遊撃インターネット狂人雑記95
北のりゆき=死売狂生=行方未知

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2013

111日(金)『ぎんぎつね』『境界の彼方』をみる

 録画がたまっていた『ぎんぎつね』と『境界の彼方』をみました。『ぎんぎつね』は、なぜこれが深夜アニメなのか意味が分からないほどの佳作です。神使のキツネがみえる神社の女の子のお話。作画もクセがなくていいしキャラもストーリーもよい。ストーリーは原作のマンガの通りです。ご家庭向けに夜七時台に放送すれば良いのにと思わずにはいられません。
 やはり巫女装束の女の子はよいですな。

 

 『境界の彼方』はさすが京都アニメーションという感じです。作画が抜群によい。映画水準ですね。ストーリーは今のところありがちなものだと思うのだけど、作画に引っぱられて面白く感じられるところが不思議です。やっぱり京都アニメーションは一頭地抜けていますねえ。
 やはりメガネの女の子はよいですな。

 

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116日(水)『宇宙戦艦ヤマト2199』と『罪と罰』

 五ヶ月ぶりに『罪と罰』を読みました。このあいだ終わってしまった『宇宙戦艦ヤマト2199』にちょいちょい出てくるので、読みたくなってしまったのです。
 なぜ『宇宙戦艦ヤマト2199』に『罪と罰』なのか考えてみました。『罪と罰』は多様な読みかたができる小説です。そのテーマのひとつに『踏みこえ』があります。どんなことにも超えてはいけない一線というものがあります。『殺人』はその最たるものでしょう。主人公のラスコーリニコフは、一線を踏みこえてはならない(踏みこえられない)通常人と、そんな境界は踏みこえて前進するナポレオンのような英雄がいると考えます。そして殺人という踏みこえをあえてします。結局、通常人であったラスコーリニコフは、持ちこたえることができず自首することになります。
 『宇宙戦艦ヤマト2199』における『踏みこえ』とは、波動エネルギーの兵器利用、すなわち波動砲でしょう。ラストのあたりでスターシャに怒られて封印することになります。オレは、軍国アニメにみえる『宇宙戦艦ヤマト2199』に、大量破壊兵器はいけないよというメッセージが隠されていると深読みしてしまいました。
 さて、どんなものでしょうか。

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118日(木)『僕とツンデレとハイデガー』(堀田純司)を読む

 子供たちに風邪をうつされ、鬱が悪くなってきました。頭が痛いのは風邪の症状なのか、鬱の症状なのか。
 寝っ転がって『僕とツンデレとハイデガー』を読みました。この本を読むのは二度目です。以前からもう一度読もうと思っていました。数年前から流行の美少女が教えてくれる××という趣の本なのですが、その中でもかなり凝っていて質が高いように感じられます。
 ダメサラリーマンが車にはねられて高校時代にタイムスリップ。そこでデカルトたん、スピノザたん、ヒュームたん、カントたん、ヘーゲルたん、ニーチェたん、ハイデガーたんに哲学を講義され現世に戻ってくるというお話しです。デカルト合理主義からイギリス経験論、ドイツ観念論を通って現代のハイデガーに進みます。なんといっても美少女が教えてくれるからテツガクも分かりやすい!
 なぜ最後がハイデガーなのかというと、主人公の本体は交通事故で死にかかっており、それと絡ませるのに死の実在論的分析をおこなったハイデガーがふさわしいということなのかな。人間にとって死こそは、前知識もなく、他人に干渉されず、個人で向かい合わなければならない最も貴重な体験であると説きます。
 鬱病のせいか、死ぬのが恐くなくなっているので楽しく読むことができました。

 

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1110日(土)『ある徴兵拒否者の歩み』(北御門二郎)を読む

 トルストイに導かれてしまい徴兵拒否をしたおじいさんの自伝です。
 トルストイに大感動してしまった北御門さんは、原文でトルストイを読みたいと東大英文科なのに満州に行きロシア人からロシア語を習います。
 すっかりトルストイ主義者になった北御門氏は、帰国後徴兵拒否という挙に出ます。死刑覚悟で徴兵拒否したんだけれどキチガイということで徴兵免除になります。トルストイっぽく畑を耕しながら第三者の目で戦局を眺めています。当時の日記がよく引用されています。客観的にみると当時の日本の報道でも日本の敗戦が不可避というのは見えてくるものなんですよね。戦後は護憲派の文化人として活躍します。
 『心訳』と呼ばれるこの人の意訳的な翻訳が面白そうなので、北御門訳『戦争と平和』を注文しました。

