてしなびたようなのが多かったな。
 
2回 アジア 沸騰するエネルギー は、なぜかインドが中心にえがかれています。どういうわけか中国ではない。たぶん他の番組で特集したのだろう。21世紀には、市場の自由化で貧乏国が爆発的に発展するだろうという内容です。しかし、自由化された市場の暴力性とか、貧乏国の安い人件費による価格競争にさらされる先進国の労働者という視点がない。市場については七回目か八回目でやるようだが、この回は今ひとつですかね。
 
3回 民族・憎しみへの代償 では、旧ユーゴスラビアのボスニア紛争をモデルにして、冷戦後に高揚する民族主義と、それによる紛争を特集しています。あらためてみるとユーゴスラビアの内戦は、かなりひどい。若い女の子が狙撃手になって、ついこの間まで一緒に暮らしていた人を撃ち殺して賞金をもらうとか。ひとり殺すと二百ドルもらえるらしい。殺し屋じゃん。チェコとスロバキアのように、内戦にならずに上手に離婚できた例もあるんだけどなあ。
 民族主義というのは、
20世紀の第一次世界大戦以後に広がった概念だよね。むしろ21世紀は、原理主義宗教の時代になりましたね。19世紀から20世紀前半の世界史の中心が民族主義に目覚めたビスマルクからヒトラーまでのドイツだとしたら、21世紀の前半は、アメリカ・イスラエルのユダヤ・キリスト教原理主義とイスラム教原理主義勢力の闘争が歴史記述の中心になるのだろう。
 
4回 熱帯からの逆襲 は、エボラ出血熱など熱帯地方から発生するウィルス性の新型伝染病の特集です。なんと人口の三分の一がエイズ患者という、地獄のようなアフリカの国を取材しています。自分の死後に子供を路頭に迷わせないため、病身を押して必死に働くエイズ患者とか。この人たちは、みんな死んじゃったんだろうな…。
 この回では、熱帯地方の開発が進むにつれウィルス性の新型伝染病が次々とあらわれるだろうと、不吉な予言をしています。これは、鳥インフルエンザの流行など、けっこう当たっています。おそらく熱帯地方が発生源になるだろう新型伝染病に備える体制をつくらなければならないとも警告しています。
 
5回 内戦の予感 は、世界中に拡散する小銃や地雷などの小型武器を特集しています。チェチェン紛争で武装勢力に武器を売りとばすロシア兵の隠し撮りとか、世界最大といわれるレバノン人武器商人のインタビューとか。なぜか妙にAK47にこだわっていました。ゲリラ銃だからだろうか。
 アフリカの武装集団が小銃の買いつけにきて、ブルガリア製の
AK47が一丁八七ドルだとか、興味深かったですね。世界最大の武器商人にいわせると、内戦が頻発しているので小火器がよく売れているそうです。さすがプロだけあって中東は必ず火を噴くだろうなどと、かなり的確な予想をしていました。

 二五〇分も続けてテレビをみたら、疲れてしまった。細君は、腹がポンポンで体調が悪く寝こんでいます。だから子供の相手をしながら横目でみたという感じですね。本を読めないのがつらいな。

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1114日(日)NHK21世紀への奔流』『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』をみる

