遊撃インターネット狂人雑記75
北のりゆき=死売狂生=行方未知

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2010

1218-19日(土-日)病院で説明 / 掃除

 赤ちゃんについて説明するので夫婦そろって大学病院までくるように指示されました。赤ちゃんは『先天性嚢胞性腺腫様肺奇形』という、オレには読むことすらできないめずらしい病気です。奇形なんてきくと親がビックリしてしまうので、最近は『先天性嚢胞性腺腫様肺異常』ともいうらしい。カンタンにいうと生まれつき肺の中に空っぽの腫瘍があるという病気です。
 この病気に持って生まれてくるのは、二万五千人に一人ということになっています。しかし、この数字は検査技術の進んだ先進病院で発見された分しか反映されていません。町の産院などではみつけることができないので、本当はもっとずっと多いようです。
 生まれる前の説明では、ずいぶん症状を軽くいっていましたが、方便というやつだったみたいです。この病気が重症だと赤ちゃんは、生まれると同時に心臓が圧迫されて心不全を起こしたり呼吸困難で死んでしまうこともあるらしい。だから小児科医が待機していたんですね。
 今まで知らなかったのだけど、人間の肺は左右対称ではないそうです。左側には心臓があるから右肺のほうが大きい。考えてみれば、そりゃそうだ。左肺は上下に分かれていて、右肺は上中下に分けられます。その右肺の下部に腫瘍があり、右肺下部は機能していないということでした。そこで十日も入院させて観察していたのだけれど、日常生活を送るのには、なんの不都合もないという結論に達しました。普通に育てて大丈夫ということです。
 最近まで肺の腫瘍は、特に害もないということでそのまま退院させてきたそうです。ところが、近ごろ全世界で五十例ほど腫瘍が癌化したという報告があったということです。母数すら不明なのだから確率が出せるはずがないのだけれど、全世界で五十例程度なのだから、癌になる確率は極めて小さいでしょう。おそらく
1パーセント以下。0.1パーセント以下とかいう程度だろうと思われます。
 しかし、癌になると悪性の肺癌で、まず死ぬそうです。最短で生後三ヶ月で癌化した例があるともいってました。そこで月に二度ほど病院に通って癌化の兆候がないか検査し、三歳から五歳くらいになったら、腹腔鏡手術という新しい方法で右肺の下三分の一を切除してしまおうということになりました。
0.1パーセント以下という程度の確率で癌になるからといって手術に踏みきるのはどうかとも思ったけど、医師がすすめるし、やはり肺の中に将来どう変化するかわからない腫瘍があるというのは気持ち悪い。手術するべきだろう。
 生まれてすぐに息ができないようなら、緊急手術をしてその場で肺を切除するところだったらしい。幸いそんなことにはなりませんでしたが。大人になってから肺を切除するとそのままだけど、小さい子供の時期に肺を切除すると、ある程度回復して肺が生えてくるらしい。トカゲの尻尾みたいだな…。
 日常生活での注意点は特になし。普通に育ててくださいということでした。ただし、肺炎になりやすいので、風邪をひいたら気をつけてほしいということです。
 この子は障害児なのですかときいてみましたが、障害児ではないと明確に否定されました。障害児に認定されたほうが手当が出るからたすかるんですがと貧乏くさいことをいったのですが、生まれつきの病気なので手術代などは無料になると教えてくれました。
 タバコを吸っていないのに肺癌になってしまう人がいるけど、発見されなかった先天性嚢胞性腺腫様肺奇形から、癌になった人もけっこういるのかもしれない。よくみつけてくれたと喜ぶべきなんだろうな。せっかく苦労して育てたのに二〇歳くらいで癌で死なれたらたまったものではない。
 しかし、月に二度も病院につれていくのはけっこうな負担です。病院は平日営業なので、その日は仕事ができません。逸失利益は月に三万くらいかな。少しは貯金をしようと思って安いところに引っ越そうと考えていたのだけど、せっかく節約したカネは検査の費用で消えてしまう。困ったもんだ。
 もう安心なので退院してもよいということでした。じゃあ今日つれて帰りますといったら、手続き上それは無理だといわれてしまった。じゃあ明日といったら、それも無理だと。結局翌々日の月曜に退院させることになりました。
 普通に育てて大丈夫とはいっても、あまりホコリっぽい部屋はよくないだろう。帰宅後と日曜日は半日かけて、ちょっと早い大掃除をしたのでした。

