遊撃インターネット狂人雑記86
北のりゆき=死売狂生=行方未知

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2011

1029-30日(土-日)病院に強制連行

 風邪をひいているのに赤ちゃんの検診の送り迎えに狩りだされました。頭が痛くて気持ちが悪いんですけど…。一切容赦がありません。体調が悪い時に自動車の運転をするのは危険だといっても聞かないんだよな。電車のほうが早いのに…。
 八時に家を出て二時間かけて病院へ行き、待ち時間は三〇分。診察時間は十五分といったところでした。またレントゲンを撮られてたけど、
0歳児がこんなに放射線を浴びて大丈夫なのかな〜。経過は順調とのことで、どうやら治ったみたいです。

 帰宅後、気絶したようにばったりと倒れ、日曜まで寝こんでしまいました。なぜここまでしなければならないのか?

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1031日(月)『ドストエフスキーとの59の旅』(亀山郁夫)読了

 まだ体調が回復せず、寝ながら亀山郁夫『ドストエフスキーとの59の旅』を読みました。亀山郁夫といえば、東京外語大の学長を務めつつ『カラマーゾフの兄弟』の新訳を出して現在のドストエフスキーブームをつくった人です。この本は、日経新聞に連載していたエッセイをまとめたもの。
 仏文出身の人は、文化的な仕事を如才なくこなすというイメージがありますが、露文の人は、暗いなああああ。『祖父が病気になり母が祖父の看護にかかりきりになってしまい、子供の私をかまってくれなくなった。いよいよ祖父が死ぬと、なぜかおかしさがこみ上げてきて人のいないところで大笑いした。幼い私は祖父の死をねがっていたのだろうか…』とか『カラマーゾフを翻訳している時、農奴に父を殺されたドストエフスキーに私は強くシンクロした。私も強圧的な父の死をねがっていたのであろうか…』とか『病気で先の長くない愛犬がいよいよ死んだ時、私はペットを飼えないマンションをネットで物色していたことを思い出した。私は愛犬の死を………………』 あんた、いつもそれだな〜。
 陰鬱重厚な露文出身のうえに、ソビエト時代に弾圧されていた作家を専攻してしまったせいか、暗いよ〜。外語大の学生時代に全共闘運動が流行し、その運動に加わらずに試験を受けた自分は、活動家に裏切り者あつかいされたとか、そんな話しが多いですね。
 ソビエト時代のロシアを旅行中に橋の写真を撮ったせいでしょっぴかれ、スパイ容疑をかけられたエピソードが面白かった。釈放されてホテルに戻りますが、妄想がふくらみます。

 夜の十二時近く、わたしはもうだめかもしれない、この嫌疑はぬぐいきれないかもしれない、と絶望した。わたしは運命を呪った。なぜ、あのとき、ドストエフスキーを捨て、フレーブニコフなどという、ロシア人さえろくに知らない未来派詩人を選んでしまったのか。本来なら、来なくてもよいクリヤノフスクの町に来てしまったのか。ことによると、日本政府はわたしにひそかにスパイとしての任務を与えていたのではないか。と、考えがそこまで及んだとき、黒々とした考えがふいに脳裏をかすめた。死んだほうがましだ……。
 次の瞬間、その黒い力を溶かしこもうとする別の明るい力が湧きあがってくるのを感じた。それこそは生命だった。人間が生きているかぎり、けっして消えることのない根源的な力、根源的な単位―。
 気分転換を図ってシャワーを浴び浴室から出ようとした瞬間、愕然とした。抜け落ちた髪の毛で、浴槽の底が真っ黒に変わっていたのだ。

 思いこみ激しすぎだろ…。
 しかし、このエピソードを読んでアーサー・ケストラーの書いたこんな実話を思い出しました。二十年以上も前に読んだ本なので、間違いがあるかもしれませんが…。
 
1930年代にコミンテルン(国際共産党)の機関員だったケストラーは、フランスで反ナチの諜報活動に従事していました。しかし、トロッキストの疑いをかけられてパリのカフェに呼びだされ、ソ連大使館詰めの秘密警察官に尋問されます。尋問が終わると、全身が冷や汗でびっしょりだったということです。しかし、そこは真昼のパリのカフェです。もしルビヤンカ(秘密警察の本部があった所)の尋問室だったらどうなってしまっただろう…、と述懐していました。ソ連の秘密警察や粛清の恐怖と仮借無さをよくあらわしたエピソードで、強く印象に残っています。
 露文の専門家は、日本ではアカあつかいで、戦前は特高(特別高等警察)に監視されたりとかなり弾圧されたらしい。戦後になっても政府は西側だし共産党はスターリン主義だしで、政治的にかなり微妙な立場でした。そのうえソビエトに旅行したら、スパイあつかいで拘束です…。根暗になるのも無理はないかもしれません。

 

