遊撃インターネット雑記20
北のりゆき=死売狂生=行方未知

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2007125() 萌え電波音楽を収集する

 今日は仕事したり読書したりでした。空いた時間は、2ちゃんねるの『笑える電波ソングを集めるガイドライン』スレを参考にして、エロゲーの萌え電波音楽をダウンロードしていました。最近、2ちゃんねるが閉鎖されるという噂があって、このままじゃ、過去スレがどうなるか分かりません。2ちゃんねるを読むことができる内に、電波音楽を集められるだけ集めておこうと思ったわけなのです。

 最近のエロゲーは良い電波を発している曲が多く、しかも大抵ホームページから宣伝用のshortバージョンやオープニングの動画を無料でダウンロードできます。shortバージョンといっても馬鹿にはできません。むしろfullバージョンよりいい感じにまとまった良曲が多いんです。shortバージョンを先に作って、fullバージョンと称して後から水増ししている曲が多いんじゃないかな。

 広大なネットの海で萌え電波音楽を収集するには、どのゲームのオープニングが電波だといった情報が最重要です。やはり2ちゃんねるの『笑える電波ソングを集めるガイドライン』スレが一番役に立つんですよね。一部の不届き者のせいで2ちゃんねるが無くなったら痛いなー。

 ダウンロードしただけではダメで、整理する必要もあります。無料とはいえ、けっこう手間がかかりくたびれる作業です。気分転換にメールボックスを整理していたら、半年くらい前に出会系がよこした面白メールが出てきました。下に引用した文と出会系のアドレスだけが載っています。元は2ちゃんねるの書き込みらしい。

 ある朝僕のちんこが
 
おまえは俺のでっかいオマケなんだとうちあけてくれた

 
いわれてみればなるほど納得
 
僕はちんこが僕についてると思ってたよ
 
実は僕がちんこについてたんだね

 全然協力的じゃない香具師だと悩んでたけど
 
すうっと気持ちが楽になった
 
今まで偉そうにしてて悪いことしたな
 
連れて歩いてやってるような態度でいたな

 
僕のほうが大きかったから、なんとなく勘違いしてたよ
 
ちんこの話をよく聞いて
 
すなおに生きればいいんだ
 
僕はちんこの、オマケなんだから

 
ある朝僕のちんこが
 
おまえは俺のでっかいオマケなんだとうちあけてくれた

 きょうから僕は、
 
ちんこに連れて行ってもらうんだな
 
どこへでも、ちんこが指すほうへ
 
ちんこが行きたいほうへ

 http://www.***/***/****

 気が利いた文章です。ちんこの話をよく聞いて すなおに生きればいいんだ というのがすっと胸に入りました。真理をついているよな。

 もうひとつ。毎日新聞の川柳欄より転載です。毎日楽しみに読んでいるんだ。朝日川柳よりバカバカしい句が多くて面白いよ。

 裸ではなかったことに抗議する

 

 笑える電波ソングを集めるガイドライン 26曲目
 http://ex20.2ch.net/test/read.cgi/gline/1169653205/

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2007126() マクドナルドの新製品はまずい

 枕元で叫び声がするので目を覚ました。夜中の三時。

 赤ちゃんがフトンからとび出して、オレの枕元でクネリながら変な雄叫びをあげていました。腹が減っているようなので、ミルクを与えます。飲み終わったので寝かせようとするが、叫びながら足をバタバタさせてイッコーに眠らない。細君が起きたらかわいそうなので、赤ちゃんを居間につれていって足元でじゃれさせ、寝っころがってパソコンをいじりました。不眠ぎみのオレが珍しく早く眠れたらこれだもんなぁ。アタマがフラフラするよ。

 そのうち赤ちゃんがはい上がってきて、オレの顔をジーッと見ます。くんくんくん。どうやら「うんちしたー ふいてくれー」と目で訴えているようです。オムツをかえようとすると、なにか嬉しくなってしまったらしく、ニコニコしながらうんちつけた尻をクネクネと動かしそこらへんを転げまわろうとする。うんちしたのを訴える知性は生れてきたのに、なぜオムツ換えの最中にじっとする分別がないのだろうか? 赤ちゃんは6時ごろまで泣いたりはしゃいだりして、ようやく寝てくれた。フトンに移動させると目を覚ますかもしれないので、毛布をかけて居間で寝かせました。