 掃除に一段落つけて日曜日にも赤ちゃんの様子をみにいってきました。出産祝いをくれた義父母さんにも赤ちゃんの病気の詳細について知らせておきました。心配させてしまったらしく、往復五時間以上かけて大学病院にきてしまわれた。手術するにしても三年以上先の話だし、癌になったらすぐわかるようにちゃんと定期検診を受けるので大丈夫だと説明したら安心されたようです。
 ここのところ赤ちゃんの話題ばかりですいません。本を読んだり映画をみたりする時間が、ほとんどとれません。

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1220日(月)風邪をひく / 赤ちゃん退院

 起きたらなんだかノドがいがらっぽい。ストーブをつけっぱなしにして寝たからかとも考えましたが、セキと鼻水もでる〜。ムスメも青っぱなをたらして、さかんにセキをしています。風邪をひいたらしい。赤ちゃんを迎えにいく日なのに…。
 肺に異常がある生後二週しかたっていない赤ちゃんを風邪屋敷に迎えていいものだろうか。しかし、もう退院の手続きをしてしまったので、どうしょうもありません。
 まずオレとムスメが近所の病院にいきました。普段だったらあり合わせの薬を飲んで治してしまう程度の、たいしたことのない風邪です。医師に生後十日の赤ちゃんがいると相談したところ、母乳に免疫物質が入っているので母乳を飲ませなさいとアドバイスされました。
 大学病院に到着しましたが、ムスメはもとより風邪気味のオレも小児
ICUには入れません。二時間近く待っていました。細君が代表して看護師さんから家族が風邪の際の対処法などをきいていたようです。風邪引きと赤ちゃんは隔離だそうです。せっかくいっしよに暮らせると思ったのに、また隔離ですか。
 赤ちゃんの入院代金も支払いました。四万九千なんぼかです。まあ、五万円ですね。二割負担なので、本来なら二五万円のはずです。ヒイ
! そのうえ役所の窓口に領収書を持っていくと、支払った五万円のうち医療に使った三万五千円ほどを返金してくれるらしい。
 オラなんだか、愛国心がわいてきたぞ
! 税金と称してカネをぶんどってなにもしてくれないようなら搾取者で敵だが、今みたいに困っている時にたすけてくれるなら恩人で味方だよな。民主党政権だからこんなに優しいのかなあ。領土問題で中国やロシアになめられて評判を落としたけど、小泉の時のようにアメリカの手先になってイラクやアフガンで侵略戦争に荷担するよりはずっとよいと思うけどなあ。

 ちょっと寄り道をしてオレの父親に赤ちゃんをみせ、三千五百円の中華オードブルを買ってきて、ささやかなお祝いをしたのでした。

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1221日(火)『涼宮ハルヒの消失』をみる

 以前映画館でみているのだけど、たまたまPD氏に動画をもらったのでパソコンで『涼宮ハルヒの消失』をみました。映画館ではかなり面白く感じたけど、あらためてみるとタルい映画ですなぁ。涼宮ハルヒのシリーズでなければ、眠ってしまうんじゃなかろうか。長門有希がかわいいからもっている作品に思えます。日本映画の最大の欠点だと思うダラダラ長いセリフが延々と続くんだもん…。セリフが長いよおおぉぉぉ。
 作画がよいし、それなりにドキドキ感があります。だからけっこう楽しめます。みて損をしたとは思わないけど、八千円も出して
blu-rayを買うほどのものとも思わないなあ。百円で『風と共に去りぬ』とか『カサブランカ』などの古今東西の名画をみることができる時代ですからね。未見の人は、もう少し待ってレンタルDVDでみればいいんじゃないかな。
 だいたい日本は、ソフトが高すぎるんだよね。せめて三千円以下だったら
blu-ray版『涼宮ハルヒの消失』を買ってもいいけど、一番安い通常版でも六千円以上しますからねえ。八千円の限定版と称するものは、みる時間がもったいないという程度の特典と称するものがついているだけみたいだ。

