園 長 と 語 ろ う

平成27年11月

―群れる―

 運動会前の子ども達が運動会ごっこで花盛り九月十日に長二中の運動会を年長二クラスが時間差で見学に行きました。十時前のクラスは綱引きを応援致しました。そして十一時前のクラスはムカデ競争を応援・・・。昼食後、園庭ではムカデ競争が始まっています。それは学年により列の人数が違い七人〜十数人と長蛇の列も混ざり、「イチ、ニ・・・」の号令で整然と走るチーム。焦る余り立ち上がっても立ち上がっても転ぶチーム・・・と競争の中にも笑える所があり、いち早くまねごとのはじまりです。早いクラス(綱引きを応援した)の子ども達もムカデ競争で遊んでいる子ども達を真似て一緒に遊んでいましたが、綱引きもやりたくってムカデ競争の横で真似事のはじまりです。人数が少なく綱を持ち上げるのもやっとこさ、数人の年中児も混じってワッショイ、ワッショイと声は出るのですがどうも意気が上がりません。

 あれから一ヶ月が経てやっと年長の本番となり、もらったプログラムを見ると15日☆はじまり☆むかできょうそう☆おにごっこ☆ぱんくいきょうそう☆たまいれ、16日☆ふうせん☆つなひき☆きっしー・たーざん☆はしる☆おわり。

誘い文は「”はじまり”(オープニング)で始まり、”おわり”(エンディング)で終わる二日間。その他の順番は当日のお楽しみでお願いします。」とあります。

 「エーエ、そんなん違うデー・・・」「ズッコ、○○が先やのにー」などかしましく意見が交わされた事でしょう。又、何度も何度も話し合ってはやってみて(実施して)・・・とくり返された事でしょう。☆むかできょうそうと☆つなひきもちゃんとあります。どれほど遊び込んで自分達の生活の一部になっているか楽しみです。

 この他にぱんくいきょうそう・たまいれ・きっしーたーざんは、むらさきで代々伝承されているもので兄姉の小学校・町内会・市民運動会などに連れてもらい観戦や幼児競争などの参加を通して新鮮な刺激が生活の中に加味されているに違いありません。

 年長の運動会ごっこで伝承されているぱんくいきょうそう(これはパンに見立てた落ち葉や木の葉)で遊んだり、たまいれ・きっしーたーざんが始まると年中のれもんの子ども達が憧れていたのでたちまち一緒に入り込んで大賑わい。年中児は刺激を受けて憧れの年長児の真似が公認で出来るので大はしゃぎです。その隙に年少児が竹桶での水道作りに挑戦です。手洗い場の蛇口から・・・。その裏にある足洗い場から砂場に水を流すのですが手洗い場からは迂回するという二回の方向転換と距離の長さに工夫することなく真似るのみなので、接点での逆流や落下点の落ちこぼれなど辿り着く水は半減。時には三分の一も届きません。でもそれには何の拘りもなく砂場に届く量には全く関係なくビショ濡れになりながらもまねごとができるのに夢中でこんなにも楽しいのです。

 二学期の始めにバス運転手の加地さんから戴いた竹桶(二メートルから三メートルほど二つ割で節をとり除かれている)が十数本。ソゲで怪我のないよう磨き大時計の下に立てかけておいたのを登園バスから降りた年長児がクラスへ行く途中目ざとく見つけ早速に水道作り・・・。年長が長二中の運動会を見に行く話し合いでその場を離れるや否や、年中が後を引き継ぎます。改善するつもりが改悪となりあっちこっちでダダ漏れ。園庭を横断する運河は明日の運動会(年長)の為にあえなく埋め戻し・・・。それが又みんなを大土木工事へと誘うのです。おじいちゃん・おばあちゃんお招き会、いも掘り、おいもパーティ、運動会、遠足(年長)など集まる事が多くて緊張したりハイテンションになったりしたのですが、この11月は内面的に充実することへと遊びが変わります。

集められた廃材や落ち葉やどんぐりなどの木の実。子どもの身の回りにあるもの全てが教材となりそれらを使って友の真似をしたり、それを改善・修したりと手元を見るような下向きの遊びが中心になって行きます。何かを創り出す姿、工夫したり試行錯誤の姿が見られるようになります。

 9月・10月が外面的な「動」の活動を存分にすると必然的に内面的な「静」の活動を求めるようになります。

 このように工夫したり、知恵を出し合うという子ども達の遊びがその仲間を大切にしないと遊びが面白くならない事(遊びの発展)に気付くのです。


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