 赤ちゃんの生命力はものすごく、付き合うとくたびれてしまいます。腹が減ったのでマクドナルドへ。ヤフーの無線LANの携帯端末を持っていきますが、なぜか接続できなくなっていました。どうやらウイルコムが配布していた無線LAN自動切換えツールをインストールしたせいらしい。アンインストールして、ああでもないこうでもないといじくりまわし、1時間もかかってようやく修復。せっかくうまく接続していたのに、便利そうだからって余計なソフトを入れるもんじゃないですね。みやげに新製品の『マックグリドル ベーコン&エッグチーズ』なるものを購入。

 

 帰宅すると、細君が起きていました。オレが出て30分もしないうちに、赤ちゃんは毛布からとび出し泣きわめいていたらしい。困ったものだ。

 細君にみやげをやると、すごくまずいとのお言葉。せっかく買ってきてやったのにいちいち文句が多い女だね、と思って一口食ってみたら、これが本当にまずいっ! パンがケーキのスポンジみたいに甘ったるいんですよ。甘パンとベーコンや玉子焼きの辛味がケンカしちゃって、どうにもならない味に。先日のかた焼きそばとまた違った気色の悪いまずさでした。

 最近赤ちゃんが夜中に騒ぐようになったのは、力がついて寝相が悪くなりフトンをとび出し寒くて目を覚ますからではないかと思いつき、西松屋に行って『かいまき』という赤ちゃんに着せるタイプの毛布を購入しました。…これで安眠できるだろうか。

 先日届いたDVD『涼宮ハルヒの憂鬱 限定版』のハルヒダンスだけ観ました。一番アタマのハルヒが手足をバタバタさせるところがいいなあ。フルサイズではなく、テレビサイズのエンディングの止め絵の部分をダンスに差し替えただけなので、ちょっと短いのが残念。

 ニコニコ動画などにアップされているので、気になる人は検索してみればよいと思うよ。同じ動画サイトでも、YouTubeよりニコニコ動画のほうが面白い。動画といっしょに、観た人のコメントが流れてくるのが素晴らしいね。

 
 ニコニコ動画 http://www.nicovideo.jp/

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2007127() 仰ゲバ尊シと萌トリビュート 

 寝不足なので早めに寝ましたが、赤ちゃんに深夜1時に起されました。一度起されるともう眠れません。やむ得ず医者からもらったハルシオンを飲みました。そうしたら今度は死んだように眠ってしまい、起きたら夕方に。せっかく土曜で休みだったのになあ。

 22日の日記に書いた、児雷也の『仰ゲバ尊シ』と『萌トリビュート』が昨日届きました。フラフラして見る気がしなかったので、本日開封。

 『仰ゲバ尊シ』は、マンガとして非常に優れています。ゲバとゲイを掛け合わせたキワモノのつもりで読んだら、とんでもないですよ。挫折体験を経て人間に対する温かい視線を身につけた人が描いた、基本的にハッピーエンドだけど読後感がちょっとしんみりする人情モノという感じでした。ゲイのエロ描写もすごいけど、この作家だったらゲイを売りにしなくても一般誌でも充分いけるだろうと思います。意外にかわいい女の子を描きますしね。気に入らないところはパソコン使って描いてジャギが荒い点くらいでしょうか。

 教養が感じられ人間が描けているとても優れた短編集だと思いました。現在、これに匹敵するドラマが描けている美少女系のマンガは…、ちょっと思いつかない。ここのところ美少女マンガをあんまり読んでいないからかな…。昔のマンガだったら最盛期の町田ひらくか陽気碑くらいだろうか。このくらい描ける美少女系のマンガ家が、そろそろ出てきてくれないかなあ。この人は他にも単行本を出しているらしいので、そっちも買おうと思います。

 ロリは将来性がなさそうなので、ちょっとゲイの方にも手を伸ばしてみようかと思いましたが、やっぱりオレには無理でした。女の子の方が、小柄で細っこくて胸もあって声がキレイでいいよなあ、とか思っちゃうもんな。ためしにこの本を腐女子のケがある細君に見せてみたら、筋肉モリモリで毛むくじゃらの男は受けつけないようでしたよ。オレと同じだ。

