遊撃インターネット狂人雑記57

北のりゆき=死売狂生=行方未知

 遊撃インターネット雑記 遊撃インターネットTOP

 ご意見等は掲示板へ
 
http://webkit.dti.ne.jp/bbs1/yuugeki/yuugeki/

2010

315日(月)よつばとひめくりカレンダー2010が届く

 毎年購入している『よつばとひめくりカレンダー』が届きました。毎年最初の一ヶ月くらいはまじめにひめくりしているんだけど、いつの間にかめくらなくなってしまい、ただのメモ帳になってしまう。二年前の『よつばとひめくりカレンダー』が、まだメモ帳として手元にあるからね〜。
 米川正夫訳の『悪霊』を読みたくなり、ヤフオクで落札しました。カバーがない時代のかっこいい岩波文庫で全四巻。送料を入れて七百円くらいで買えました。いい買い物ができて気分がよい。

 

 雑記TOP  遊撃インターネットTOP

316日(火)『未成年』下巻(ドストエフスキー)読了
 ドストエフスキー『未成年』を読了しました。やっと終わってくれたか〜、というのが正直なところです。
 ドストエフスキーの五大長編といえば『罪と罰』『白痴』『悪霊』『未成年』『カラマーゾフの兄弟』を指します。でも、なかには『未成年』を抜いて四大長編という人もいるらしい。それも当然と思えます。他の四作品とくらべると『未成年』はあまりにもとりとめがなく、なにが書きたいのかわからない。たとえば『白痴』も同じように長くて読みにくい作品でした。精神病を治療してロシアに戻った不能の貧乏公爵が、なぜか二人の美女にもてて右往左往するという話しです。しかし『白痴』には、「完全に美しい人間を描くと」いうテーマがありました。ドストエフスキーのいう「完全に美しい人間」とは、自分が助けられるかどうかにかかわらず、悲惨な状態の人を心から同情できる人間を指すらしい。そしてそんな「完全に美しい人間」は、白痴になるほかないという超シビアな結論で終わります。それだけでも千ページを超える作品を読んだかいがあったと思わせるものがありました。しかし『未成年』は、なにがいいたいんだかわかんないんだよね〜。オレの読解力がたりないのかもしれないけど、オレでもわかるように書いてくれなきゃ困るじゃないか。
 最近人気の佐藤優が解説を書いていました。さすがに内容についてはあまり触れず、書かれた時代の社会情勢やらロシアに駐在していた時分に『未成年』の主人公みたいなヤツと友だちだったというようなことを書いていましたね。
 ドストエフスキーともあろうものが、なんでこんな駄作を書いたのかちょっと調べてみました。『罪と罰』『白痴』『悪霊』の三作品は、借金とりに追われて外国に逃げた地獄のような状態で書かれた作品なんですね。『カラマーゾフの兄弟』は、死の直前に書かれた作品。家庭円満で経済的にも余裕ができた時期に書かれたのが『未成年』です。どうやら作家は、幸福だといいものが書けないらしい。

 雑記TOP  遊撃インターネットTOP

317日(水)謎とき『罪と罰』(江川卓)を読む

『罪と罰』の訳者の中で一番気に入っている江川卓が書いた『謎とき『罪と罰』』を読みました。この本を読むのも三度目です。
 前にも書きましたが『罪と罰』は、いろいろな読みかたができる小説です。ということは、いろいろな訳しかたができるということで、江川卓の翻訳は、哲学を少なく生活を多くという方針だったらしい。だからオレの気に入ったのかな。
『謎とき『罪と罰』』では、通常では訳しきれないロシア語のニュアンスや宗教的背景などについて詳しく解説しています。『罪と罰』が好きな人でしたら読まないと損だと思いますね。
『罪と罰』の日本語訳は十一種類でているらしい。中断した日本初の内田魯庵の英語からの重訳を入れると十二種類です。オレは、中村白葉・米川正夫・工藤精一郎・亀山郁夫・江川卓の五種類を読んでいて、このあいだヤフオクで池田健太郎訳をゲットしました。なんとか全種類コンプして完読しようと思っています。それぞれ対照しながら読むと誤訳をみつけられて面白いのだ。
 一番面白かったのが「十八露里先に行く」という表現です。これはペテルブルグから十八露里離れたところに有名な精神病院があったことから「気が狂う」という意味の俗語なんですね。ところがロシア語の大家といわれている大学教授がバカ正直に「十八露里先に行く」と訳していたり、「遠くへ行く」と訳しているのがいたり…。いろいろな楽しみ方があるものですよ。

  

