お や お や

6月

安らげる場所

 
 うちは、三姉妹です。
 小六のS、小二のN、そして年長のM。三人とも全く違う性格なので本当に面白い。
 長女のSは一見、大雑把にみえるけど心は繊細だな、と思う。そして嘘がつけない。言われたことに真っ直ぐすぎるので、もうちょっと楽に構えたらどう?と思うことが、よくある。かと思えば、案外なんにも考えていないときもあって、親の私はズコーッ!!となる。
 次女のNは、三人の中で一番人見知り。そしてお母さん大好きアピールが群を抜いている。
 「あ、お母さんとギューする時間や。」と言って私のそばによく来ている。目が合えば「お母さん大好き。」と言ってくれることも多い。私の膝の上に座っていることが一番多いのはNです。
 三女のMは、とにかく面白い。「え、そんなこと言う?」という想像していなかった返答が多く、日々楽しませてくれる。そして三人の中で一番平和主義。何か物を選ぶとき、最初は「これがいい!」と自分の意見を言っていたけど、口が達者な姉二人がいるもんで、いつからか「別にこっちでもいいよ。こっちも可愛いし。」とサッと身を引いて相手に譲るようになった。そんなMの姿を家でよくみているから、幼稚園の仲良しのお友達と遊んでいるとき「Mはこれがしたい!」と、自分の意見を言っている姿をみかけると「お!?」と嬉しく思うと同時に、Mの意見を受け入れてくれるお友達にも感謝している。
 ふと、自分はどんな子だったんだろう?と思い、母に聞いてみた。「今でも鮮明に覚えているのは、みんながお遊戯の時間、うさぎになりきってピョンピョン跳んでいるのに、あなたは一人だけ椅子に座っていたから『なんでみんなと同じことせえへんの?』と聞いたら『うさぎがあんな跳び方せえへんし、やってられへん。』て言うてたわ。」と返事が返ってきた。みんなはやっていても、嫌なものはイヤ!!興味のあることしかしたくない!という子だったようです。そんな幼少時代を過ごした私が大人になり、むらさき幼稚園と出会えたのは、きっと何かの縁だと思います(笑)
 毎日、大好きな木登りやターザンをして、帰りのバスでは、家に着くまで大抵熟睡していたS。人見知りのNは、自分の心が落ち着くまでの間、しばらくぬいぐるみを連れて登園していたなぁ。Mは年少のとき、ブランコに乗りながらボーッと晴れわたる空を見上げていたら顔から落ちてアゴをすりむいていたっけ。先生たちからわが子の出来事を聞き、その様子を思い浮かべると、時間の流れ方がみんな全然違うけど、どれも大切で、どれも一生懸命で、どれも愛おしい。ブランコから落ちた日、Mは「もーブランコしない。」と言っていて、先生と「そーか、そんな日もあっていいよね~。」なんていう会話をしていたそうです。今、自分がしたいことに夢中になれる環境、そして自分を丸ごと受け入れてもらえる安心感。その安心があるから、チャレンジしようと思えるんだろうなぁ。「お母さんも小さかったら、むらさき幼稚園に通いたかったなぁ。」と子どもたちには言っています。
 家でも基本、自由に遊んでいる子どもたち。工作が大好きなので、気が付けば材料を集め、何かを作っている。花屋さん、ケーキ屋さん、鯛焼き屋さん、石焼き芋、自動販売機・・・思い付いたらすぐに形にしていて、その集中力と発想力には驚く。作っているときの一生懸命な目、ひらめいて口数がすごく増えている様子。「みてー!!」と嬉しそうにみせに来てくれる姿。凝りすぎて失敗するS、全部が仕上がるまで隠しておきたいN、一つずつ完成をみてほしいM。三人それぞれ違った反応や行動だけど「お母さん、みてみて。」は年齢・性格関係なく、同じなんだなぁ・・・。何かに挑戦出来るよう、私に出来ることは、あったかいごはんと、あったかい布団を用意して安心出来る場所を作ること、いつだって子どもを後ろから見ていることなんだと思います。そのたには、わたし自身が元気でいることも大切だと感じる日々です。



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