釣りに関する環境問題とは、ゴミ問題とそれに起因する周辺環境への影響、それと海そのものへの影響といった2つのテーマが考えられます。私たちが気持ちよく釣りを続けていく為に・・・、私たちができる事を考えましょう!

Act1) 釣り場のゴミ問題
Act2) ゴミを出さない為に
Act3) 論外の人々
Act4) 集魚材の環境への影響

釣り場のゴミ問題
この項目は「マナー編」と一部重複する点があります。
又、私のメインとしている海釣りを中心に書いていますので予めご了承願います。

さて、私たちの釣り場を汚しているゴミの要因は大きく分けて3種類、すなわち「釣り人が捨てたゴミ」「釣り人以外の人が捨てたゴミ」「海流に乗って漂着したゴミ」がそれに当たります。
果てしない大海原を目の前にすると、人間はちっぽけなゴミの存在など忘れてしまうのでしょうか?

釣り場周辺には実にさまざまな物が捨てられています。
最近では大型粗大ゴミ廃棄の有料化や家電リサイクル法の施行といった法的背景もあってか、ワープロやエアコン、果ては車に至るまで捨てられており、ゴミの大型化も目立ってきております。
又昨今のアウトドアブームで、海岸線でデイキャンプを楽しむグループも増えてきました。
夕方に海岸線を見て歩くと、ゴミ箱の脇に缶ビールや食材の空箱といった、明らかにBBQの残骸とわかるゴミが堆く積まれています。
楽しんだら楽しみっぱなし・・・
そんな身勝手な人たちにアウトドアを語る資格は無いと思うのは私だけでしょうか?
いずれにしてもこれらのゴミは上記の「釣り人以外の人が捨てたゴミ」にあたります。
こういったゴミに関しては法的な措置を含めて、関係機関から強い指導を求めたいと思います。

今私たちがここで問題にしなければならないのは、「釣り人が捨てたゴミ」です。
本来こんな物は出る筈がないゴミなんですが、現実に相当な量で出てきてしまうのだから頭が痛い問題です。
私たちが釣り場としている場所は、釣り施設を除けば港とか磯とかテトラ帯などがメインになってきます。
当然釣り人の為にゴミ箱が用意されているなんて事は期待できません。
ゴミ箱が無ければ持ち帰る・・・これは常識以前の問題です。
釣り施設や公園等でゴミ箱が設置されている所でも、そのゴミ箱がいっぱいになっていたら持ち帰るのも常識以前の問題でしょう。
悲しい事に、堤防脇などに堆く積まれたゴミの山は、大抵どこの釣り場へ行っても見かける光景です。

釣り場にできたゴミの山が与える影響は計り知れないものがあります。
しかもこれらのゴミを回収するシステムが通常はありません。
悪臭、飛散・・・、いろんな要因が周辺に悪影響を及ぼしているのです。

まず自然への悪影響・・・。
放置されたり、風で飛散したハリやハリス・ラインといった釣り仕掛けが、鳥などの動物を傷つけている事をご存知でしょうか?
  →→→「野鳥を守る会」HP参照

自然風化しないビニールやプラスチックが海底に溜まり、それを捕食した海中動物達が傷ついている事をご存知でしょうか?
少なくとも私たちがほんの少しだけ注意を払う事でこういった悲しい事故を未然に防げるのです。
自然が壊れてしまっては、自然と共に遊ぶ事はできません。
本当に長く釣りを楽しみたいのなら、この「ほんの少しの注意」を心がけましょう。

又、私たちにとって釣り場は遊び場ですが、どこの海にもそこで生活を営む人たちがいる事を頭の中に入れておきましょう。
自分たちに置き換えてみれば簡単です。
自分の家や仕事場に、関係のない見ず知らずの人が大勢来てゴミを捨てていったらどう思いますか?
他人の気持ちになって行動する事が真のマナーです。
そして何度注意しても同じ事を繰り返されたら、あなたならどうしますか?
二度とその人たちが入れないように対策を講じる筈です。
こうして大切な釣り場がどんどん減っていってしまうのです。
一部の心無い釣り人の無責任な行動が、本当に釣りを愛し、又その釣り場を愛している釣り人たちに多大な迷惑をかける結果ととなるのです。
私はそんな身勝手な考え方を絶対に許す事ができません。