 雑記TOP  遊撃インターネットTOP

318日(木)『ヒレフシ』一巻(本田透)を読む

『電波男』の本田透が原作を書いた『ヒレフシ』一巻を読みました。百億円かけて勝手に美形に整形された元キモメンオタクが無理やり世界征服させられるというマンガです。アイディアはいいんだけどいまいち面白くなかったな。絵が下手だからかなあ。

 HD録画機が勝手に録画していた『ハイビジョン特集 エジプト発掘』を1から4までみました。1がピラミット建設の謎、2が王家の谷で発見されたツタンカーメンの妻らしい人物の発掘ドキュメント、3は発掘されたクレオパトラの妹の人骨からクレオパトラの顔を再現、4は古代エジプトの海洋船を再現して航海。一話一時間半なので六時間みっぱなしです…。古代エジプト好きなので面白かったけど、ハイビジョン特集は、編集がゆるいように感じた。一時間で余裕だろう。

 雑記TOP  遊撃インターネットTOP

319日(金)『暴れん坊少納言』六巻(かかし朝浩)を読む

 清少納言が主人公のマンガ『暴れん坊少納言』六巻を読みました。本物の清少納言はイヤ〜な女だったと思うけど、このマンガの少納言はツンデレつり目でかわいいねえ。六巻では、若干ヤンだ赤染衛門が登場。漫画家もいろいろ考えるなあ。

 HD録画機が勝手に録画していた『剱岳測量物語 点の記』をみました。剣岳の山頂で発見された剣や仏具をはじめてみた。興味深い。

 

 雑記TOP  遊撃インターネットTOP

320日(土)細君の親戚食事会

 毎年細君の親戚が食事会を開きます。今年は京王プラザのレストランです。鬱で一歩も家を出たくなかったんだけど、高価な食事につられて行ってきました。パトロンのおばあさんに挨拶して、後はひたすら隅のほうでなにか食べていました。
 姪のアイドル系美少女小学二年生とちょっと話しをしましたが、最近の子供はしっかりしている。「ずいぶんしっかりしているね」といったら「ありがとうございます」と返されてしまった。「プリキュアみてるの
?」ときいたら「興味ないです」と返してくるし…。
 でもアイドル系美少女小学二年生がうちの子供と遊んでくれたので、ゆっくり高級料理と酒をいただくことができたのでした。

 雑記TOP  遊撃インターネットTOP

321日(日)新約聖書 福音書(塚本虎二)を読む

 ドストエフスキーを読んで西洋文学の理解にはギリシア・ローマ神話と聖書の知識が不可欠だと改めて痛感し、読みました。『聖書物語』のたぐいの俗書は読んだことありますが、ちゃんと聖書に取りくんだことはなかったのです。本来は、新共同訳でも読むべきなんだろうけど、あんまり宗教臭いのはウザイので岩波文庫の個人訳を読むことにしました。でも、後書きを読んだらやっぱり神がかっていた…。こんな調子です。

 かかるうちに神の準備は成った。昭和四年に身辺に起こった異変は、あらゆる口実を持って逃げようとする私をとうとうこの仕事に追い込んだ。

 どうやら太平洋戦争をはさんで二十年以上かけた執念の翻訳らしい。
 この本には、成立した年代順にマルコ・マタイ・ルカ・ヨハネの四福音書が収録されています。新約聖書には、事実上キリスト教を成立させたパウロの手紙が収められているのだが、この本には収録されていない。オレが興味があるのはイエスの言行録だから、かえって都合がよい。
 年代順に福音書を追っていくと、後にいくにしたがってだんだん話しが大きくなっていくのがわかって興味深い。イエスの奇跡というものは、病気治しがほとんどです。不思議な治癒能力を持った人というのは、まれにあらわれるようで日本でも大本教の出口なおなどがさかんに病気治しをしています。それなりに多くみられる現象なので、そんなにすごい奇跡というわけでもないように思える。
 イエスの奇跡で他の宗教にみられないものは、ラザロの蘇生とイエスの復活でしょう。ところがマルコ・マタイ・ルカの三福音書では、イエスの呼びかけで死人が四日後に生き返ったというラザロの蘇生は記されていないんですよね。イエス死後百年以上後に成立したとされるヨハネ福音書にのみ書かれています。オレのような不信仰者は、後からつくっただろ〜、とか考えてしまう。
 有名な十字架にかけられたイエスの復活も、なんだかあやしいんだよね。最初に成立したマルコ福音書では、墓から死体が無くなっていただけで、その後の復活したイエスがあらわれるくだりは後から書き足されたものとされているらしい。マタイとルカ福音書でも、イエスの処刑までは非常な迫真力があるのに、クライマックスのイエス復活の部分は妙にあやふやです。弟子が二人歩いていて気がついたら三人になっていて、よくみたらイエスだったとか…。当時の弟子たちはイエスが復活したと本気で信じたようなんだけど、オレには思いこみによる錯覚に思えてならない。
 釈尊にくらべると、どうもイエスは弟子の質が悪い。イエスが逮捕されると蜘蛛の子を散らすように逃げちゃうし。十二使徒とかいっても、だめなのばかりです。病気治しの宗教にすぎなかった原始キリスト教の限界だろうか。現代につながるキリスト教の基礎をつくったのは、やはりパウロなんだなと感じました。それじゃあパウロの手紙も読まないとだめか…。

