お や お や
9月
オレとニャンニャン
只今、年少のRと年長のDは幼稚園生活を謳歌しています。謳歌というと語弊があるかもしれません。本人たちは、家とは違う環境で緊張しながら、精一杯頑張っているのでしょう。行きたくないけど、行きたい。しんどいけど、楽しい。休んでみたけど、やっぱり幼稚園で遊びたい。色々な気持ちに揺れ動きながら、日々を過ごしています。 兄妹は他に、小2の姉と8か月の弟がいます。お姉ちゃんが年長、Dが年少になる年にむらさき幼稚園に入園しました。年少の頃のDは、年長の先輩からちょっと言われただけで委縮していました。ターザンの順番が回ってこなくて黙ってじっと待っていたり、仲間に入れてもらえなくても姉とその友達に着いて行く姿には胸が痛みました。なぜ理不尽な目に合ってまで着いて行くのかと思いましたが、Dは自分でその道を選んでいるようでした。 今でも姉とは一緒に遊びもしますが、ライバルでもあります。それぞれの世界を持ちながらも、影響し合っています。基本的な主導権は姉が握っていますが、時にはDが前に立つ場面もあります。友達の家に行くときに「一緒に行くか?」とDの方が誘うこともあります。以前は「ねーねが邪魔をするから遊べない」とすねていたのに。何だかんだ言っても、互いに頼りにしているようです。 去年はコロナ禍で幼稚園に行く機会が減ったので、久しぶりに園で遊ぶDを見るとその成長ぶりに驚きます。自分の事を「オレ」と呼んでいる事、「女の遊びはやらん」などと発言している事、新たな発見でした。男の子同士でスリル満点の遊びを楽しんでいました。 「ニャンニャン」とはRの事です。Rは自分の事をそう呼びます。物怖じしない性格で、家でも外でも大きな声で歌ったり、走り回る。姉、兄がやる事は何でも真似したい。Dの真似をして自分の事を「オレ」とも呼ぶようになりました。でも、姉や兄と全て同じようにはできなくて毎日のように癇癪を起していました。 Rと姉は時々料理を手伝ってくれます。けれど「そこオレの場所だからどいて」とか、「Rはこっち!」と争いが始まります。私もイライラしてしまい、「やめてよ!」などと言い出すと大変です。そんな時、Dは我関せずの表情をしています。 以前は台所を水浸しにしたり、頼んでもいないのに刻んだ肉を丸めて「肉団子」を作っていました。その様子はまるで水遊びや泥んこ遊びをしているようでした。Rが遊び没頭する姿はいいなあと思います。けれど台所での遊びは食事の時間が遅れることを覚悟しなければなりません。余裕がない時にはこっそり米を研いだり、卵を割りますが、僅かな音を聞きつけて「オレがやるー!」とRが飛んでくるのでした。 Rを見て、こんなに小さかったのかと思うことがあります。そう感じたのは、Rが体の何倍ものパワーを発していたからだと思います。姉や兄に負けないように、一生懸命頑張っていたことに気づきました。 それから、いつの間にか野菜を切ることが上手になりました。水遊びではなく皿洗いをしている時もあります。私が怒ってばかりだから、気を使っているんだろうか、と心配になるくらい急な成長ぶりでした。 私、笑ってるかなと、時々口角を上げてみます。バタバタしててあまり余裕がなくてごめんね!心の中で子供に謝ります。子育ては上手くいかないことだらけ、これでいいのだろうかと悩む毎日ですが、子供の成長する力を信じようと思います。凹んだボールに空気が満ちてまた膨らむように、落ち込んでもペチャンコになってもまた元に戻れると信じていたいです。 |