 『萌トリビュート』を聴きました。『笑える電波ソングを集めるガイドライン』スレでは評判が散々だったけど、オレはけっこー良いと思いましたよ。

 歌が上手いかと問われれば、たいしたことない。でも、オレはヘタっぴな同人CDもかなり聴いてるからね。このくらいなら許容範囲だよ。商業CDとしては歌唱力はかなり下だけど、同人CDの中では上の部類といった感じでしょうか。十代前半にしては、かなり良く歌っていると思いますよ。かつてのおニャン子クラブよりは、はるかに上ですね。ロリが一生懸命電波ソングを歌っているところが、ちょっと寒いけど萌えでもあります。

 かなり「分かっている」人が選んだらしく、収録された曲の選択が良いのも勝因でしょう。特にネコミミモードは、ロリが代わる代わるに「にゃーーーん」とか言うので、脳内にユンユンきました。

      

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2007128() 北杜夫『茂吉』全4巻を読了

 細君は赤ちゃんを連れて実家に帰り、日曜なので仕事をせず、一日中読書していました。食事に行くのが面倒くさいのでお菓子の類いを食べ、家から一歩も出ませんでした。

 北杜夫の『青年茂吉』『壮年茂吉』『茂吉彷徨』『茂吉晩年』の4冊を読了しました。どくとるマンボウこと北杜夫が、父である昭和の大歌人斉藤茂吉を描いた伝記です。

 この本でとりわけ印象に残ったのは茂吉についてではなく、妻である輝子の凄まじいばかりの悪妻ぶりです。斉藤茂吉は、もともと東北の田舎の貧乏少年で上の学校に行ける目途もなく、中学を卒業したら僧侶になるか百姓になるかと考えていました。茂吉の秀才ぶりを聞いた遠縁の病院長が、跡継ぎにと養子に引き取ったことで彼の人生は転回します。高等教育を受けられるとともに、この病院長の娘と結婚することが運命づけられるのです。この輝子が恐るべき女でした。

 女子学習院に人力車で通学し、婦人画報の口絵写真『令嬢鑑』に載せられるほどの美貌を持った名家の令嬢。夫となる13歳年上の茂吉は、東北から出てきた風采の上がらない田舎者です。茂吉は輝子を愛し短歌にも詠んでいますが、輝子は茂吉を軽蔑しきっていたようです。一見さえないけど本当は天才の男と、上流のツンツンお嬢さまの組み合わせ。アニメやゲームならいいけど、現実にこの二人が結婚すると…。

 斉藤茂吉は、すごい人物なんですよ。一高、東大と当時のエリートコースを歩み、医学博士で長崎医専(長崎大学医学部)の教授を勤め、ドイツに留学しています。そのうえアララギ派の大歌人でもありました。もの書きとしては夏目漱石や正岡子規の弟子筋にあたり、現在の評価は同格くらいの人です。

 知識が貧しいので、おかしなところがあったら笑ってください。明治維新以降、日本は西洋コンプレックスで、歴史的に西洋の大文学に匹敵するものがないのが悩み、というか劣等感を感じる理由のひとつでした。そんな西洋崇拝であるとともに、現在よりもはるかに国家主義的な時代に、斉藤茂吉らが万葉集を再発見し、古代の日本に偉大な文学があったことを広く知らしめました。それだけではなく、閑人の余技にすぎなかった和歌を、万葉調や写生でもって復興したのです。ある意味、日本人の誇りを取りもどしたといえるくらいのスケールの歌人です。でも輝子は、そんなことにはまったく無関心でした。

 作家というのは業の深い仕事で、自分の両親を北杜夫はこんなふうに書いています。

 この結婚のとき、二人とも清らかな身ではなかった。藤岡武雄氏「斎藤茂吉写真・資料で描く歌と生涯」によれば、学習院卒業の頃のてる子には、「青山脳病院に勤務していた医師と親密になり、両者の関係は深い交渉があった」という、斎藤平義智氏の証言がある。平義智氏は茂吉の親類で、青山脳病院の医師を長く勤め、極めて真面目な人であったから、この証言は信用できるといってよい。

