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誤解されているメシマコブ

◎誤解 ―― その1
メシマコブ[水溶性菌糸体1200]は栽培されたメシマコブから抽出された成分から合成されている。
無理もない誤解です。
キノコに限らず原材料が有機物ならそれを大量栽培して有効成分を抽出するのは常識だからです。
しかしこれは大きなマチガイ。あのサルノコシカケのようなメシマコブは多年生ですから、栽培するにはトホウもない時間がかかります。
仮に有効成分の抽出に成功したとしても、それは不老不死の仙薬みたいなもので現実の話としては成り立ちません。
メシマコブ
メシマコブ(学名=フェリナス・リンテウス)は俗称。
野生桑の生息地、長崎県男女群島の女島(めしま)に野生する桑の木にコブ状に寄生していたので、この名がつけられました。現在、天然のメシマコブは絶滅に近い状態です。(写真はイメージです)
中国の古典「本草綱目」には「桑黄」の名で記載され、古くから薬用に供されて特異な位置にあります。
◎もっと大きい誤解 ―― その2
サルノコシカケみたいなあのメシマコブにこそ大きな価値があり有効成分が凝縮されている。
キノコといえばマツタケやシイタケに親しんでいる私たちは、どうしてもキノコのかさと茎(くき)の部分をイメージします。
じつは食べるとおいしい成分はここにびっしり詰まっていますが、ある特異な機能性成分や有効成分はここには少ないのです。
このかさと茎の部分は子実体といってキノコの一生の、植物で例えれば花の部分に過ぎず、葉や茎や根といったキノコ本体は菌糸体といって私たちの目に触れない状態で地中や枯れ木の中にはびこっているのです。
そしてこの菌子体の中にこそ機能性成分や有効成分がかさや茎の部分に比べてけた違いに多く含まれているのです。
でも私たちは菌糸体そのものを見たり手にしたことがありませんから、メシマコブの価値がどこにひそんでいるのか具体的にわからないのですね。ではこの菌糸体はどのようにして育成されるのでしょうか。
キノコの一生

繊細でもろいメシマコブの菌糸体

新生児のような菌糸体
メシマコブ
菌糸体顕微鏡写真
メシマコブの有効成分を獲得するにはメシマコブの菌糸体を大切に育てなければなりません。
ところが! メシマコブの菌糸体はとても繊細でもろいのです。しかも雑菌に特別に弱い。まるで生まれたばかりの赤ちゃんか未熟児のようなものです。この弱い菌糸体を強い菌糸体に体質を改善する必要があります。
培地を食品対応のものに
培地、つまり菌糸体を培養するために使用する原料に細心の配慮をしています。
一般的には食品対応の培養であっても原料は工業用規格のものを使う場合が多いのですが、このメシマコブ菌糸体の培養の原料(焙地)はすべて食品対応のものを使用しています。理由は菌糸体が増殖していく過程で、食品のほかの物質とスムーズに結合できるようにするためです。
初めに揺り動かして培養
菌糸体がシード(種菌)の段階では、シェーカー(フラスコ)で数日間揺り動かしながら培養します。これを振とう培養といい、シードに新鮮な酸素を送り続けて、シードの健やかな増殖をサポートするためです。まさにメシマコブの揺らん期です。
この時期の菌糸体の品質がメシマコブ製品の最終的な品質を左右するといわれています。それだけに細心の工程管理が求められます。

メシマコブの菌糸体をエネルギッシュに育てる発酵培養テクノロジー
タンクリレーと超大型タンクによる長時間発酵培養

国内最大級150tタンクによる5か月間の長期熟成
培養のテンポとスケールは、小から大へと見事に変化していきます。
まず菌糸体の幼児期であるシードをシェーカー(フラスコ)で、次にシードタンク(40リットル)、小型タンク(200リットル)で培養し、次いで2t、10t、40tと徐々にタンク容量を拡大して最終段階では国内最大級の150tタンクの大スケールで、5か月間にもわたって長期発酵培養します。
シードタンク(試験培養用)
シードタンク(試験培養用)
こうしたタンクリレーと超大型タンク培養の目的とメリットは、
(1) 雑菌汚染の防止
(2) 安定品質の菌糸体確保
(3) 長時間発酵熟成による「自己消化酵素」の発生――です。
これらが一体となって、安定・安心・高品質のメシマコブ製品の作育が可能になるのです。
150tタンク 培養最終工程と成熟工程)
150tタンク 培養最終工程と成熟工程
発酵の最終工程で発生する「自己消化酵素」の働き・水溶性化
メシマコブ菌糸体は堅固な細胞膜によって自らの組織を守っています。ところが発酵の最終段階、熟成工程に入ると、メシマコブ菌糸体自身が子孫繁栄のために「自己消化酵素」を発生させ、堅固な細胞膜のセルロースを溶かして人間のカラダに吸収されやすい状態・水溶性に変化するのです。
  メシマコブの有効成分がいかに優れた機能をもっていても、堅固な細胞膜でとじ込められていては役に立たないことをメシマコブは知っていたかのような大自然のドラマです。この自らの水溶性化こそ、メシマコブ菌糸体の輝かしいゴールです。
培養終了後の濃度を高める精製プロセス
培養終了後の濃度を高める精製プロセス

一般のキノコのために誤解をなくします

特殊なキノコ――メシマコブの例で話を進めたので、一般のキノコには栄養がないように受けとめられたらタイヘンな誤解を招きますから弁明します。
キノコのかさと茎にはおいしさ成分(遊離アミノ酸)のほかにさまざまな栄養成分が含まれ――特にミネラル類の豊富さでは群を抜いています。ですからかさと茎の部分には有効成分が少ないといっても、キノコは立派な栄養食品です。
秋になると人びとは昔からキノコのミネラルでカラダのバランスを整え、暑い夏で疲れたカラダを癒したのです。
全く違う「子実体メシマコブ」
以て非なるメシマコブを人工的に栽培し、その子実体(かさと茎)を乾燥→粉砕→粉末→顆粒化または錠剤化したものが、かつて広く出回ったことがあります。最大の違いは有効成分の含有量ですが、さらに注意しなければならないのは重金属類の存在です。
劣悪な栽培条件のもとでは子実体に重金属類が蓄積しやすいのが原因。
『菌糸体か否か』こそ究極の選択となります。
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