遊撃インターネット雑記36
北のりゆき=死売狂生=行方未知

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2007

927日(木)赤ちゃんを目医者につれていく

 赤ちゃんが夜中にさかんに咳をして、まぶたに小さいできものがあるのを発見しました。いつも元気で暇さえあればウロウロしてイタズラしているんだけど病気になりやすい体質なのかなあ。さっそく小児科につれていきました。風邪薬のシロップを処方され、まぶたについては眼科に行ってくれとのこと。医者のハシゴです。

 眼科病院には駐車場がないので邪魔にならないところに車をおいてオレは車内で待機。細君が赤ちゃんをつれていきました。医者によるとまぶたのアブラの線が詰まったためニキビみたいのができたらしい。オレも二年に一度くらいなるんだよね。遺伝だろうか。部屋がほこりっぽいんじゃあないかなあ。

 赤ちゃんが元気なので車で三〇分くらいのベビーザらスにいってきました。初めての店なんだけど、細君の目がランランと光りだし一時間以上買い物をしていました。なんでも良い品が多いんだそうだ。オレは、ねちゃった赤ちゃんの番をしつつ本を読んでましたよ。近所の西松屋の十倍くらいあるからちょっと店内をながめたたけでくたびれてしまった。乳母車(最近はベビーカーというらしい)をひきずりつつちょっと店内をうろついたら、オモチャコーナーでウレタン製のソフト積み木が四百八十円で売っているのを発見。二セット購入しました。タカシマヤタイムズスクエアでは、木製の積み木が一万四千八百円というふざけた値段だったので、三十分の一の価格で購入でき満足。最近赤ちゃんはモノを投げるようになったので、やわらか積み木でかえってよかった気がする。

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928日(金)再び『ひぐらしのなく頃 解』をプレイ

 ひたすらパソコンにかじりついて『ひぐらしのなく頃 解』をプレイしました。罪滅し編と皆殺し編をクリア。罪滅し編は、発狂したヒロインが「アハハハハハハハハハハハハ」と高笑って鉈で斬りつけてくるのを主人公が金属バットで反撃。警官隊が取り囲む分校の屋根で斬り合いになります。作者の狂気描写のうまさに脱帽。

 皆殺し編では、これまでの謎がだいたい解けた感じです。この作者のことだから最後にどんでん返しがあるのかもしれないけどね。

 主人公が村の連中を引きつれて役所に押しかけるところは、某ジンケン団体が黄色いゼッケンをつけて同和予算をぶんどる手口に酷似していて笑わせられた。このゲームは推理ミステリーだと思ったら怪奇SFだったんだな〜。面白かったけどそこがちょっと肩すかしだったので5点マイナス。今のところ評価は95点かな。

 やったことのない人は、ぜひプレイしてみればいいと思うよ。小説でも映画でもない新しい娯楽が生まれたんだなあと実感できると思う。最初の日常生活の退屈なところを乗りこえれば実に面白いはずです。数日中に最終回の祭囃し編をプレイする予定。楽しみだけど、こいつをはじめてしまうとなにも手がつけられなくなる。

 

 楽天で購入可能。左がパソゲー版の本編で中が回答編、右はプレステ2版。パソコンを持っているならパソゲー版がおすすめ。

   

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929日(土)『人類は衰退しました』が届く

 アマゾンで注文していた『もっけ』(熊倉隆敏)7巻、『よつばと!(あずまきよひこ)7巻、文庫本『人類は衰退しました』(田中ロミオ)が届きました。

 美少女妖怪マンガ『もっけ』の7巻は、イマイチだったね〜。この巻はちょっと暗いし…。このマンガは人間のココロの醜いところを描きたいんですか? なにが描きたいんだかどうもよくわからない。今まで面白かっただけに残念でした。このままつまらなくなるか盛りかえすか、つぎの巻が境目かな。☆☆☆★★

 幼児日常マンガ『よつばと!』は、相変わらず面白かった。作者のあずまきよひこは、今一番注目されている漫画家じゃないかな。観察力・画力・才能、すべてにおいて高水準。このマンガを嫌いだという人はまずいないだろうし、買って損したと思う人もあまりいないんじゃないかなあ。☆☆☆☆☆

 そういや先日あずまきよひこが出した10年くらい前の同人誌をゲットしたぞ。古本屋でけっこういい値段するんだよな。記念に表紙をアップしておこう。
 

  

