検定結果について(その3)
当検定協会で発行してきた会誌『古代発火法』は2001年夏に創刊されて以来、これまでその誌面で検定結果を発表してきた。しかし昨今のインターネットの急速な普及により会誌は第60号(2014年8月)の発行をもって廃止すること、以後はホームページ1本で行くことを表明した。なお、過去の会誌の現物をご希望の方は会誌1点につき82円切手2枚を当協会に郵送くだされば折り返しお送りします。
- 第60回検定結果.2017.11.3.
第60回古代発火法技能検定は、2017年11月3日(金)文化の日、神奈川県相模原市にある勝坂縄文遺跡公園内の復元した縄文竪穴住居で行われました。検定受験の件数は3件で、うち2件が合格しました。結果は次のとおりです。
★キリモミ式1級(45秒以内に炎にできれば合格)
鈴木 光喜(古代遺跡解説員、秋田県秋田市在住)
(開始から27秒で火種を作り、42秒で炎とした)
★ユミギリ式2級(45秒以内に炎にできれば合格)
鈴木 光喜(古代遺跡解説員、秋田市在住)
(開始から18秒で火種を作り、38秒で炎とした)
あとの1件はユミギリ式1級に挑戦だったが、タイムオーバーで不合格となった。
- 第59回検定結果.2017.10.21.
第59回古代発火法技能検定は、2017年10月21日(土)午後、山梨県甲府市JR甲府駅前北口やっちゃばれ広場テント内で行われるはずでした。この日、同広場では、縄文祭りが午前中から開かれ、様々なイベントが賑やかに行われたのですが、折悪しく台風21号と秋雨前線の停滞が重なり、雨のなかのイベントとなりました。午後1時からの古代発火法のワークショップにはかなりに数の親子連れが参加し、大いに盛り上がったのですが、3時の休憩後の発火法検定には受験者が現れず、受験者ゼロのまま時間切れとなりました。
- 第58回検定結果.2017.7.2.
第58回古代発火法技能検定は、2017年7月2日(日)午後、東京都東久留米市柳窪集落の野崎邸でおこなわれました。この日の受験はキリモミ式7件(うち1件は二人キリモミ式)8名でした。そのうち2件が合格となりました。合格者は次のとおりです。
★キリモミ式4級(3分以内に炎にできれば合格)
高野 量平(建築士)
{開始から2分11秒で火種作りに成功し、2分29秒の時点で炎としました。}
★キリモミ式3級(2分以内に炎にできれば合格)
西野 等(会社員)
{開始から55秒で火種作りに成功し、1分14秒で炎としました。}
不合格となった受験者の状況は次のようです。
キリモミ式で不合格となった4人のうち3人は4級受験申請、1人は3級申請でした。いづれも今回初めて古代発火法に取り組んだ初心者で、どの受験者も火種ができないまま時間切れとなりました。それにたいして、二人キリモミ式に取り組んだチームは受験申請5級(二人キリモミ式では3分以内で炎にする)で挑戦、2分45秒ほどで火種作りに成功し3分03秒で炎にしましたが、わづか3秒オーバーしたため不合格となりました。見物人の中から「オマケしろ!」という野次が飛びましたが、これまで1秒でもオマケしたことの無い検定協会ですので、厳正に不合格としました。ほんとうに惜しいというほかありません。
- 第57回検定結果.2017.2.8.