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111日(火)葛西臨海水族館に行く

 幼稚園が入園試験とかでお休みです。赤ちゃんの入院騒動でかなり負担をかけてしまったので、ムスメを水族館に連れていってやりました。いかにも牢屋にとじこめたという悲惨な感じがするので、動物園は嫌いなんだよね。そこで水族館です。しかも都営の水族館なので入園料が安い。六百円くらいです。
 六月に他の水族館につれていった時は、サメやエイにおびえていましたが、五ヶ月あまりで克服したらしい。サメが追いかけっこをしているとか喜んでいました。イソギンチャクのお花畑が楽しいとか、子供の感性は面白いですね。
 埋め立て地らしいのだけど、葛西臨海公園というところは非常に広い。水族館をみてから汽車の形をしたクルマで公園を一周して帰ってきましたが、体力があれば、ここで一日遊ぶこともできそうです。 

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112日(水)同人誌のPDF / 谷口敬=平田のりお

 同人誌のPDF化を続行しています。なつかしい本が出てくると、つい見入ってしまいます。ネット検索して作者の近況をたしかめたりしたりね。二五年前に買った個人誌の作者が十五年前にペンネームを変えて商業の単行本を出していたりとか、あらためて調べてみると面白いですねえ。そんな本は二百円くらいなので、つい通販で買ってしまう。こんなことをしていたら、いつまでたっても本がへらないなぁ。
 レモンピープル世代の古いオタクだったらみんな知っているであろう谷口敬が、『平田のりお』というペンネームでエロ本を出していました。不覚にも気がつかなかったぜ。アマゾンで一円だったので、思わず買ってしまった。この人のキュリー夫人伝記マンガは、なかなかの傑作でした。はたして本格エロはどうだろうか。

  

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113日(木)アニメ『マケン姫っ!』が死ぬほどつまらない

 少し時間ができたので自動録画されていたアニメ『マケン姫っ!』をみました。こっこれは、つまんねえよ〜!
 こんなことは書きたくないが、これほどまでにつまらないアニメをみたのは数年ぶりだというくらいのシロモノでした。キャラクター・設定・作画の全てが凡庸で劣化しているというダメの見本のようなものです。
 前半は、オープニングを入れて十三分くらいですかね。この十三分が「
…まだ終わらないの?」と感じられるほど長かった。仏壇の前に座らされて念仏でも唱えさせられているのと同じくらい長く感じられましたよ。…なんとか二五分みて、すぐに録画されていた四回分くらいを消去しました。
 時間を無駄にしたと思いたくないから少しでもよいところを探そうとしましたが、…ない。仮にもプロとよばれる者がこんなしょうもないものをつくって恥ずかしくないのか? というか、本当にこんなものでもカネをとれるのだろうか?
 最近面白かった作品の代表は『魔法少女 まどか☆マギカ』です。同じ深夜アニメなのに本当に同じ職業の人がつくったのか激しく疑問を感じましたね。あまりにも水準が違いすぎる。

 面倒くさいけど、一応こいつのあらすじを書いときます。
 なんの取り柄もなさそうな男が高校入学したらそこは女ばかりで、おっぱいを大写しにしつつなぜかみんな格闘していて、どういうわけか主人公が入学式で女の子と戦うことになって、幼なじみの一年うえのおねいさんが心配して、負けそうになると別の女の子が乱入してきて戦いはウヤムヤになって、寮に帰ったら戦った女の子と乱入してきた子と幼なじみが押しかけてきて、一緒に暮らすことになり、おっぱいを大写しにして………………。つまらない…。

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114日(金)『マンガハウスプルプル』のPDF

 毎日同人誌のPDF化をしています。ScanSnap S1500の調子は極めてよく、ファイルに題名などを入れるほうが手間がかかるくらいです。
 ゲーム『桃太郎電鉄』の作者として有名なさくまあきらが発行していたマンガ家養成誌『マンガハウス
プルプル』を創刊号から全巻PDF化しました。二五年も前の同人誌装丁の雑誌です。面白かったんだけどねぇ。億に近い借金を出して潰れちゃったんだよね。
 無いだろうと思いつつググってみたら、『マンガハウス』で
Wikipediaにヒットしました。

 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9

 やっぱりマンガ家は、きびしい職業だよな…。再確認しました。
 マンガハウス出身で今でもマンガ家として生き残っているのは、小野敏洋(上連雀三平)と新井理恵くらいか…。かなり才能を感じさせる人がいたけど、だいたい21世紀になる前に消えてしまっているなあ。
 現在もマンガ家として生き残っているお二方が、かなり発狂気味なところがまたなんともいえません。上連雀三平の偏執的なふたなりチソチソ好きはもとより、新井理恵も『×
-ペケ-』の後半では作画がガンガン荒れていって終いには高校生と同棲して妊娠したと紙面でぶっちゃけて狂乱状態になって連載を放りだしたよね。今だったら淫行でしょっぴかれまっせ。くわしくは「少女漫画ギャグ作家の迷走」〜新井理恵〜 を読んで下さい。うーん。

 上連雀三平の宣伝もしなければ! 最新作『アナルエンジェル』のアマゾンレビューより二本引かせてもらいます。ふたなりモノからどんどん進化して、とうとう可愛いオトコノコしか出てこないというアッチの地平へと行ってしまった作品だな〜。