 

 雑記TOP  遊撃インターネットTOP

322日(月)ゲーム『Cross Days』をプレイ

 傑作狂気アニメ『School Days』の続編ゲーム『Cross Days』が発売されました。このソフトは、根性が悪くてネットでアクチ認証というのをしないと遊べないらしい。一度アクチ認証をすると他のパソコンでは動作しなくなるみたいなので、いらなくなっても中古でたたき売ることができない。なかなかふざけた話しです。
 しかし、アングラネット界の猛者はそんなことをものともしません。アクチ認証回避なるパッチが
shwyで出回っています。こいつをあてるとアクチ認証しなくても動作するんですねー。こういうのをつくる人ってどんな人なんだろう カネが儲かるわけでもないのに…。そこに山があったら登らずにはいられないタイプの人なんだろうか。
 最近
sh氏やwy氏とは若干疎遠になっています。かわりにperfect dark(パーフェクトダーク・PD)さんとお友達になりました。PD氏の素晴らしいところは、アップファイルに評価欄があり、評価をみてウイルス入りやニセモノをはじくことができる点です。ものすごくつきあいやすい好人物です。

 さて『Cross Days』ですが、つまんねえよー。アニメゲームなので、ものすごく時間がかかる。オレは、字を読むのは早いほうです。従来の紙芝居方式なら五分ですむシーンを三十分以上かけて陳腐なアニメでみせられても苦痛なだけで面白くもおかしくもない。エロシーンに達する前に挫折しそうだ。出てくるキャラクターも小生意気な野郎か性格の悪い女ばかりでどーしょーもない。もっと言葉様をだせ! 
 こんなシロモノに一万円以上出して中古でたたき売ることもできない人は、お気の毒というほかない。このメーカーは、どうせオタクだとか思って客をバカにしているのではないか。

ダウンロードページhttp://www21.atwiki.jp/botubotubotubotu/pages/28.html

 雑記TOP  遊撃インターネットTOP

323日(火)『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』がダメだった…

 216日の雑記で期待していたアニメ『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』が終わりました。ダメだこれは…。脚本を書いたやつは、業界から出てってくれ。
 最後のほうはこんな感じです。パトロールで敵兵の行き倒れを発見。エセヒューマニズムを発揮した隊長は、本部に報告せず捕虜を砦にかくまうことに。戦争になりそうだというので味方の軍隊がやってくると、反乱を起こして上官を人質にとり、睨み合っている両軍の間に戦争をとめるために割ってはいる。…ナウシカですか
? で、なぜかお姫サマになった元同僚がかけつけてきて、その場をおさめてくれてメデタシ、メデタシ。
 これ書いたヤツ才能ねーなあ。アニメ業界から出てってくれ。
 こんなあまっちょろい軍隊があってたまるか。軍隊ってのは国家権力の暴力装置で最もシビアな官僚機構です。規律と訓練で人間を殺し合いできるようにさせるのが軍隊だ。たとえ「死ね」という命令でも絶対服従するのが軍人だろうが。砦の乙女たちは全員反逆罪で銃殺刑だ。などとつっこみながらみていました。
 
2ちゃんねるに非常に優れた解説が載っていたので転載させてもらいます。

 1分で分かる「ソラノヲト」ダイジェスト
スイスにあるスペインの街で住人はフランス語で話し通貨は日本円で
お盆には精霊流しをして教会では巫女シスターが神道を説く
そんな世界でドイツ軍の装備をした日本人の少女が軍の砦に駐留し
密造酒作りで収入を得ながらロストテクノロジーの戦車を修理をしつつ
ときに尿意をこらえながら電話番をする任務についています
また中央のマフィアが様子を見に来たので猿芝居を打って追い返したり
自衛官の幽霊と会話したりする日常を過ごしています
そんな折、アメリカ軍の装備でドイツ語を話すインド系ローマ人の斥候を発見
怪我してたので保護したら暴れたのでおっぱいを揉んでおとなしくさせました
そしたら軍のお偉いさんがやってきて砦を徴集すると言い出したので銃で脅して拘束
ローマ軍との戦闘が始まりそうになったのでロストテクノロジーの戦車を出撃させて戦場の真っ只中に躍り出てラッパを吹いたら戦争を回避できました
めでたしめでたし

