園 長 と 語 ろ う

令和元年11月

―月のねらい―

   十一月 発心(ほっしん)修行(しゅぎょう)  十二月 脚下照顧(きゃっかしょうこ)―

 今シーズン初めての運動会が十月三連休の前日十一日(金)に年中で発表されました。最終打合せでプログラムに添って説明を聞き年中にしては一時間強では長過ぎるので「幼児の集中時間は三十分」と話して種目として分けると小学校の教科学習の様に四十五分のこま切れ学習になってしまいます。幼児の学習はまま(ね)ごとですので好奇心を抱くとすぐ真似てあそびます。周囲に遊ぶ子を真似たり、あるいは真似られたり・・・と、その合い間に生活の部分が入ります。トイレに行ったり、昼食を摂ったり、お茶を飲んだり・・・と幼稚園生活は一日が流れるように在るもの・・・と私のアドバイスを取り入れ工夫してくれたのでしょう。「玉入れ」も「よーいどん」もこま切れを感じず流れたので三十分も短縮され「オープニング・エンディング」を入れて四十五分だったと思います。時間を気にせず自分達のペースで遊べたのではないでしょうか!始めは先生達二人がダンボールの箱を背負い中に入っている自分達が新聞紙を丸めたボールを集まって来た子ども達の周りに箱をひっくり返して全部の新聞ボールは園庭狭しとばかりに散乱し、と同時に籠ならぬ箱はダッシュで逃げまわり、時たま待ってくれるチャンスに子ども達は箱の廻りに抱え込んでるボールをドバッと箱に入れるのに成功。後続の子ども達も次々に入れ拾えなかった子どもも箱の周りに落ちこぼれているボールを拾っては入れたので、たちまち満杯。籠は一呼吸いれてスクッと立ち上がり籠を逆さに中の新聞ボールは回りに散乱した頃合いを見計らって第2ラウンドの始まりです。子ども達は活き活きした眼差しと動き回る素早さは1ラウンドと同じです。違ったのは年長男子二人に籠役をバトンタッチされて活き活きと代役を務めてくれます。一年半もむらさきで生活を共にして来た一歳違いの弟や妹達なので喜んでくれるツボを知り尽くしています。逃げるスピードや止まって入れさせてくれたり、フェイントをかけて上下左右に振ったり、逆さまに(おじぎする様で)籠の中の新聞ボールを振り分けて歩くものですから、もう子ども達は喜び(歓喜)の頂点に達すると言わんばかりです。

 自分達で「玉いれ」に没頭し歓喜の声と汗を振りまくほどに満喫したのではないでしょうか。ちょっと水分補給の「お茶休憩」がいつ終わったのか、わからないうちに「よーいドン」の声で(私はスタートに気づかなかったのですが)みんなが流れ雲の如くに一丸となって跳んでいます。まるで大空を何十、何百羽も一丸となり横に膨れたり、細長い線上になったりと変幻自在になったりと小鳥の大群です。同じ様な姿が海の中の小魚にも見られます。小さな生き物が群れることで種を守っている姿をこの子ども達の活き活きした姿に目の輝きと機敏さに見え、四歳児の子どもらしさを見ました。

 十一月の発心(ほっしん)は変幻自在に変化して大群となり夫々の身を守る姿。修行は異なる思いを一つにして、種を守り変化できる思いの統一ではないでしょうか。

 十二月の「脚下照顧」は、歳末には足元を照らし見て顧みることで元旦(歳首)を迎え、気持ちも新めるのです。これは一般的には年度末は三月末で四月一日より年度始めとなり少し戸惑うのですが「皇暦(和暦)」は元旦に一年が始まり大晦日で年末となります。日本人は加えて漢暦(旧暦)や西暦も取り入れるほどおおらかなので

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