お や お や

9月

子どもの成長、親の成長 ―人との関わりの中で―

 
 Hには、昨年むらさき幼稚園を卒園して、現在小学校1年生のTという兄がいます。自分で考える力をつけて欲しいと思い、むらさき幼稚園を選びました。Tは、入園した頃、母親と離れるのを一週間ほどは嫌がりましたが、楽しいことが見つかるとすぐにそちらに集中できて、さらには好奇心も旺盛なので楽しいことを見つけることも上手でした。しかし、年少の頃は、それで精一杯むらさき幼稚園を楽しんでいたのですが、年中になると、友達と一緒に楽しい気持ちを共有したいという願望も生まれてきました。僕はこれで遊びたい、このおもちゃを使いたい。でも、友達は違う。そこで、たくさん衝突をし、切磋琢磨しながら、自分なりに自己主張の仕方を学んでいきました。年中の後半には、とっても素敵な仲間を見つけることができ、年長になって、その仲間とクラスが別れても、新しい素敵な仲間とも出会うことができました。むらさき幼稚園で身に付けたそのスキルを、まったく新しい環境となる小学校でも活かせていると思います。
 そんな兄をライバルのように見ながら、Tには負けたくないと自転車をコツコツ練習して乗れるようになったり、ひらがなを読めるようになり、さらには書いたりと頑張り屋のH。言葉が早くて、饒舌なので年少の頃から、自己主張も言葉ですることが多かったようです。それでも、中身は年少なので、友達との衝突はもちろんありました。兄のTは、喧嘩の時に手を出して相手を傷つけないかと心配でしたが、Hの場合は、きつい言葉で心を傷つけないかと心配でした。そのことを個人懇談の時に相談すると、「今、Hちゃんは、自分の言った言葉について、友達の反応を見ながら、言い過ぎてしまったのか、大丈夫なのかを学んでいるみたいです」と教えていただきました。HはHなりの方法で、自己主張の仕方を探していて、兄とはまた違った方法で、人との関わり方を学んでいるんだなと感じました。
 TもHも、むらさき幼稚園でたくさんの事を見つけ、考え、吸収しています。子ども達だけでなく、母親の私も、むらさき幼稚園でいろんなことを学んでいます。Tを幼稚園に入れた頃は、初めての子育てや引越による環境の変化で、不安に思い過ぎたり、心配し過ぎたり、何事にも消極的でした。特に、人との関わりがそうでした。しかし、Tの頑張りやHの成長を感じていると、自然といろいろなことをすんなりと受け入れていこうと思えるようになりました。積極的に流れに流されてみようと思い、おひさま委員になりました。すると、そこには素晴らしい出会いが待っていて、今でも続くその関係を大事にしていきたいと思っています。そして、昨年はクラス委員をさせていただきました。もう一人のクラス委員さんとの出会いや、担任の先生とも今までよりも積極的に関わりを持つことができて、本当に良かったと思っています。そして、今年は流れに流されて、母の会本部役員をすることになりました。今までは、知らなかった母の会の仕事やむらさき幼稚園の一面を知ることができてよかったと思います。しかし、やはり何よりもよかったと思えることは、素敵な仲間と出会い、大変なことも面白いことも一緒にできる経験を得られたことだと思います。
 TもHも私も、むらさき幼稚園という小さな社会の中で、それぞれの方法で人との関わり方を学んでいます。Hは、残りの年中と年長の一年半でどんな風に成長していくのかとても楽しみです。そして、子ども達自身の方法を尊重し、見守ってくださる先生方のいるむらさき幼稚園に心から感謝しています。TもHも、これからより大きな社会へと出て行きます。むらさき幼稚園での経験を糧に、いろんな人との関わりの中で、これからものびのびと成長していってほしいと願っております。そして、母親の私も、子ども達と一緒に、楽しいことしんどいこと、流れに流されながら、新しい人との関わりを楽しんでいければいいなあと思っています。



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