遊撃インターネット狂人雑記77
北のりゆき=死売狂生=行方未知

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2011

117日(月)コンテナにビデオをつめる / 子供を迎えにいく

 先日購入した同人誌保管用のコンテナにビデオをつめました。なんでビデオかというと、遊撃インターネットで販売しているDVDの原版なのです。さすがに原版を捨てることはできない。ビデオの類はほとんどblue-ray化して整理したつもりでしたが、けっこうありやがるの。
 ベ平連が出した脱走米兵の国外脱出を記録した『イントレビット号の4人』やフォークゲリラを記録した『地下広場』なとどという今じゃ手に入らないビデオもやっぱり捨てられないよなあ。他にも朝鮮総連が出した反日北朝鮮マンセー映画とか、障害者プロレスのビデオとか…。こいつらをつめていたらあっという間にコンテナが二つふさがってしまった。
 でもさ、よく考えたら同人誌はエロ本だけコンテナにつめればいいよな。創作同人誌は、今まで通りに本箱に並べればいいんだ。あとは、レーザーディスクだなあ。名作アニメが、ほとんどそろっています。今だったら百五十円もあればレンタル
DVDからピーコできるのに…。『小公女セーラ』なんてボックスセットで三万円以上した記憶があるぞ。こいつらが重くてでかくて場所をとるんだ。ヤフオクで売っても二束三文だろうしなあ。
 しかし、捨てるのは…。特にジャケットが描き下ろしのものは捨てる気がしないよー。コンテナにすき間があるから、分けてそこにつっこんどくかなあ。

 実家に帰った細君と子供たちを迎えにいってきました。行きは一人でつまらないので高速道路を使い、帰りは下道です。一応お礼に抽選に当たって購入した芋焼酎の『赤霧島』を持っていきました。
 ムスメは、プールにつれていってもらったとかで元気になっていました。細君もひと息つけたようです。さすが、子供を育てたジジ・ババは偉い。ムスメの接しかたがずいぶん参考になったなんていっていました。あつかましくも夕食をごちそうになってから帰宅しました。クルマの中では横の席でムスメが泣いちゃっていましたが、休息をとり
HPが回復していたので、優しく接することができたのでした。

 

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118-19日(火-水)本を四百冊送る

 PDF化する本を四百冊ほど業者に送りました。でっかいダンボール箱四つ分あります。重量をはかってみたら、ひと箱四十キロ近い。四箱で百六十キロ! 宅配便は、たしかひと箱三十キロまでだったような気がします。大丈夫かな〜、と思いましたが、特に文句を言われることなく持っていってくれました。送料は五千五百円くらいだったかな。四百冊分もデータをダウンロードできないので、DVDに焼いて返送してもらいます。そんなオプション料金も加えて四万五千円以上かかってしまった。でも、本のために毎月家賃を払うことを考えると、まあ、しかたがない。
 本当は、紙が一番読みやすいんですよ。マンガや写真集ならともかく小説をディスプレイで読むのはつらい。だから送るのは絵や写真の本が中心ですね。他にアングラ
B級誌『GON』やらAV全盛期の『ビデオ・ザ・ワールド』やら蛭子神健が編集したロリエロ誌『プチ・パンドラ』やら、意外に雑誌をためこんでいました。雑誌類は、そろっていることに意義があるので、全部まとめて送ります。広末涼子の写真集も全部送ってしまった。
 ロリ写真集はどうだろうか。断られるかなあ。ためしに何冊か混ぜこんでおきました。一時期は古本屋で十万近い値がついた写真集もあるのだが、どうしよう…。
 活字本は、図書館で借りられる本を中心に送りました。
PDFで読み返した際に面白かったら図書館で借りてくるという作戦です。さすがに二度と手に入らないような本は、PDF化できませんね。
 書籍の
PDF化は、著作権がどうとかで、けっこう灰色なところがある商売のようです。いいかげんな業者がまじっている恐れがあります。何カ所か試してみたところ、けっこうひどいところがありました。完了予定日を二週間過ぎても音沙汰がない。メールを送ったけどシカト。三日ごとに三回メールを送り、それでもシカトしやがるので直接電話しました。明日までにアップするとかいっていましたが、やっぱりアップされません。これは詐欺られたのではないかと考え泣き寝入りするのはむかつくし、たまたまその会社がある杉並区のあたりにいく用事があったので、杉並警察署に被害届を出そうかと本気で考えました。ケーサツがなにかしてくれるとも思えないけど、まあ、少しは腹の虫もおさまります。ところが念のため出かける直前に電話してみたところ、ペコペコあやまられてしまった。ようやくその日の夜にPDFデータがアップされました。ところが、同じ本のデータが二つアップされていて、一冊抜けています。間違えやがったか無くしたのか…。もういいや。もともとテストのつもりでどうでもいい本を送ったんだし、文句をいうのにもくたびれてしまった。
 こういういいかげんな業者もあるので、気をつけて下さい。所在地が杉並区で一冊九十円が売りもののところです。