 おっと。これを読んだら、なんだかすごく面白い作品のような気がしてきたぞ…。

 雑記TOP  遊撃インターネットTOP

324日(水)コジキにカネをめぐむ

 オレはキチガイなので精神病院へ行ってきました。あまりのダルさによろめきながら精神病院にむかっていると、向こうからやってきた薄汚い身なりのバアさんが、なにやらモソモソ話しかけてきます。道でもたずねられたのかと思って相手をすると、「お米を買うおカネがないの。三百円だけちょーだい」だってさ。
 財布を探ると小銭がいくらかあったので、「これしかないや。ゴメンね」といって全部くれてやったのでした。
 
キチガイにカネをねだるコジキ…。下には下があるものです。もう少し人を見る目を養ってコジキする相手を選んでもらいたい。

 雑記TOP  遊撃インターネットTOP

325日(木)ソースネクストBs動画レコーダーは使えない

 ニコニコ動画で腹を抱えて笑えるほど面白い動画を発見し、これは保存しなければなるまいと考えてソースネクストの『Bs 動画レコーダー』をダウンロード購入しました。モニターにうつっている動画をそのまま録画できるというなかなか画期的な商品です。定価は三千五百円くらいなのに特別サービスとかで九百八十円でした。これはいい買い物をしたと喜んでいたのですが…、全然つかえない。録画すると動画と音声がずれやがるの。パソコン性能に不足はないので、これはソフトのせいでしょう。ネットで検索したところ、同じような苦情を多数発見しました。なんとかいうソフトを使って動画と音声を合わせる作業をすればどうにかなるらしいんだけど、そんな面倒くさいことやってらんないよー。ソースネクストだからサポートもダメだしなあ。どんだ銭失いでした。

 さて、ニコニコ動画の腹を抱えて笑えるほど面白い動画というのは、『二人のアメリカ人にあのアニメを見せてみた』というものです。善良で非常に洞察力のあるアメリカ人二人が、傑作狂気アニメ『School Days』をみながらワイワイ話しをするというもの。これがたまらないくらい面白い。特に10話と11話、12話は、面白すぎて十回くらいみてしまった。二人のアメリカ人も最初はゲラゲラ笑いながら冷静にみているんだけど、後半にいくとだんだん壊れてきて11話と12話では発狂寸前。クリスマスの街で誠と言葉が出会ってしまうシーンでは、トホホ状態で「俺このアニメ嫌い。俺の全細胞で嫌う」ともう泣き笑いしています。最後のほうでは「ノーッ! ノーッ! ノーッ! ワアァァァァァァァ! ジーザスクライシース! オーマィゴー!」。
 翻訳も2ちゃん用語と関西弁を組み合わせた天才的に神がかっているもので、読んでいるだけでおかしくてたまらない。
 動画を入れると削除されてしまうらしいので音声のみなんだけど、ウインドウを二つ開いて一方を『
School Days』の動画にすれば問題なし。これはみないとなにか損していると思う。おすすめですよー。 

 二人のアメリカ人にあのアニメを見せてみた(ニコニコ動画)
 http://www.nicovideo.jp/search/%E4%BA%8C%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E4%BA%BA

 雑記TOP  遊撃インターネットTOP

326日(金)子供に羞恥心が芽ばえてきた

 子供がトイレするときドアを開けてそばにいてやらないと泣いてしまいます。最近シッコやウンチの時に、上着を前に引っぱって出てくるところがみえないようにするようになりました。
「なんでかくすの
?」ときいてみたところ、「はずかしいから」という画期的な返事が! 三歳数ヶ月にして、ついに羞恥心が芽ばえてきたようだ。
 子供は、言葉や羞恥心を学習するというよりも、言葉を憶えたり羞恥心を感じる脳が時期を追ってつくられていき、脳の成長とともにそういう知識なり感情なりを獲得しているように思えます。
 トイレの後でおしり丸出しのまま放置していると、「パンツ、パンツ」というようにもなりました。「なんでパンツいるの
?」ときいてみたら、「パンツないとおさるさんとおなじだから」との答えです。自尊心のようなものも生じつつあるようだ。

 雑記TOP  遊撃インターネットTOP

327日(土)アニメ『true tearsBlu-ray BOXが届く

 先日注文したアニメ『true tearsBlu-ray BOXが届きました。傑作狂気アニメ『School Days』のマトモ版みたいな作品です。
 細君といっしょにみていたんだけど、細君は乃絵派でオレは比呂美派でしたね。「乃絵ってなにするかわかんないじゃん」というと、「乃絵はカワイイ。比呂美は優等生ぶっててキライ」と返してくる。安心なアニメだから今度家族でみようと思います。

