お や お や

6月

姉妹の成長

 
  現在小学3年生になる姉のAがむらさきに入園を決めたのは、兵庫県から引っ越しをしてきたばかりのときでした。少人数で家から近いという理由だけでむらさき幼稚園を選びました。入園手続きをして、園庭開放に行き衝撃を受けました。自由に子ども達が所せましと走り回り、アヒルが園庭にいても誰も気にしません。そのパワーに圧倒され親子とも遊べず、呆然と他の子ども達を見ているだけでした。
 入園してからもそのパワーに慣れず、登園する時に毎日、泣いていました。徒歩通園だった事もあり、園で別れるときに泣き叫び、3歳児でもこんなに力があるんだ!と思うくらい、私の服を掴んで放してくれませんでした。そのため、しばらくの間は担任の先生に無理やり引き離されながら登園していました。不思議なことに、保育時間中は泣くこともなく、遊びの中でたくさんの経験をして帰ってきていました。
 ある朝いつもの様に泣かれると覚悟して登園しましたが、急に「ママ、早く帰って」とお尻を叩かれて、何があったん?と私の方が不安になりました。しかしその心配をよそに、お迎えの部屋では笑顔で待っていてくれていました。彼女にとって大きく成長した瞬間でした。その後は門まで見送ってくれる日が卒園まで続きました。
 一方、妹のFは姉と一緒に3年間幼稚園に通っていたこともあり、年少の時から全く泣かずに部屋に入り、振り返ることもなく登園しています。姉とのギャップがあるので、私としては少し淋しい気持ちもありますが・・・。
 そんなFですが、中度の難聴のため1歳頃から補聴器をつけていて、水や汗に注意して生活をしないといけないので、むらさきの自由さについていけるか不安で、入園させるかどうかすごく悩みました。髙尾先生と話をしている時に、高価な補聴器の事ばかり心配している自分に気づき、これから待ち受けているであろうさまざまな壁を自ら乗り越えられるような子に成長するためには、むらさきしかないと、入園を決断しました。
 入園当初は発音が悪く、他の園児とコミュニケーションが取れるか不安でしたが、約2年間週に1回ろう学校で発音などの訓練をし、今では周りが違和感なく聞き取れる位まで成長しました。本当にお友達に恵まれ、補聴器をつけている事も忘れる位、みんなと仲よく遊び、喧嘩をし、初恋をして自由にのびのびと生活しています。
 不自由な生活の中で、Fなりに考え、努力した結果、今の楽しい幼稚園生活があるのだと思います。そして、園長先生や先生方、お友達、今まで関わってきた全ての方に助けられてきた事に感謝です。あと1年、たくさんのお友達と一緒に笑顔で幼稚園生活を送って欲しいです。
 2人とも、たくさん泣いたり笑ったりした大好きなむらさき幼稚園。その経験を土台にこれからどの様に成長してくれるか楽しみです。



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