 『人類は衰退しました』(田中ロミオ)は、ライトノベルということになるのかな。エロゲーのシナリオライターが書いた小説です。山田一のペンネームでも知られ、代表作は『加奈〜いもうと〜』『CROSSCHANNEL』『家族計画』など。エロゲーの最もよい部分を代表する作家です。その人が小説を書いたのだから買わないわけにはいきませんよ。読み終わったら感想を書きますね。

   

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930日(日)新聞が面白い

 日曜は新聞記者も休みをとるらしく、用意していた記事が多くて読み物が面白い。毎日新聞では斎藤環という精神科医の『「キャラ」で勝った福田首相』というコラムが特に面白かった。

 事実上日本国の総理大臣をきめる選挙だった自民党の総裁選で、キャラが立っている麻生氏が負け地味な福田氏が勝ったのはなぜか、という視点から近ごろの世相を批評しています。まず、福田氏はキャラが立っていないという前提が間違っているとします。

「キャラが立つ」とは、もともと漫画業界で使われていた言葉である。強い印象を与える性格造形によって、登場人物の個性を際立たせる、というほどの意味である。演劇やお笑い業界でもよく使用され、テレビを通じて一顧にも知られるようになった。

 余談だけど「キャラが立つ」という言葉を発明したのは『子連れ狼』の原作を書いた小池一夫だよ。劇画村塾でご本人が言っていた。この講義で小池一夫先生は、「キャラを立たせろ」「キャラを立たせろ」としつこいくらいおっしゃっていました。その結果が、弟子の漫画家が描いたラムちゃんだったりケンシロウだったり範馬勇次郎だったりするわけです。「エネルギー」という和製英語をつくったのは手塚治虫だし、意外に漫画家の造語って多いのかもしれない。

 麻生氏よりも個性的ではないとされる福田氏が勝利したことは、政治の世界ではまだまだ「キャラ」が適用しないことを意味するのだろうか。
 私はそうは考えない。むしろ福田氏の勝因の一つは、反麻生でも派閥政治でもなく、福田氏の「キャラ」であったようにすら思う。

 そして福田は、実は冷笑ニヒルキャラとして麻生以上にキャラが立っているとします。

 おそらく麻生氏は、「コミュニカティブであるほどキャラが立つ」と考えていたようだが、これも誤解の一つである。歴史を振り返れば容易に理解されることだが、むしろキャラクターに求められるのは、しばしば「寡黙さ」なのである。
 ゴジラにせよウルトラマンにせよ仮面ライダーにせよ、わが国のヒーローの造形は、常にコミュニケーション・スキルの乏しさにおいて「キャラが立って」いた。
 キャラといえば、私は小泉元首相をかつて「ウルトラマン宰相」と呼んだことがある。多くの印象的な言葉を発しつつも、常に説明不足であった小泉氏を、叫び声しか発しないスーパーヒーローになぞらえたのだ。
 加えて「キャラが立つ」うえで最も重要な条件の一つが「キャラの欲望がわからない」ことである。ゴジラは味方なのか敵なのか。ウルトラマンはなぜ3分という制限時間をめいっぱい使うのか。
 要するに、彼らは一体、何が望みなのか。それがわからないからこそ、彼らのキャラは立っていた。同じ意味で小泉元首相が本当は何がしたかったのか、私には最後までわからなかった。
 メディアからうけた印象に限って言えば、安倍前首相にせよ、麻生氏にせよ、その「欲望」はわかりやす過ぎた。それがどんな欲望であったかは、ここに記すまでもないだろう。
 ただし、わかりやすい欲望を持つキャラは、どう頑張っても脇役止まり、というのが作劇法の基本である。

 で、キャラ立ちで総理を選ぶ日本の政治は劣化していると、ちょっとコジツケっぽく結論します。ずいぶん長々と引用してしまったけど、キャラクター論としてなかなか面白いでしょ。本職でもないのにこんなことをよく考えているよなあ。

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101日(月)赤ちゃんが突きとばす

 近所の保育園で園庭開放という行事があり、細君が赤ちゃんをつれていきました。お母さんたちが保育園に乳児をつれていって放し、赤ちゃん同士を交流させようという趣旨らしい。オレも見にいきたいと思っているんだけど男親は一人もいないらしいので、まあ遠慮しました。わざわざそんなイベントに赤ちゃんをつれていくくらいだから、子育てに熱心な親ばかりで困った人はいないようです。