 

true tears』についてくわしくはこちらを参照のこと。
 
http://blog.livedoor.jp/insidears/archives/52064888.html

 雑記TOP  遊撃インターネットTOP

328日(日)狂気のデイトレードじいさん

 先月亡くなった継母の四十九日に行ってきました。寺でお経をあげたり卒塔婆をたててから実家へいき、一家で飛行機で上京してきた弟といっしょに遺品整理をしました。整理といっても金目のものを除いて服や雑貨を捨てまくりです。三時間でゴミ袋十五杯くらいになった。オレの住んでいるところは、なぜかゴミの分別がゆるいので自動車にゴミ袋を積みこんで持ち帰ることにしました。しかし、とても全部は持ちきれずゴミ袋七杯だけつめて、残りは今度引き取りにいくことになったのでした。

 継母の遺した九百万円をじいさんがどうしたのか調べたところ、なんと全額株屋につっこんでデイトレードにふけっていることが判明しました。じいさんは、百万円儲けたとか大得意でしたが、これにはオレも弟もあきれ返って開いた口がふさがらなかった。八十歳のジジイが死んだ女房が遺した命金でデイトレード…。バカというのも愚かしい。
 一ヶ月ちょっとで百万円儲けたということは、相当リスクの高い取引をしているということです。ボケかかったジジイがこんなことを続けていたら、数年を待たずしてスッカラカンになるのは目に見えている。弟と二人でなん時間も口をすっぱくしてそんな危ないことはやめろと止めたんだけど、まったくきかないんだよね。バカは死ななきゃなおらない見本だ。
 しまいにはじいさんは、オレのフトコロをあてにするなとか、自分が死んだ後のことなど知ったことかとかぬかしやがる。ジジイのフトコロなんぞあてにしてないけど、マイナスになってオレが穴埋めするハメになったらどうするんだ。継母が死んでセンチな気分になってしまい自分の父親がこういう人物だということを忘れていた。弟と遺産を百万円ずつもらって喜んでいたけど、法的には配偶者が半分で残りを子供たちが分配なので、二五〇万くらいずつ受け取る権利がありました。できるだけじいさんからカネを取りあげて手元に置いておくべきだった。バカなことをした。もうオレに迷惑をかける前に一日も早く死んでくれることを祈るばかりです。
 アハ
八八ノヽノヽノヽノ / / \・・・・・・。鬱だ…。

 雑記TOP  遊撃インターネットTOP

329日(月)『キラ☆キラ』鹿子抱き枕購入に敗北

 大好きなエロゲー『キラ☆キラ』の主人公・前島鹿之助こと鹿子さんの抱き枕をヤフオクで発見しました。限定版なのにうっかり見過ごして手に入れ損なっていたんだよね。ほっ、欲しい。

 

 この人、男の子ですよ↑。為念。いや、でもこのくらい可愛かったら、珍珍あってもかまわないよなあ。ちなみに裏はこんなのです↓。ひっくり返さなければいいのだ。そうだ、そうなんだ。

 

 定価八千円だからね〜。考えたすえ一万三千円で指しました。で、翌日起きてから確認したら、二万五百円で他の人に落札されてしまっていた。くそ〜。全然届かないでやんの。欲しかったのにい…。
 オレの抱き枕に眉をひそめ「迷惑料をとる」とかいっていた細君は、落札できなくて喜んでいやがった。マッチョのほうの絵に抱きつかせてやるといってやったら、「いやだ。キモチ悪い」だってさ。

 

 雑記TOP  遊撃インターネットTOP

 330日(火)『罪と罰』池田健太郎訳を読了

 もう二十回くらいは読んでいる『罪と罰』ですが、池田健太郎訳の中央公論社版が手に入ったので改めて読みました。『罪と罰』は、人類の知的遺産シリーズに収録されるほどの名作だし評論だけで本箱がひとつ埋まるほどなので当然ですが、何回読んでも読むたびに新しい解釈や発見、感動があります。
 池田健太郎訳には、岩波文庫の江川卓訳の強い影響を感じました。江川卓訳のデコボコした部分を平坦にした感じでしょうか。江川卓訳のほうが面白いけど、訳として正確なのは池田健太郎訳なんだろうなあと思います。
 今回は特にドストエフスキーの悪夢の描きかたのうまさを堪能しました。馬殺しの夢、俯いて座っている笑い婆さんを斧で殴りまくる夢、五歳の少女娼婦の夢など。こんなの書ける作家は、他にいないよなぁ。