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1121日(木)『戦争と平和』(北御門二郎訳)を読む

 長い。ながすぎる。よーやく『戦争と平和』を読み終わりました。上巻が1110日、中巻が1116日、下巻が1121日という速度です。『戦争と平和』は、訳をかえて三回読みましたが、この北御門訳が一番分かりやすくて良いように感じました。
 人によってそれぞれだろうけど、オレは『戦争と平和』が面白くなるのは全体の三分二がすぎてナポレオン軍がモスクワに攻めこんできてシッチャカメッチャカになってからです。そこにいくまではほとんど苦行です。
 ドストエフスキーは、面白がって読むことができるんですけどねえ。トルストイは、いろんな意味でまっすぐなんですね。キャラもストーリーもひねくれていない。それに対してドストエフスキーは、キャラもストーリーもひねくれまくっています。『戦争と平和』ではピエールとナターシャを追いかければだいたいのストーリーは把握できるけど、『カラマーゾフの兄弟』でアリョーシャとグルーシェンカを追いかけても訳がわからないだけでしょう。
 現代のような病んだ時代にはドストエフスキーが、大正時代のように理念のようなものが生きていた時代にはトルストイがもてはやされるように感じました。ものの本によるとトルストイは「心の作家」で、ドストエフスキーは「魂の作家」なのだそうです。

 

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1123日(土)『人は何で生きるか』『二老人』(北御門二郎訳)を読む

 北御門二郎の心訳が気に入ったので、トルストイの民話の翻訳シリーズを読みました。なんだか仏典説話みたいな話しのように感じました。新約聖書の福音書の心を分かりやすく説いているという感じでしょうか。オレはキリスト教徒ではないけれど、なんだか折伏されそうになってしまいました。
 「それは『愛』なんだろ」とか先が読めちゃうけど、面白いですね。キリスト教の人が買っているようです。このシリーズは全部読むつもりです。

   

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1125日(月)『蝉丸Pのつれづれ仏教講座』(蝉丸P)を読む

 八日の雑記に書いた『ハイデガー』と同じくこの本を読むのも二度目です。オタク系に優秀な人が何人もあらわれて実に喜ばしい。
 ゲームマニアの四国の住職が、2ちゃんねるに流していた仏教講座を整理してまとめた本のようです。オタク用語(というかゲーム用語)をバンバン使いながら分かりやすく仏教の教義を解説しています。教義だけでなく現在の仏教信仰の問題点についても詳しく鋭く切り込んでいるところが素晴らしい。また、東南アジアの南伝仏教についても、けっこう問題の多い現状を非常に詳しく書いています。著者は、真言密教のお坊さんですが、逆に真言宗についてはほとんど書かれていません。宗派に片寄らない姿勢に好感が持てます。
 著者の蝉丸P(アイマスのプロデューサーからか?)氏は、高校を中退して高野山に登り修行したという人物です。ものすごく優秀な人と感じました。どれほど優秀かは巻末の参考資料を見れば一目瞭然です。これほど頭のいい人が、バカのフリをして降りてきて噛んで含めるように仏教全般について説いてくれるのだから、ありがたい話しです。値段も安い。四四〇ページで一四七〇円。読んでまず損はないと思います。

 

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122日(月)『アンナ・カレーニナ 上巻』(北御門二郎訳)を読む

 「幸福な家庭は皆同じように似ているが、不幸な家庭はそれぞれにその不幸の様を異にしているものだ」という書き出しが有名なトルストイの『アンナ・カレーニナ』の上巻をよーやく読み終わりました。長いよ…。主人公のアンナが登場するまで六十ページくらいかかるんだぜ。
 ストーリーはだいたい知っているんです。若くて美貌の大臣夫人が不倫しちゃって家出。最後に鉄道自殺するんだよね。これはどうやらストーリーを楽しむというより細部を味わう作品のように感じましたね。とにかく長いので読み終わったときの達成感がスゴイ。それになにかつかめたような気がしますし…。しかし、面白いかといわれると「うぐぅ」です。鬱で寝こんでいるような状態じゃないと、なかなか読めるものではありません。

 友人に吾妻ひでおの原画展があると聞いたのですが、鬱で体が動かずいけませんでした。かなり重症です。

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124日(水)画集『LITTLE WORLD 2(大槍葦人)が届く

 以前予約していた大槍葦人氏の画集が届きました。一九九九年から現在までの絵を集めたものです。画集の類は、二巻は一巻に比べるとたいてい水準が下がるものですが、そんなことはなかったですね。
 個人的には『北へ。』の原画をやっていたころの二〇〇〇年頃の不健康で病的な絵柄が好きなので(こーゆーの↓)、最近の明るいアニメ調の絵柄はちょっといただけない。

 

 ファンだから今の絵柄の画集でも買いますけどね。この画集には昔の絵がかなり収録されていたので満足できました。

 

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129日(月)『アンナ・カレーニナ 下巻』(北御門二郎訳)読了