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120日(木)ビデオの整理 / 創価学会悪業DVD

 例のコンテナにつめるため、ビデオの整理をしました。二十年近く前に集めて存在すら忘れていたビデオがぞろぞろ出てきます。なかでも面白かったのが、創宗戦争が最盛期のころの創価学会批判ビデオです。鶴タブーといって創価学会の批判をすると圧力をかけられるので、マスコミはほとんど創価学会批判をしません。創価学会による言論出版妨害事件以降は、自主規制というかたちにはなっているんだけど、やはり鶴タブーは厳然と存在します。特にオレがとっている毎日新聞は、聖教新聞の印刷を請け負って稼いでいるので、その傾向が顕著だそうです。
 三本の反創価学会ビデオを
DVD一枚にまとめました。特に『総崩れ創価王国』というビデオには笑えました。敵対する者のところに大勢で押しかけ、騒ぎ立てて圧力を加えるのが創価学会の常套手段です。やったら同じことをやり返されるのは当たり前のことです。このビデオでは、同じことを宗門側の組織にやられてやがんの。法論と称して副会長クラスの学会幹部の自宅に押しかけ、出てきた学会幹部の対応を撮影しているビデオです。普段は池田の顔色をうかがいつつも尊大ぶった学会幹部の小心な対応には、宗教者の面影はありませんね。「ざまあみろ」という意味でも、面白かったですよ。
 他にも
PETAという動物の権利を主張するヘンな団体の出した動物実験反対ビデオも出てきました。よく毛皮反対とかを主張して素っ裸でパフォーマンスをしたりする人たちです。そのビデオの中に、動物解放戦線というFBIにテロ団体指定されている過激派の活動が記録されていました。大学の研究所にしのびこんで実験動物を解放する現場です。まあ、法的にはドロボーですわな。黒いバイクヘルに白衣という彼らのスタイルがしびれますねえ。毛皮店に放火したりする人たちだから根性が入っています。反体制団体の非合法活動をここまであからさまに記録したビデオはめずらしいと思う。
 
PETAビデオも三本をDVD一枚にまとめました。二つとも遊撃インターネットで販売するので、興味があったら買ってください。

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121日(金)細君実家につれていく / 『アリスクラブ公式ビデオガイド』

 再び細君実家に子供と細君をつれていきました。リコンや育児放棄じゃないよ? くたびれてしまったので、妻の実家のお世話になって息抜きをさせてもらおうというわけです。
 途中、いらないマンガを持ってまんだらけに寄りました。紙袋三杯のマンガ本が三千七百円で買ってもらえた。買ってくれなかった本は、ネット古本屋に売ろうと思う。
e-book offがいらない本を送ると五百円の商品券をくれるというキャンペーンをやっているので、ここにするかな。

 帰宅後、引っ越しに備えて本の整理をしました。子供がいないと、作業が進む進む。本箱の奥からこんな本がでできました↓ 

 

