お や お や

7月

本当のT

 
  Tは小さい時から、おもちゃをすんなり人に貸す事ができたし、ブロックで作ったものを誰かに壊されても、「また作れるし」と大人な対応をしていたし、兄はそうではなかったので、何にも教えてないのになんでそんなことが出来るのぉすごいっと思っていました。ただ、それが我慢しているのかどうかはよくわかりませんでした。
 年少の9月から、むらさき幼稚園に通っていますが、それまでは、保育園に一年間通っていて、保育園とは生活リズムも何もかも全然違うであろう、むらさき幼稚園になじめるかどうか不安に思っていましたが、あっという間になじんようで安心しました。通園の一日目から、バスで一人で行ってもらい、最初は「一人で行くの?」という感じでしたが、バスが来たら、後ずさりして長谷場さんに抱っこされて乗って行きました。二日目からは、ドキドキした様子でしたが、泣くことも無く自分からバスに乗って行ってくれました。
 家の事情で保育園に通わす事になったものの、Tの四歳年上の兄もむらさきに通っていたこともあり、むらさきの保育に慣れていた私には、保育園の生活がとても窮屈に感じられ、家族と相談しTとも話をしたりして、むらさきの先生にも相談にのってもらって、いつでも受け入れてもらえるということなので、年少の二学期の始まる九月からお世話になることになりました。私にもなじみのある園になっていたし、知った顔のお母さん方や先生方とまた同じ園に通えることになってとてもうれしいです。
 だけど、むらさきに通わすうちに、(あ~~むらさきってこうやったなぁ~)と良い事、大変だったこと、色々思い出しました。Tの兄は、手を出す側で、むらさきに通っていた三年間、ヒヤヒヤドキドキしっぱなしで、行事で園に行くことがまるで修行の様な日々だったなぁと・・・。Tはどんな園生活を送るのか、楽しみでもあり、不安でもありました。保育園では、目立つ事も無く、「T君は良い子ですね、話もちゃんと聞いてくれます」と先生から言われていました。むらさきに通ってどうなるかなぁと思っていましたが、まず、自由に好きな遊びをしていい、それも毎日。最初は自由を満喫していたと思います。毛虫を集めたり、一日中外での遊びを楽しんだり、水遊びをしたり、服が汚れた分だけ思いっきり楽しんできたんだなと思いました。そして、慣れてきたらクラスメイトとのちょっとしたケンカ。Tは必死だったろうけど、保育園でケンカをした事なんて聞いたことがなかったので、Tもとうとうケンカを始めたかと思い、がんばれっと励ましていました。年少も終わりの頃、ケンカもだんだん激しくなり、手も出し足も出し、手も出され足も出され・・・がんばれT、ギューっとして、明日の幼稚園いやがるかなぁと思っていたら、ケロッとして、嫌がりもせずバスに乗っていくので、すごいなぁと思いました。たまに嫌がる日もありますが・・・。それほど、むらさきはTにとって、楽しく魅力的な場所になっていたんだなぁと思いました。ただ、お弁当がなかなか完食できない日が続き、先生にお弁当を小さくしてみては?一口で食べられるおにぎりにしてみては?など、色々と提案していただいて、だんだんと完食できるようになっていきました。兄がお世話になる前から、むらさきに入ろうと思った時から、むらさきの先生方には色々と相談に乗っていただいて、すごく気持ちの面でも軽くなったし、とても頼りにしています。
 家でのTは、歌を口ずさみながらおもちゃで遊んだり、変顔をしたり、兄と一緒に恋ダンスを踊ったり、気が付けば私の膝に座っていてほっぺをすりすりしていたり、ほっこりさせてくれます。「桑の実、ママのためにとってるしな」といってくれたり、「痛いことあったけど、○○くんが助けてくれた」など、園での出来事もよく話してくれます。
 おもちゃを人に貸せるのもTだし、クラスメイトとケンカするのもTだし、ほっこりさせてくれるのもTだし、泣き虫な母ですが、どんとかまえてこれからも日々成長していくTを見守っていきたいです。



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