 作者の成年向け単行本はこれまで何冊も買っており、ある程度のおち●ちん耐性がある事を自覚していたつもりだが、今作はのっけからタコメーターの指針をレッドゾーンに叩き込む勢いの高度な狂いっぷり(しつこいようだが褒め言葉)に確実に圧倒された。

 とか

 混乱を極めたジェンダーが織り成す唯一無比の世界観と中毒性が有る異様な言語感覚共々現代マンガ内でも最も奇天烈な作品の一つですので、ジャンルを問わず極端な作品をお好みの方には文句無くお薦め申し上げます。

 ははは…。かなり前に出た『アナル・ジャスティス 肉棒射精編』(スゲー題だなー)のレビューでは、誰か助けてくれ…もう理解の範疇を突破しています なんて書かれていました。
 同人誌の類をバラしていると次からつぎに思い出がわき上がってきて、しかも手近にネットがあるもんだから作者の近況を調べてしまったりして、いまひとつ作業が進みません。

    

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115日(土)超人のサイン本をバラしてしまった

 調子よく本をバラしてPDF化をしています。分厚い本は業者に頼んだので、薄い同人誌やらミニコミやらが中心です。薄い本でも数があるからバカにできないスペースをとるんだよね。
 本箱をあさっていると『マルクス主義学生同盟第八回全国大会報告決定集
1966 マルクス主義学生同盟中核編集局』なんていうパンフが出てきたりします。オレはいったいドコでこんなものを手に入れたんだろう…。わからない…。
 下のパンフレットもバラしてスキャンしたんですが、これも購入した記憶がまっっったくありません。中核派のパンフだったらまだわかるんだけど、『自転車世界一周』??? 同人誌の即売会で購入したおぼえもないし、そもそも即売会でこんな本は売ってないよな〜。本屋で並んでいるような装丁じゃないし…。どういうわけでオレはこんなものを持っているのだろう?

 

 気になってしょうがないので著者名の『ハインツ・シュトゥッケ』で検索してみました。たぶん無理だろうと思ってましたが、あっさり記事にヒットしました。便利だな〜。

 39年間ウチに帰らず旅し続け…超人旅行者ひょっこり来日

 なんだよ。すごい人じゃないかよ。旧東ドイツを三一歳の時に出て、三九年間もひたすら自転車旅行してきた人ですか…。七十歳になってもまだ現役で世界中を自転車で旅しているというスーパー爺さんです。歴史上もっとも長期間旅を続けた人物としてギネスブックにも載っているそうだ。

 それにしても40年以上もの間、どうやって旅費を都合したのか。
 ハインツさんは「以前、日本に来た時、冊子がとても多く売れたので、その後3年間は何もせずに南米の旅を続けられた。世界中で日本が一番売れる。神戸・三宮の商店街で1日で12万円も売った記録がある」と明かす。これまでの旅行記をまとめた冊子(500円)を路上で売るのが最大の収入源で、自転車はメーカーから提供を受け、撮りためた約8万枚の写真の使用料も入ってくるという。

 そっかぁ。たぶん新宿あたりでこの爺さんに出会ってカンパのつもりで買ったんだろうな。そんなにすごい人だとは全然知らなかったし、まったく記憶にありません。
 よくみると表紙に手書きのサインが入っています。これは捨てられないなぁ…。いっけねえ。バラしちゃったよ! でも、
PDF化作業をしなかったらなにも考えず捨てていた可能性もあるからなぁ。大切にとっておくことにしました。
『一期一会』とはよくいったものです。記事によるとこの冊子を手に入れたのは二〇一〇年の一月ごろみたいです。本当にまったく全然おぼえていないんだよなぁ。ちょっと気が狂っていたからかなぁ。

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116日(日)『萌える日本文学』(堀越英美)読了

 オレの最大の趣味は『本』です。本を読むのも集めるのも、それにつくるのも好き。ジャンルはノンフィクションや歴史物が中心です。人間が頭で考えた『お話し』よりも実際にあったことのほうが面白いと思うんですよね。しかし、ドストエフスキーにはまって感心し、少しは小説も読もうと思いつきました。小説を読むならロシアと日本の作品がいいですね。
 日本の小説は数が多すぎて手がかりがありません。そこで『萌える日本文学』を買ってきました。やっぱり『萌え』ですよ。

 …これは萌え小説というよりも、変態小説を紹介した本ですね。著者は早稲田出身の女性ですかあ。文章がうまいし目のつけどころがよい。こんな本を書くくらいだからマンガやアニメに詳しいのはわかるけど、妙にエロゲーに詳しかったりします。面白い女がいるなあ。
『姉』やら『眼鏡』やら『メイド』やら『ツンデレ』やら『ツルペタ』やらに分類して小説を紹介しています。特にまえがきと『妹』が面白かったですね。古事記からはじめています。