 うわっ。ろくでもない表紙だ! 中身はもっとヒドイぞ。ロリコン裏ビデオのフルカラー紹介本です。今みるととんでもねえ本だけど、あの時代には、こんなのがけっこう普通に売っていたんだよな。こんなもんいらないよなあ〜。でも、捨てちまうのももったいないから、業者に送ってPDF化しますか。やってくれるかなあ。送り返されてきたりして。

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122日(土)『はじめてのあく』(藤木俊)八巻 / 『ちはやふる』(末次由紀)十一巻を読む

 適当に休養しつつ、子供がいない隙に部屋の整理などをしました。異常にモノが多いよなあ。他人にはガラクタでも、オレにとっては宝物です。捨てられないよ〜。

 息抜きに先日購入した『はじめてのあく』八巻と『ちはやふる』十一巻を読みました。『はじめてのあく』は、イマイチだったかな〜。ギャグに鋭さがなくなってラブコメ方面に進んでいますな。無職のお姉ちゃんが登場すると面白くなるんだけどなあ…。つぎの九巻が出ても買うかどうかビミョーなところです。
 世にもめずらしいカルタ競技マンガ『ちはやふる』の十一巻は、文句なく面白かったですね。キャラが立っているし、ストーリーは面白いし、絵はうまいし、舞台はユニークだし、作者は頭がよくて教養あるし、なにより女の子が可愛く描けてるし…。ある意味カンペキなマンガですよ。
 現代少女マンガの洗練された技術があるうえに、読みにくくない。勝負モノとしての面白さは、『ドカベン』最盛期の土佐丸高校との試合のあたりに匹敵します。売れて当然だよね。ひさしぶりにマンガを読む楽しさを堪能させてもらいました。こんなに面白いマンガは、読まないと損だよ。

 

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123日(日)反体制ビデオをダビングする

 子供がいない間に保存用の過激派ビデオをダビングしました。コンテナにしまいこむといっても、水の浸入や熱などでどんなことが起こるかわかりません。二度と手に入らないようなビデオは、blu-rayなどにコピーしておきます。
 だいたいこんな感じです↓。これだけ数があるとダビングするのも大変ですよ。

 戦旗派 皇居・アメ大3.25ゲリラ戦闘(戦旗派 TV録画) 0:19
 強制収用粉砕! 動き始めた三里塚(北原派) 0:39
 199011月 激闘の三里塚・天皇決戦(戦旗派) 0:44
 俺についてこい(木の根防衛闘争 熱田派) 0:39
 三里塚90 農民との固い連帯で砦を守り抜こう! (戦旗派) 0:31
 戦旗派 横堀団結の砦死守戦(戦旗派 TV録画) 0:35
 前進社の内部(中核派 TV録画) 0:15
 東大全共闘(東大全共闘を支援する映画人の会) 0:50
 イントレピット号の4(ベ平連) 0:34
 地下広場 1969 春〜秋 1:25(フォークゲリラ) 1:25
 抵抗の大地(三里塚闘争) 0:33
 第二砦の人々(三里塚闘争) 2:20
 進撃の論理 71年沖縄返還協定批准阻止闘争 0:48
 沖縄・炎の記録(沖縄闘争) 0:40