 トルストイの『アンナ・カレーニナ』をよーやく読み終わりました。長すぎる…。下巻では頭がこんがらがってきて、ストーリーがあるのかどうかさえ分からなくなってしまいました。ロシアの農業の問題点について二〇ページも書かれても、現代の読者のオレにとっては困惑させられるばかりです。
 ひたすら字面を追いかけただけという気がするけど、すこしは血肉になったのだろうか。

 最近ひと部屋占領しているフィギュアの整理をしています。いらないものはダンボール箱に放りこむか好きそうな友人に送るかヤフオクに出品するか…。そんなことをしているのに半年以上前に予約していたフィギュアが届いたりして、困ったものです。

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1210日(火)『読書脳』(立花隆)読了

 長編を読むのが嫌になってしまったので立花隆の書評集を読みました。週刊文春に連載されているもので二〇〇六年十二月から二〇一三年三月までを収録しています。ほとんどすべての本がノンフィクションなので、そういったものが好きな人にはおすすめでしょう。まず買って損はないと思います。紹介されていた中で面白そうな本をひとつ。

 鈴木邦男(一水会顧問)×北芝健(元警視庁公安刑事)『右翼の掟 公安警察の真実』
 右翼と公安警察という、世間の目から一番隠されている部分が、これほどあからさまにされた本は前代未聞。組織へのスパイの入れ方から、尾行、張り込み、盗聴テクなど、エッと思うような話が沢山出てくる。中でも秘密にすべき部分は伏せ字にされている。
(北芝「時効だから話すんですが、●●●●(財団法人日本●●振興会会長、右翼運動家で政財界の黒幕的存在)が盗聴されていたことがあって、(略)聞きたくない話題が沢山ありましたよ。歌手の●●●●は、味が良かった。締まっていたなんて、平気で話しているんですから」)
 こんな話しがゾロゾロ。

   

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1216日(月)『100de名著 戦争と平和』(川端香男里)/『100de名著 罪と罰』(亀山郁夫)読了

 NHKで放送している『100de名著』シリーズの解説パンフレットです。百ページちょっとなのですぐに読めてしまう。
 三回読んでも腑に落ちない『戦争と平和』も、この本を読んで少しは理解が深まったような気がします。四回に分けて図入りであらすじと見どころを(読みどころ?)を解説しています。著者の川端香男里は、川端康成の娘婿じゃなかったかな。
 『罪と罰』の方は現在放送中です。バカそうなタレントが意外にも鋭いつっこみをするのが興味深い。バカのふりをしているだけなんだろうな〜。
 かなり番組とパンフレットの内容が異なります。解説は、東外大の学長から名古屋外語大の学長になっていた亀山郁夫なので、かなりいい感じです。

     

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1223日(月)『カラマーゾフ兄弟』(小沼文彦訳)を読む

 小沼文彦訳の『カラマーゾフの兄弟』を読了しました。これで露文から直接翻訳されたカラマーゾフは、全部読んだと思います。七回か八回は読みましたかねえ。しかし、これがどうして人類の小説で最高の傑作なのか分からない…。ナントカいうフランスの作家は、第一次世界大戦中の塹壕にこの本を持ちこんで三〇回以上読んだそうだから、読みこみがたりないのかもしれない。オレの知能もたりないんだろうけど、三〇回以上読むのはつらいなぁ。
 主人公のアリョーシャ以外、全員ウソをついていて言ってることとやってることと考えていることが違うというのは、考えてみればスゴイかもしれない。
 つぎはいよいよトルストイの『復活』をやっつけようと思ったのですが、長編を読むのが嫌になってしまった。しばらく延期することにしました。

 読了祝いにためていた深夜アニメをまとめてみました。一番期待していた京アニの『境界の彼方』には落胆しました。話が終わってねーじゃん。そもそもありきたりな話しだし。この程度だったらオレでも書けそうだ。
 逆に『ぎんぎつね』はよかったですね。たまには温かい話しをみるのもいいものです。

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1225日(水)『史上最強 図解仏教入門』(保坂俊司)読了

 『蝉丸Pのつれづれ仏教講座』で推薦していた本です。分かりやすくて内容が濃くしかも安いという良書の見本のような本です。仏教について知りたかったら、とりあえずこの本と蝉丸Pさんを読めばいいんじゃないでしょうか。
 仏教とキリスト教の違いは、この世界は最初からあってそこに人間が修行して仏になって人々を救うというのと、完全無欠の神さまがこの世界のあらゆるものをつくったという点だと思います。しかし、この世界はあまりにも不合理であるし、だいいち自分が神さまじゃないのが面白くない! 仏教だったら、努力すればいい線までいける(らしい)けど、キリスト教だと神さまがたすけてくれるだけだもんね。まぁ、そういうわけでオレはキリスト教より仏教にひかれます。

 

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