お や お や

12月

おもちゃが3つ

 
 
 我が家は中学1年生の姉と現在年少でお世話になっているMの姉妹がおります。2人は9学年離れています。Mが産まれるまでは姉のKは友達と遊び終わって家に帰ると一人ぼっちに思いよく私に泣きついて「妹が欲しい、女の子がいい」と言われていました。
 私の年齢は国からの助成金も出ない年齢になっていてラストチャンスが迫っていました。今年授からなかったら一人っ子で家族3人で楽しく生きていこうと決意したそんな時、ひょっこりお腹にたまごちゃん。念願の赤ちゃんを授かりました。赤ちゃんの方が「よしっ!今や!」と我が家へ来てくれました。奇跡的に授かり産まれてきてくれました。家族全員喜び感謝しました。Kは私の右腕になってMの面倒を見てくれます。いつもありがとう。
 Mは赤ちゃんの頃から姉の習い事の送迎に連れて行っていたのもあってか大人に出会う機会が多く誰とでも笑顔で大きな声でこんにちはと挨拶が出来、人見知りのない子でしたのでむらさきの園庭開放も祖母と0歳の頃から我が家の庭の様に行かせて頂いていました。しかしコロナが流行し急に人と出会う事がなくなってしまいました。同じ歳のお友達と遊ぶ機会がなくなりました。遊んでくれるのは大人ばかり。ギャーと言えば自分の思う通りになる毎日。おもちゃも貸さない、順番、交代、そんな事をしなくても自分が一番。わがまま一直線でした。これではマズイなと思い待ちに待った3才。いっぱい友達ともまれてきてーと願い4年保育で入園しました。
 最初の一週間は知っている幼稚園なので元気よく登園しました。しかし二週間目から必ず家のおもちゃを3つ持って行く様になりました。せっかく早く行く準備が出来ているのに玄関で「持って行ったらなくなるで」「貸してあげれるんやったらいいけどどうするんや」と毎日笑顔で送り出せなくなってしまいました。数日してふと、「あれっ不安なんかな?」「お守り代わりに持って行ってるんかな?」とMの気持ちに気付いてあげれ様になり、「まあいっか、おもちゃぐらい」と私も開き直り、それからは毎朝先生に「カバンにおもちゃ3つ入ってます。」と伝えてそっとしのばせて行く様になりました。何日か経ち「今日はおもちゃ2つにするわ」と言い、「そやな、1つは家に置いとこ」「えらいなあ2つに減らせたな」と褒めて抱きしめ送り出し、あぁやっと1つ減ったわ・・・と内心思っていたら次は園のおもちゃを必ず持って帰る様になりました。つみき、ドアノブ、ぬいぐるみ・・・。年長さんにぬいぐるみは持って帰ったらアカンでー。とストレートに言われていました。毎日バスプールで大きな声で返さへんともめて「今日だけやで」と言い毎回カバンにドアノブが入っていました。持っていくおもちゃが2つから1つに減り、でも園のおもちゃは必ず1つは持って帰る日々でした。私も慣れて何も言わなくなりました。そして4月になり入園式を迎えました。え!?先生の言う通りにちゃんと座ってる!!その姿に私はびっくりしました。さすが4年保育やなあと思いました。ちょっと先に園に入ってもまれたらこんなににも変わるのかと。あれだけ家ではワガママ一本のMがちゃんと周りに合わせている!!法然様も歌ってる!!その成長に驚き、たくましくなったなぁとほほえましく想いました。それから知らぬ間に家のおもちゃは持って行かなくなりました。「園のおもちゃも返しとくで」「いいよ」とアッサリ。長いことかかりましたが本人にとっては園に慣れママから離れてる間のお守りやったんやなぁと・・・。友達も増え毎日刺激になっている子の名前が出てきます。幼児期の間に経験しておかないといけない事をいっぱい園でしてきて欲しいです。園長先生がおっしゃる事が私も歳がいくにつれて身に染みて感じています。髙尾先生をはじめ先生方が子ども達に何気にしてらっしゃる対応が『あぁすごいな~見守るってこういう事なんやなぁ』と。こどもの世界に大人は入ってはいけない。こどもどうしぶつかり合って学んでいく。私もそうやってこども達を見守り親子共に園生活を一生のうちで一番の思い出となる日々を過ごしていきたいと思います。




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