 そもそも『古事記』の記述に従えば、日本は妹萌えから生まれた国だったのでした。

イザナギ 「お前の体ってどうなってるの?」
イザナミ 「あのね、お兄ちゃんの体と比べて一つだけないところがあるの……」
イザナギ 「おれの体にも一つよぶんなところがある。そこでどうだろう、おれの体の出っ張ってる部分を、お前の体の欠けているところに差し入れて、国を生んでみようとおもうのだが」
イザナミ 「……! う、うん、いいよ……」

 福永武彦訳『古事記』の「三 伊邪那岐命(イザナギノミコト)と伊邪那美命(イザナミノミコト)」を参考に萌え語訳してみましたが、こんな会話のもとに生まれたのが日本列島なのですから、日本人が古くから萌えていたのも当然のなりゆきのように思えます。万葉集の時代には「妹」という言葉が「妻・恋人」を指し、「妹背」が「夫婦」と「兄妹」の二つの意味を併せ持っていたように、「妹萌え」と「恋愛」と「夫婦愛」との間にさしたる違いはなかったのかもしれません。

 …そうなのかなぁ。それから『枕草子』は小さいもの萌えとか、『源氏物語』はエロゲーを先取りした萌えキャラ小説とか続きます。つぎはどうなるかと思ったら、本居宣長を引っぱり出してきました。

 こんな萌え要素満載の源氏物語ですが、近世においてはコイバナばかりの物語や和歌は女子供が読むもので、男だったらやっぱりカッコイイ漢籍だよな! という認識が一般的でした。江戸時代の国文学者・本居宣長はこうした風潮に対し、『源氏物語』の解説書『紫文要領』(巻下)の中で異を唱えています。

「おはかた人のまことの情といふ物は、女童のごとく、みれんに、おろかなる物也、男らしく、きつとして、かしこきは、実の情にはあらず、それはうはべをつくろひ、かざりたる物也、実の心のそこを、さぐりてみれば、いかほどかしこき人も、みな女童にかはる事なし、それをはぢて、つ々むとつ々まぬとのたがひめ計也」   小林秀雄『本居宣長(上)』新潮文庫より孫引き)

 男だって本当はセンチメンタルなラブストーリーが好きなんだよ! 恥ずかしがって隠すか隠さないかの違いなんだよ! という、ハードコアゲーマーにケンカを売られた萌えゲーマーのような反論です。

 こんな調子で日本の小説の萌えな歴史を概観していきます。夏目漱石の『三四郎』と平塚らいてうの関わりの部分は『へえ』と思わされてしまいました。

 斎藤美奈子『趣味は読書。』(ちくま文庫)の中で「あれはどこから読んでも『美禰子萌え〜』の小説だから」と喝破されている夏日漱石「三四郎」ですが、その萌えキャラ美禰子のモデルとなっているのが、平塚らいてうこと平塚明子。「元始女性は太陽であつた」で教科書でもおなじみの日本フェミニストの祖です。
 フェミニストというと萌えキャラとは最も遠い存在のように思われがちですが、平塚明子は会計検査院高官の令嬢にして、海賊に憧れて修身の授業をサボる「海賊組」を結成してしまうような大きな瞳のおてんば美少女。また当時の日本女性としては珍しく大学に進学した文学少女で、禅寺で学んだ謎めいた会話術で数多くの男たちを惑わせた元祖不思議ちゃん、あるいは小悪魔系ギャルでした。
 夏目漱石の弟子・森田草平も平塚明子の魅力にとりつかれた一人。岐阜の農村から出てきたばかりで、西洋の小説に登場する「恋愛」に憧れていた貧乏文士は、ミステリアスな言動で男を冷たくあしらう一方で、「これで何処でも可いから、私の肉を裂いて血を啜って下さいまし。それより外に両人が一つに成る道はありません」(佐々木英昭『「新しい女」の到来
平塚らいてうと漱石』名古屋大学出版会)と情熱的に迫るツンデレ(ヤンデレ?)お嬢様に首っ丈になってしまいます。彼女の言葉に誘われるように森田草平が起こした心中未遂は、「塩原事件」として世間を騒がせました。「三四郎」はこの事件の直後、夏目漱石が弟子の語る平塚明子の性格に興味を持って、「何うだ、君が書かなければ、僕がさう云ふ女を書いてみせようか」と宣言して書かれたものだったのです。ちなみに師の女の好みをよく知る森田草平によれば、平塚明子の美貌は面食い漱石のストライクゾーンど真ん中だったそうです。

 平塚らいてうってブスだとばかり思っていました。でも、たしかに美人じゃないとフェミニズム運動なんてできないよね。ブスがフェミなことをいっても、男どもに嘲笑されるだけだもんね。そのヤンデレ不思議美少女・平塚らいてうの一番弟子が市民運動活動家の市川房枝で、その市川房枝の選挙の手伝いで市民運動に入ったのが菅直人なんですよ。小説『三四郎』と日本初の市民運動活動家出身の総理大臣は、平塚らいてうが不美人だったら生まれなかった?なんて考えると面白いですね。