 細君は赤ちゃんにつきっきりでなにやら世話をしています。オレとムスメは、風邪気味なので赤ちゃん部屋に出入り禁止なのでした。

 

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1222日(水)死亡届と出生届

 今年は二月に継母が死に、十二月に長男が生まれました。去る者があれば来る者があるというところでしょう。
 記念に死亡届と出生届をアップしときます。この二つを並べて展示すると、現代芸術みたいだよね。

  

 

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1223-24日(木-金)義父母来訪 / 役所にいく

 気力で風邪を治して育児に参加しています。新生児を育てるのは四年半ぶりですが、やっぱり大変です。だって赤ちゃんには人語が通じないんだもん。
 赤ちゃんは、なにか要求があると時と場所をかまわず泣き出します。しかし、いったい何をしてほしいのかさっぱりわからないことがある。母乳を与えてみたりオムツを点検したり抱っこしたりユサユサしてみたり…。それでも泣きやまないとクタクタにくたびれてしまう。だいたいオレは、鬱病でかなりのキチガイなので、精神攻撃によって受けるダメージは正常人の数倍です。たまに産後鬱で赤ちゃんを殺しちゃうお母さんがいるけど、気持ちがわかるなあ。
 当然そんなヤツが子供なんてつくるなという意見がでるだろうけど、つくったわけではありまへん。できちまったんだよ。妊娠したときいた時は、正直いって青くなりましたね。たまたま躁状態になった時に元気を出したのがいけなかった。子堕ろしは、女性の権利としては認めるけど、自分がさせるのはいやだ。
 四歳になる上のムスメも大変不満そうです。今まで一人娘でチヤホヤされていたのに、両親は赤ちゃんにかかりきりで、彼女からすれば急に無視されるようになったのですからね。赤ちゃんがえりとまではいかないまでも、歌ったり踊ったりしてことさらに騒いで関心をひこうとする。戦時中に餓死させられた上野動物園の象さんが、最後までエサ欲しさに必死で芸をするという哀話を想起させます。
 オレがいるからまだいいけど、旦那さんが仕事に出ている家はどうやって子育てしているんだろうか
? 核家族で子育てをするというのは、母親に過大な負担がかかるし、共働きの場合は経済的にも収入が半減してしまう。根本的に無理な制度だという気がします。こんな状態では、少子化や子殺しや児童虐待が社会問題になるのは当たり前ですよ。麻生元首相が言ったように、貧乏人は結婚するな。子供をつくるなということなんだろうけどね。
 オレは、しばらく風邪で寝こんでいたからいいとして、細君がクタクタになってしまいました。このままではピンチなので、細君の両親に応援を頼むことにしました。年末の忙しい時期に渋滞の中を三時間もかけてきて下さいました。その前に部屋中を覆いつくしているオタクフィギュアやら第四インターの管制塔戦士が鉄パイプで機動隊に殴りかかっているポスターやらを隠すのに手間取りましたけどね。
 きてもらって本当にたすかりました。主にムスメの相手をしてもらい、そのあいだに赤ちゃんの世話をしたりいろいろ体勢を整えたりできました。
 オレは、赤ちゃんの入院代の還付手続きに役所までいってきました。年末のせいでかなり混んでいます。ようやく自分の番がきたので書類を出すと、十二月に退院した場合は一月の手続きになるので来月きてくれなんていわれてしまった。そんな役所のルールなんぞしらんがな。還付されるのは遅れてもいいから書類を受けとってくれと粘り、なんとか手続きしてもらいました。
 ついでに
精神病院に寄ってきました。だってキチガイなんだもん。赤ちゃんの世話で精神病が悪化しつつあるような気がする。精神病になるとなにか面白い幻覚がみえたり芸術家のような創造力がでたりして楽しいのではないかと思っていましたが、いざ発狂してみると心地よいものではありません。むしろ気分が悪くて極めて不快です。キチガイを薬で抑えて早く治しちまおう。ガキが二人もいるのだから、いいかげんにしないと一家そろって干乾しになってしまう。
 いいなりに薬を出してくれるのが取り柄のような精神病院ですが、元気が出る薬をくれとねだっても合法覚醒剤のリタリンだけは処方してくれません。そのかわり、最近のハードな食生活や服薬で肝臓がやられていないか調べるため血液検査をしました。これもオレからいいださないとやってくんないんだよね。本気でキチガイを治す気なら、病院をかえないとダメかもしれない。
 帰宅後、義父母と四歳のムスメがトランプの神経衰弱をしていました。しばらくながめていましたが、頭が柔らかい四歳児はもとより六〇歳を超える義父母よりもオレは記憶力がない。おそらく抗鬱剤の副作用なのだろうが、短期の記憶力が極度に弱まっています。学生時代の知能テストでは知能指数が
138あったのに、キチガイを発症したうえにバカになってしまった。…恐ろしいことだ。
 六時ごろ義父母はお帰りになり、正月に持っていこうと思って取り寄せておいたスターリンが好んで飲んだグルジア産のワイン、キンズマラウリをお土産にお渡ししたのでした。
 そんなわけで読書どころかマンガを読む余裕もありません。もう少ししたら落ち着くと思うのですが。ここのところ赤ちゃんのはなしばかりですいません。