第57回古代発火法技能検定は、2017年2月8日(水)午後、神奈川県相模原市の南大野小学校内でおこなわれました。この日の受験は9件で、そのうちわけは、キリモミ式3件、ヒモギリ式6件でした。そのうち4件が合格となりました。合格者は次のとおりです。
★2人キリモミ式4級(2分以内に炎にできれば合格)
今田 彩羽(市立南大野小学校6年生)
横森 隆(市立南大野小学校教員)
(受験申請は2人キリモミ式4級で、摩擦開始後43秒で火種、1分16秒で炎とした。)
☆2人キリモミ式3級(1分以内に炎にできれば合格)
加嶋 元晴(市立南大野小学校6年生)(カシマ君の「シマ」は本当は「こざと偏」なのですが
このパソコンにはその文字が無いので「山偏」のシマで代用させてもらいました。)
横森 隆(市立南大野小学校教員)
(受験申請は2人キリモミ式3級で、摩擦開始後33秒で火種、57秒で炎とした。)
★ヒモギリ式4級(2分以内に炎にできれば合格 )
寺田結月・安部優乃・鈴木愛良の3人チーム(いずれも市立南大野小学校4年生)
(摩擦開始後 36秒で火種を確認、1分 26 秒で炎とした。)
佐々木晴菜・郷間ももか、2人チーム (いずれも市立南大野小学校4年生)
(受験申請は3級だったが1回目は制限時間を超えてしまったので3級は不合格、
2回目は規則によりランクを下げて4級に挑戦。56秒で火種、1分13秒で炎とした)
不合格となったチームの状況は次のようです。
キリモミ式で不合格となった4年生の3人チームは練習不足で火種ができませんでした。
ヒモギリ式では5年生3人のチームが2組、5年生2人チームが1組、いずれも練習はよくやってきており、火種を作るのも早く、炎作りにも成功しましたが、1回目も、ランクを下げての2回目も、すべて制限時間を超えてしまったので惜しくも不合格となりました。どうやら受験申請のランクが高すぎたのではないでしょうか。また4年生3人のチームは練習不足で、なんどもヒキリ棒の先端がウスから外れてしまうという状態でした。まだ始めたばかりなので、やむをえないと思います。
- 第56回検定結果.2016.11.16.
第56回古代発火法技能検定は、2016年11月16日(水)、神奈川県相模原市の南大野小学校内でおこなわれました。この日の受験は、ヒモギリ式が9件でした。そのうち6件が合格となりました。この日の天候はほぼ曇りでしたが、湿度は低めで検定条件は良好に思えました。合格者は次のとおりです。
★ヒモギリ式4級合格者(ヒモギリ4級は2分以内)
渡辺 直登・山田 蒼大のチーム(いずれも南大野小学校4年生。相模原市在住)
(摩擦開始後40秒で火種を確認、1分02秒で炎とし悠々の4級合格となった。)
渡邉 倫太郎・杉山 斗希のチーム(いずれも南大野小学校4年生。相模原市在住)
(このチームは受験申請が3級だったため、第1回目の発火は制限時間の1分を超えてしまい失敗となり、第2回目は規則によりランクをひとつ下げて4級に挑戦となり、28秒で火種を確認、53秒で炎とし4級合格となった。タイムレベルは3級なみだが、4級受験のため4級合格となる。)
★ヒモギリ式5級合格者(ヒモギリ5級は3分以内)
中島 寛喜・大淀皓太郎のチーム(南大野小学校の6年生と5年生で相模原市在住)
(第1回目の挑戦は失敗。第2回目は5級で受験、42秒で火種を、1分31秒で炎とした。タイムは4級レベルだったが、5級受験なので5級に合格。)
小野 晃明・須貝俊介のチーム(いずれも南大野小学校4年生。相模原市在住)
(摩擦開始後1分36秒で火種を、2分19秒で炎とした。)
高木 康多・山田 万葉のチーム(いずれも南大野小学校5年生。相模原市在住)
(摩擦開始後1分48秒で火種を、2分18秒で炎とした。)
吉田 晴香・鈴木 愛良のチーム(南大野小学校の5年生と4年生で相模原市在住)
(5級で受験申請し受験したが失敗した。5級以下のランクがないので再び5級に挑戦、結果は、わずか42秒で火種を作り、58秒で炎にすることに成功、なんとこれは3級レベルの成績だが5級受験なので5級合格となった。)
不合格となった3チームの作業状況を簡単に報告すると、そのうちの2チームは2回づつ挑戦したが、どうしても火種ができなかった。のこる1チームは、1回目は失敗。2回目にようやく火種が出来、なんとか炎にするところまでたどり着いたが、すでに制限時間を16秒超えてしまっていたので不合格となった。
- 第55回検定結果.2016.11.3.