 話はそれるけど、参院選挙の直前に消費税を増税するとかいった菅直人はバカじゃないかと思っていました。でも、原発事故の対応で見直しましたよ。ヘタレな政治家だったら事故を起こして放射能を漏出させている原発にヘリで乗りこむなんてまねはできないどしょう。後からどんなケチつけをされるかわからないしね。歴代の政権がバブル処理を先送りして失われた二十年をつくりだしてきたように、並の政治家なら責任を負うのを忌避して原発事故の処理を東電に丸投げしていただろうと思います。そうだったら東電は肝心な時に逃散していただろうから、原子炉は大爆発。関東の住民は放射能でみんな死んでいたかもしれない。平塚らいてうの美貌が菅首相を生み、数百万人の人命を救った?
 菅首相は、原発に厳しかったせいか、与党の菅降ろしでクビにされてしまいました。なにを考えているんだか…。『死』を意識しないとなかなか下のキャプチャのような表情はでないと思います。ドジョウを自称するおじさんより、どう考えてもこっち↓のほうがいいがなぁ。

 
 

 話を『萌える日本文学』に戻します。オレがキチガイ小説だと考えていた『ドグラ・マグラ』は、妹萌えに分類されていました。十年以上前に読んだけど、生体解剖事件といい九州大学医学部って気持ち悪いところだなあと感じたのと、「スチャラカチャカポコ チャカラカチャカポコ キチガイ地獄外道祭文〜」くらいしかおぼえてないよ。
 文章がうまくて面白いから、つい引用が多くなってしまいます。

 背徳の妹萌え小説の大家は夢野久作かもしれません。代表作「ドグラ・マグラ」冒頭の「お兄様、お兄様、お兄様、お兄様……おにいさまアーッ……」だけでごはん三杯いけるお兄ちゃんも多いのではないでしょうか。無人島に漂流した兄と妹が惹かれあうという短編「瓶詰の地獄」では、妹背島のようにボコボコ子供を産んでめでたしめでたし、とはいかず、美しい妹から「お兄さま……」と抱きつかれても、キリスト教道徳に縛られて手を出せないお兄ちゃんの悶絶が、これでもかと語られます。短編「押絵の奇蹟」には、自分の母親にそっくりな歌舞伎役者を兄と信じて恋い慕うピアニストが登場。愛し合う二人ははたして生き別れの兄妹なのか違うのか、まるで『冬のソナタ』並みにもどかしい純愛のゆくえは読んで確かめていただくとして、出てくる妹がみな「お兄さま」と呼びかけながら兄を狂おしく追い求める夢野久作ワールドは、妹萌えの背徳感を愛する人には抗いがたい魅力があるはずです。

 夢野久作は、妹萌えだったのか…。さらに朝日ジャーナルに連載され全共闘学生に圧倒的に支持された国家権力に弾圧される新興宗教をえがいた小説『邪宗門』(高橋和巳)が『ツンデレ』に分類されています! 主人公が教祖のツンデレ長女の下僕にされるらしい。これにはビックリ。前から読もうと思っていた本なので、いい機会だとアマゾンで注文しようとしたら、絶版になっている! 二度ビックリでした。
 ノーベル賞作家でリベラル良識派の旗手・大江健三郎も萌え分析にかかるとこのありさまです。

「妹よ」と延々五八〇ページ以上にわたって連呼する大変しっこい妹への手紙、大江健三郎『同時代ゲーム』も、ヘタレ兄と早熟な妹の組み合わせです。主人公の双子の妹・露巳は、幼女の頃からそのお色気で村のセックスシンボルとして君臨し、トイレを覗かれてもニッコリと微笑む小悪魔的な女の子。やがてロリ声の巫女に成長した彼女は、社務所に下着姿で閉じ込められてしまいます。たまらず強姦しようと襲いかかる兄。しかし童貞ゆえアワアワしてしまう兄を、彼女はすかさず手コキでクールダウンさせるのでした。柳田國男もびっくりの妹=巫女パワー。

 オチの 柳田國男もびっくりの妹=巫女パワー というのは、『遠野物語』で有名な民俗学者の柳田國男が『妹の力』という妹=巫女という趣旨の日本論を書いているところからね。
 あまり面白いので『萌える日本文学』は、ひと晩で読んでしまいました。発狂美少女が村人たちに嬲り倒され主人公の少年たちに輪姦されたあと父親のわからない子を産んで死んでしまう『早く昔になればいい』(久世光彦)とか、過労死した十六歳ヌードダンサーが解剖されて骨になるまでの様子を少女視点(死体視点
?)で綴った『少女架刑』(吉村昭)など、知らない本がいっぱいありましたよー。日本文学も捨てたものじゃないですねー。『萌える日本文学』というより、『変態の日本文学』とか『キチガイの日本文学』という感じでしたけど、そこがまた良いですね。
『つるぺた』の項から引用させてもらいます。さっき左の大江健三郎の萌えを紹介したから、今度は右の三島由紀夫です。