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1225日(土)『劇場版 鬼平犯科帳』をみる

 ようやく少しはふたりの子育てのコツがつかめてきました。スリングという魔法の道具があり、こいつを活用します。風呂敷の先っぽに輪っかをつけただけの抱っこヒモなんだけど、この中に赤ちゃんを入れて抱っこすると丸まって実によく寝てくれる。赤ちゃんを泣かすことは、肺が鍛えられ体が強くなってよいという説と、成長に使うエネルギーを泣くことに消費してしまうのでよくないという二説があります。本当のところは、どちらが正しいのかはわかりません。しかし、そんな説はどうでもよくて、赤ちゃんが寝ていてくれたら静かでたすかるというのが実際のところです。
 スリングに入れて赤ちゃんを抱っこしつつ、そこらでムスメの発する騒音は脳内でカットします。さすがに本を読むのは無理だけど、借りてきた
DVDをみるくらいならそれでなんとかなります。

 年末らしく時代劇の『劇場版 鬼平犯科帳』をみました。…つまらない。まとまりがなくて、まるでダメです。原作小説やテレビシリーズのDVDはあんなに面白いのに、映画館でカネをとってみせる映画版がどうしてここまでつまらないのだろう? 役者も二代目中村吉右衛門をはじめ豪華なのになあ。制作年が一九九五年ということで『鬼平犯科帳』では割と最近だから、制作側もマンネリに陥っていたのかもしれない。テレビシリーズでも本当に面白かったのは、一九九二年の第4シリーズくらいまででした。
 それはともあれ『鬼平犯科帳』はいいですよ。小説もテレビシリーズも特に初期の作品は、実によい。食通で有名な池波正太郎の原作だけあって、読んだりみたりすると日本酒を燗して飲みたくなり蕎麦を食いたくなります。
 コミケで入手した同人誌をひとわたり読んでしまったら、正月はこんな小説を読んで過ごすのもオツなものだと思います。口直しに今度テレビシリーズの
DVDを一話からみることにしよう。

 

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1226日(日)初めてのお買いもの / 趣味について

 赤ちゃんがやってきて六日たちます。買いだめていた食材が底をついたので、一家総出で買い出しに行ってきました。日曜の六時過ぎならスーパーもすいているだろうと計算しました。赤ちゃんをつれての初めての買いものです。
 出かける前にオッパイを飲ませ満腹にしてオムツを交換します。予備のオムツを忘れずに。自動車の後席にチャイルドシートをとりつけとなりに細君が陣取り、運転席のとなりに小型チャイルドシートをつけてムスメを座らせます。
 子供を産んで二〇日もたつのに細君はまだフラフラしています。そこでオレが赤ちゃんをスリングに入れ、ムスメの手を引いて子供の番をします。それで細君がカートにいろいろ買い物を突っこんで回るという寸法です。しかし、よくみると子供を三人も引きつれて買い物しているお母さんもいます。スゲーなあ。
 大過なく買い物することができました。赤ちゃんが寝てくれるスリング効果が大きかった。うんちをしなかったし…。