ゴミの山も最初に捨てられた一つのゴミからです。
釣り人一人一人が意識と勇気を持って行動してほしいものです。

ゴミを出さない為に

釣り場にいろんな物を持ち込めばゴミが増えるのは当然です。
例えば釣具や釣り小物を買っても、そのパッケージは釣り場では必要ありませんね。
小道具を収納する箱などを常に用意しておき、釣具屋で買ったらその場で収納箱に移し、ゴミはすぐに処理するようにしましょう。
私が思うのですが、釣具店ももう少しそのあたりに配慮した措置を採るべきだと思います。
店頭のゴミ箱を大きく目立たせてアピールするとか、ゴミ袋を一緒に渡すとか・・・。
私がいつもお世話になっている釣りエサ店には、大きなゴミ箱と共に、コマセを混ぜる機械が設置されています。
こういう物を利用するのもゴミを減らす為の一対策ですね。
口先だけで「釣り場をきれいに」などと言っていてもなかなか改善されるものではないと思います。

釣り場には必ず数種類のゴミ袋を持って行きましょう。
自治体によってはゴミの分別収集を実施しています。
これにできる限り協力しましょう。

突然の風に荷物やゴミが吹き飛ばされているのをよく見かけます。
釣り場での荷物やゴミ袋の管理も徹底しておきましょう。

予め灰皿や糸くずを処理する小箱などを用意しておくのも必要です。
大きなゴミはきちんと捨てても、小さなゴミは「面倒くさい」と思う人が多いようです。
タバコの吸殻を海へポイ・・・なんて事は絶対にやめましょう。

釣りに使う道具の扱いも十分注意しましょう。
ハサミやハリはずし・ペンチ、或いはハリスケース等、ちょっとした不注意で落としてしまう事もあります。
最近では落下防止措置を施せる小物が売ってますから、こういう物を利用するのも一つの手です。

要はやはり一人一人の心がけ次第です。
こんなに細かく・・・と思う人もいるかもしれませんが、習慣付けてしまえばそれ程苦になりません。
釣り座や釣法にあったアイデアはいろいろあると思います。
それぞれが一工夫する事によってゴミの問題は大きく変わる筈です。

論外の人々

釣り場で飲み物を飲んでその空き缶を海へ放り投げたり、つぶしてケーソンの継ぎ目に押し込んで平気な顔をしている人、
出たゴミをその場に放置して帰る人、
仕掛けを作りながら、それが入っていた小さなビニールなどのゴミを風に飛ばしている人、
・・・・・
あなた達は釣りをする資格がありません。
二度と釣り場に現れないで下さい。

集魚材の環境への影響

ウキフカセ釣りやダンゴ釣りなどには、いわゆる「コマセ」と呼ばれる集魚材を使用します。
この集魚材の多用が海底に悪影響を及ぼすといわれています。
私はウキフカセ釣りをメインにしておりますが、あえてこの問題にも触れておきたいと思います。

集魚材の出現により、釣りの世界は大きく変わったと言われています。
「魚のいる所へ行って釣る」あるいは「魚が来るのを待つ」という釣りから、「魚を寄せて釣る」事が可能になったのです。
しかしこの集魚材はあくまで人工的なものですから、基本的に水に溶けるものでなければどんどん海底に堆積していきます。
海底には海草が生えていたり、根魚が生息しやすい、いわゆる「穴」や根があったり、変化に富んでいて、それが魚が寄りやすい環境を作っています。
そして拡散・水溶しないで堆積していった集魚材はこれらの環境を確実に破壊していきます。
集魚材の中に砂や赤土を大量に混ぜるのも一つの原因だと言われています。
実際にそれが原因で釣り場が死滅してしまったケースが過去にはあったようで、場所によってはコマセの使用を厳しく制限している釣り場もあります。
このような状況が多発する中で、釣り餌メーカーもそれぞれ独自に環境への影響に関する研究を進め、いわゆる「地球に優しい釣り餌」を開発・発売するようになってきました。
  →→→「マルキュー」HP参照

現在、私自身はこれら製品を使用するよう心がけております。
しかしやはりできるだけ少量で済ませるように工夫もしております。
一体どの程度が「適量」なのかはわかりませんが、自身の中でこういう意識を持つ事が大切だと思っています。

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