 ちょっと対人恐怖症なので、掲示板に書きこみをしていただいても、たいていレスをしません。どうもすいません。しかし最近の

>うつ状態のときに、「悪霊」「カラマゾフの兄弟」「死霊」を読んだというのは俺と同じだ。

 という書きこみに、考えさせられました。やはり、鬱はドストエフスキー好きなのだろうか? なぜだろう? 思い当たるのはドスト氏の小説に登場する、キチガイ・白痴・カタワ・変質者・児童虐待・自殺率の高さです。そこらへんが鬱の人を引きよせるのではなかろか。
 五大長編の主要登場人物を例にとると、『罪と罰』では、主人公のラスコーリニコフが躁鬱病(鬱躁病
?)で、躁の時に殺人。ラスコーリニコフに殺されるリザベータは白痴。聖なる娼婦ソーニャは宗教的狂人(「神がかりだ! 神がかりの女だ!」「こっちまで神がかりになりそうだ! 伝染的だぞ!」)。ソーニャの父親はアル中。ソーニャの継母は発狂して死亡。ラスコーリニコフの母も発狂して死亡。スビドリガイロフは、十四歳のオシでつんぼの少女をレイプして自殺させる。最後は拳銃自殺。
『白痴』では、主人公のムイシュキン公爵は、精神病の治療をしてロシアに帰国するけど、騒動の末に想い人が殺されてまた白痴に戻ってしまう。
『悪霊』では、主人公のスタヴローキンは境界性人格障害。親戚の県知事の耳にかみついたり十二歳の少女を面白半分でレイプして自殺に追いやるなど意味もなく悪いことをしまくったあげくグロテスクなまでに冷静に首つり自殺。革命家ピョートルも境界性人格障害。病的な嘘つきで同志殺しをして外国に高飛び。キリーロフは、鬱病で奇怪な人神思想にとりつかれて拳銃自殺。ヒロイン
?のマリアは白痴でびっこ。マリアの兄はアル中のDV。 
『未成年』の主人公アルカージイは、私生児であることから強烈なコンプレックスを持っているけど、アタマがおかしいというわけではない。だからこの作品は面白くないのだろうか
?
『カラマーゾフの兄弟』では、ニヒリストの次男イワンが発狂しておそらく死亡。庶子のスメルジャコフは、動物虐待のサディストでてんかん。父親を殺して首つり自殺。その母親は白痴の浮浪者。父カラマーゾフのフョードルは、その白痴乞食女をレイプしてはらませた変質者。主人公アリョーシャの婚約者リーザは、車椅子で破滅型のマゾヒスト…。まだまだいるけど、このくらいにしておきましょう。
 ドストエフスキーと同時期の文豪トルストイの作品は、『戦争と平和』しか読んだことがないけど、あれだけ登場人物の多い小説なのにキチガイや変質者は出てこないよね。