 茂吉もそれなりに遊んでいるんだけど、この時代に許婚のある女が他の男と遊んではまずいでしょう。しかも、遊びの相手は将来の夫と同じ職場に勤めている人です。しかし、茂吉は「をさな妻」を思慕する短歌をいくつも作っています。

 北杜夫は、もっとすごいことも書いています。茂吉と輝子が結婚して数ヶ月は夫婦生活が無かったのではないかという研究者の説に対してです。父母についてこういうことを書くのだから、やはり作家というのは業が深いですねえ。

 だが、私が思うに、茂吉は妻にいくら恋人がいたにせよ、またいかに自分を嫌っているにせよ、また養子の身でつつましくふるまわねばならなかったにせよ、あの茂吉の性格の一部からして、いったん「をさな妻」を妻としてしまった以上、その前に必ずファック、或いはレイプしていたであろうと想像するのである。

 どうも北杜夫の筆は、茂吉に厳しくて輝子に甘い。オレにはどう考えても輝子が悪く、これじゃあ茂吉でなくても激昂するだろうと感じるところでも、茂吉の短気を書きます。輝子は、派手好きで遊びまわるだけならまだしも、機会さえあれば浮気をする女でした。

 茂吉が長崎医専の教授として長崎に赴任した際は、4ヶ月以上も長崎に寄りつかず、ちょっと来てもすぐに東京に戻ってしまい、身の回りの世話をするどころではありません。しまいには大ゲンカをして東京に帰すことになりました。詳細は不明ですが、どうやら普通のケンカではなく輝子の浮気が原因のようです。茂吉は3年近く長崎に単身赴任することになり、しかも当時死病であった結核にかかってしまいます。

 こんなのはまだ序の口です。運良く結核が癒えると、茂吉は3年間ドイツに留学します。帰国の夫を迎えることを口実に、輝子は周囲の反対を押し切ってヨーロッパに渡ります。そして、茂吉と再会して7ヵ月後に出産するのです。ここから北杜夫の文を引きます。自分の姉についてよく書いたもので、やっぱり業が深い。

 ここに、百子(ももこ)は茂吉の子ではないという説が生れる。肉親としてこんなことは書きたくないが、すでに他の研究者の方が指摘しているので、私も文学者の一人としてやむを得ないことだ。

 つまり、輝子は浮気をして妊娠し、それを糊塗するため強引に渡航し、夫と寝たというのだ。この愛人には歌舞伎役者説もあるが、紀一の長男西洋の妻淑子はこれを否定している。しかし、彼女はこう語ったこともある。「それは公然の秘密だったのよ」と。

 これほど人を馬鹿にした話はないでしょう。医者でもある茂吉が気がつかないはずありません。ヘタしたら刃傷沙汰にでもなりかねない事件だと思いますが、茂吉はこらえました。これほどまでに寛大な茂吉を、北杜夫は抜けていて偏狭な男に描いています。

 しかし、茂吉の挙動を日記その他から調べると、初めのうち、百子が自分の子ではないという認識は不思議なほどない。だが、やがてそれは猜疑となり、兄弟の中で百子にもっともきびしく接するようになる。

 −略−

 また、女学校も上級になると、輝子の血をもっとも引いて我儘な百子は、夜に帰宅するのがしばしば遅れた。父は自分の勉強にかかずらって、あまり子供らのことをかまわなかったが、幾度か百子を二階の書斎に呼びつけて長いこと説教をした。その怒り様は凄まじかった。書斎のちょうど下の七畳半の部屋に、兄を除いた私たち子供は寝るのだったが、二階で怒鳴っている父の声がビリビリと階下まで響いてき、叱られる当人でない私まで怖ろしくなったものだ

 その他の場合、父が百子を差別してあつかったことを私は知らない。

 北先生。これは差別ではないでしょう。親だったら、ここで叱らなければだめだと思うのですが…。

 帰朝した茂吉に、つぎつぎと不幸が降りかかります。まず、帰国直前に院長を継ぐはずの病院が全焼します。茂吉の帰国を祝う餅つきが行われ、その残り火から出火し、全館に拡がったらしい。留学中食費を削ってまでして集めた書物は、全て焼失しました。同時に医学者になるという茂吉の夢も断たれます。