第55回古代発火法技能検定は、2016年11月3日(木)文化の日、神奈川県相模原市にある縄文遺跡を敷地内に含みこんだ勝坂遺跡公園の中にある復元縄文式竪穴住居で実施されました。この日の受験は、キリモミ式3件、ユミギリ式1件の合計4件で、そのうちキリモミ式1件のみが合格となりました。合格者は以下のとおりです。
★キリモミ式1級合格者(キリモミ1級は45秒以内)
三須 克文(日本民家再生協会・八王子市在住)
{受験申請は1級で、発火作業開始後23秒ほどで火種ができたが、それをアサの繊維でつまみとってから回転させたところ、まもなく火種が消えてしまって失敗。第2回目は通常規則によると受験ランクを一つ下げて2級に挑戦することになるのだが、受験者はすでに2級保持者であるため、2級受験では意味がないことになる。そこで特別規則にしたがって2回連続45秒以内成功による1級合格の獲得方法に挑戦した。第2回目は先の失敗を反省し火種を摘み取る方法を避け、火種をアサの繊維の上に静かに乗せてから回転させる方法により22秒で火種、44秒で炎作りに成功し最初のステップをクリアした。同じ方法で第3回目は何とわづか19秒で火種、34秒で炎作りに成功し、完璧に1級合格をものにしたのだった。}
不合格となった2件のキリモミ式挑戦者も実は2級保持者であったが、タイムオーバーで2件とも失敗。ユミギリ式受験者は2級保持者ではなかったが受験申請は1級で、第1回目は1級受験に失敗、第2回目は規則によりランクを一つ下げての2級を受験したが、それにも失敗してしまった。
- 第54回検定結果.2016.7.3.
第54回古代発火法技能検定は、2016年7月3日(日)、東京都西東京市にある古民家「和のいえ櫻井」でおこなわれました。この日の受験は、キリモミ式2件、二人キリモミ式が4件の合計6件で、そのうちキリモミ式が1件、二人キリモミ式が2件合格となりました。合格者は以下のとおりです。
★キリモミ式3級合格者(キリモミ3級は2分以内)
渡久地 朝夫(「人間つばさ会」理事、埼玉県入間市在住)
{発火作業開始後52秒で火種ができ、1分31秒で炎を作ることに成功。}
★二人キリモミ式4級合格者(二人キリモミ式4級は2分以内)
☆ 北谷 隆泰・斎藤 則行のチーム(北谷氏は肩書き「席亭」東京都世田谷区、斎藤氏は「乗馬亭」神奈川県藤沢市在住)
{発火作業開始後1分10秒で火種ができ、アサわたに火種を乗せて息を吹きかけたとたんに炎となった。1分25秒で炎を作ることに成功。}
☆ 小澤 貴衣・渡久地朝夫のチーム(小澤氏は神奈川、渡久地氏は埼玉に在住だが、お二人とも民家の学校第17期スタッフ)
{発火作業開始後1分21秒で火種ができ、1分44秒で炎を作ることに成功。}
不合格となった3件のうち2件は「二人キリモミ式」で1件は制限時間オーバー、他の1件は道具の不備だった。あとの1件はキリモミ式1級に挑戦したが惜しくも時間オーバーで不合格となった。
- 第53回検定結果.2016.2.24.