 しかし、趣味に生きたい人は、子供をつくったらダメだね。まっったく自分の時間がなくなります。低所得で結婚できない若い男が、主にネトウヨになるといいます。ネトウヨなんてくだらないものはやめて、趣味に生きればいいのにと思う。独身で時間も稼ぎもすべて自分の自由になる。これほど趣味を極めるのによい環境はありません。
 好きなものだったらなんでもいいんですよ。大正時代のエロ写真の収集とか、昭和のビニ本の歴史とか、観光地に置いているわけのわからないお土産の収集と分類とか、日本全国のダムの写真を撮るとか…。
 絶滅したと思われていたクニマスを発見して天皇にほめられたさかなクンなんて、趣味に生きる人の典型だろう。この人は結婚しているらしいが…。よく結婚相手がいたな…。
 現在では偉大な民俗学者とされている宮本常一と渋沢敬三が戦前に収集した膨大な民具や写真だって、当時は薄汚いガラクタにすぎませんでした。今では博物館に大切に所蔵され、失われた日本民族の宝あつかいですよ。
 モラルが低くて知恵のないやつが差別者のネトウヨなんかになるんだろうけど、そんなものに惑わされず、一人でも多くの人が貧乏でも趣味を極めるほうに生きてほしいと思います。そうなれば、世の中がもっと面白くなって、オレも嬉しい。正直言って赤ちゃんのうんちをふきながら、オレはそっちの人生を選ぶべきだったのではないかという想いが浮かぶのは否めませんね。
 実は、江戸時代からこういう生きかたは日本の趣味人の典型でした。『見巧者』という言葉があります。大辞林によると、
芝居などを見なれていて、見方のじょうずな・こと(さま)。そのような人をもいう。ということです。見巧者になると「今日の玉三郎は、手の上げが三寸低かった」とかいうところまでいくらしい。これってオタクそのものだよね。細部に対する過剰なこだわりは、日本の趣味人の大特徴に思います。明治から戦前までの高等遊民と称する連中だって、インテリぶっているけど西欧文明オタクで似たようなものでしょう。
 昭和三〇年代までは、ごく少数の特権階級しかなれなかった趣味人の道を、現代ならまがりなりにも誰でも選ぶことができます。2ちゃんで差別書きこみにふけっているだけの人生なんて、あまりにもむなしすぎる。
 不況のせいで運悪く正社員に就職できず貧乏だとしても、それは時間と収入を自分の思い通りにできるという特権でもあります。この特権は歴史的に考えても例外的な得難いものなんですよ。その特権を使って日本の鉄道駅すべてに下車して駅舎をスケッチしたという超人だっている。考えられないような偉業
?だけど、その意志さえあれば誰にでもできたはずです。あえて実行する人がいなかっただけだろう。無意味だという批判には、無意味だからこそ価値があるのだと反論してやりたい。
 趣味を極めるコツは、その『趣味』でカネを儲けようという邪念を持たないことだろうと思います。でも、名声
?は求めてもよいと思ますね。ネットやコミケなど発表の場はいくらでもあるのだから、今だったら先達によくあるような死後にようやく評価されるという悲惨から免れることができます。

  

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1227-28日(月-火)鉄パイプで殴られた元民青のHP

 家族全員が寝てくれてオレは不眠なのでポカッとあいた時間ができ、ひさしぶりにネットをうろつきました。『暴力学生』でググったら面白いページが出てきました。全共闘運動退潮期の1975年ごろに京都大学で民青だった人の全共闘批判ページです。
 民青というのは民主青年同盟の略で、まぁ共産党の青年組織です。全共闘運動の激しかったころは、この民青の評判が悪かった。バリケードストとか面白いことをしようとすると、秩序派として民青が先頭に立って妨害する。それで、内ゲバになるわけです。内ゲバというと中核派と革マル派の戦争が有名ですが、もともと新左翼と共産党によるゲバが元祖なんですね。全共闘運動で一番有名なのは東大闘争だと思いますが、これは要するに過激派の連合組織である東大全共闘と民青の内ゲバが闘争の中心でした。時計台を占拠する全共闘を機動隊が包囲して…、という有名なシーンは最後の花火みたいなものです。
 