 茂吉は、病院再建のため慣れない金策に駆けまわることに。このときの借金は、後に茂吉を死ぬほど苦しめることになります。しかも再建なった病院は、以前とは比べ物にならないオンボロでした。設備も不良だったようで、毎週3人ほども患者が死亡するありさま。自身も医師である北杜夫は、異常な死者の発生率に信じられない思いで当時の記録を読んだと述べています。頼みの義父は精神的におかしくなってしまい、茂吉に負担が集中します。しまいには脱走した患者が放火事件を引き起こし、警察の命令で義父に代わり院長をさせられることに。この間輝子はまったく内助の功を示すことはありませんでした。

 それどころか、とうとう茂吉を激怒させる事件を引き起こします。ダンスホール事件です。警察が上流夫人との不行跡を行っていたダンス教師らを逮捕したという事件。ダンスホールを舞台に、有閑マダムが美男のダンス教師を相手に乱交を繰りひろげていたというところでしょうか。姦通罪があった時代です。警察はこんな風紀取り締まりも行っていました。この事件は、朝日や読売などの全国紙でも大々的に報道され、警察の取調べを受けた上流夫人の中に「青山脳病院でアララギ派の歌人斉藤茂吉博士夫人輝子」の名もあったのです。直前に歌の師匠と高弟をつぎつぎに亡くし弱っていた茂吉に、この事件は大変な打撃を与えました。茂吉の日記から引きます。

 夜半ニ夢視テサメ、胸苦シク、動悸シ如何トモナシガタシ。コノママ弱リ果テテ死ヌニヤアラントオモフバカリナリ

 心労のあまり神経症になってしまったようです。輝子と別居し、弟に預けて謹慎させることを決意します。その弟の手記から。

 厄介きわまりないお客様だが、兄を思ってしかたなく引き受けた。しかし、ここは宿屋で、監獄でもなければ病院でもない。そんな監視など出来るものじゃない。そのうえ、輝子さんは普通の女性とちがって持前の気質で、シャーシャーたるものだから派手なかっこうで外出はする、欲しいものは食う、賛沢三昧で、何時の間にか、我々の見たこともないようなお菓子や、果物など取りよせるのだから、どうしようもなかった。

 輝子を弟宅へ連れて行った甥の談話。

 こんな悪役はなかったが、叔父の命令だから仕方なく連れて行くことにしたが、上野駅へ行くと本人が待っていて、御苦労とも言わないで、『私は二等、あなたは三等よ』と、一緒に乗ってゆくつもりであったが、いきなりそういって、三等切符を渡されたときには唖然としたが、それでも、無事山城屋へ送り届けてホッとした

 ここまで来るとむしろ感心してしまいます。別のところで二階に軟禁されたときには、ロープを伝って脱出し東京に舞い戻ってくるという離れ業を演じています。謹慎させようにも、勝手に東京に戻ってきてしまうのだからどうしょうもありません。この夫婦は10年以上別居することになります。

 輝子は妻としてだけではなく、母親としても失格だったようです。北杜夫はこんなことを書いています。

 母は姉百子が可愛い顔をしていたから贔屓で、よい服を着せ、ときどき一緒に外出していた。一方、松田の婆やまかせであった私や妹昌子はろくな服装は与えられなかった。

 これまで書いてきたようなことは、周囲の人にとっては大迷惑でも、関わりのない人にはどうでも良いことです。しかし輝子は、日本の文化に対してとても悪いことをしています。斉藤茂吉クラスの人になると岩波書店が全集を発行し、非公開の日記やメモの類も収録されます。この日記の輝子に都合が悪い部分が、消されたり破られたりしているのです。茂吉が老衰した際に看病していた輝子が行ったことでした。母親に甘い北杜夫はこんなことを書いています。

 勝気である母が自分に不都分な箇所をごくわずか消したり破ったりしたことは、一介の女性として自然な行為であったろう。

 オレには北杜夫の母親は、海外旅行好きの婆さんで、いい歳で南極に行ったりテレビにもよく出ていた人気者という程度の知識しかなく、こんなものすごい女だったのかと驚きました。茂吉の短歌は不幸な時期の方が良いものが多いらしい。この妻のおかげで茂吉は多くの傑作を詠むことができました。しかし家庭的には大変不幸だったというほかない。

