Q 退職金給付プランとは?
A 「退職金制度」は、個々の企業の退職金規程を根拠とする社内規程です。
退職金制度は、法律で規制されていますが、公的な制度ではありません。
それにもかかわらず、「退職金制度」という言葉は、公的な制度を思わせます。
したがって、「退職金給付プラン」という言葉をなるべく使います。
ただし、「制度」の方が、意味が通りやすい場合は、「制度」を使います。
また、「企業年金」という言葉は、原則的に使いません。
中小企業の場合、年金よりも退職一時金の方が、多く選択されています。
それで、「企業年金」は、実情に合わないからです。
Q 退職給付プランが、中退共と401kだけなのは、なぜ?
A 中小企業向けの退職金給付制度は他にもありますが、実際上採用できる選択肢は多くありません。
大多数の普通の中小企業が採用するのに、最も適したプランが、この中退共と401kです。
勿論、一概にそうとは言えない中小企業も、あります。
迷われている場合は、ぜひ、一度ご相談ください。
Q 退職金給付プランに、保険を使った給付がなぜ必要?
A 中退共、401kのみのプランにすると、退職事由で差額をつけることができません。
退職事由とは、自己都合退職と会社都合退職、定年退職の違いです。
また、功労報奨についても、支給原資をどう用意するかという問題があります。
つまり、比較的自由に設計できる遊びの部分が、この保険で用意するところです。
特に、中小企業の場合、この遊びの部分が有効に利用できます。
なお、当事務所が、特定の保険商品を勧誘することは、ありません。
Q 退職金給付プランに、成果主義は必要?
A はい。
必要だと思います。
会社に対する貢献の量が、退職時にははっきり分かるはずです。
それでも、勤続年数または給与次第で、みな同じ退職金になるというのは、どうでしょうか。
ただし、貴社の経営形態が、勤続年数重視の場合は、別です。
企業企業によって、事情が違うことは、考慮しなければなりません。
Q 退職金給付プランに、ポイント制は使える?
A ポイント制の賃金・退職金への導入が、増えています。
けれども、ポイント制を採用するのは、大変に手間がかかります。
それは、職能資格制度を、導入していることが前提になるからです。
職能資格制度を導入しても、適切公正な制度運用がおこなわれている企業は、多くありません。
問題は、やはり手間がかかり過ぎることです。
手間をかけないでおこなうと、色々問題がでてきます。
大企業ならばできることも、中小企業ではむずかしいということがあります。
職能資格制度は、従業員数の多い会社や、公務員の人事管理には、優れた制度です。
大人数を対象にしているので、団塊の世代の退職が始まった現在、時代遅れの制度になっています。
従業員が少ない中小企業で、これから職能資格制度を導入する必要があるのか、疑問です。
Q 退職金給付プランに、ポイント制は使えない?
A 退職金制度に賃金と共通のポイント制を採用すると、退職金額が高騰してしまう恐れがあります。
つまり、ポイント制という形で、賃金連動型の退職金制度をおこなってしまうことになります。
賃金連動型の退職金制度が、退職金高騰の原因であったことは、御存知のことと思います。
賃金と退職金では、算定方法・給付方法に、本質的な違いがあることの理解が必要です。
賃金制度の専門家の中には、この点がよく分かっていない人がいます。
退職金も、賃金制度の一部だと思っているわけです。
Q 退職金給付プランに、成果主義をどう反映するの?
A 賃金制度とは切り離したプランを作ります。
賃金制度は、ポイント制でも、かまいません。
中退共または401kの掛金設定のモデル・テーブルを作成します。
この設計には、貴社のご希望を取り入れることが出来ます。
功績でも、勤続年数でも、どちらに比重を掛けるか、自由な設計が出来ます。
思い切った格差を付けることも、あるいは比較的平等な退職金にすることもできます。
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社会保険労務士 橋事務所 sr.office takahashi