才能あふれる詩人であり、麦子と麦太の母であり、東大で何かの仕事をしてる人(たぶん事務とか?)である塔島ひろみ主宰のミニコミ。
1987年の創刊以来、年一冊ほどのペースで23号まで発行している。
「車掌」という名称だが鉄道とはほとんど関係なく、内容を一口で言えばバカ実験のワンテーマ・マガジンで、たとえば画びょうについてあらゆることを調べるとか、何でも100回やる特集を組むとか、げっぷに従って旅をするとか、そういうことの結果がびっしりとレポートされている。
車掌の魅力について、こうやってさらっと文章で紹介するのは難しい。
なぜなら、車掌は一冊丸ごと全部がくだらないテーマで貫かれ、スタッフが本当にイヤそうに塔島の指令を完遂するところにおもしろさがある。極端な話、各ページタイトルだけで本文は読まなくてもいいぐらい。実際、あんなにびっしり書かれていると、全部読む人は少ないだろう。私も全部読んだことはない。
しかし、誰にも読まれないであろう記事もちまちまねちねちと書かれている。
ぜったい読まんだろ。
時間と紙と印刷代のムダだ。
ムダなのにやっている。
みんなオトナなのに。
車掌には「滑稽新聞」みたいな高度な諧謔性もなく、「GON!」みたいなビジュアル性もなく、いつまでたっても貧乏なミニコミでしかない。その野心のなさは呆れるばかりで、「純文学」にならって「純雑誌」と言って良いと思う。
車掌はミニコミだからできること、でも今まで誰もやってないことをしているミ
ニコミ。毎号違うテーマがあり、そのテーマ中は編集部員の全生活がそのテーマに
沿って(そのテーマを礎として)営まれる。今は「営業特集」中なので、編集部は
「営業部」と改称し、全員が記事も書かずに営業活動に専念している。それでこんな
サイトもできたけど、雑誌本体の方は一体どうなってしまうのか?とても心配だ。そ
んなミニコミ。 ・・2004/01/29 車掌編集長 塔島ひろみ・・ |
HOME私ことサイト管理人・神田は前号からスタッフに加入したが、当初は本当にイヤになった。塔島さんは次々にイヤな指令(車掌の旅に出ろとか)を発するが、やってあげたところで労をねぎらってもくれないし、先輩スタッフはみんな無口で、集まりがあってもぜんぜん楽しくない。今でも塔島さんやほかのスタッフとの個人的なつきあいは一切ない。
でもだんだんに、自分がイヤであればあるほど記事になったらおもしろいだろう。と思えるようになった。だから現在では、もっとイヤなことが起こればいいと願っている。とはいえ「やりたくなければやらなくていい」ということに気付いてしまい、なかなかイヤなことは起きなくて残念だ。(2004/1/22)
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