 上流階級というのは、変なところです。斉藤家だけなんだろうか? 70歳を超えた北杜夫が、兄の斉藤茂太を「お兄さま」と呼んでいます。家庭内では、父親は「お父さま」、母親は「お母さま」。例の姉の百子なんて「ももさま」ですよ! なんだか女学生みたいだね。家族に対するこの呼び方にも一驚しました。

 作家・北杜夫についても書きたいことが多いのだけど、多すぎて書ききれません。いつか機会を見つけて書きたいと思います。

    

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2007129() 日記を書く

 日記に「きのうはにっきをかきました」と書くことほどバカバカしいことはないけど、実際昨日は空いている時間ずっと日記を書いていました。日記というより本の紹介みたいな文章でしたからね。あんなのでも書くのに何時間もかかってしまった。

 実家に帰っていた細君と赤ちゃんが夕方に戻ってきました。赤ちゃんは、この間まで回転移動しかできなかったのに、ハイハイがずいぶん上手になっていました。実家に帰すと一段成長して戻ってくるような気がします。たぶん祖父母が大喜びでかまってくれるので、張り切ってしまうのだろう。帰宅後も興奮し、遅くまではしゃいでいました。

 夜、ヤフオクでちくま文庫の柳田國男全集全32巻セットを発見。即決価格が3万円です。全巻セットでこの値段だったら高価くはないので、よほど落札しようと思いました。でも、読む時間と本を置く場所がない…。それでも柳田國男は読んでおきたい。内容はもとより、文がきれいだからね。ちょっとせこく2万5千円で入札しておきました。

 柳田國男全集は、筑摩書房から立派な装丁の旧かな版と文庫の新かな版が出ています。『國男』と『国男』の違いですね。主に大正から昭和にかけて民俗学の分野で活躍したあの柳田國男を新かなで出版するなんて、かなり無茶なことです。でもオレは学者じゃないし、趣味の読み物としてなら新かなの文庫版でも仕方がないか。それに生まれたときから新かなだったから、なじんじゃって新かなの方が読みやすいんだよね。

 3日前に『あきばおー』に注文した電波音楽の同人CDが届きました。

Bluerose heartAsterisk@ \630
THE @UDiENCEBPM:Maximum Creations \1,470
esteem』少女病 \1,575
『わにわに天国/あいびき とろ美CD』とろみせ屋さん \1,260
『とろプロ〜ゆる歌ソング〜 とろ美CD』とろみせ屋さん \1,260
DOLL / Kiseno TsudukiPetit-Pit \1,050

 同人CDをny氏から借りるのは申し訳ないので、ちゃんと買うことにしています。安価いしね。同人なので玉石混交です。お勧めのものがありましたら日記に書きますね。

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2007130() 高島俊男『お言葉ですが…』を読む

 新刊を読んだら面白かったので、文庫本になっている『お言葉ですが…』の1、2巻を再読しました。非常に学識のある人の書いた面白い本なんだけど、やっぱりそれ以上に悪口がすごい。野球中継で流れるDJ風アクセントの場内アナウンスが気に入らないと、こんな感じです。

 なんで日本人が日本人の名前を言うのに、わざわざ西洋人のまねをしなければならぬのか。そんなに西洋人がありがたいか。ならアメリカへ行ってポン引きにでもなればよかろう。

 もちろん、こんなのばかりではありません。面白い知識が詰まっています。面白そうなのをあげてみましょう。愚か者を表わす「タクラダ」という言葉の語源について、柳田國男の『たくらた孝』から短くまとめています。 

 語としてはタクラブ(較ぶ)と源を一つにする、日本の村には生まれつき愚かな人を神さまのお使いとして大事にする風習があり、そのような人にあたえるタクラ田という田があったらしい、祭の際に愚か者を演じて人々を笑わせる演者をタクラと言い、それは大きな職分であった、そこで人のまねをしてしくじり人に笑われる(人を笑わせる)のがタクラであった

 タクラ田なんていう風習とか、面白いでしょ。こういうのを読むと、日本人は優しいなあと思いますよ。そんなわけで元の柳田國男を読みたくなってしまい、ヤフオクで全集に入札しました。と・こ・ろ・が…、他の人に3万円の即決価格で落札されちゃったよ。ちぇっ。あーあ、せこいマネしないで3万円で即決すればよかったかなあ。でも、早稲田あたりの古本街に行けば、けっこう安く売ってたりすると思うんだよね。なかなか早稲田まで行く暇がとれないけど、今度久しぶりに行ってみようかなあ。

