園 長 と 語 ろ う

令和3年1月

― 三学期の保育方針 ―

 歳末の三日恒例の餅つきが、二年続きとなるコロナ感染症拡大防止下で量も半減し「ヨイショ」の応援もなしで手拍子のみ、搗き手のマッチャンは小声で「ヨイショ・・・」と発声してリズムをとっていました。

昨年はニーナの餅米がカメ虫(害虫)が農薬散布されない唯一ニーナの田に集中する被害に遭い、それでも毎年お願いする餅米の量だけは収穫できたのでむらさきだけが安全な餅を頂くことができました。今年は夏の日照りが続き気温が36度を超えると植物の成長が止まると言われ、園の草花や鉢やプランターの花々も貧弱で種子がほとんど得る事ができないし、桜は紅葉が始まるし、園の前の畑に実生の若桜が種を残そうと小粒の花を狂い咲かせ発芽しないだろう小さな小さな実を花の痕跡として残しているのです。ニーナの餅米は全滅と聞かされ、その上二学期になっても真夏日が続きますのでこの自然が不自然となる現象の原因は人間としか考えられません。「人工(人が意図を実行に移すこと)は自然破壊」と言い切る金田一宗助がご自分の国語辞典で述べているので頷けてしまいます。今年はニーナの餅米が一粒もとれず、松原先生の近くの田で減農薬(消毒も肥料(化学)も)で作っておられる羽二重餅の米を搗くことができました。こんな高級な餅は私も初めてですが、短時間で搗きあがり、うすどりもし易く、丸める職員に楽しく関わって頂けました。

子どもの順応する力は「すごい」と今さらながら感じ入ります。検温と手指の消毒に加えうがいの励行。…幼稚園登園したとき、帰宅して家に入る時、お母さんにつれてもらった買い物のスーパーや食堂など出入る際の消毒は日常生活の一部のように率先して励行しています。

令和二年度の進級児(現 年長・年中組)は三学期の終了式以降休園が続き卒園式・始業式・入園式も参加者制限され来賓者は無しなど変則的に滞りなく勤まり、六月中旬まで休園して夏休みに入る一カ月程の日数で平常時(コロナ禍以前)の子どもと同じ様な生活を作り出す、貪欲に成長し、二学期の真夏日が続き十一月中旬に真冬が来るという最中でも年長児は運動会に向けて自分達のやりたい事を相談し合う(お父さんを真似て「会議」と言っています)という程の社会性を発揮しました。年中、年少児も各々の生活作りは年長の真剣な姿に刺激されたのでしょう。口では言い尽くせない成長ぶりです。オーバーワークで休園する子も少なかったので、冬休みお母さんを中心にご家族の下、存分に癒される事でしょう。

三学期はこの子ども達の他人を認め互いに他人を思いやれるという個々の個性を尊重する子ども社会が作れると信じています。一・二学期の生活振りがそれを約束していますし、私もそれを楽しみに信じるのです。

第三波のコロナ感染症が医療崩壊を招くと国民全員が心配していますが子ども達の日常化にしてしまった防止策が自分で自分の身を守る常識と成っていますので合わせて信じられるのです。お家の方々もご心配なことと存じますが、この子ども達を信じる事でどうかご自愛専一にお願いします。コロナを封じ込める年の始めと笑って迎えましょう。


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