遊撃インターネット狂人雑記94
北のりゆき=死売狂生=行方未知

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2013

102日(水)『戦姫絶唱シンフォギア』『きんいろモザイク』をみる

 『戦姫絶唱シンフォギア』を最終話までみました。前にも書いたけど女子高生がお色気スタイルに変身して歌をうたいながら正体不明の敵と戦うという、ワケのわからない作品です。けっこう評判になった作品で、二期もつくられたからそれなりの水準のはずなんだけど、面白くなかった…。どこが面白いんだか最後まで理解不能でした。せめてもう少し作画がよければ評価も変わるんだけど、絵が下手なんだもん。

 続けてもう一本評判のよい『きんいろモザイク』もみました。途中で寝てしまった。小学生にしかみえない女子高生たちが仲良くするというだけの日常系の作品です。うううう退屈なアニメだよ〜。
 子供たちは喜んでみていたから、作品の質が低いというより単に好みの問題なのかもしれない。オレはもっと作品に毒がないとダメです。

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103日(木)『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』をみる

 友人に面白いアニメについてたずねたところ『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』をすすめられました。モテない高一の女の子が主人公の作品です。この主人公は、オタクでしかも自意識過剰で対人恐怖症というハードな設定です。で、この女の子が空回りするのを面白がるという、考えてみれば悪趣味な話しだよね。

 

 しかし、見続けている内にだんだん主人公がかわいくみえてくるから不思議です。自分も思いあたるイタいところがあったりしてね。
 
BDを買うほどじゃないけどDVDを借りてみるんだったら損はしないと思います。

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104日(金)映画『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』をみる

 アニメばかりみているのもなんなのでひさしぶりにハリウッド映画をみました。あんまり面白くなかったねえ。ハリウッド映画ってこんな程度だったけ。これだったらアニメのほうがいいな。無料だし。
 何回も徴兵検査に落第した愛国青年がキャプテン・アメリカに変身してナチスのヒドラ基地をぶっ壊してナチスの野望を阻止するというお話し。二行であらすじが書けてしまった。
 ぐいぐい引きつけるような面白さはありませんでした。もっと破天荒な作品を期待していたんだけどね。ちょこちょこ出てきたナチスの超兵器がいい味を出していましたが。

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106日(日)『アル中病棟』(吾妻ひでお)を読む

 アマゾンから『アル中病棟』が届きました。予約していたのになぜか二版でした。売れているようで喜ばしい。アル中になってしまって精神病院に処置入院(強制入院)させられてしまった吾妻ひでお先生の体験記です。三百ページ描き下ろしという大著です。
 オレも精神病院に通っていますが、入院でアル中病棟というのは、かなり特殊な感じがします。内容は面白いから読めとしかいいようがないのだけど、吾妻ひでおといえば美少女と
SFと萌えをマンガに導入した天才です。それほど功績のある人が、どうしてアル中にまで追いこまれて自殺未遂をしなければならないのか。漫画界は狂っとるとしか思えない。
 幸い鬱も回復されてきたようで、アズマニアとしてはうれしいですねえ。これからどんどん作品を描いてください。

  

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1013日(日)『スターリン主義に抗して あるアメリカ共産党員の回想』(ジョン・ゲーツ)を読む