 仕事の以外は、読書と先日ダウンロードした電波音楽の整理ですね。無料なのはいいんだけど、フォルダにまとめたりつまらない曲を消したりなどの整理に時間がかかります。まだまだ全部聴いていませんが、ちんちんの長さからとったと思われる『13cm』というエロゲーメーカーが発売した、『ネコっかわいがり!』のデモムービーがなかなかの強電波を発していました。ゲーム自体の評判はまあまあ。見た目の雰囲気と異なり、鬱な話らしい。無料のダウンロードページにリンクを張っておきます。

 そうそう、安売り紹介ブログを見ていたら、8ギガバイトのUSBメモリが9千999円で通販していたよ。安くなったね〜。これからのパソコンは、ハードディスクが無くなって、メモリにOSをインストールするようになるんだろうね。そうなったら故障が減ってたすかるな。パソコンは、ハードディスクが妙な音を出して壊れるパターンが多いからね。

 

 13cm ネコっかわいがり!デモムービーダウンロードページ
 
http://13cm.jp/game/cat/download.html

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2007131() 奇妙な夢

 細君が赤ちゃんを健康診断と予防接種に連れて行きました。体重9.4キロ。この月齢の赤ちゃんとしては標準の上限を超えています。けっこう自由に這い回らせたり、転がらせたりしているから成長が良いらしい。診断は異常なし。注射されたら泣いちゃったらしいけど、帰宅したときにはケロリとしていました。

 最近、細君実家で鍛えたせいか、はいはいが上手になり、ちょっと変わったものがあると目を輝かせて這い寄りイタズラをします。本を積んでおいたら崩されるし、なぜかオレの足にとりついてすね毛を引っぱる。すね毛のどこが面白いのだろう?

 奇妙な夢を見ました。高校のテストで、長谷川哲也のマンガ『ナポレオン獅子の時代』を読まされ、「ナポレオンとおまる」というテーマで小論文を書かされるというもの。『おまる』って、赤ちゃんや小さい子供が使う簡易便器のおまるのことだよ。いったいオレの潜在意識はナニを考えているのだろう?

 夢の中で書いた論文がまた傑作です。三章からなり、「1.おまるによる階級的均質性の幻想 2.おまるが表す階級格差 3.おまるの支配構造」とかいう堂々たるモノ。1はナポレオンがヒラの兵士と立小便をするのは、階級の差異を隠蔽するための手段であって…、とかいう内容。目を覚ましてから考えると、おまると立ちションは関係ないよなあ。2.おまるの階級格差は、貴族や金持ちの便所が立派なのは、階級の格差をリアルに表わしているとの趣旨。我ながらバカバカしい。3のおまるの支配構造は、対立するふたつの階級の下におまるの掃除などの汚れ仕事に従事する被差別民をおき、差別意識をもって支配構造を強化するとかなんとか…。夢の中でずっとこんな大論文を書いていましたよ。本当にオレの潜在意識はナニを考えているのだろう??

 なんで夢のことなんかを書いたかといいますと、奇妙な夢だったというほかに、この夢論文の内容が、オレが高校生のころはまだ強かった進歩史観そのまんまじゃないかと我ながらあきれたということもあります。いかにも社会科教師に受けて良い点が取れそうなことを、夢の中で計算して書いている。こんなのが自分のアタマの中で血肉化していたら嫌だなあ…。

 ネットのニュースによるとPCサクセスが倒産したらしい。ここでは、外付けハードディスクなどを5、6回は買っています。きのうも宣伝のメールが届いていたような…。うっかり何か買っていたら危ないところだった。アキバの安売り店は、いかがわしいところが多いですねえ。

 『北斗の拳』の絵でナポレオン。この作家も同人出身です

 

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200721() 東洋経済が紹介する北朝鮮本

 メールソフトのゴミ箱を探したら、きのうの日記に書いた、倒産して夜逃げしたPCサクセスのメールマガジンが出てきました。とりつけ騒ぎを起こす前日までこんな宣伝メールをよこしてくるんだから、本当に厚かましい。うっかり何か注文を出していたら、そのカネ持ってドロンされるところだったよ。油断もスキもありゃしない。

