遊撃インターネット雑記44 北のりゆき=死売狂生=行方未知 遊撃インターネット雑記 遊撃インターネットTOP ご意見等は掲示板へ http://webkit.dti.ne.jp/bbs1/yuugeki/yuugeki/ |
2008 年6 月1日(日)府中にいく しばらく忙しく雑記の更新が滞ってしまいました。すいません。 雑記TOP 遊撃インターネットTOP 6 月2日(月)『焦点 武装闘争特集合本』の版下作り 警察の広報誌『焦点』の過激派特集を集めた『焦点 武装闘争特集合本』の版下を作りました。マスコミなどに配布されたもので「記事や写真は自由に転載して下さい」ということなので、ありがたく使わせてもらうことにしたのです。第一級の史料だよね。七〇年代の内ゲバや爆弾闘争に関する記事が中心です。 雑記TOP 遊撃インターネットTOP 6 月3日(火)『公安警察の報告文書』の版下作り 共産党系の団体らしい『秘密警察糾弾人権擁護共闘会議』が発行した『公安警察の報告文書』の版下作りをしました。宴会帰りの公安が忘れていった『作業報告書』を労働組合員が拾い、出版してしまったという反警察文書の復刻版です。昭和三三年当時の警察によるスパイ工作や組合の監視などが克明につづられています。共産趣味者だけでなく警察マニアにもお勧め。 雑記TOP 遊撃インターネットTOP 6 月4日(水)『時をかける少女』をみる ずーっと前から気になっていたアニメ版『時をかける少女』のDVDをみました。ちゃんと流行を追いかけているオタクに比べるとオレは二年ぐらい遅れているなあ。
雑記TOP 遊撃インターネットTOP 6 月5日(木)『天元突破グレンラガン』をみるエヴァンゲリオンのガイナックスがつくった『天元突破グレンラガン』をみました。いいかげん版下作りに疲れたのでアニメに逃避です。昔のロボットアニメの「熱い」ところをそのままに現代風にアレンジした作品を目指した…のかな ?主人公のアニキ分が死んだらとたんに面白くなってきた。アニキが死ぬ場面は『あしたのジョー』のパロディ、いや、 最近はインスパイアというのか、なのかな。力石をモデルにしたとおぼしきキャラも登場するしな。ロボットが光るゲロを吐くとは思わなかった。 テレビアニメなのに中盤まで進んでも作画が崩壊しないところもよい。かなり質が高いアニメだと思いますよ。
雑記TOP 遊撃インターネットTOP 6 月6-7日(金-土)梵を飲む ネット注文した『梵 特撰純米大吟醸』『梵 GOLD 無濾過 純米大吟醸』『梵 艶 純米大吟醸』が届きました。『梵』シリーズは、純米大吟醸で貯蔵酒が最高にうまい。逆に新酒はあんまりうまくないなあ。 雑記TOP 遊撃インターネットTOP 6 月8日(日)『ひろさちやの「無門関」を読む』を読む『ひろさちやの「無門関」を読む』を読みました。アマゾンの商品の説明より。 48則の公案を解いてみよ。中心思想は「無」にある。「無」は虚無の無でもなく、有無の無でもなく、無の無である-。禅の公案集「無門関」を、ひろさちやが現代流にわかりやすく読み解いた、禅の奥義に案内するガイドブック。 ひろさちやという人は、浄土宗系の人です。親鸞じゃなくて法然のほうね。だからこの本は、念仏の人が浄土宗の解釈で禅を読み解いたという、まあ、奇書だよね。 一読して思ったのは、当り前だけど禅というのは自分で行なうもので本を読んで分かった気分になるものではないということです。禅とは、脊髄反射的な思考の短絡を嫌い、常に多面的な思考をもって物事の本質をみる訓練なんだろう。訓練というか鍛錬で修行なんだから本を読むだけじゃダメなのは当然です。しかし、この本は読み物として面白い。オレでも分かるし☆☆☆☆★
雑記TOP 遊撃インターネットTOP 6 月9日(月)ROME 6.7をみる細君がパートにいっている間、エログロ大河歴史ドラマ ROMEをみながら赤ちゃんをかまっていました。腕が吹っ飛んだり血が吹き出したり…、残虐描写に気合いが入ってるなあ。赤ちゃんにみせるのはよくなさそうなのでエログロシーンになったら、両手で赤ちゃんを目隠しするという方式をとりました。でも赤ちゃんは、テレビ画面には興味を示さず積み木にふけっていたので迷惑なだけだったかもしれない。 雑記TOP 遊撃インターネットTOP 6 月10-11日(火-水)大審問官スターリンと天元突破グレンラガン『天元突破グレンラガン』を全話みました。全話みることができるくらいには面白かったですよ。 スターリンが帝政ロシアの秘密警察のスパイであったという資料『オフラナ・ファイル』におびえ、パラノイア的妄想をふくらませ大粛清に到ったというのが骨子。スターリンは、完全な警察のスパイではなく、何らかのつながりをもっていて党内闘争で邪魔なものを警察に密告していたのではないかといわれています。ヒトラーにユダヤ人の血が入っていたという手塚治虫『アドルフに告ぐ』にちょっと似ているね。 