 とりわけ『イントレピット号の4人』は、たいした映画です。最近亡くなってしまった作家の開高健や小田実が、アメリカの空母から脱走した四人のアメリカ兵と秘密アジトでインタビューするというものです。冒頭で当日の新聞を映して撮影した日を明らかにします。そんなところも秘密組織っぽい。
 ベトナム戦争のころには、日本にはジャテック
(反戦脱走米兵援助日本技術委員会)という秘密地下組織があって、アメリカ兵の脱走を手引きしたり米軍基地内で反戦活動をしたりしていました。
 公然組織のベ平連
(ベトナムに平和を!市民連合)には、鶴見俊輔を筆頭に大勢の左派系文化人が参加したり協力したりしています。市民の間にもかなりの広がりを持ちました。昔の機関誌を手に入れてながめると、赤塚不二夫や水木しげるなどの一流マンガ家が、反戦イラストを描いていたりして驚いた覚えがあります。
 ジャテックは、ヨーロッパを中心に支部を持ち、非常に国際的な組織でした。ソ連崩壊後に明らかになった資料によると、脱走アメリカ兵を中立国に逃がすために、ソ連大使館と連絡をとり
KGBの協力を得て、北海道からソ連に密航させるなんてことまでしていたようです。このような『逃がす』地下組織は、南北戦争前にアメリカにあった逃亡奴隷支援組織の地下鉄道を想起させます。
 もちろんアメリカも負けておらず、脱走米兵に偽装した情報機関員を潜入させてきました。こいつの活動で北海道ルートを破壊されるなんていうことも起きています。それでも今度は、偽造パスポートを使ってヨーロッパから脱走米兵を脱出させるなど、ベトナム戦争がアメリカの敗北に終わるまで活動を続けました。ヨーロッパには、レジスタンスの伝統があり多くの人が協力してくれ、学ぶところが多かったようです。また、ケンカ別れしたらしいけど、日本赤軍とも接触があったらしい。この経験は、今でも日本の市民運動に受けつがれている……………、のかなあ。
 とにかくオレは、こういうレジスタンス秘密地下活動みたいなのが大好きなのです。勝てもしないのにゲバ棒を持って機動隊につっこんでいくより、こういう活動のほうが楽しいし有意義だよね。いつか再びマンガを描くことがあったら、ジャテックの活動をネタにしたいですね。

 夕方、子供と細君をむかえにいきました。刺身をごちそうになってしまった。帰宅は十一時過ぎ。なにかゴソゴソと仕事をしていたら、いつの間にか朝の六時になっていたのでした。

  

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124日(月)出るわ出るわ…

 おもてに出ている本やらビデオやらをようやく整理すると、押し入れの奥から新しいダンボール箱が出現します。中にはオウム真理教の音楽テープの原版とか革マル派の機関誌とかがつまっている…。どーしようかねー。
 オウム真理教の音楽テープなんてのも出てきました。全巻揃っています。オウムに対する大弾圧のさなかに、渋谷のあやしげなマンションの一室にあったオウム真理教直営のサティアンショップで購入したものです。一本に一曲しか入っていないのに二千円くらいとられましたよ。貧乏だったのによく集めたよな。今ではネットで無料で落とせてしまう。でも、オウム信者にいわせると、コピーでは効果がないんだそうな。原版というところに意義があるらしい。

 

 

 日本が生んだ二大キチガイ宗派である革マル派とオウム真理教の機関誌が仲良く並んでいる本棚なんてめったにないだろう。引っ越しのために整理をしてあらためて感じたんだけど、どうやらオレはキチガイが好きみたいです。キチガイなものばかり集めている。アウトサイダーアートの画集とかキチガイ宗教の出版したマンガとかね。戦争やボルシェビズムやナチズムなんかも狂気だよな。オレのコレクションのテーマは、狂気だったのか…。

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125日(火)『あ!Myみかん』(柳沢きみお)全六巻 / 『春行きバス』(宇佐見真紀)一・二巻 / 『ンダスゲマイネ』(楠木あると) / 『未来日記』(えすのサカエ)七〜十一巻を読む