70年代は左翼が伸びた時代だと知られていますが、実は一番勢力を伸ばしたのは、街頭で激しい闘争を展開した新左翼セクトではなく、共産党なんですね。うまく社会党を丸めこんで手を組み、東京都や京都府をはじめ各地に革新自治体を生み出しました。70年代後半には、共産党を中核とする民主連合政権の樹立なんてことが真面目に語られていたんですよ。今ではちょっと信じられないようなことです。
 
1975年ごろには、東京の全共闘やら新左翼やらは崩壊していました。ところがこの人が在籍した京都大学では、まだまだ全共闘の勢力が強かったんですね。80年代に同志社大学に在籍した佐藤優が『私のマルクス』で書いているように、関西では赤ヘルメットのブント系新左翼が根強く生き残っていたようです。新左翼セクトで最も有名な赤軍派も、元々は共産主義者同盟(ブント)の関西派と呼ばれた人たちでした。どうも関西の風土と過激派は水が合うようです。
 この民青さんが京都大学に入学した当時も赤ヘルが学内を牛耳っていたようです。民青さんは、赤ヘルと全共闘を混同して書いていますが、おそらく四分五裂したブント系の独立社学同や赤軍派の残党、それにノンセクトラジカルの混成部隊だったのでしょう。日本赤軍のメンバーの回想記を読むと、アラブに取り残されたかたちになった日本赤軍を国内から支援していたのは赤軍派の残党だとオレは思っていましたがそうではなく、京都パルチザン
(京大パルチザン)と呼ばれるノンセクトグループが支援の中心でした。そういう人たちが『銃撃戦万歳!』とかいう立て看を学内に公然と立てたりしていました。当時の京都大学は、最も危険な過激派の巣といってもよかったでしょう。
 そんな超のつく過激派学生が、民主主義がどうだとかいう秩序派の民青を目の敵にするのは当然です。入学早々に民青が赤ヘルに鉄パイプでぶん殴られているのを目撃してしまい、『暴力反対』という左翼にしては若干アレな動機で民青に加盟し、全共闘反対運動をはじめます。いつもオレは過激派側からのものばかり読んでいたので、民青からみた全共闘
(赤ヘルノンセクトラジカル)の姿が新鮮でした。
 正門は赤ヘルに制圧されているので、ホーチミンルートと称する裏道から学内に潜入し『暴力反対』とかそんなたぐいの民青のビラを配布して回ります。そこを過激派にみつかると鉄パイプでぶん殴られる。仲間が捕まると救出部隊を組織して赤ヘルのアジトに突入するとかね。
 書いている人には申し訳ないけど、なんか面白そうだなと思ってしまった。のちの革マル派による早大支配や中核の法政支配のような陰湿さがあんまり感じられないんだよな。
 民青さんは全共闘批判として、彼らが書いた文章をやり玉に挙げています。しかしこれが実に面白いんですよ。これを読んでもらいたくて、ここまでこの文を書いたようなものです。まあ、読んで下さい。

―ある自由の女神の独白―

教養部は大学の下半身ね。
陽の当たらぬ場所、ゲットー、
むさくるしい恥部ね。
でも同時にだからこそ、
愛と創生の局所。
それを覆いかくしているバリケードは
だからまさにパンティ。
むりやりに、暴力で取り除かれるのは
スカタないけどさ、
自分で脱げって仰言るの、奥田センセ
アライヤダ、エッチ
でも暑くなって来たら、
風通しのいいノーパンティにしようかな。
それは、だアれにも言えない、
わたしのヒミツ。フフフ。

みなさんは、この「詩」を読んで、どう感じただろうか。
村上氏の引用文中にあるのと同じ「下劣」という言葉が、私の脳裏にうかんだ。

 − 略 −

 いや、オレは面白いと思ったぞ。共産党的・PTA的な偽善を蹴っ飛ばした七〇年代特有の過剰な露悪に満ちた傑作ではないか。薄汚くてジメジメッとしたところがまた何ともいえない。七〇年代のアングラカルチャーから現代のサブカルチャーにつながる実に面白い文章だと思う。

 この「詩」は実は、できの悪い学生が書いたものではない。一九六九年当時、京都大学助教授だった、いいかげん大人である、小針?宏(こはりあきひろ氏が書いたものである。全共闘=過激派系の京大新聞六九年四月七日号に掲載された「学問とは何かーハレンチな真実の叫び」と題する記事の一節なのである。
 みなさん、驚かないか?