 酒場で知り合った女の娘である九歳の少女を引き裂きたい欲望にかられるエリート官僚を描いたのが、三島由紀夫「鍵のかかる部屋」。主人公の一雄は鬼畜な欲望を穏当に晴らすため、夢の中の「誓約の酒場」なるサディスト集会で妄想を語ります。十八人の女の腸の色で染めた浴衣を作る染物屋、全裸の女にスーツ模様の刺青を彫って殺す銀行員など、個性的なド変態がせいぞろい。「われわれは空想を話しているだけなんです。内心の自由はわれわれのものだし、今のところ、言論の自由もわれわれのものです。政府はわれわれに味方しています。われわれの誇りと云ったら、何と言いましょうか、人間愛と残虐への噂好とが、ぴったり一つものだということです。われわれの愛はやさしいのです。精神的残酷さとわれわれほど縁の遠い連中はありますまい」。言葉の意味はわからないがとにかくすごい自信なので、マニアックなAVが見つかったときの言い訳に使えそうです

 もひとつ『つるぺた』からです。小説家ってロクなのがいない〜。

 横光利一の処女作「御身」は、少年が二歳の姪っ子に恋情を燃やす、おそらくは日本文学史上最年少の萌えヒロインが登場する短編です。キスするわ勝手に妻認定するわ、少年の姪に対するかわいがり方は親族に対するそれを超えています。しかしなにぶん相手はイヤイヤ期の真っ只中であるところの二歳児。彼の恋愛感情は一方通行に終わるのですが、つれなくされればされるほど燃え上がってしまいます。何を言っても「イヤ」を繰り返す第一次反抗期を迎えた二歳児ほど、ツンデレ萌えを刺激する存在はないのかもしれません。
 ― 略 ―
 さらに生々しいのが、『銀の匙』で有名な中勘助の日記体小説「郊外その二」(『菩提樹の蔭』所収)。当時三十三歳だった中勘助が友人の家へ通い、娘の妙子(当時九歳)に抱きついたりプロポーズしたりしていた事実をそのまま書いているのです。併録の「妙子への手紙」はその名のとおり妙子との書簡集で、「お菓子のかわりにあなたをたべちまいますよ。そのほうがよっぽどおいしそうね。」と聞き捨てならない文章もちらほら。「菩提樹の蔭」は妙子のために書かれた童話ということで、一冊まるまる妙子萌え本といっても過言ではありません。中勘助の少女愛を解説した『中勘助の恋』(富岡多恵子)の表紙写真を見ると、著者が萌え狂うのも理解できるほどの上品な美少女。同書によれば、和辻哲郎の娘の京子(五歳)にも恋文を送り、父親には「京子ちやんを小包にして送つて下さい」「私は京子ちやんの様な小さな人達を可愛がる為に生れてきたのでせう」などと危ない手紙を送っていたそうです。しかし変態扱いされるどころか、子供を愛する純粋な男だと見込まれて読者から縁談まで舞い込んできたというから、牧歌的な時代だったのですね。高身長のイケメンだというのに美女からの求愛をかわし、成長した妙子から恋心を打ち明けられても応じなかった中勘助は、まさにロリコンの鑑といえましょう。

 トドメは野坂昭如の『骨餓身峠死人声』(ほねがみとうげほとけかずら)からです。この怪作の存在は知っていましたが、うーん、どうしよう。これは読むべきなのかな…。野坂先生はこれを書いている時に、なにかが憑いてたのだろうか。

 日本アニメ史上に燦然と輝く妹キャラといえば、『火垂るの墓』の節子。名セリフ「ビチビチやねん」とともに、お兄ちゃんを慕いながら消えていったはかなくも愛らしい姿は忘れることができません。その原作者・野坂昭如によるディープな兄妹相姦小説が「骨餓身峠死人声」。ヘタレな兄と勝気な妹が月の光のもと愛を交わし合うシーンに萌えるのもつかの間、十歳に満たない少女たちが犯され、老婆にしゃぶりつく少年を老人が犯し、母が娘を犯し、あぶれた老婆がつるはしで暴れ、少年が死んだ老婆の秘所に卒塔婆を突っ込む、村民をあげての乱交地獄絵図へとなだれ込みます。『火垂るの墓』のお兄ちゃんが長じてこんな小説を書くなんて、節子も予想だにしなかったに違いありません。ちなみに一九八九年に発表された「東京小説」にも、「お兄ちゃまのものにして、日奈子、お兄ちゃまのもの」とパジャマの前をはだけて体を押しつけてくる十五歳妹のエピソードが登場します。当時、いくら帰国子女のお嬢様だからといって実兄を「お兄ちゃま」と呼ぶ十五歳は三次元空間には存在しないはず。日本文壇史上最大のオナニストと呼ばれ、「女は人類にあらず」発言で知られる三次元女嫌いの野坂昭如にとって、「瞼の母」ならぬ瞼の脳内妹こそが萌えの源泉だったのかもしれません。

 これは萌えじゃないよ! 
『萌える日本文学』と称してこんな本を書いたお姉ちゃんは、今なにをしているのかと思ってググってみたら、ネットで子育て日記みたいなのを書いていました。育児に忙しいみたいです。うむー

       

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117日(月)これって労災だよね?