 本の整理のため、積んでいたマンガを消化しました。買ったのはいいけど読まないで積んでいた本がけっこうあるんだよね。PDF化するにしても一度は紙の状態で読んでおきたい。
『あ
!Myみかん』(柳沢きみお)は、古い本だのう…。一巻は昭和五八年発行だぜ。なつかしさのあまりネット購入してしまったものです。山育ちで世間知らずの野生美少女が、男兄弟ばかりの家に婿さがしにやってくるというお話し。剣道をはじめる前の『おれは鉄平』のパクリですね。二〇年近く前のマンガなのに、けっこう読めてしまう。
 ネットで評判がよかった『春行きバス』
(宇佐見真紀) 一・二巻も積んでいました。少女漫画の短編集です。高校生くらいの男女が、誤解やすれ違いがあるけど最後にはうまくいって、くっつくというお話しの連作集です。かなり面白い。三巻以降も読みたくなるほどで、思わず注文してしまった。
 しかし、オレは思うのだが恋愛モノの少女マンガは、吉屋信子の『花物語』といった大昔の少女小説を現代風にアレンジしてパクれば、いくらでも描けるんじゃないかなあ。それほど甘くないかなあ。
 太宰治は、マンガにしやすいようです。以前マンガ版の『人間失格』を紹介しましたが、『ンダスゲマイネ』
(楠木あると)は、太宰治の青年時代の伝記マンガです。『人間失格』は、なかなかたいしたキチガイマンガでしたが『ンダスゲマイネ』は、ちょっとレディースコミックっぽいですね。太宰治のダメ人間ぶりがよく描けています。戦前に共産党の運動に参加してパクられたりと、左翼なことも描かれていて共産趣味者的にも面白かったですよ。
 最後に問題作『未来日記』
(えすのサカエ)七〜十一巻を読みました。まあ『デス・ノート』のパクリなんだけど、ヒロイン・我妻由乃の狂気ぶりが素晴らしい。今度アニメ化されるそうで、どのように彼女の狂気を表現するか楽しみです。フィギュアが発売されたら買わなくっちゃあ。この巻では、ナイフで敵のクビをすっ飛ばすシーンが秀逸でした。つぎの十二巻で完結するらしいけど、もう結論が出たようです。

 

 三大狂気ヒロインといえば、桂言葉、朝倉涼子、それに我妻由乃だよね。『未来日記』は、十二巻購入決定です。

    

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126日(水)ビデオ『母たち 現在進行形のドキュメンタリー』(監督・黒川芳正) / 『日本幻野祭 三里塚・1971』をみる

 子供たちがやかましくて、ビデオをみることもろくにできません。上の子が保育園にいってくれたのでダビングがてらビデオ『母たち 現在進行形のドキュメンタリー』(監督・黒川芳正)をみました。二〇年くらい前にも一度みたことがあるのだけど、さっぱり内容をおぼえていない。
 監督の黒川芳正は、連続企業爆破事件で有名な東アジア反日武装戦線『さそり』グループのメンバーです。パクられてしまい無期懲役判決をくらいました。『狼』グループとちがって人を殺していなかったので、無期懲役ですんだみたいです。
 その黒川芳正氏がどうやってか知りませんが、獄中で監督をしてつくったとされる映画です。獄中作家というのはきいたことがありますが、獄中監督というのはめずらしい。実際は、支援団体がつくったのでしょう。
 まあ、映画としてのレベルは、大学の映研くらいですね。黒川氏自身の母をふくむ東アジア反日武装戦線の獄中メンバーの母たちへのインタビューを構成した映画です。なにやら七〇年代っぽい不協和音の音楽
??がバックに流れて、ナニかを象徴するらしいよくわからないものの映像が流され、ブツブツボソボソとおばさんがなにやらしゃべっています。…これは眠くなるなあぁ。
 初期の東アジア反日武装戦線が、カンパニア闘争として爆破攻撃を加えた風雪の群像・北方文化研究施設や、東アジア反日武装戦線の最大の作戦であった昭和天皇暗殺攻撃『虹作戦』の舞台となった荒川鉄橋なんかが出てくるのが興味深かった。資料的価値は大いにあるけど、映画としてはまったく面白くないというのがオレの評価です。
 続いて『日本幻野祭
三里塚・1971』をみました。三里塚闘争が最も激しかったころにも小休止の時期があり、そんなときにロックバンドをまねいて空港造成予定地の人口原野で野外コンサートをおこないました。有名な頭脳警察も登場し、アジ演説あり、殴り合いあり、素っ裸でパフォーマンスしているやつありという、かなり混沌としたお祭りだったようです。そんなイベントのドキュメンタリーです。
 オレがみたのは
VHSですが、この作品はCDボックスの付録というかたちでDVD化されています。こんなものをみたりきいたりする人が、商業化できるほどいることにちょっと驚いてしまいました。