 − 略 −

 この詩の後にはこんな文章が続く。
「新入生諸君、大学という所が、少しわかりましたか。こういうハレンチでフマジメなことを、ニコリともせずに、大まじめな顔で、ときには奥田総長のようにトボケタ顔でやる所なのです。ぼくの知っているかぎりでは、闘争が始まり、時計台が占拠され、バリケードができて来ると、どの先生も口では「困った、困った」と言いながら、まるで洪水を見物する子供のように、いきいきとはしゃいで、張り切ってかけずり回っておられる。
 マジメ人間だと思っていた同僚のひとりもある時、ポツリとつぶやいた。
「あのいまわしく、退くつな、正常の状態に戻ることを思うと、ウンザリするな」
 これにはさすがのぼくも驚いた。」
 最後に、さらにひどい過激派の一文を紹介しよう。「文学部闘争委員会」発行討議資料(年秋)には、次の記載がある。
「学友諸君! 秋は発情の季節である。数千年の階級支配への民衆の怨念と憎悪は発情し、二十世紀の妖怪は、ゴジラに復活する。
 四畳半のセンズリは想像力を解き放ち、やさしくも雄々しいゴリラの赤チンポは全世界をかけめぐるのだ。深紅の暴力戦線のお花畑をかいまみるー九七一年秋」。

 発情の季節は春ではないかというギモンはさておき、これは素晴らしい文章だろう。こんな文を書いたら除名されちゃうから、共産党員にはわかんないのかな。「胎児よ胎児よ何故躍る 母親の 心がわかっておそろしいのか」という『ドグラ・マグラ』の巻頭歌に匹敵する名文だと思うぞ。こんな文が自在に書けたら、オレは物書きになっているよ。四畳半のセンズリは想像力を解き放ちという貧乏学生らしい部分も素晴らしいが、やさしくも雄々しいゴリラの赤チンポは全世界をかけめぐるのだ。深紅の暴力戦線のお花畑をかいまみるー九七一年秋なんてところは、鉄パイプと火炎ビンを振り回しすぎて少しアタマがおかしくなった暴力学生じゃなければちょっと書けないぜ。インテリのくせに暴力的というところが面白いんだな。
 暴力は人間を腐敗させるというけど、バカな暴力は人間を面白くさせるようだ。オレは面白い人間が好きなので、民青さんには申し訳ないけど、やはり全共闘はエライという結論に達してしまいました。

 希土さんのHP 京大全共闘(京都大学全学共闘会議)全共闘一般と京大全共闘の解説
 
http://antiwar1021.blog54.fc2.com/

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1229日(水)ムスメに『イカ娘』がバカウケ / ARIA The ANIMATION』は素晴らしい

 子供にテレビをみせてもよいことはないというのが教育論の主流ですが、そうはいってもずっと子供の相手をしていることもできません。いいかげん疲れてしまうので、みんなでテレビをみることにしました。赤ちゃんはオッパイを与えてスリングに入れておけば、ずっと眠っているので問題なし。問題はムスメです。オレは『鬼平犯科帖』をみたいのに、つまらないと大騒ぎしてまともにみることができません。必然的にアニメになります。
『こばと。』は、おとなしくみてくれた。『カードキャプターさくら』はとても好きみたいだけど、エリオルくんが登場する後半のさくらカード編は、さくらちゃんが痛めつけられるので、みるのをいやがる。
 以前から気になっていた『
ARIA The ANIMATION』を二巻までみました。原作のマンガは大好きで全巻もっています。アニメも評判がよかったのだけど、マンガのイメージを崩すのが嫌であえてみていませんでした。オレは、マンガを読む際にアタマの中でキャラクターの声をイメージしています。出来のよいアニメ版をみると、そのイメージ声がアニメ声優の声に入れかわってしまう。典型がKanonの月宮あゆです。自分なりに月宮あゆの声をイメージしていたのに、今では堀江結衣のあゆ声以外は考えられません。うぐぅ。
ARIA The ANIMATION』は、DVD一巻に二話ずつしか入っていない。しみったれてんなあ。でも、内容はよかったですよ。特に原作と異なるオリジナル回がよい。二巻に収録されていた四話なんて、オリジナルの話しなのに、思わずウルウルしてしまった。まったり癒し系で質の高い良作をみたい人に『ARIA The ANIMATION』は特におすすめです。
 しかし、子供にはぜんぜん受けなかった。つまんなーい
!を連発です。静かにしろー。いってもきかないので、『ARIA』をみるのを二巻で断念し録画しておいた『侵略!イカ娘』をみせてみました。いや、バカウケでしたねえ。こーゆーのが好きなのか…。
 深夜アニメの
CMになると、なぜか「えろい!」と叫んで両手で顔を隠します。たかが深夜アニメがそんなにエロいかなあ〜。なんでエロいのはダメなのかときいてみたら、「えろいのは、キタナイ」んだそうな。

