岸壁ユニット in 洋光台
〜 「ももキヨ」 レコ発ライブ 〜


2023年10月1日(SUN)
横浜 Piano Cafe & Bar - Skywriter


このレポートにも度々登場している高校時代の先輩・鈴村清志朗さん(以降「キヨさん」)がマンドリン奏者のももっちさんと共に活動している「ももキヨ」が、この度めでたくオリジナルCDをリリースされた。
これを記念したレコ発ライブを挙行したいが、その際、岸壁ユニットにオープニングアクトをお願いできないか…という、とても有難いお話をいただいた。
先輩が「カラスは白い!」と言えばそれは絶対である関係で、辞退する選択肢がある訳も無く…といういつものネタ話は置いといて、そんな大切なライブに洋楽メインの岸壁でいいのか…という思いもあったが、喜んでこのお話をお受けすることにした。

今や配信リリースが当たり前になったこのご時世に、CDという「形」を作ろうと思い至った理由、更に前時代的な「レコ発(レコード発売)」というライブタイトルへの拘り、そしてそして、このCDのタイトル「風の道標」…。
全てが「キヨさんらしい!」と思ってしまうのは、果たして私だけだろうか。
思い起こせば15年前、キヨさん大復活の瞬間に立ち会い、お互い60代に突入した今でもこうして一緒に音楽を楽しめる事に、単なる先輩後輩の域を超えたご縁を感じるが、この間、彼の音楽は確実に進化を遂げている一方で、その本質は出逢った10代の頃と全く変わっていないのが何とも嬉しい。
※キヨさん大復活のライブレポートはこちら

さて、そんなこんなで「ももキヨ」レコ発ライブは、岸壁ユニットの相方のお店、洋光台Skywriterで開催される事となった。
このお店をセレクトしてくれたのも、お二人の飾らない気遣いなんだろう。
ライブは予約満席のお客様をお迎えし、定刻の午後2時にキヨさんの挨拶でその幕を開ける。

まずは前座…もとい、オープニングアクトに指名された岸壁ユニットが登場。
本来オープニングアクトの役割は、主役が気持ちよく演奏できるように場を温めておくこと…なので、あまり前に出過ぎてはいけない難しい立ち位置だが、まぁそこは気心の知れた主役のお二人なので、変な緊張感もなく、リラックスした状態でステージに上がる。

冒頭鉄板の「Piano Man」を外したのはちょっとしたアクセント付け…。
「にしやんの俺にも唄わせろコーナー」は、相方がバンマス特権で死守。(笑)
そして、今回サプライズ的にセットリストに加えたのは、私とキヨさん共作の「遠い雨に濡れながら」を岸壁アレンジで…実は岸壁ユニット20年の歴史の中で、オリジナル曲をやるのは初めてというスペシャルな(?)演出だ。
続いて、ももキヨに出演していただいた第一回目の「空と海に誘われて」で、アンコールセッションとして一緒に演奏した「Imagine」。
最後に定番の「New York State Of Mind」で締めるという、レパートリーの少ない岸壁ユニットではあるが、まぁそれなりに最大限のおもてなしセットリストを組めたのではなかろうか…と自画自賛。(爆)

実は来年、岸壁ユニットは活動20周年を迎える。
そして、今年は岸壁ユニット結成のキッカケとなった曲「Piano Man」がリリースされてちょうど50年目にあたる。
なので今回は、還暦を迎えた私が20歳の時に相棒となり、以来40年間苦楽を共にしているK-YAIRIのギターを抱えキリ番攻めにしてみた。(笑)
まぁたまにはコイツもステージで鳴らしてあげないとね。
併せてトピックとし記録しておこう。
 

そんな訳で、おもてなし…と言いつつ、我々自身も存分に楽しませていただいたステージ、
気持ち良く主役のももキヨにマイクを渡せるな…と思っていたら、客席から想定外(?)のアンコールが!
いや、事前に「今日はPiano Manを封印」と宣言していたので、気を遣ってくれたキヨさんが音頭を取って客席を盛り上げてくれたというのが真相だが、我々にとっては超嬉しいサプライズ。
一体今日の主役は誰だ!?と恐縮しつつも、感謝を込めてPiano Manを演奏してオープニングアクトとしての大役を全うした。

さて、そしていよいよ主役「ももキヨ」が登場!
15年前に音楽活動を再開されてから、ずっとマイペースで音楽を紡いできた吟遊詩人・キヨさんと、これまた古くからの音友さんであるももっちさん…そんなお二人の記念碑的なライブに立ち会わせていただくのは、お世辞抜きでこの上ない喜びだ。

これまでのレポートで何度書いたが、キヨさんの楽曲には郷愁を感じさせるものが多い。
それは私が10代の頃からキヨさんとお付き合いがあるからと思われるかもしれないが、よく考えるとその頃のお付き合いと言えば私の高校入学からキヨさんの卒業までのたった2年間だけだし、私が知る由もない高校卒業後の思い出を歌にしたものも多い。
何とも不思議だが、思うに、歌詞を聴いていると思いっきり情景が浮かんできて、そしてそれは誰もが経験したような情景だから、みんなスッとその世界に引きずり込まれてしまうんだろう。
ましてや、音楽の原点ともいうべき濃厚な高校時代の2年間を一緒に過ごしている私にとって、その感覚が何倍にも増幅されるのは至極当然の事なのかもしれない。

そんな楽曲をいつものように訥々と歌い上げるキヨさんと、それに色を添えるももっちさんのマンドリンの調べ…
実はその昔、Piano Manのマンドリンパートをももっちさんにやってほしいなぁ…と企んでいた私だが、この絶妙なコンビネーションを目の当たりにすると、これこそ彼女の真骨頂のような気がしてならない。
背伸びをしない等身大の音楽は、聴く側の心を自然と和ませてくれる。

セットリストの中にももっちさんボーカルの曲もあり、こういった所にもキヨさんの構成力と気遣いを感じる。
緊張しながらも楽しそうなももっちさんの笑顔がとても印象的だった。

そんなこんなで、ももキヨのステージもあっという間に終演。
最後はキヨさんの提案で、私とキヨさんの共通項である「ふきのとう」の「初恋」を、岸壁ユニットとももキヨのコラボで演奏し、このライブの幕を下ろした。

いや〜、ももキヨのお陰で本当に心温まる1日だった。
こういうライブは何度やっても嬉し楽しい!
キヨさん、素敵なライブへのお誘い、本当にありがとうございました!
第二弾のCDリリース、期待してますね!(笑)


 → 当日の岸壁ユニットの動画はこちら




■演奏曲目

■共演

The Stranger (Billy Joel)

Just The Way You Are (Billy Joel)

Can You Feel The Love Tonight (Elton John)

遠い雨に濡れながら

Imagine (John Lennon)

New York State Of Mind (Billy Joel)

<Uncore>

Piano Man (Billy Joel)

<Uncore Session with ももキヨ>

初恋 (ふきのとう)


ももキヨ



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