 

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127日(木)『もと子先生の恋人』(田中ユタカ)を読む / 社学同のビラが出てくる

 田中ユタカの『もと子先生の恋人』を読みました。田中ユタカを読むのは、『愛人 -AIREN-』の一巻以来だから、十年ぶりくらいです。『愛人-AIREN-』は、力作で傑作なんだろうけど、作者が自分を追いつめて苦しんで描いているのがこっちにも伝わってきてしまい、それで読むのがつらくなってやめてしまいました。
 ギリギリまで自分を追いつめて描くことで有名なのが、ちばてつや先生です。ちばてつや先生の親戚と高校時代に同級生だったので、いろいろ面白い話しをきかせてもらいました。プライバシーに関わることは書きませんが、有名なエピソードでは、若い時分のちばてつやは、背景の下描きにいちいち鉛筆で影を入れていたそうです。もちろんペン入れをして消しゴムをかけたら消えてしまうのだけど、少しでも立体感を出そうという苦心の工夫だったらしい。もうひとつ。オレは、高校時代に寮に入っていたのだけど、ちばてつやが『おれは鉄平』で主人公が寮に入ることになると、わざわざ取材にきたなんて話しをききました。やはり想像で描いたものとはまるで違っています。『おれは鉄平』の舞台となった寮は、本物の寮以上に寮らしく描かれており、それは見事なものです。
 普通はマンガ家が原稿を落とすと編集者は激怒するものだけど、ちばてつやの場合は、本当に倒れてしまうまで原稿にとりくんでいるので、編集者は心配して怒らないなんていう伝説もあります。たぶんその仕事ぶりみて影響を受けたのでしょう、『キャプテン』などのスポコンマンガを描いた弟のちばあきおは、自殺してしまいました。編集者やマンガ家を監禁して半殺しにしたことで有名なあの梶原一騎ですら、超名作『あしたのジョー』のラストを激論の末にちばてつやの意見にしたがって変えています。梶原一騎のラストでは、丹下段平がジョーに「ボクシングには負けたが、ケンカには勝ったんだ」とか話しかけるいうシロモノだったということです。これは小池一夫に直接きいた話しですが、梶原一騎は『あしたのジョー』は、ちばてつやの作品であると公然と認めていたそうです。
 手塚治虫先生が創造性やアイディアの天才だとしたら、ちばてつや先生はマンガの構成力や技術の天才といえるでしょう。より正確には、努力の天才というべきでしょうか。
 それほどまでに徹底的に自分を追いこんでマンガを描いているちばてつや先生ですが、その作品には作者が苦しんでいる感じは微塵もありません。ちばてつや先生のような超一流の天才と比較するのはあまりにも気の毒なんだけど、田中ユタカの『愛人
-AIREN-』では苦しんで描いているのが読者に伝わっちゃうんだよね。そこが超一流と一流の違いなのでしょう。しかし、田中ユタカが非常によい作家であることには間違いありません。ネットで『もと子先生の恋人』の評判を知り、読んでみました。
 …非常によい作品です。女教師がヒロインの学園ものかと思ったら『もと子先生』は、マンガ家なんですね。よい作品を描いているのに地味でいまいち売れていないもと子先生と、担当の新人編集者の仕事と恋愛物語です。二人とも性格が非常によいキャラクターで、お互いを思いやり尊敬し合い、恋愛だけでなく仕事にも一生懸命という理想の男女関係を描いています。絵柄が若干枯れたかという気がしますが、二十年近くマンガを描いていればこの程度の枯れかたはしかたないでしょう。なにより『もと子先生』が、しっかりした大人の女性なのにものすごく可愛いところいいですね。

  