 福島産のモノを食べようというキャンペーンをしていたテレビのキャスターが急性白血病になってしまったそうです。

 フジテレビの朝の情報番組「めざましテレビ」の大塚範一キャスター(63)が「急性リンパ性白血病」と診断を受け、治療を受けることになった。フジテレビが6日、発表した。
▽産経ニュース

http://sankei.jp.msn.com/life/news/111106/trd11110623240015-n1.htm

 なんという命知らず! 2ちゃんねるにその人が福島産の物を食べている画像がリンクされていました。六三歳でも白血病になるのか…。

414日 福島県いわき市のアスパラとミニトマトをトッピングした野菜カレー
 
http://stat.ameba.jp/user_images/20110414/11/osm0364/c4/4d/j/o0448025211165142008.jpg
504日 福島県いわき市産トマト
 
http://stat.ameba.jp/user_images/20110504/15/osm0364/71/00/j/o0448025211205575201.jpg
509日 福島県産しいたけ
 
http://stat.ameba.jp/user_images/20110509/13/osm0364/47/03/j/o0448025211217336974.jpg
512日 福島県会津産こごみ
 
http://stat.ameba.jp/user_images/20110512/11/osm0364/87/4e/j/o0448025211223030883.jpg
512日 福島県川俣シャモの親子丼
 
http://stat.ameba.jp/user_images/20110512/11/osm0364/40/90/j/o0448025211223030878.jpg
530日 福島の甘こうじ味噌を使って作った肉じゃが
 
http://stat.ameba.jp/user_images/20110530/13/osm0364/49/12/j/o0448025211259968778.jpg
616日 福島県産さやえんどう
 
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629日 福島県産スナップえんどう
 
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 画像が削除されるかもしれないので、一部を貼っておきます。ちょっとくらいの放射能はへっちゃらだと思って食ったんだろうけど、バカだなあ。しかし、これって労災だよね?

 

 白血病になるようなシロモノをわざわざテレビで食ってみせて安全だとアピールしているんだから、考えてみたらとんでもない話しです。病気になってもあんまり同情できない。手もなくこんな番組にだまされて毒を食っている人は、文字通りお気の毒さまとしかいいようがない。バカなのか?

 以前紹介した日本酒、郷乃譽の酒蔵にもこんなことがあったようです。酒屋さんのMLより。

《樹齢900年の大ケヤキが倒伏》
郷乃譽を見守り続けてきた樹齢900年の大ケヤキが、地上
8mくらいの高さのところから折れて倒伏してしまったとのこと。幸い従業員の方には怪我はなく全員無事とのことでしたが、900年にもわたって育ってきた、人間の力では再生することのできない大きな財産が失われました。
須藤社長からは、
「よくこの樹齢まで持ちこたえてくれたと感謝しています。
900年にもわたって育ってきた大ケヤキからは、様々な自然の摂理を教えて頂きました。神職の方のお話では、これ程の大ケヤキは、精霊な土地でないと育たないそうです。御神木として丁寧に取り扱いするようご教授いただきました。」
 というコメントが書かれていました

 この酒蔵は茨城にあります。樹齢900年のご神木も放射能には勝てないのか?
 放射能の汚染地図からかなり離れているオレの家の近くの公園で高濃度の放射能が検出され、ちょっとしたさわぎになりました。保育園が子供を遊ばせるために使っている地域で一番大きい公園です。役所の発表によると何者かが放射能土を公園に捨てたということだけど…。そんなわけあるかっ。
 こちらの報道は、さらに象徴的です。

 宮内庁は6日、天皇陛下が同日夜、風邪による発熱が続き気管支炎が重くなってきたため、東京都文京区の東大病院に入院されると発表した。(時事ドットコム 2011116日)

 もうひとつ

 皇后さま、右膝に腫れ
 宮内庁は7日、皇后さまが右膝下に痛みがあり、腫れがあることを明らかにした
(毎日新聞 2011108)

 本当に風邪なのかもしれないけど、軽いせき・微熱・呼吸困難という症状は、ガンの放射線治療後に数カ月以上たってからあらわれる後遺症の典型とされています。放射線肺炎(肺臓炎)というらしい。また、下肢のリンパ浮腫も、放射線治療による主な後遺症の症状に載っています。詳しくは下にリンクした『がんサポート情報センター』のHPを参照のこと。

 http://www.gsic.jp/measure/me_04/23/02.html

 オレは天皇制に反対だしヒロヒトは大嫌いだったけど、今の天皇はべつに悪いことをしていない。だから気の毒だと思いますね。天皇と皇后は、原発事故の少し後に被災地をお見舞いしていたからなぁ。放射能で汚染された那須には、皇室の御料農場があります。皇族は汚染食物を毎日食べているのかもしれない。庶民と違って自分で食材を選べないよね? 皇族が福島原発の近くの農産物を食べるのをやめると報道されて騒ぎになるから、放射能まみれのものを食べさせられているんじゃないだろうか。
 天皇と皇后が放射能で死んだら、原発を推進してきたウヨのせいだからな。そんなことになったら、ウヨは責任をとって東電に天誅を下してから切腹しろよ。
 ここのところ少しずつ原発事故の悪影響が顕在化してきている気がします。

