お や お や

12月

お母さんなってからの出会い

 
 我が家がむらさき幼稚園に出会ったのは2年半前。現在、ももの組に通うYは2歳、Yの姉K(小2)が、年長の夏。主人の転勤でKが0歳の時に渡米し、5年のアメリカ生活を経て日本に戻ってきた我が家。Kはアメリカでそれぞれの個性を大切にしてくれる自由保育の幼稚園に通っていたので日本でも子供のそれぞれの育ちを大切に保育を行う幼稚園に通わせたいと思い迷わずむらさき幼稚園を選びました。第1子で言葉が遅く、集団行動がちょっぴり苦手だったK。振り返ると長女の3歳代、私は不安だらけのお母さんでした。主人の転勤で初めての子育てを海外ですることになり毎日がわからないことだらけの中、マイペースな我が子に対して周りのお友達と同じことができるようになってほしいそればかりに子育ての重点を置いていたように思います。英語環境の中、主人は出張で家をあけることが多く、言葉の発達の遅れがあった長女の日本語は自分にかかっているのではと不安でいっぱいになり楽しいはずの親子の絵本の読み聞かせの時間も、教えなきゃ教えなきゃ・・・とムキになっている自分がいました。でも慣れない海外生活の中で悩みながらも子育てを通してたくさんの出会いが、そんな私を少しずつ変えてくれました。「ありのままの我が子だけを見つめて歩いて行こう。」辿り着いた私なりの答え。そう思うようになってからは、悩んでいたことが長女のとてもかわいい個性に思えるようになりました。そしてむらさき幼稚園との出会い。キラキラした瞳で雨の日も風の日も心と体をフル稼働で園庭を走り回る子供たち。たった半年だけの園生活でしたが、Kは自然に溶け込むことができました。子どもたちのやりたいことが芽生えた一瞬一瞬を決して見逃さずその瞬間にチャレンジさせてくれるむらさきの環境。いつも子ども達を信じて見守って下さるむらさきの先生方の保育からは、私自身も日々たくさんのことを学ばせてもらっています。「大人から見て子どもに心配なことが起きた時はその子が成長する時なんです。」長門先生の言葉。「みんなと同じことをやらなきゃいけないのは子ども時代の今だけなんですよ。」にっこりおっしゃってくれた勝間先生。Yの入園とKの入学が重なった昨年。Kの就学後、新たな悩みもでき私の子育ての軸がぶれそうになり、私の心の状態は、入園したばかりのYの心をとても不安にさせることに。和田先生がその時に「何でも初めての第1子に気持ちがいってしまうのは当たり前。でも幼稚園にいる時だけはY君だけのお母さんでいてあげてください。」と優しくおっしゃてくれ気持ちが楽になりました。それから幼稚園の行き帰り、1キロない園までの道のりをYが寄り道したいだけ一緒に時間をかけて歩きました。草花や虫を見ていると、時には2時間かかることも。気が付けば私から離れられなかった小さなYは、すっと私の手を離し自分の道を自分で見つけ歩きだしました。残りの幼児期、笑って泣いて怒って忙しいYがどんな成長をしていくのかとっても楽しみです。そして子どもたちの成長を一緒に喜びあえるむらさきのお母さん達との出会い。まさか母親になってからこんな素敵な出会いがあるとは思っていませんでした。
 お母さんになってすぐの頃の私は、できればしなくていい苦労は我が子にはさせたくないし寄り道はさせたくないと思っていました。でも今は違います。むらさきに通い、我が子だけでなく母親としても少しだけ成長した自分がいます。今の私は、できるだけ我が子に寄り道をしながら人生を歩んでほしいと思っています。親は、どんな時も我が子を信じて待ってあげるただそれだけ。ありのままの我が子を受け止めてあげること、シンプルだけど大切なことをむらさきで教わりました。我が子たちの記憶に幼児期のことが大人になってからどれだけ残るかはわかりません。でも心地よい香りのように幼い頃、大人たちに愛され信じて待ってもらえたあたたかさがほんのり残ってくれたらいいなぁと思います。お母さんなってからの出会いが私をそんな気持ちにしてくれました。むらさきでの時間は、今もこれから先もずっと私たち親子にとって愛おしい時間です。



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