 たぶんもと子先生は、二五才くらいという設定だと思うんだけど、容姿も性格も、とにかく可愛い。それでいて、ちょっとだけエロい。心温まる恋愛作品を読みたい人に強くおすすめします。
『もと子先生の恋人』があまりよい作品だったので、『愛人
-AIREN-』特別愛蔵版の上下巻と近作の『ミミア姫』全三巻を注文してしまいました。必死で本を処分しているところなのに…。でも、これだけ力量のある作家なのだから、手元に置く価値があると思う。
 田中ユタカは、エロ漫画の出身です。成人向けの単行本を十冊くらい出してたんじゃないかな。エロ漫画からこのような作家が出ることに、日本の漫画界の底力というか裾野の広さを感じさせます。このようなマンガ家を生み出す土壌となり得るエロ漫画を弾圧はしてはいけない。

 本の整理をしていたらこんなもの↓が出てきました。本のあいだにはさんだまま二五年も忘れていました…。ガリ版にわら半紙というあまりにも伝統的なアジビラです。一九八六年には、まだこんなのが生き残っていたんだなぁ。『社学同』とありますが、ブントの『社会主義学生同盟』ではなく、八〇年代に戦旗・共産同が再建した社学同です。

 

 このビラをもらったときのことは、はっきりと覚えています。友人が拓殖大学を受験して、まあヒマだったんだろう、合格発表についていったんだよね。そいつは自信満々だったけど、結果は不合格。ボーゼンとしている友人をおいて、補欠があるかもしれないと掲示板の端までみにいったり掲示板の裏までみたんだけど、彼の番号はなかったのでした。
 その帰りに社学同のお兄さんがビラ配りをしていたんですね。「労共闘でデモに参加しているよー」と話しかけ、お兄さんとゲリラ・パルチザン戦闘について語り合いました。社学同のお兄さんは、当時は飛び道具よりも発火装置ゲリラを重視していたようです。発火装置を背負ってサーチライトで守られた機動隊の隊舎に匍匐前進で進入するゲリラ・パルチザン部隊の革命精神とかね。いや、面白かったですよー。

   

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128日(金)『この世界の片隅に』(こうの史代)上・中巻を読む / 引っ越し先をみにいく

 少しでも本を減らすため、部屋の整理の合間に積んでいたマンガを消化しています。息抜きもかねて『この世界の片隅に』(こうの史代)上・中巻を読みました。良作というもっぱらの評判です。主人公は、ARIAの主人公・灯里ちゃんみたいなポワポワ系の女性。子供時代の話しが少しあったあと、大人になって結婚し呉に住みます。
 時代は戦時中の昭和十八年。実家は広島。舞台は軍港があった呉という、どう考えてもこの主人公に良いことが起こりそうにない鬱設定です。それに登場人物は、みんな基本的によい人たちなんだよね。読むのがつらそうなマンガだな〜、と思って積んでいたのでした。中巻まで読んだところでは、食糧事情が悪くなったくらいでそんなに鬱展開ではありません。むしろほのぼのした話が多い。でも、下巻を読むのがつらそうだなー。

 ムスメを保育園につれていき、その足で細君と赤ちゃんをつれて引っ越し予定地に行ってきました。閑静なのに近くに巨大なショッピングセンターがあるという好立地です。現在住んでいる家が八十平米の4LDKで家賃が約十四万円。引っ越し先は六十平米の2LDKで家賃が約九万円です。本が二部屋占拠しているので、本をどうにかすれば月に五万円も節約できる。継母が死んでしまって一人暮らしになってしまった父に頼んで本を置かせてもらい、マンガはPDF化。それでも納まりきらないものは、コンテナ箱に入れてベランダに置きます。それでようやく荷物が納まるという感じですね。
 現在の家から車で十五分くらいのところなので、冷蔵庫とクーラー以外は友人の力も借りて自力で引っ越ししようと考えています。保育園やら幼稚園やらの手続きがあるので、三月中ごろに引っ越しして書類上の転居は四月一日にするつもりです。ちょっと忙しくなりそうなので、雑記の更新が滞ってしまうかもしれません。

 

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129-30日(土-日)子供たちを細君の実家にあずける / 同人誌の山の整理