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118日(火)『19世紀ロシアの作家と社会』(R・ヒングリー)読了

 少し系統だってロシア文学を読もうと思い、参考書として『19世紀ロシアの作家と社会』を読みました。もともと教科書として書かれた本なので、そんなに面白いものではないですね。
 この本によると十九世紀ロシア文学は、下の十三作品読めば十分らしい。

ドストエフスキー『罪と罰』『白痴』『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』
トルストイ『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』
ツルゲーネフ『父と子』『けむり』『その前夜』『貴族の巣』『処女地』『ルーヂン』
ゴンチャロフ『オブローモフ』

 ドストエフスキーは全部読んでいるし、トルストイの『戦争と平和』も読んだから、分量的には三分の二ぐらいは読んでいる感じです。ちょっとアマゾンで調べてみましたがツルゲーネフとゴンチャロフは、絶版が多くて古本はけっこう高い。ネット古本屋から目当ての小説が収録されているツルゲーネフ全集をバラで買ったほうが安くあがりそうです。
 小説というものは、社会の激動期に面白いものが生まれるようです。社会を映す鏡だからでしょう。十九世紀ロシア文学でも、農奴解放後の混乱期に良いものが書かれています。土地に縛りつけられた農奴が勅令によって『解放』され、その多くが都市に流れて貧民化したという時代でした。本当の革命では下手なことを書くと殺されてしまうので、文学や芸術は窒息します。農奴解放とは、上からの革命であり、若干の民主化もされ検閲がゆるくなりました。そういった状況が、押さえつけられていたものを芽吹かせ、一斉に花ひらくように良い小説を生みださせたのでしょう。
 この本では、ロシアの貴族についての記述が特に興味深く感じられました。貴族というと舞踏会とか、なにやら華やかなものを連想します。しかし、国民の大半が農奴というロシアでは、ある程度の教育があり読み書きができ、官職についていたり土地を持っていれば、それで貴族なんですね。貴族というよりも、日本の士族に近いように感じます。あの貧乏なラスコーリニコフや売春婦のソーニャも、実は貴族なんですねー。この貴族と農奴出身の大衆は、完全に断絶していて階級間の循環がありません。庶民の教育程度が高くてそれなりに階級間の循環があった日本や、ブルジョワ社会のイギリスやフランスとは根本的に違う社会です。ロシアの小説は、そこらへんを理解して読むべきだということを教えられました。
 他にもロシアのニヒリストについてとか検閲とか流刑とか、興味深く読むことができました。社会の極めて権威主義的な部分は、現在のロシアにも受けつがれているように感じます。そういう国で無理やり起こされたボルシェビキ革命をお手本にしたのが、左翼の大不幸だったと思いますね。

 

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119日(火)『神のみぞ知るセカイ』にブヒる

『ブヒる』という言葉が、ちょっと前から流行っています。主人公が女の子にモテモテのマンガやアニメに喜んでしまうことを『ブヒる』というようです。そういうモテモテアニメを『ブヒアニメ』とよんだりしますし、そういう作品に寄っていく人を『萌え豚』といったりもします。
 そのブヒアニメの代表作とされるのが『IS
(インフィット・ストラトス)』です。鬱で寝こんでいる時にみてみました。ひたすら主人公が世界各国から集まった女の子たちにモテる。ハーレムアニメをさらに徹底した感じ? フランス娘の大勝利って感じです。
 このたぐいのアニメは昔からありましたねえ…。みたあとで残るものはなにもないけど、まあ、それなりに楽しめました。

 最近もっともブヒれるマンガが『神のみぞ知るセカイ』です。アニメにもなりましたが、マンガのほうが百万倍は面白いぞ。今週もちひろが可愛くて大満足だあ! ブヒィィィィィィィィィ!!!
 思わず取り乱してしまいましたが、こんな感じです↓。さっそく色を塗ってくれた才能の無駄づかいさんが素晴らしい。ブヒィィィィィィィィ!!! ブヒィィィィィィィィィィィィィ!!!

 

 

 GIFアニメまでつくってくれた人がいたりして、『神のみぞ知るセカイ』のファンは大歓喜です! ブッヒィィィィィィィィィィィィィィィ!!!

 

 また取り乱してしまいました。しかし、ブヒれるだけでなく、軽くこういうセリフが出てきたり↓

 

 敵役が前髪ぱっつんのリストカッターちゃんだったりと、非常にイケている作品です。
 
 
リューネちゃんの痛がる顔が、ブヒヒィィィィィィィィィン!!

 まだ読んだことのない人は、だまされたと思って読んでみるんだ! せめて、みなみちゃんが登場する六巻だけでも…。
 現在十四巻まで発行されています。ブヒィィィィィィィィィ
!!! 

  

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