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1230日(木)娘を医者につれていく / コミケの準備

 ここのところムスメが鼻水を垂らしセキをしているので、小児科につれていきました。正月のためしばらく病院が休みになるので大混雑です。赤ちゃんを病院の中に入れて病気が感染したら大変なので、オレは赤ちゃんを抱っこしてクルマで待機していました。一時間もクルマの中で赤ちゃんをあやしてすごすのは、つらいものがあります。…くたびれてしまった。ムスメの容態はたいしたことなさそうで、セキどめなどを処方されました。帰りにスーパーによって正月用のミカンや食品を購入して帰宅。

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1231日(金)コミケにいく

 朝五時に起きてコミケに出陣です。途中で友人を拾い七時半にコミケ駐車場に到着しました。在庫を中心に出品物を並べ朝飯の持ち帰り牛丼を食い終わるともう九時です。時間のたつのが早いなあ。会場直後は、皆さん行列のできるサークルに並ぶので暇です。友人に売り子をたのんで企業ブースに行ってきました。School Daysの言葉さまが日本文学のエロなシーンを朗読してくれるという『朗読CD School Days 朗読少女・桂言葉 日本文学×妄想編』を購入しました。狙っていたんだよね。

 

 ほぼ一年ぶりに共産趣味者の大御所・葉寺覚明さんと話しができたのがよかった。そのうえ警察が発行した『回想 極左暴力集団編』という超貴重本を貸していただいた。『回想』の五〇年代日共暴力革命編だったらけっこうみかけるんだけど、極左暴力集団編というのがでているとは知らなかった。さすが葉寺さんは偉い。
 ありがたいことに、持ちこんだものはだいたい売れました。わざわざ遊撃隊にきて下さった皆さん、ありがとうございました。もう少し粘ればまだ何冊か売れそうでしたが、三時二〇分に撤収しました。大晦日は一年で最も忙しい日です。この日にコミケは、カンベンしてもらいたい。
 高速道路を使って帰宅しました。帰宅しひと息ついてから家族一同をクルマに乗せ、オレの父宅にいきます。継母が死んでしまったので、ひとりで大晦日をすごすのはかわいそうです。それに出産祝いを二〇万ももらっちゃったしね。みんなで紅白をみつつ持ちこんだおせち料理や鮨なんかを食べました。行ったり来たり、本当に一年で一番忙しい日ですよ。さいわい大晦日の夜中なので、帰りはえらく道がすいていました。

 帰宅後パソコンを開くと、コミケで遊撃隊をみかけた自衛官が「通報した」とかツイッターでつぶやいていたというメールをもらいました。へえ、おかしな自衛官だな。「通報した」といったって何をどこに通報したのだろう? 違法とされるものは売っていないから(売りたいけど)、ケーサツは相手にしてくれないよなあ。自衛隊に通報したのかな? 正月から自衛隊もご苦労なことだ。売り子が立っているんだから文句があるなら直接いえばいいのに。暴力の専門家の自衛官なんだから、殴りかかってくるという方法もある。いや、突然わけのわからないやつに殴り倒されたらかなわないか…。
 よく2ちゃんねるで「通報しました」なんて書きこみをみかけるけど、小学生の「先生にいいつけてやる」というのと精神年齢が変わらないよな。何か気に入らないことがあると自分より強いものにすがろうとする幼児性の表れなのだろう。このおかしな自衛官も、きっと子供時代は『チクリ虫』とかいうあだ名がついていたんだぜ。

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