 細君が赤ちゃんに絵本を読んでいると、ゆーいち君だかこーいち君だかが寄ってきていっしょに聞いていたらしい。すると憤然とした赤ちゃんが、ゆーいち君だかこーいち君だかを突きとばして追っぱらうという挙に出ました。うちの赤ちゃんが他者を攻撃したのは初めてではなかろうか。攻撃性が出てきた? 自我が確立してきた証し? 今後、要観察です。

 帰宅した赤ちゃんは、細君が近所の猫にチクワをやっているのをみて恐いものではないと理解したらしく、猫を追いかけはじめました。子ども特有のしつこさを発揮し、車の下やゴミ捨て場にまで突入してヨチヨチ追いかけます。赤ちゃんが成長したのは喜ばしいけどロクなことをしませんな〜。

 

 近所のコンビニで『20世紀少年』(浦沢直樹)の最終巻を見つけ購入しました。これが最終回ですか。………どうも意味がよくわからん。「ともだち」が日本を支配するあたりまでは面白かったんだけどな…。1巻から読み直したらまた違うのかもしれないが…。今度読み返してみようと思います。でも、これだったら『Monster』のほうが面白かったな。

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102日(火)『人類は衰退しました』を読む

 先日購入した『人類は衰退しました』(田中ロミオ)を読みました。主人公は当然女の子。人類は衰退してしまっていて、すでに地球は三頭身で10センチくらいの妖精さんたちのものになっています。この妖精さんと人類がうまくやるための調停官に就任した主人公「わたし」による妖精さん観察記という内容。

 この妖精さんたちは、変な超科学の技術を持っているくせに陽気な猫みたいな性格。妖精さんたちと主人公のかみ合わない会話を楽しんでくれという小説ですね。つまらない小説ではないと思うけど、オレはどうもギャグってわからないからなあ…。ストーリーらしきものは、ほぼないしね。矛盾や対立や謎があって、主人公がそれにぶつかるというストーリーのほうがオレは面白いと思うんですよね。

 この本は、田中ロミオ(山田一)のファンだったら買ってもいいかなという程度でしょうかね。☆☆☆★★

 そういえばナントカいう賞をとった↓の作品が話題になっています。

・優秀賞受賞作品(大沢在昌氏推薦作品・講談社より書籍化決定)
「メビウスの輪」  作者:咲かない花(
23歳・男性)
あらすじ
隔絶されて
1日をループする世界に6人が閉じ込められます
主人公以外はループしている自覚がありません
主人公は頑張って感動的に他の
5人をもとの世界に送り返します
誰もいないループする世界で一人きりになった主人公はラジオ放送を始めます
元の世界ではその放送がウワサになりだします

 本人が書いたのか…? この文章力でよく賞がとれたな…。オレも「美人の女性」とか書いたことがあるから他人のことは言えないが、「主人公は頑張って感動的に」ってどういう表現だよ。

 しかもこのあらすじは、まんま田中ロミオがシナリオを書いた『CROSSCHANNEL』のパクリじゃん。エロゲーのパクリで賞がとれるんだったら、いっちょうオレもやったるかい。賞金100万円らしいぞ。

  

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103日(水)『ゲリラの戦争学』を読む

『ゲリラの戦争学』(松村劭)を読みました。著者は自衛隊の元陸将補。自衛隊のゲリラ戦論とはどんなもんかなというのが手にとった動機です。

 この本の内容をオレなりにまとめるとこんな感じです。戦闘の形体を決戦と持久戦の二つに分類します。にらみ合いや小競り合いのような持久戦が戦争の期間の大部分を占め、最終的に決戦で勝敗が決まる。今までの戦争論では決戦が重視されてきたが、決戦を準備するという意味で持久戦も決戦に劣らず重要である。そしてゲリラ戦とは持久戦の一形態である。

 ゲリラ戦の歴史としてアレキサンダーやローマの古代からナポレオンのスペイン戦役、アメリカ独立戦争、スペイン内戦、中国内戦、ギリシア内戦、ベトナム戦争、朝鮮半島のゲリラ戦、ソ連によるアフガン戦争、そして対テロ戦争が簡単にまとめられています。第二次世界大戦後に世界中にゲリラ戦がひろがった理由は、冷戦という特殊な環境下での限定戦争の一形態であったからだという主張が面白かったですね。冷戦が終結した現代では、ゲリラ戦は下火になるだろうとしています。ビンラディンのテロは、新しい型の戦争でありゲリラ戦とは切り離して考えるべきであろうと。