 

 週刊東洋経済に『北朝鮮を知る10冊』という記事が載っていました。公安関係の分野は、以前日記に書いた革マル本のヤツみたいないい加減な売文屋が多いので気をつけないといけません。東洋経済は、経済誌の中では一番面白いうえに水準が高い。東洋経済がすすめる本だったら、まあ大丈夫でしょう。というわけで、紹介されていた本の中で面白そうなのを2冊。

 金昌烈『(増補版)朝鮮総聯の大罪』。北朝鮮にだまされたのは、何も日本人ばかりではない。日本で差別されながらもひと財産作った在日朝鮮人もだまされました。在日朝鮮人の代表的な職業といえば、金貸し、パチンコ屋、焼肉屋といったところか。そんな海千山千の連中までもだます北朝鮮のシステムとはどのようなものか「手段を弄して人々を陥れる総聯の活動を描いている」ということ。最近は在日タブーも無くなってきたようですね。

 佐藤勝己『日本外交はなぜ朝鮮半島に弱いのか』。この本によると北朝鮮は、在日朝鮮人と朝銀の不良債権のカネで核兵器を造ったらしい。朝銀の不良債権は日本の税金で埋めたのだから、北朝鮮の核兵器は、日本の税金で作られたともいえる。なんともバカバカしい話。その他総聯の暴力、在日朝鮮人の脱税幇助などが実名をまじえて書かれているとのこと。

 日本で被差別弱者らによる二大集団といえば、解同と総聯だろう。両方とも最近ひどく評判を落とした。人権やら反差別やらの美名の裏で、暴力を振るったり利権を貪ってきたのだから当然だとも思う。それに社会党を中心とした左翼の退潮も大きな理由のひとつだろう。

 社会党には、自立して判断する以前に、弱者や少数者団体の主張は無条件に正しいとみなす倒錯したところが確かにあった。新左翼はそれ以上で、弱者や少数者の主張に無条件で迎合し、その迎合の度合いを自らの「左翼性」の証しにするような幼稚性が強かったように思える。そんな連中が政治に関わったって、人々に見捨てられるのは当然だろう。

 しかし、最近はそれが行きすぎてきたようで、公然と他人を差別したり少数者を切り捨てる主張が支持を集める嫌な世の中になってきた気がする。特にネットでは「反日だぁ!」と他人にレッテルを貼るのが流行みたいで、そういう連中はかつての左翼以上にバカで醜いと思うよ。

 

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200722() 魔法少女リリカルなのはを観る

 友人のny氏に借りたままでいたアニメ『魔法少女リリカルなのは』を観ました。5話まで観たところでギブアップ。つまんねえよぉぉぉぉ。いい年した大人が観るようなものではありません。 

 煎じ詰めれば『カードキャプターさくら』を劣化させ、エッチ風味に味付けしたというだけのもの。変身バンクシーンで毎回ロリヌードを拝むことができるのだけが取り柄。それ以外は全ての点で『さくら』に及びません。これ観るんだったら、もう一回『カードキャプターさくら』を観たほうが良くないかなあ。

 ネットで調べてみたら、エロゲーの『とらいあんぐるハート』のオマケについていた番外編が元になっているとか。そんなゲームもあったっけなあ…。ヌルくてつまんなかったからすぐに放り出してしまい、あんまり覚えていない。ロリヌードで客を引っぱろうという筋の悪さは、エロゲー出身というあたりからきてるのかなあ。

 せっかく観るんだから、少しはいいところを探そうと思ったけど、声優のしゃべり方まで『さくら』のパクリで、作画といい、キャラクターといい、設定といい、及ぶところがひとつもない…。パクるにしても、もう少しどうにかならないものか…。

 アマゾンで下の本を注文。読んだら感想を書きます。

 ○本の住人 1(kashmir)860
 ワン ホット ミニット(鬼束直)940
 五人部屋(児雷也)1200
 反逆の獅子―陸軍に不戦工作を仕掛けた男・浅原健三の生涯(桐山桂一)1890

 日記21 

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