園 長 と 語 ろ う

平成28年9月

―二学期の保育方針―

 今年の夏は八月に入ってから人間の体温を越える酷暑となってしまい、私達を初めとして、野生の動植物までもが日中は体力が消耗しないように静かに堪えています。体温より外気温が高い暑い国では体温を逃さないように身体の隅々まで衣で覆い頭はターバンで覆うというように赤道直下の熱帯や南北両極の極寒地に住む動植物はその地に対応できるように知恵を出したり身体のDNAが何代もかけて順応できるようになったり・・・と。

 九月に入っても残暑が厳しいと思われますがこの暑さの中でもクラスの仲間との生活リズムを取り戻すと活力漲(みなぎ)る生活を作り出します。それは一学期後半、涼を求めての蛇口から出る水を子ども達の工夫された水道から園庭のあっちこっちであふれる水を求めて展開される水遊び…等。一昨年加地さんから間伐さプレゼントされた二ツ割の孟宗(もうそう)竹の桶。私達の配慮は割り面からソゲ立たないよう研磨するのみ・・・。あとは自由に工夫してください。接続部から溢れる水も又そこから三歳児の遊びが始まる・・・といった生活そのもので工夫する事が山ほどあるところに遊びが広がります。受ける桶を上に被せてしまい水が溢れたのを止める為に砂で補修するのですがいつの間にか砂が流れて水は溢れます。年長児が教えるのか、二、三日すると「水は高きより低きへ・・・」を平然と三歳児もやってのけるのです。蛇口から出る水量を調整する子、砂を運ぶ子、溢れた水を植木まで細流で運ぶ子、補修の為に止められた水を流れてこない桶をたどって点検する子・・・。

 夏のオリンピックの年には親御さんと共にテレビ観戦でお母さんやお父さん・・・と家族みんなが熱くなられるとすぐ園でオリンピックごっこが始まります。ライブの放映は少し家庭の活動時間とは異なりますので二学期どんなオリンピックが始まるのでしょう。このように遊びの広がりを見ますと協力や分業など大人社会のような役割分担なども発生しますし、直接関わらないまでも興味を抱くと足を止めてジーと観察したり、声かけをしたり・・・観察してはイメージトレーニングしたりと、頭の中では直接参加する人よりも濃く加わる子がいたり・・・と、この様に二学期は工夫をして、知恵を出し合って遊ぶといった社会の広がりを求めて挫折もくり返し(本人達は挫折とは感じません)ながら発展させるのです。

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