 国家の戦争力は一般には、国土の戦略的地勢、人口、産業・経済力、国民の性質、国民の団結・士気・規律と教育訓練、政府の統治力、外交力、軍事力 の要素から成り立つといわれるが、これらの各要素の力の総和というわけではない。個々の要素を一つの環とする鎖のようなものである。鎖の両端を持って引っ張れば、一番弱い鎖のところで切れる。

 という部分がとりわけ興味深く感じられた。変な連想だけど、帝国主義の最も弱い輪である後進国ロシアにおいて革命が可能というレーニンの理論を思い出しましたよ。この国家の戦争力を現代の日本に当てはめれば、ユーラシア大陸の東端に位置し、その先には地球の三分の一ほどもある太平洋がひろがりその先には世界の最強国であるアメリカがひかえているというきわめて有利な戦略的地勢にあり、アメリカとうまくやり、自ら進んで外国に押し出していかない限り日本が戦争に巻きこまれることはほとんどあり得ないと思いましたね。だから、戦争が嫌だったら国際貢献とかいう麗句にだまされてはならないとも思いましたよ。

 この本は内容的にはまあまあくらいでしょうか。自衛隊は正規軍だからその出身者がゲリラ戦を書いてもどうしても批判的というか過小評価になってしまう。特に中国革命の記述が甘い気がしました。

 

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104-5日(木-金)欲しい本

 欲しい本が何冊かあるんだけど、いずれも高くて買えない。最近は本の値段が高くて困ります。

 毎日新聞の書評で紹介されていた『幻想の過去 20世紀の全体主義』(フランソワ・フュレ)。まだ買っておらず、今から書くのは書評の要約になってしまい、ちょっと情けない。書評によると作者はハンガリー事件で転向した元共産主義者だとのこと。こういう経歴は、ひと昔前の知識人に多かった。

 20世紀の大衆文芸で「悪者」を類型化するとして、どのような人物が悪役ナンバー1になるだろうか。ヒトラー型の人間だろうか。いや「腹黒いブルジョワ」であるに違いない、と書評子はいいます。そしてブルジョワを最も激しく憎悪したのは貧しい民衆だったかといえば、答えは「否」であると。ブルジョワを憎んだのは、当のブルジョワ自身であったとしています。反ブルジョワ感情の本質は、ブルジョワの自己嫌悪だったのであると。

 本当は、ブルジョワにもいろいろいるでしょう。オレの中にある「良いブルジョワ」といえば『アルプスの少女ハイジ』に登場したクララのお父さんが典型です。こういうブルジョワも多いと思うのだが、ここでは他人を搾取してブクブク太った腹黒い金持ちを典型的なブルジョワとします。つまりいやらしいデブ金持ちに対してブルジョワ自身が自己嫌悪しているというのです。

 現代に当てはめれば、腹黒ブルジョワとは、公害企業の社長とかホリエモンみたいな連中だろうか。多少の美意識や教育がある人ならば、金持ちなのはうらやましいとしても、あんな成金にはなりたくないと思うだろう。ホリエモンにあこがれたり儲かるなら公害を出してもよいなどと考える者は「育ちが悪い」人に多い気がする。現代の日本のような社会でも、美意識を育てたり良い教育を受けるのは、ある程度以上の階層の出身じゃないと難しいのかもしれない。

 ちょっと話がそれるけど、一時話題になった『下流社会』では、インターネットは低価格で長時間遊べる典型的な下流の遊びであると指摘しています。そういう人たちがベッタリ粘着して書き込んでいるのであろう2ちゃんねるの一部スレは(あくまでも一部だよ)、代表的な下流世論だといえそうです。難病の子どもを救う会の募金活動を妨害してみたり、なにかあるとふた言目には朝鮮人のせいだと人種差別してみたり、差別や環境破壊に抗議する人たちをプロ市民だとののしってみたり。そのうえいやらしいことにこいつらは既存の権力や権威が大好きで気に入らないヤツがいると「通報しまつ」とか言いだす。醜いよね。どうやら下流は、必ずしも反権力ではなさそうです。むしろ権力や権威が大好きで機会があればすり寄るけど、残念ながら能力と努力が不足している。だから、権力者にとって下流は、利用できる機会があれば利用して適当に頭をなでてやるという存在だろう。2ちゃんねるで「日本人の誇り」とか書いているのをみると滑稽でしょうがない。