 ここのところ鬱っぽくてゲンナリしていました。しかし、ウツウツとしていても始まらないのでヤフオクで面白そうな本をみつけ落札してみました。題名からしてアメリカ共産党からトロツキストにいった人の自伝だと思ったら、ちょっと違いました。
 訳者の解説によると著者は、大恐慌の際に大学を退学して失業反対闘争を指導→スペイン戦争に国際義勇軍に参加して参戦→第二次世界大戦ではパラシュート部隊に志願して欧州戦線へ→戦後はアメリカ共産党機関誌『デイリーワーカー』編集長→冷戦によるマッカーシズムの赤狩りにあい三年間入獄→スターリン批判やハンガリー事件を受け党の民主化闘争をはじめるが敗北し共産党を離れるという経歴の持ち主です。大恐慌からハンガリー事件までですから、国際共産主義運動がスターリンによって裏切られ敗北し続けた時代を生きた人といえるでしょう。
 驚くべきことは、これだけ優秀で実行力のある人なのに、ひたすらスターリンにだまされ続けている点です。どれだけ遅くても独ソ不可侵条約締結でナチスと手を組んだソ連に疑問をいだかなければおかしいと思うのだけど、ナチスとソ連を戦わせて共倒れをねらった帝国主義国の陰謀に対抗するにはほかに手段が無かったとかいっているし、ソ連−フィンランド戦争なんかも、帝国主義諸国がフィンランドを通じてソ連に戦争を仕掛けているなんて本気で信じこんでいます。ようやく目が覚めたのが一九五六年のハンガリー事件なんだから、遅いよ。
 アメリカ共産党史としても読むことができます。アメリカの革命のためではなく、ひたすらソ連の利益のためにいいように引き回されてきたアメリカ共産党が大衆から見捨てられ伸びなかったのは当然といえるでしょう。

 

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1014日(月)『夜は短し歩けよ乙女』(森見登美彦)・『パンク侍、斬られて候』(町田康)を読む

 山本周五郎賞を受賞したりいろいろ評判のよい『夜は短し歩けよ乙女』を読みました。……面白くねえ。一話を読み終わったところで放りだしてしまった。この小説がダメだとか劣っているとかじゃなくて、好みじゃないんだな。読みながら「だからどうした」と思ってしまったんですよね。小説を読んで「だからどうした」といったらおしまいなんだけど、それを超えるパワーがオレには感じられなかった。
 そこで『パンク侍、斬られて候』を引っぱり出してきました。以前旅行先で読んであまり面白くて眠れなくなってしまったというシロモノです。これは鬱でもやはり面白かった。これを書いた町田康という人は、狂人か天才じゃあるまいか。最盛期の筒井康隆を超えているかもしれません。なんといっても腹ふり党と猿軍との戦争物ですから。
 しかし「面白い」だけじゃあしょうもないので、アマゾンレビューから引かせてもらいます。

 By はに丸
 
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「町田節」とでもいうべき、リズミカルで洒落た文体も健在です。しかも、時代小説の枠を借り、「旧語体」というもう一つの楽器を手に入れたから、その文体はより多重的で豊かな音色を奏でています。「拙者」「左様」「〜でござる」といった昔言葉に、「僕はねぇ」「〜じゃないの?」「そっすねー」などといった今の言葉が平然と混ざり合うのが、何だかすごく小気味いいのです。
そして、何よりすばらしいのは、小説全体を冷ややかに貫く「風刺」。剣客の浅知恵をちくちくとはぎ取っていく家老の話術や、隠喩を全く解さない藩主の言動なんかは、読んでいて胸がすきます。宗教を政争の具にし、火のないところに無理矢理煙を立てて自滅するなんていう展開も、何だか現代社会を象徴しているようで、すごく気が利いています。

 
- 略 - 

 

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1019-23日(土-水)子供たちが風邪をひく

 子供たちが風邪をひいてしまいました。寝ながら一晩中咳をして、こっちが眠れません。病院につれていったところ、気管支炎で無理に咳を止めると症状が悪化してダメなんだそうな。咳をしすぎてゲロを吐いたりするんですけど…。ゲロの始末もせねばならず、ほとんど眠れません。
 当然、保育園は休み。なぜか風邪ガキは朝になると元気になってしまい、咳をしながら部屋中暴れまわっています。寝かせてくれない。鬱も再発してきたし、もうフラフラだぁ。
 子供の監視をしつつけっこう本は読んでいるのですが、なかなか雑記を更新できません。一応題名だけあげておきます。
 『トルストイ』
(ロマン・ロラン)、『読ませる技術』(山口文憲)、『鼻・外套・査察官』(ゴーゴリ・浦雅春訳)、『外套・鼻』(ゴーゴリ・平井肇訳)、『過剰な人』(齋藤孝)、『鬼平犯科帳 1(池波正太郎)、『懺悔』(トルストイ)、『ヤマノススメ 1』(しろ)
 浦雅春訳の『鼻・外套・査察官』が笑えました。寄席訳とでもいうのでしょうか。落語口調での飜訳です。「ルンルン気分」とかいう訳が平気でてできますからねえ。念のため岩波のまじめ訳版も読んでみました。こちらは解説で「ロシア人道主義文学の〜」としかめつらしい。『鼻』なんて二百年前の筒井康隆という感じで、どちらの訳でも楽しめます。
 『鬼平犯科帳 
1』は、これだったらテレビの脚本の方がよく書けてるじゃないかと、ちょっと驚きました。面白いですけどね。こいつは、はじめて電子書籍で読み通した小説です。楽天の割引サービスで二百二十円で買えたので試してみました。娯楽の本だったら電子書籍でもいけるかなという感じです。さすがにトルストイやロマン・ロランとかを電子書籍で読む気にはならないなぁ。
 そうそう、登山+美少女マンガという『ヤマノススメ』もなかなか面白かった。昔はけっこう山に登ったのでなつかしくもありました。こういう趣味性と娯楽性を兼ねそろえたマンガは、お得感があって良いよね。

