お や お や

9月

親の安心、子の安心

 
 M家には子どもが二人。小学二年生の兄Tと年中さんの妹M。二人を通してむらさき幼稚園にお世話になって六年目を迎えます。
 Tはプレイルーム一年、年少、年中、年長、と通い、現在はプレイスクール二年目です。毎週木曜日のプレイスクールの日を心待ちにしていてルンルンで幼稚園に行っています。プレイスクールの日は彼にとって、小学校生活の中にいる自分にとっての大切な息抜きとなっているようで、毎週木曜日に生活がリセットされているような気がします。
「幼稚園に行きたいな。幼稚園でおもいっきり遊びたい!!」
 木曜日の二時間だけでは足りてないのでしょう。
 Tは第一子とあって、親も子もすべてが初めての体験で、幼稚園で生活することは親子で手探りの毎日でした。三月生まれだけれども他の同年代の子よりも体は大きくパワーもあったので、他の事衝突すると手が出たりかみついたりと相手に迷惑をかけることが多く、Tを怒ったり注意ばかりしていて、どうしてこの子は周りに迷惑をかけてしまうのかと日々悩んで、子育てABCや懇談会などで悩みをぶつけていました。
 けれどもTが年中さんの二学期に、一人のお母さんから「Tくん、最近落ち着いてきたね。」と言われたのを機に、それまで受けていた園児さんからの“Tくんにいじめられた”報告が少なくなっていきました。それ以降卒園するまで、また違う悩みが出てきました。友達関係です。Tが落ち着いてきた頃、周りがよく見えるようになってきたのと周りの友達が成長してきたのとで、これまでの仲良し友達の関係が変化してきていました。今まで「イヤ」と言えていたことが「イヤ」と言えなくなり、我慢することが増え幼稚園に行きたくないという日もありました。一難去ってまた一難。結局卒園するまで「イヤ」と言えませんでした。幼稚園の頃に「イヤ」と言えませんでしたが、今では、気持ちを伝えにくい相手にも、直接口で言えたり手紙で気持ちを伝えたりということができるようになりました。
 あんなに卒園して小学校に通うことを楽しみにしていたのに、「幼稚園に行きたい!!」と今になって言っているTをうれしく思います。彼には心を許して自由に遊べる場所ができたんだ。自分を自由に表現できる場があるんだ。園長先生が前に、「自分から卒園するのだと決めた時が、本当のむらさき幼稚園卒園なのだ。」と言われておられました。Tはまだ卒園していないのでしょうね。本人は六年生までプレイスクールに通うと言っています。彼の本当のむらさき幼稚園卒園はいつになるのでしょう。
 妹のMは、年少の時から友達に恵まれ楽しく幼稚園に通っています。年少の六月に一度、「幼稚園に行きたくない!」と強い主張があり、何日間は送迎のときに私から離れないことが続きましたが、二学期になってからはそういうこともなくなり楽しんで通っています。特に、年中の六月に入ってからは、仲良し友達とシールの交換というイベントが楽しみとなり、休みの日でも幼稚園に行きたがります。彼女がこの先どんな経験をしてむらさき幼稚園で成長していってくれるか楽しみです。
 Tの時と違って、Mの時はどうしてこんなにどっしりかまえて安心して見守ってあげられるのだろうというくらい彼女に対しての悩みがありません。プレイルームのチラシを見て説明会に来た時がむらさき幼稚園との初めての出会い。それから六年、親も子どもと一緒に多くを経験し多くを学んで成長させていただきました。むらさき幼稚園に出会えて本当に有難いです。これから先あと何年お世話になるかわかりませんが、これからも親子でむらさき幼稚園を楽しみたいです。



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