 一方の自己嫌悪ブルジョワといえば朝日新聞が典型でしよう。主要紙購読者の年収や学歴を比較したところ、1位はいずれも日経新聞。でも、これは経済に特化した新聞だからね。マスコミというより情報産業という感じです。一般紙では朝日新聞が1位でした。朝日新聞はインテリ・ブルジョワ新聞なんですね。朝日新聞の「良識」とは、自己嫌悪ブルジョワのものであるといえるのではなかろうか。嫌いな言葉だけど「自虐史観」とは、ブルジョワの自虐なのかもしれない。2ちゃんねらーによる朝日新聞攻撃は、良識ぶったブルジョワに対する下流のねたみが淵源にあるような気がします。

 さて、第一次世界大戦をきっかけにしてブルジョワを憎悪する二つの思想、ボルシェヴィズムとファシズムが生まれました。この二つは、革命、党、人民(国民)の名による独裁などの概念において相似形をなしており、さらに重要なのは両者は相互依存の関係にあったというのですね。ここのところが特に面白そうです。

 ファシズムが誕生してきたのは、コミュニズムに対抗する反作用としてであった。コミュニズムにとって延命が可能になったのは、反ファシズムを標榜することが可能になったからだった。(中略)両者は互いに相手の殲滅を求めていた以上、不倶戴天の敵であることに変わりはなかったとはいえ、対決するためには、両者の中間にある民主主義を予め殲滅しておく必要があるという、共犯関係に立つ敵同士だったのである

 こりゃ面白そうだと思い買おうとしたんだけど、値段をみてしょんぼりしてしまった。5775円。むーん。本一冊になにも考えずポンと出せるのは、オレは3000円までですよ。5000円以上かあ…。

 

 もうひとつ読みたい本があるのだ。しかし、こいつも高い。『アレクサンドル2世暗殺』(エドワード・ラジンスキー)。こいつも上下二巻で5000円ぐらいします。ロシアの人民の意志党によるロシア皇帝暗殺事件の歴史ドキュメントです。

 ロシア・テロリストは人気があるなあ。ロシア革命の際に歴史資料が大量に公開されたからだろう。後のソ連からは想像つかないことだけど、革命直後のソ連は世界一の情報公開先進国だったらしい。

でも、本当は左翼テロの本場はフランスらしい。19世紀パリのセーヌ川に浮かぶ警察スパイの死骸なんてね。現代の無差別テロと違って昔の左翼テロって妙なロマンがあるよね。

 最近本が高くて困ってしまう。読む本は図書館ではなくなるべく買いたいんだけどな。

    

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106日(土)箱根に行く

 深夜3時半に細君をたたき起こし箱根に行ってきました。赤ちゃんが起きているとチャイルドシートをいやがるので寝ているすきに箱根に行ってしまおうという作戦です。深夜早朝は高速道路代も安く上がるしね。

 6時にはススキで有名な仙石原に着いていました。ススキの季節は原宿なみの雑踏になるらしいけどさすがにこの時間には人は少ない。カメラマニアらしい夫婦がでっかいカメラでススキ原を撮影しているだけでした。

 つぎは大湧谷です。7時くらいに着いたら駐車場がしまっていて車をおく場所がない。ちょっと困ってしまった。噴煙を出している場所に行ったら硫化水素の臭いや毒ガス注意の看板が立っていて細君がおびえてしまい、それ以上の前進を拒否。オレと赤ちゃんでみてくるから車に戻れといったら、赤ちゃんを毒ガス地帯につれていくのは危険だと主張して赤ちゃんを取りあげてさっさと引き上げてしまった。オレだけだったら毒ガス地帯に行ってもいいのかよお。しかし、残念ながら先日の地震で遊歩道が壊れてしまったらしく、通行止めですごすごと引き上げたのでした。
 

 つぎに箱根神社を見学。細君と赤ちゃんは車の中で寝ていた…。式内社ではないらしいのだが想像していたのよりはるかに大きな神社でした。富士信仰の浅間神社と箱根神社だったら浅間神社のほうが何倍も大きいイメージがあるけど、実際はその逆でしたね。奈良・京都の学寺は別として、失礼ながらお寺は墓が邪魔っけでイメージが悪い。神社のほうが清々しくていいねえ。朝の8時なのにすでに参道はきれいに掃き清められていました。
 

 昭和の香りただよう貼り紙で手水の使い方を教えてくれていました。イラストは巫女さんが描いたんだろうか。
 

 まだ開いている施設がないので、近くの箱根公園に行きました。もともと皇室の迎賓館?があった場所らしい。関東大震災で崩壊して公園になったとか。新宿御苑といい昭和記念公園といい、元皇室の施設はやたら整備されているのでここもどうかと思ったけど、案の定キレーに整備された公園でした。赤ちゃんは大喜びでそこらへんを歩きまわっていましたね。