第53回古代発火法技能検定は、2016年2月24日(水)、神奈川県相模原市の南大野小学校内でおこなわれました。この日の受験は、ヒモギリ式が7件でした。そのうち2件が合格となりました。
★ヒモギリ式3級合格者(ヒモギリ3級は1分以内)
佐藤 佳奈・橋本 彩弥のチーム(いずれも南大野小学校5年生。相模原市在住)
{摩擦開始後15秒で火種を確認、43秒で炎とし、2級レベルの成績で悠々の3級合格となった}(成績が2級レベルでも、受験申請が3級であったので3級合格となる)。
★ヒモギリ式4級合格者(ヒモギリ4級は2分以内)
召田 歩美・内田 夏葵のチーム(いずれも南大野小学校4年生。相模原市在住)
{摩擦開始後1分25秒で火種、1分50秒で炎とし4級合格となった。}
(このチームは3級に受験申請したが、タイムオーバーでいったん不合格となり、2回目は規則にしたがってランクを一つ下げ4級に挑戦して合格した。)
この日の検定状況についての詳しい内容および審査員のコメントについて知りたい方はここをクリックしてご覧ください。
- 第52回検定結果.2015.11.18.
第52回古代発火法技能検定は、2015年11月18日(水)、神奈川県相模原市の南大野小学校内でおこなわれました。この日の受験は、ヒモギリ式が7件でした。そのうち5件が合格となりました。この日の天候は午前中は晴れでしたが、午後は曇りから雨になり、湿度は高めとなりました。それでも技能レベルが高く好成績の結果が出ました。
★ヒモギリ式4級合格者(ヒモギリ4級は2分以内)
佐藤 佳奈・橋本 彩弥のチーム(いずれも南大野小学校5年生。相模原市在住)
摩擦開始後32秒で火種を確認、1分03秒で炎とし悠々の4級合格となった。
大淀 皓太郎・中野 大次郎のチーム(いずれも南大野小学校4年生。相模原市在住)
摩擦開始後52秒で火種を確認、1分05秒で炎とし悠々の4級合格となった。
勅使河原 誠崇・原田 悠太郎のチーム(いずれも南大野小学校6年生。相模原市在住)
摩擦開始後38秒で火種を確認、53秒で炎とし悠々の4級合格となったが、これは3級レベルの成績。しかし受験申請が4級だったので4級合格となる。
水野 真緒・勝島 優衣のチーム(水野さんは南大野小学校4年生で相模原市在住、勝島さんは南大野小学校の教師)
摩擦開始後1分4秒で火種を確認、1分27秒で炎とし4級合格となった。
★ヒモギリ式3級合格者(ヒモギリ3級は1分以内)
佐藤 佳奈・橋本 彩弥のチーム(いずれも南大野小学校5年生。相模原市在住)
摩擦開始後22秒で火種を確認、39秒で炎とし悠々の3級合格となった。ちなみにこれは2級レベル(45秒以内)の成績だが受験申請が3級だったので3級合格となる。
- 第51回検定結果.2015.11.3.
第51回古代発火法技能検定は、2015年11月3日(火)文化の日、神奈川県相模原市にある国指定の勝坂縄文遺跡公園内にある復元縄文竪穴住居内で11時ー12時半までおこなわれました。この日の受験は、キリモミ式が2件、ユミギリ式が2件の計4件でした。そのうち3件が合格となりました。この日の天候は晴れで、検定条件はまずまずといったところでした。
★キリモミ式3級合格者(キリモミ3級は2分以内)
川之上 哲也(会社員。相模原市在住)
摩擦開始後48秒で火種を確認、1分28秒で炎とし3級合格となった。
当初、検定申請は2級だったが、第1回目に56秒経過時点で火種が消えて不合格。第2回目は規則にしたがってランクを一つ下げ3級に挑戦し、見事合格となった。
★キリモミ式2級合格者(キリモミ2級は1分以内)
鈴木 光喜(遺跡ボランテイア・ガイド)
摩擦開始後28秒で火種を確認、53秒で炎とし2級に合格した。
当初、検定申請は1級だったが、第1回目は失敗し不合格。第2回目は規則にしたがってランクを一つ下げ2級に挑戦し、見事合格となった。
★ユミギリ式3級合格者(ユミギリ3級は1分以内)
鈴木 光喜(遺跡ボランテイア・ガイド)
摩擦開始後26秒ほどで火種を確認、59秒で炎とし、ぎりぎりだったが3級に合格した。