 夢といえば、先日奇怪な夢をみました。他人の夢の話しなんて退屈かもしれませんが、よかったら読んでください。
 名前も思い出せない高校時代の友人宅でマンガを読んでいると、突然警官隊が突入してきます。抵抗するけど、わけもわからないまま手錠をかけられ監獄にぶち込まれる。監獄では、看守が囚人に豆まきのようにあめ玉を投げ与えています。バカにするな。だれが受けとるかと思って座っていると、隣の囚人が「やるよ」といってあめ玉をオレのポケットに押しこみます。「いらない」といって返すと、反対側の囚人があめ玉をポケットに押しこみます。そいつにも返すと別の囚人がポケットにあめ玉を…。気がつくと監獄中の囚人がオレにむかってきて、あめ玉をポケットに入れたり手に握らせたりします。「やめろ〜」と抵抗していると、いつの間にか渋谷ハチ公交差点にいる。四方八方から人々が押してせてきてオレの体中をベタベタさわり腕や足をつかんで引き回したりする。「はなせ〜、このやろ〜」と力の限り抵抗するが押しよせる人々の勢いはものすごく、もみくちゃにされます。とうとう人々にかつぎ上げられ、御輿のごとくワッショイワッショイと激しく上下に揺さぶられている。目の前にアルタ前のような巨大画面テレビがあり、そこに志村けんのバカ殿が大写しになった。突然『八時だよ全員集合』の前半終了の音楽が大音響で流れ、チャッチャッチャ
! チャッチャチャチャッチャ! チャッチャカラッチャチャッチャッチャ! という音とともにさらに激しく揺さぶられる。半狂乱になって手足をばたつかせ抵抗するけど、まったく身動きならない。
 と、気がつくと突然誰もいなくなり、薄暗い駐車場みたいなところに一人残されている。疲労困憊しつつもホッとしていると、
やっ! だれかがすぐ後ろにいるじゃないか。そいつは黒タイツで服も黒タイツ、顔も黒タイツのノッペラボーの全身黒タイツ男だ。黒タイツ男がオレの背中にくっつかんばかりにして立っている。なんだこの気色悪いやつは、と振りかえると、まるで接着したようにつるりと背中に回りこむ。なんとかそいつを引きはがそうと体をねじり捕まえようとするが、ウナギのようにするするとよけてオレの背中にいる。どうしても捕まえられない。黒タイツのノッペラボーな顔をオレの耳によせてきた。「おまえだ」とささやく。その声は、直接脳に響き、頭の中で反響する。「おまえだ」「おまえがやったんだ」「おまえのせいだ」「だめだ」「もうおしまいだ」「おまえなんだ」「おまえだった」「ふへへへへへ」。脳内に響く声のあまりの気色悪さに全身総毛立ち、なんとか黒タイツを引きはがそうと、狂ったように体をねじり回転させ駆けまわって腕を振りまわすが、黒タイツは貼りついたまま離れず、なにやら奇怪なことをオレの脳内に吹きこんでいる。げえっ! 気がつくと反対側の耳にも黒タイツがいて脳内にささやきかけているじゃないか。二つのささやき声は反響してがんがん響き、狂乱状態となったオレは、身体の動かせるところをすべて動かして転げ回り叫び声まであげて逃れようとする。だが、黒タイツは両耳にぴったりと貼りつき脳内にささやき続ける。だんだんボリュームが大きくなり頭が割れそうだ。「おまえがおまえがおまえがおまえがおまえがおまえおまおまおまおまおまおま」「だめだだめだだめだめだめだめだだだだだだだだだだだだだだだ」。ぎゃああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ! と、こんどは足もとにも黒タイツが出現。うずくまっている。ゲロを吐きそうになって飛び上がると、黒タイツはスルスルと背中をはい上がってくる。そして後頭部にとりついて奇怪なささやき声を送りこんできた。脳内では三人の黒タイツの声が大音響で重なり合い響き合い反響する。「がががががががががががががががががががががががが!」「ごげげげげげげげげげげげげげげげげげげげげげげげげげげげげ!」「ぎゃーっぎゃっぎゃっぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ!」。もはや立っていることなどかなわない。もんどりうって真後ろにぶっ倒れたところで目が覚めた。

 目が覚めた時、こんな夢をみていたら気が狂ってしまうと思った。いや、気が狂っているからこんな夢をみるのか?
 不眠なのでアメリカでは麻薬指定されている八時間効果が持続する強力な睡眠薬を飲んで寝たのに、この夢のおかげで三時間足らずで目が覚めてしまった。このあと、抗うつ剤のレキソタンとデパスとドグマチールとソラナックスとリーゼと、ついでにバファリンを服用したが、朝方まで眠れなかった。

 雑記TOP  遊撃インターネットTOP

 331日(水)ゲーム『CARNIVAL』(瀬戸口廉也)をプレイ

 大好きなエロゲー『キラ☆キラ』のシナリオライター瀬戸口廉也の旧作『CARNIVAL』をプレイしました。以前オープニングムービーをみた際に、ずいぶんポップな感じでなんだか合いそうもないなあと思って敬遠していました。しかし、オープニング詐欺の鬱ゲーだとかいわれていることを知り、プレイする気になったのです。
 このゲームもドストエフスキーの影響が強いように思えます。またドストかよといわれるかもしれないけど、そういう本やゲームを選んでいるのであって、こじつけているわけではないよ。児童虐待を柱に、罪とはなんなのかをテーマにしているように思えました。文体もドストエフスキーのくねってのたくったような悪文を短くして、ギャグやヘンな面白単語をちりばめたような感じです。総プレイ時間は十時間程度でした。ダラダラせず適度に短いところがかえって良い。
『ジキル博士とハイド氏』以来定番の二重人格ものです。主人公の学は母親による虐待のため乖離性人格障害になってしまいます。ピンチになると粗暴な武に人格変換して、その間のことは憶えていません。
 高校生になった学は、幼なじみのヒロインに横恋慕した先輩に毎日のように屋上に呼びだされ痛めつけられます。そしてある日、レイプされて気絶した幼なじみヒロイン・理紗と首を切り裂かれて死んでいる先輩、カッターを持って血だらけの自分を発見します。その間の記憶はなし。当然警察に捕まるのだけど、護送中の事故で偶然逃走に成功します。そして家族が旅行中の理紗の家に転がりこみます。
 三章立ての構成で一章は、学の一人称です。自己完結的で身体と意識が乖離しているような独特の文体といえばよいでしょうか。乖離性人格障害の人の一人称ですから、無気力で自分を突き放したようなちょっと狂った文章なのです。意識してこういう文章が書けるのは、大変な才能だと思う。
 一章で、ちょっと頭がずれたインテリの学の視点で全体の基礎となる展開をやっていき、ところどころに謎をおりまぜています。学の思考と行動が行き当たりばったりで刹那的で支離滅裂なところが印象深い。
 二章では、ピンチのときにあらわれる粗暴な武の視点で一章の謎を解明していきます。粗暴な第二人格が主人公なので、かなり暴力的で殺伐とした内容です。イジワル女を蹴りまくるシーンでは溜飲が下がったが…。