『天元突破グレンラガン』では、弟分は主人公が新たな敵と対抗できないとみてクーデターを起こしたということで、後に反省して脱獄した主人公と和解します。…現実政治ではあり得ないよな。この弟分は、新たな敵との戦いで多くの民衆を見捨てることになると苦しむけど、これも現実政治ではあり得ない。スターリンの言葉に「一人ひとりの死は悲劇でも、大勢の死は統計にすぎない」というのがあります。ある意味政治の核心を突く名言だと思いますよ。 ヒロインのヨーコは、政府に加わらず田舎で教師をしています。このエピソードでは、コロンタイという女革命家を想起しました。ロシアの名物革命家で革命後は教育担当の人民委員(大臣)をつとめた人です。教育が動物の調教と同等視されていた時代に子供の自主性や創造性をのばすというリベラル左巻きの人が喜びそうな教育政策を行ないました。スターリンが権力を握った後、奇跡的に殺されずにすんだものの政治的には死んだも同然でした。ひたすらスターリンの慈悲を乞いつつ卑屈に生きたわけです。まあ、現実はそんなものだよね。 グレン団の旧メンバーをロシア革命に当てはめるとオールドボルシェビキですね。現実政治の世界では、ほとんど全員がスターリンの秘密警察に拷問され、してもいない陰謀を自白。見せ物裁判にかけられて処刑されます。『天元突破グレンラガン』では、主人公の元に再結集して新たな敵と戦い英雄的に死んでいきます。旧キャラが次々と処刑されていくなんていう暗いアニメはみたくないからそれでいいんだけど、同時に読んでいた本が本だからね。やっぱりぬるいなあ…、と思ってしまいましたよ。
雑記TOP 遊撃インターネットTOP 6 月12日(木)新聞広告でたどる60〜70年代の日本車(沼田亨)を読む題名の通り 60年から70年代の日本車の新聞広告を集めた本です。オレは、史上初めて大衆消費社会が到来した60年から70年代に興味があるんですね。自分が子供のころのことだし…。その大衆消費社会のシンボルともいうべき自動車の、しかも広告に目をつけたのは実にいい視点だと思います。実際に自動車の新聞広告を読んでみるとこれが実に面白い。偉そうな言いかたになりますが、大衆のもつ独特の俗物性・キッチュさ・軽薄さ・ペカペカさと、熱気・希望・消費の喜びのようなものが渾然一体となって迫ってきます。広告という媒体の性質上、単なる写真や文章よりも直感的に「分かる」んですよ。半日くらいあきずに眺めてしまった。 もうひとつ。自動車会社のなかでもトヨタのエグさは群を抜いているなあ、とあらためて感じましたね〜。☆☆☆☆★
雑記TOP 遊撃インターネットTOP 6 月13日(金)ゲバルト時代(中野正夫)を読む最近過激派の回想録がブームみたいです。過激派上司さんの『 I LOVE過激派』が端緒をつけたのかな。『ゲバルト時代』は、赤軍派からRG派という軌跡をたどった人の回想です。赤軍派はよく知られていますがRG派もそれに負けないくらいの武闘派でした。赤軍派は前段階武装蜂起の革命戦争派。RG派は爆弾闘争を含む地下ゲリラ戦争派というようにオレの頭の中では分類されています。著者は、赤軍派の機関紙など公然部門で活動します。最も回想録が出ているであろう赤軍派でも、軍の回想が中心で公然部門のは少ないので面白かったですねえ。公然部門といっても、ものすごい弾圧の下での活動なので半非公然活動に近い。昼間でもカーテンをおろしてほとんど拠点から出ることもできない。うっかり一人で外に出たりすると公安に路地に引っ張りこまれてテロられたりする。機関紙なんてどうやって印刷していたのかと思ったら、シンパの出版社の社長に原稿を渡すとその社長が印刷所に回してくれたらしい。赤軍派自体がどこで印刷しているか知らないという…。武装闘争を闘う半非合法党派の活動というのはそういうものなのかもしれないね。 著者は重信房子を筆頭に遠山美枝子や森恒夫などにも会っています。永田洋子とは警視庁の留置場ですれ違ったと。その人物評なども興味深いものでした。しかし、資金稼ぎに左翼崩れのマスコミと接触したり替え玉受験をしたのがバレて査問にかけられることになり、赤軍を脱走します。残っていたら連合赤軍で殺されていたかもしれない。正解でしょう。 しばらくブラブラしているとRG派にスカウトされます。RG派というのは、普段は真面目な市民を偽装して生活し、指令がくるとゲリラをやるという党派です。ブントの軍事組織や左派が源流のようだから赤軍派とは兄弟みたいな党派でした。そこで著者はパトカーに火炎ビンを投げつけるゲリラをしたりしているから、立派なゲリラ要員です。最後は、指紋から指名手配者と同じところにいたのがばれて犯人隠匿で逮捕され出獄後に組織を離れました。大変な人生だなあ。 赤軍派とRG派にはちょっと面白い思い出があります。以前『連合赤軍服務規律』という冊子を発行したことがありました。原版は連合赤軍の森恒夫が執筆したといわれマスコミに出回ったものです。ところが都市生活を行なうゲリラの注意とでもいうべき内容で、どうも山にこもった連合赤軍っぽくないんだよね。 