 昨日みた『21世紀への奔流』が非常に面白かったので、ダビングがてら続きをみました。6回 神々への回帰 です。アメリカのキリスト教原理主義を特集した回で、武装民兵のミリシアや人種差別団体のKKKに直接取材しています。よくこんなところに入りこめたなと驚いてしまった。NHKというのは、かなりすごい情報機関なのかもしれない。
 ミリシアとは、南部のキリスト教原理主義の白人によって結成された民兵組織です。アメリカでは、民兵組織をつくるのは合法なんだそうな。そこらの広場で自動小銃を使って軍事教練をやっています。ザバゲーみたいだけど、持っているのは実銃ですからねえ。日本だったら、たちまち警察が飛んできてパクられてしまう。ミリシア脳では、現在も西部劇の世界に生きているようで、自衛武装から始めてさまざまな規制をかける連邦政府の解体を目指しているそうです。百六十八人が死亡した
1995年のオクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件もミリシアの一派が起こしたものでした。この番組を放送した時期には、黒人教会に放火するのが流行していたようです。また、1995年の時点で、すでにネットを駆使してミリシア連絡網をつくっているのには驚きました。ネトウヨの元祖だ!
 宗教の人たちって、みている分にはホントに面白いんだよね。高校生を動物園に連れていってサルを見学させつつ進化論を否定する演説をぶつヤツとか、公立学校に通わせるのを拒否して自宅で神がかりな宗教教育を施すヤツとか、まあ、とても先進国とは思えないキチガイぶりです。他にも中絶反対の神がかりデモ行進がよかった。「ハレルヤー」とか唱えながら病院前をぐるぐるデモ行進。とうとう集団で病院の中に押し入って座りこみ、中絶にきた女をとりかこんでつるし上げる。「赤ちゃんを殺すのかー!」と罵声を浴びせかけたりね…。いや、実際に映像でこんな狂態をみると面白いよ〜。
 こういう人たちにかつぎ上げられて当選したのがブッシュ大統領なんだから、まともな政策をとるわけありません。こじつけの理由でイラクに戦争をしかけ、フセインを倒したはいいけど、とうとう宗教戦争にしてしまった。
 イスラム教は産児制限を認めないため人口の上昇率が高く、生産力が追いつきません。そのため分配する資源が不足し、これが失業や社会的不公正という形であらわれています。社会からはじき出されたこれらイスラム教徒の最貧層は、ルサンチマンのかたまりと化してネトウヨ的なイスラム原理主義に引きつけられます。彼らは反政府活動をしたり、義勇兵となって国外に出て蟻地獄のようなアフガニスタンやイラクに向かいます。そこではアメリカ軍がラスベガスにある司令所から無人攻撃機を操って『テロリスト』を殺しまくっています。テロ爆弾で逆襲しますが、皮肉なことに戦場で殺されるアメリカ軍の兵隊は、ミリシア予備軍となりうる下層出身者が多いんだよね。これは、宗教戦争でしょう。
 突き放した言いかたをすると、莫大な資源を使ってアメリカがイスラム教徒を殺し、彼らの過剰な人口をバランスしていると考えることができます。
 イスラム教が教義を変更して人口の上昇率を下げないかぎり、過激な原理主義者を生み出すイスラム社会の歪みの構造は変わらないでしょう。しかし、イスラム教が産児制限運動を始めることはおそらくないだろうから、この点からも、対テロ戦争が長期間続くことが予想できます。アメリカがハイテクを駆使してイスラム教徒を殺しまくり、たまにイスラム原理主義者が反撃のテロをおこなうというこの戦争は、おそらく今後数十年にわたり続くでしょう。イスラム原理主義勢力の勝利はあり得ませんが、アメリカ軍がいくら殺しても次々と新しい『テロリスト』が生まれてくるのだから、この戦争に勝者はありません。
 アメリカのほうがカネがあって旗色がよいとしても、日本がこんな愚かな戦争に巻きこまれイスラム教徒の恨みを買ったらバカバカしい。原油が入ってこなくなったら日本はおしまいです。それにテロ攻撃をしかけられたら、おそらく被害を受けるのは政府高官などではなく一般人でしょう。日本の庶民としては、政府があまりにアメリカに肩入れをしすぎないよう求めることが、最も利益にかなうと思います。

 毎週楽しみにしているアニメ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』をみました。中学生ツンツン美人妹が、妹エロゲーマニアだという設定が、なんともバカバカしくてよい。
 テレビは、いつも録画してからみることにしています。録画ならスイッチひとつでコマーシャルをとばせるからね。時間の無駄なので、コマーシャルなんかみません。とばされるんだから、テレビでコマーシャルなんか流してもまったく無意味だと思う。それなのに、なぜいまだにコマーシャルが存在するのだろうか。
 最初は面白いアニメでも、五回目くらいから作画が崩れて、それに比例するようにストーリーも陳腐でありきたりになることが多い。しかし『オレ妹』は、水準が下がらないですねえ。今回も面白かったですよ。渋谷のセンター街
(たぶん)で、アタマからバケツの水をかぶる妹がよかった。この女…。キ、キチガイなのか? オレだったら妹といえども捨てて走って逃げるところだが、この兄主人公は、ホテルに連れていってシャワーを浴びさせてやる。優しいなあ。しかし、中学生妹といっしょにラブホから出たところを補導されたらどうするんだ〜? わははは…。究極のアッシー兄であるなあ。
 前半に登場した黒猫もいい味を出していました。ネット上のウワサだと、主人公は黒猫とつきあうらしいのだが…。地味子はどうするんだ〜。

  

