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発酵培養によるキノコ菌糸体の実力とは
―国内最大級の製造工程で確保されるメシマコブ菌糸体の安定性―

● 製造現場を見学した愛飲者の声を聞く ●
 出席者 池本 平 さん  
  伊藤 守雄 氏 磐田化学工業代表取締役専務
  横田 一郎 氏 特販グループグループリーダー
伊藤 メシマコブの製造工程をご覧いただいていかがだったですか。お疲れになったと思いますが。
池本 予想以上でした。あれだけの設備とは思いませんでした。それと、製造にかかる期間が半年と聞いて驚いています。その期間、雑菌などが入らないようにする管理も大変ですね。
横田 やはり雑菌が一番の敵です。メシマコブの菌糸体の純粋培養ですから、雑菌が入ったら違うものになってしまいます。常に雑菌の侵入を防止して菌糸体を純粋培養するために絶えずフィルターで濾過した新鮮な空気を供給し続けなくてはなりません。
伊藤 そうなんです。停電が発生して、もちろん非常用の設備も備えていますが、濾過した空気を供給できなくて最終製品一歩手前の仕掛かり中のモノを処分したことも過去には何回かありました。
池本 5ヵ月間、ずーとですよね。モノつくりというのは本当に大変ですね。話を伺うと、乳酸菌などはもっと短期間でOKとのことですが、これだけ期間がいるということはリスクと共にそれだけの技術とノウハウがいるのでしょうね。
伊藤 はい。当社はそもそもクエン酸などの有機酸の発酵培養が主たる社業です。大体、年間2000〜3000トンを製造して国内はもとより世界各国に供給させていただいております。そんな企業がメシマコブのような少量生産品を手掛けるようになったのは、当社が永年培ってきました発酵技術を基盤として、もっと違う価値のあるモノを供給したいと念じて1999年から研究を始めました。当社はモノ創りの会社なので、実はメシマコブの市場性や利益勘定をあまり意識せずに「良いモノを創ろう」からスタートしたのが実情です。経営的にはどうかと思いますが(笑)。うちはモノ造りには愚直すぎるので。(笑)
池本 なるほど。先程拝見した大きい培養タンク、150tタンクは国内の他のメーカーでもあるのですか。
伊藤 国内で150tタンクを保有している企業はそんなに多くないと思います。キノコの発酵培養で150tタンクを使用しているのは当社だけではないかと思います。他社は大体20tタンクではないかと思います。
池本 何で、そんなに大型の培養タンクが必要なのですか。
横田 はい。長期間の培養を可能にするために培養条件、菌の発育が常に安定した状態で推移することが絶対条件です。そのためには大型のタンクがベターです。結果として出来上がった製品は安定したモノになります。安全な培地、確立された培養条件、雑菌汚染の防止、それらがノウハウになって安定した品質のメシマコブの作育が可能になります。それと、発酵の最終段階で熟成工程がありますが、この段階でメシマコブの菌糸体自身が子孫繁栄のために自己消化酵素を出します。この消化酵素がキノコの堅固な細胞膜のセルロースを解かして人間のカラダで吸収しやすい状態、水溶性になります。
池本 その水溶性が、商品名のメシマコブ「水溶性」菌糸体ということですか。水溶性とはそういうことですか。そんなに手間暇かけて、なぜ、菌糸体を発酵培養するのでしょうか。そもそも、メシマコブは長崎県の男女群島に自生していると聞きますが、それをシイタケみたいに栽培すれば安くなるのではないかと思うのですが。
横田 そもそも自然界に存在するメシマコブは世の中に供給できるような量はありません。また、メシマコブのようなキノコを栽培したとしても10年、20年かけてもほんの少量しか採取できませんし、天然のモノはキロ100万円見当です。それでは世の中に受けいれられません。一般的にキノコは皆さんが食べられている部分は子実体といいます。それに対し子実体のもとが菌糸体といいます。この菌糸体の方がベータグルカンなどの有効成分が多く含まれているといわれています。そのような理由で、発酵による菌糸体培養が現実的な意味でベストと考えています。それと、キノコ類は重金属類を非常に吸収しやすい性質があり、菌糸体培養であればもともと培地、いわゆる原料を吟味していますのでその心配もありません。巷で取りざたされている重金属の心配もありませんし、水溶性成分の効果も期待できますので。
池本 なるほど。分かりました。きょう製造現場を見学してご説明を聞くまで、何でメシマコブはもっと安くならないのだろうかと常々思っていました。自然界にあるのだから、それを栽培すればと思っていました。この設備でそれだけの時間をかけて、細心の管理と技術を要するのであれば、納得せざるを得ないと複雑な心境です(笑)。
伊藤 当社の製品は150tタンクを使用しているので、高品質の製品を製造できるほか、スケールメリットという面もあります。他社に比べてお安く提供させていただいていると自負していますが。
池本 一層のスケールメリットで廉価での提供をお願いしますね(笑)。それと、最近、世の中で発酵という言葉を良く聞きますが。
伊藤 発酵というのは、そもそも昔から綿々と発酵食品として自然に食されてきました。納豆やお味噌などもそうですが。最近、発酵が話題になっているのは昨今食に対する安全性がいわれますが、化学的な合成に比して昔からの製造手法である発酵に対する信頼とか安心が見直されているのではと思います。
池本 それでは、発酵の磐田化学さんとしてはいろいろな発酵製品を研究しているのでしょうね。消費者に良いものがあれば教えてくださいね。きょうは、いろいろ教えていただき有難うございました。
伊藤 こちらこそ、わざわざ遠路、磐田までお越しいただき長時間お付き合いいただきまして有難うございます。池本さんのお身体の調子もかなり良くなったと伺っていますが、メシマコブを続けていただき、一層元気でご活躍なさることを期待いたしております。

発酵培養ひとすじに半世紀

「発酵技術」を生かした有機酸メーカーのパイオニア磐田化学工業
磐田化学工業(静岡県磐田市)は創業以来約50年、「発酵技術」という人類がもっている最も古い歴史をもつ叡智をベースに事業を展開しています。
今、磐田化学工業の事業に注目が集まるのは単に業績や規模のせいではありません。今日最大の時代的テーマである地球環境時代を迎え、微生物を利用した「発酵技術」こそ時代に欠かせないテクノロジーだからです。しかも磐田化学工業はクエン酸発酵を始めとする有機酸発酵の実績と経験を通して「発酵と培養」の融合に挑み続け、映えあるポジションと技術の蓄積に成功しているからです。
磐田化学工業本社工場
磐田化学工業 本社工場
磐田化学工業に課せられた未来の可能性に満ちたジャンルも多々あります。
キノコ菌系体に代表される事業はその最たるものであると同時に、社会から最も期待されている世界です。なぜなら人びとの健康に直結しているジャンルだからです。「発酵技術」を基に、健康との可能性をまっすぐに追求してゆく企業姿勢が注目されるのは当然でしょう。
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