   

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1028日(月)『光あるうち光の中を歩め』『イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ』『人生論』(トルストイ)を読む

 また雑記の間があいてしまいました。申し訳ありません。
 トルストイを読んでいました。『光あるうち光の中を歩め』『イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ』『人生論』の三冊です。
 トルストイというと大長編のイメージがありますが、中編にも良いものがあります。トルストイは伯爵で、大金持ちで、十三人の子持ちで、健康でという恵まれた人でしたが、五十代になって宗教的回心を果たします。くわしく書くと大変長くなるので簡単に書きますが、人類愛に目覚め、ロシア正教を捨ててより汎神論的な宗教をめざし、日常生活でも財産を放棄し労働の生活を送ろうとします。それで大変な家庭争議になってしまい、有名なトルストイの家出と死につながります。
 『光あるうち光の中を歩め』は、福音書に基づく原始キリスト教を理想とした小説です。帝政ローマ時代の金持ちが、空虚な生活に嫌気がさして財産を放棄しキリスト教団に入ろうとするのだけど、そのたびに引き止められます。老人になりかかったころににようやくキリスト教団に加わることができた主人公は、やっと心の安寧を得ることができて幸せになりました、というお話しです。福音書に基づく原始キリスト教といえば、たしかに理想の宗教といえそうです。でも、原始キリスト教団を十九世紀によみがえらせるのは無理というものでしょう。トルストイは一人でも畑を耕しながら福音書的な生活を送ればよいという考えのようです。そういう仙人みたいな生きかたは、ある種の理想だと思うけど、意志が強くないとむずかしそうだなあ。
 『イワン・イリイチの死』は、人生をうまくすごしたように見えた裁判官が死の床で自分が何も成していないということに気がつき愕然とするという中編です。小説のテーマも非常に面白いんだけど、とりわけラストのイワン・イリイチが死ぬ瞬間の描写に興味を引かれました。
 
さらに息苦しさがつのった。と、彼は穴の中を落下していった。そして前方の穴の果てに、なにかが光り出したのだ。
 死に際してみるトンネルとそのむこうの光というのは、典型的な臨死体験ですよね。トルストイも臨死体験をしたことがあるんじゃないかと思って年表を調べたら、ありました。五八歳の時、丹毒にかかり生死の境をさまよっています。臨死体験をすると物質的なものに対する関心が少なくなり、信仰心も既成宗教から汎神論へ移行するという研究があります。有名なトルストイの回心は、臨死体験からきたのかもしれません。
 『クロイツェル・ソナタ』は、いかに性欲が悪いかを書いた小説です。妻とも姦淫してはいけないとか書いています。極論小説として大いに楽しめたけど、「無茶いうな」という感じですね。考えさせられる作品と無茶作品が二つ収録されているので、光文社古典新訳文庫はかなりお得です。
 逆に『人生論』は、まったく意味がわかりまへんでした。前に読んだ『懺悔』も分からなかったけど、なにかひどく反省しているということだけは分かった。しかし『人生論』は、もうなにがなんだかまったく理解不能で、こりゃダメだという感じでした。

   

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