 

 三章に最も感銘を受けました。メインヒロイン・理紗の視点で主人公の過去と彼女の人生について語ります。ここですべての謎が明らかになります。

 

 学園のアイドルで優等生の理紗は、なぜか脱獄犯の主人公に協力的で、言いなりといってもよいほどです。最初はちょっとアタマが弱いキャラなのかと思ったけど、その謎が明らかになったときには、こっちのアタマが痛くなった…。かなりの鬱展開なので抗うつ剤を飲みつつプレイしたのでした。よくみたらパッケージの理紗に手錠がかけられているしい…。

 

 ここからネタバレなので白い字で書きます。反転させて読んでください。

 理紗は、変質者の父親に性的虐待を受け続け、犯されてきました。そしてそれを容認する母親。三章では、小学生の時期から少しずつ理紗が壊されていく様子がえがかれていきます。一番まともに思えた理紗の人格は、実は崩壊し空虚な霧のような状態になっており、人気者の優等生の仮面(ペルソナ)をかぶり日常を演技しているにすぎません。空虚であるとともに、そのような自分を深く嫌悪し強い自己処罰の感情を抱いています。理紗の一人称で淡々と人格崩壊するさまがえがかれる三章は、ドストエフスキーとともに太宰治の『人間失格』を想起させるものでした。これはオレみたいなやつには、抗うつ剤を飲まなければやってられません。
 理紗は、自分と同じような児童虐待の被害者である幼なじみの学に深く共感し、精神的に完全に依存してしまいます。だから学
=武の言いなりなんですね。一連の事件は、すべて学=武の仕業であり、理紗はそれを知りつつ学=武をかばい、時には協力さえします。『CARNIVAL』に強い影響を与えたと思われる『罪と罰』と照らし合わせるとわかりやすいと思います。

 殺人者・ラスコーリニコフ 依存→ 家族のための娼婦・ソーニャ 
 殺人者・学
=武    ←依存    父親の娼婦・理紗

 ソーニャの説得でラスコーリニコフは自首し、ソーニャはシベリアの流刑地までラスコーリニコフについて行きます。そしてラスコーリニコフは、ソーニャの愛によって人間的な感情を取り戻し、更生の道を歩み始めます。しかし理紗は、ソーニャと違ってキリスト教の信仰がなく主人公以上に壊れているため、殺人・レイプ犯である学=武についていき警察から逃げ続けるという破滅的な選択をします(作中に親友につれられてキリスト教会に行った理紗が、「信じ切れない。私は滅んだほうがよい人間だ」と独白するシーンがある)。主人公の学=武は、決してDQNじゃないんだけど、ルートによっては、殺人、拉致、監禁、暴行、詐欺、恐喝、なんでもありの犯罪者になってしまう。シナリオライターは、児童虐待とともに、世界は人間を愛していないということを書きたかったのかもしれません。

 ポヨポヨした絵柄が好みだし、なんというか、いろいろ考えさせられる傑作だと思います。でも、考えさせられすぎて、もうひとつ抜けないのが欠点ですかね。鬱すぎだし。点をつけるとしたらそこを減点して88点かな。このゲームはダウンロード販売されており、二千八百円と格安ですぐ手に入るのもよい。Win764bitでも動作しました。おすすめです。

 そうそう、もうひとつ面白いことがありました。321日の雑記に福音書を読んだとか書いたのをおぼえているでしょうか。さっそくこのゲームで福音書が登場するんだよな。なんでエロゲーに福音書なんだよ…。こういうシンクロニシティは、非常にしばしばあります。一体何なんだろう。

 

  ↓これはひどいOP詐欺ですね…
   

  CARNIVALダウンロード販売ページ

 狂人雑記58

遊撃インターネット雑記 遊撃インターネットTOP

ご意見等は掲示板へ http://webkit.dti.ne.jp/bbs1/yuugeki/yuugeki/