 部屋の整理がすすみません。がんばっているんだけど、いかんせん量が多すぎる。山のようにある(他人からみたら)ガラクタを掘って、これは捨てる、これは保存する、どこに保存するか? なんてことを考えながらすすめていますからねえ。際限なく時間がかかります。それでも本棚の一般書やマンガやビデオは、どうにか目途がつきました。あとは積んである同人誌です。即売会から帰宅後、くたびれて積んだまま放置してある同人誌が多数あります。こいつらをサークルごとにまとめて分別し、B5判用の箱につめて、コンテナに入れて、防水処置を施し、引っ越し先に持って行けるようにする…。気が遠くなりそうです。いいかげんにエロ同人誌なんて捨てるか売るかすればいいんだけど、思い出がつまっていて捨てられない。特に即売会で買った同人誌は、買ったときのことをおぼえていたりするからなあ。
 子供たちを細君の実家にあずかってもらい、ひたすら同人誌の整理をしました。十年以上前の
2000年に虎の穴で購入し、そのままビニール封も開かず積んでいた同人誌が出てきたりして我ながらあきれてしまった。なぜこんな同人誌を買ったのかワケがわからないものも多数あります。そんなことをしていて二日間つぶれてしまいました。
 しかし、それでも子供がいないと気が休まります。積み同人誌の中から思わぬ本を見つけたりして、精神的にはとても楽な二日間でした。

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131日(月)『二重人格』(ドストエフスキー)読了

 オレは活字中毒なので、マンガばかりをいくら読んでも活字欲求は満たされません。そういうわけで『二重人格』を読みました。ドストエフスキーの第二作になります。
 士官学校を出て工兵隊に配属されたドストエフスキーは、毎日要塞建設の数値計算などという仕事ばかりやらされ、嫌気がさして先の見通しもなく除隊してしまいます。数ヶ月こもりきりになって書き上げたのが、処女作の『貧しき人々』でした。友人の小説家に原稿をあずけたところ、もうひとりの友人と徹夜で読み切り、感動のあまり朝の五時にドストエフスキーをたたき起こして有名な評論家のところにつれていき、その評論家にも天才あらわると大絶賛を受けました。
 一躍文壇の寵児となったドストエフスキーが、満を持して発表したのがこの『二重人格』でした。ところが、これが大不評。最後まで読み切ることができない、なんていわれる始末です。たしかにつまらない小説で、ドストエフスキーの作でなければ現在まで残らなかったでしょう。数ページ読むと眠くなるので、睡眠薬がわりに使えました。
 中年の小役人が偉いさんの娘を好きになってしまい、招待されてもいないのにパーティーに忍びこんでつまみ出されたのがきっかけで、ちょっとアタマがおかしくなります。自分そっくりの男が職場に現れて人気者になり、自分をおとしいれようとしているという妄想にとりつかれてしまう。それでもって右往左往するという話し。
 …ゴーゴリの『狂人日記』みたいだな。でも、『狂人日記』のほうが面白いよ。『狂人日記』の主人公は、完全にキチガイです。お嬢さんの飼い犬と文通していると妄想した犬の小屋に入って『手紙』を奪い、犬っぽい文体だとかいいながら犬手紙を読んだりする。『二重人格』の主人公は、自意識過剰な被害妄想男です。オレには、最後まで主人公そっくりの人気者が妄想の産物なのか、主人公に似た男が実在していて、被害妄想の対象になっているのかわからなかった。あの長ったらしくてクネクネしたドストエフスキー文体で
(最初からこんな文体だったのね…)、自意識過剰男が右往左往しているさまを描いている作品に思えました。後年のドストエフスキーにつながる都市生活者の精神の不健康さや自意識過剰というテーマはあるにしても、ドストエフスキー文体をガマンして読ませてしまう後の大作のような深さは感じられませんでした。都市生活者の精神の不健康さや自意識過剰というテーマだったら、『地下室の手記』のほうがずっと病んでいてよいと思うしね。
 過剰な期待はせず、ドストエフスキーの大作を理解するための参考として読むべきでしょう。

   

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