常々疑問に思っていたところ、あるときRG派の機関誌『赤報』を読む機会があり、そこに『連合赤軍服務規律』とまったく同じ文章が掲載されていたのです。赤軍派とRG派は、もともと同じブント左派から出た組織だし『ゲバルト時代』の著者のように人的交流?もあったようだからRG派の服務規律とも言い切れないんだけど、時期的に考えて少なくとも連合赤軍の服務規律ではないような感じです。いつか訂正しないとなあと考えつつも確証がなくそのままにしていました。 先日、映画『実録連合赤軍』みた際にふと思いついてネット辞典のウィキペディア(Wikipedia)で「連合赤軍」を引いてみました。そしたら連合赤軍服務規律が載っているんだよね。あらあらと思って眺めていると…、「第十四章 彼女」のところで(註:武器等を指す隠語と思われる)なんて書いてある。ひい! この注はオレがつけたものだ…。これを書きこんだ人は遊撃インターネットをみたな。う〜ん。間違った知識を広めちゃったなあ…。 間違った情報といえばもっと面白いことがあったぞ。ずっと以前に『魔法使いサリン』という冊子を出したんですよ。アメリカのアングラ本に載っていたサリンの作り方の翻訳版です。これのおかげでえらい目にあいました。まぁ、そのことはいつか別に書くことにしよう。 で、その『魔法使いサリン』をつくっていることをオタク友だちに話したところ、そいつは『勇者サリーンの歌』という替え歌をもってきました。ロクなもんじゃないけど、こんな歌詞です。 平和な夜の 松本市内 勇者ライディーンOPの替え歌なんだけどね…。まあ面白いんでこいつも載っけといたのです。いやいや。反省してますよ。反省。 オウム作詞「サリンの歌」まで登場―米国オウム公聴会議事録のサワリ
オウム真理教事件は、米国でも「安全保障上、最も重大な懸念となる事例」として、深刻に受けとめられている。 松本市の平和な夜、 俺たちの手でも人を殺せるぞ、 到る所に死体が満ちる、 そこだ! サリンを吸えサリンを、 サリンを用意しろ! サリンを用意しろ! すぐに毒ガス兵器があふれるぞ、 撒け! 撒け! サリン、勇者サリン…。 この歌の存在は一部には知られていたが、何ともおぞましい歌詞が公開されたのは、これが初めてである。 ぶははは…。日本語を英訳してそいつを再び日本語に直すとずいぶん歌詞がエグくなるな。こっちの歌詞のほうがいいじゃないか。この歌の存在は一部には知られていたが ってなんだよ。みてきたようなウソばっかり書きやがる。オウム施設で押収された、「サリン製造マニュアル」に書かれていた というのも大ウソだにゃ〜。こいつは同人誌の即売…、いやいやいつか別に書くことにしよう。このマニュアルの作者は「松本アーンリン」っていうのも違うぞ。発行人・松本散燐だった。ちなみに訳者・第一通報者というフザケぶり。 アメリカの上院議員さんは、お疲れ様でした。オウムさんには、とんだ濡れ衣を着せてしまったな。この「調査報告書」なるものが大統領まで上がっていたら最高なんだがな。 いやいや。反省してますよ。反省。
雑記TOP 遊撃インターネットTOP 6 月14日(土)不忠臣蔵 (井上ひさし)を読む 井上ひさしの『不忠臣蔵』を読みました。討ち入りに参加しなかった不忠臣たちを描いた本です。質のよい噺家の語りみたいな文体ですね。ちょっと話ができすぎたきらいはあるけど面白いですよ。
雑記TOP 遊撃インターネットTOP 6 月15日(日)都築響一の本を読む 定期的に不眠におちいります。どうにもこうにも眠れない。そこで先日買いだめた都築響一の本をまとめて読みました。この人の本はどれも素晴らしい。写真もいいし文章も実によいね。なんと言えばいいだろう。気がきいているというか、ストンと腑に落ちてくるんですね。 イメクラをアートとしてとらえる人間はいない。しかしそれが風俗雑居ビルの中にあるからだれも気にしないだけであって、もしそれがそのまま、酒落た現代美術館のフロアに再現されていたら、いったいどうなるだろう。それはすばらしく難解なコンセプチエアル・アートに見えてしまうのではなかろうか。 本来的な意味からして、イメクラとはシミュレーション・アートの極北なのだ。無名のアーティストと無名のコレクターと無名の観客が、評価されることも援助されることもないままに、それどころか法を犯し逮捕され閉店を余儀なくさせられる危険をつねに冒しながら、ストリートという名の壮大な美術館で展開しつづける、無意識の、だからこそ真に革新的なプロジェクトとしての。 収録された写真に小難しいことはひとつもありません。独特の生っぽい迫りかたは、宮本常一に通じるものがあるような気すらします。都築響一のほうがずっと面白いけどね…。 あの坂もこの夜も幾つもお葬式がおこなわれてて… ………すばらしい…。
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