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1115日(月)ドガ展に行けない

 新聞の記事で横浜美術館でドガ展をやっているのを知りました。九月からです。ぜんぜん気がつきませんでした。ダメだなー。

 横浜美術館のホームページより

 オルセー美術館所蔵のドガの名品45点に、国内外のコレクションから選りすぐった貴重な作品を加え、初期から晩年にわたる約120点を展観いたします。

 十二月の頭に子供が生まれる予定ですが、細君の具合がよくない。羊水過多とかで腹がパンパンになってしまい、子宮筋腫もあってかなり苦しそうです。残念ながら自宅から離れられません。いざとなったら病院に担ぎこまないといけないからね。ドガ展は1231日までだけど、赤ちゃんが無事に産まれても弱った細君をおいていけないだろうなあ。手術があるかもしれないし、無理だよなあ。
 せっかく、おフランスのオルセー美術館からやってきた印象派絵画の傑作中の傑作、『エトワール』をこの目でみることができるチャンスなのに、残念だあ。この機会を逸したら、もう実物をみることができないだろうな。うあー〜。

 

 だいたいオレには、印象派しかわからない。例外もあるがオレにとっては、ルネサンスや宗教画は辛気くさいだけ。ロマン派は大仰でげんなり。現代絵画は、ムンクなど一部をのぞいてヘタな絵にしかみえない。だからなおさら印象派が好きなんだがなあ…。

 去年はほとんど鬱で寝こんでいて、渋谷Bunkamuraでやっていた『国立トレチャコフ美術館展 忘れえぬロシア』にも行けなかった。十九世紀から二十世紀にかけてのロシアが大好きなので、普通の状態だったら飛んでいくはずなのにね。渋谷に行く気力すらでないのだから、なさけない。せっかく十九世紀ロシアのツンツン美女を描いた有名な『忘れえぬ女』を展示していたのに…。実物をみたかった…。この絵をみるたびに、一生自分にむかっ腹を立てるんだろうな。

 

 今年になって少しは元気が出てきたと思ったら、この状態です。なかなかうまくいかないものですねえ。
 横浜美術館にリンクを張っておくので、興味のある人は、オレの代わりにみにいってくらさい。

 http://www.degas2010.com/

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1116日(火)諸行無常 / ロリの黄昏

 ネットで面白い画像をみつけたので貼りつけます。映画『ハリーポッター』の登場人物の皆さんです。時の流れの残酷さを感じますよ。
 わーい、ハーマイオニーちゃんのパンツがみえたー。

 

 しかし、現在はこんなお顔になってしまいました↓ うあー。ヘンな化粧をおぼえたな…。このメイクは、ケネディ大統領未亡人のマネみたいだ。

 

 それになんと、いちばん左にいるのが成長したハリー・ポッターですよ。かすかに眉のあたりに面影があるような…。あんな美形が、なぜにここまで劣化できるのか? 手前はハリーの友人のロン。若いころのビル・ゲイツみたいになったなあ。

 

 これほどの美形だったら、男の子でもOKだよな〜。うへへへ。なのに…。諸行無常。

 

 悪役美形は、こんな顔になってたたた。ハゲた…。コレハヒドイ。やばいクスリでもやっているのか? 人間は、子供のころが一番きれいなんですかねえ。

 続きまして、ロリマンガ専門誌『LO(エルオー)』の表紙です。たかみちという人が表紙を描いています。いい仕事してるよなー。でも、中味とのギャップがすごいぞー。表紙買いした女の子がビックリです! 中のマンガは、本当にロリロリエロエロですからね。
 ちょっと前に、たかみち氏の表紙絵だけをあつめた画集が出ました。当たり前ですが、その画集の絵にはアオリ文句が入っていません。このアオリが面白いんだ。いくつか紹介します。

 

まっ白いお米は、どろんこからできます。」 こんなことをロリコンマンガ誌の表紙に書かれると、思わず深読みしたくなるよね。この雑誌の内容を知っていれば、なおさらです。毎回アオリを書いている『LO(エルオー)』の編集者は、大層な異能の持ち主ですな。

 

ロリコンに、春は来ない。」 うーむ。自虐ネタかな? 『十八歳未満の非実在ナントカ』のエロを禁止するとかいうロリ禁止法改正が審議されていたころの表紙みたいです。

 

 きわめつけは、これ↑。黒枠で囲まれた表紙ですよ。「ぬのは怖くない。あなたと、いるから。」 うわー。
 たしかにロリ禁止法改正でロリエロ絵が禁止されたら、間違いなくこの雑誌は無くなってしまうでしょう。『
LO(エルオー)』は、非常に面白いエロ本です。無くなるのは惜しい。読んだことがない人は、一度手にとってみるといいよ。

   

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