 有名な芦ノ湖の海賊船は、べつに乗りたくないということだったので、箱根関所資料館と駅伝ミュージアムを見学。両方とも入場料は500円。まあ、価格相応といった内容でしたよ…。

 最後に箱根名物の温泉に入りました。箱根の温泉といってもいろんな泉質があるらしい。オレはお湯が白い温泉に入りたかったので、例の大湧谷から温泉を引いているという南甫園という日帰り温泉に行きました。けっこうキツイ温泉で20分も入ったら頭がクラクラしてきた。帰りによく見たらこんな貼り紙があったぞ。
 

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107日(日)コストコに行く

 アメリカ発祥の倉庫を利用したディスカウントショップ『コストコ』にいってきました。入店するには会費を払って会員にならないといけないという変な店です。たまたま友人が会員になったのでつれていってもらいました。会費は1年で4000円。会員証に写真を添付するという厳重さです。

 バカみたいに広い倉庫風の店舗で、これまたでっかいアメリカサイズの食品が積み上げられているというゲップが出そうなお店でした。すべてが大造りでカートなんて近所のスーパーの倍くらいある巨大なものです。サンマ24匹が880円とか確かに安いんだけど全ての商品がでかすぎて3人家族ではもてあましそうだ。
 

 例のサンマとステーキ肉、アメリカ産ブドウなどを購入しました。レジ袋なんてくれません。巨大カートを自動車まで引いていって商品を自力で詰めこんで帰るという、これまたアメリカ的なシステムでした。どういうわけか出口でレシートをチェックするのが目新しかったですね。

 アメリカっぽい店で買ったものだからどうせ大味だろうと思ったら、とんでもない。非常に美味でしたよ。サンマは近所の店の3分の一の値段なのに新鮮でどの店で買ったものより美味かった。ステーキ肉も値段を考えたら信じられないほど美味。アメリカ産ブドウも国産物の3分の一の値段なのに味に遜色なし。品質の良いものを大量に仕入れるうえに商品を小分けなどでいじっていないのでかえって鮮度がいいのだろう。

 余分な贅肉を全てそぎ落としたアメリカ・プラグマティズムの権化ような店です。課題は見栄えですかね。オレは安くて品質が良ければ見栄えなんてあんまり気にしないが、日本人は手先細工や小ぎれいなのが好きだからね。また行きたい店でした。

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108日(月)『うさぎドロップ』3巻が届く

 アマゾンで注文していた『うさぎドロップ』3巻、『とめはねっ!』2巻が届きました。

『うさぎドロップ』は、30歳の独身男が自分の叔母にあたる6歳の女の子を引き取って暮らすという最近流行のちっちゃい女の子同居作品です。『よつばと!』をもう少し重くした感じでしょうか。子どもをペットみたいに描くのではなく、仕事を持っている人が一人で子どもを育てる大変さや子どもの成長を描いています。主人公の独身男がちょっとダメっぽく描かれているけど、実は菩薩心を持ったとても立派な人物。そういうところも好感が持てました。まじめで良質な作品ですね。『よつばと!』好きだったら楽しめると思う。独特の絵柄も慣れれば気持ちよくなってくるし…。むずかしいことを考えないでも、りんちゃんがかわいいからそれだけでも楽しめるよ。もっと話題になってもよい作品だと思う。おすすめ☆☆☆☆☆

『とめはねっ!』は、高校生が主人公の書道マンガ。書道マンガっすよ。『帯をギュッとね!』の河合克敏の最新作です。サラサラヘアーのヒロインが魅力的だぞ。まだはじまったばかりでストーリー的にはどうということもない作品なんだけど、このくらい女の子を可愛く描ければ商品になるよなあと感じました。『字』について興味があるのでその点も面白かった。☆☆☆☆★

    

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109日(火)丘の湯温泉に行く

 箱根にいってからちょっと温泉づいています。一家そろってよみうりランドの隣にある『丘の湯』という日帰り温泉にいってきました。ここは入浴料が600円と格安なのになかなか設備が整った温泉です。内湯は普通のお湯で露天風呂が循環式の温泉になっていました。ほかにも有名温泉の成分を分析して合成したという人工温泉なんてのもありました。この日は草津温泉だったかな。

 さすがに箱根のかけ流し温泉と比較するのはかわいそうだけど、この設備でこの値段だったら◎ですよ。できたばかりの人気施設なので、夜に行くと行列で入れないこともあるらしい。オレたちがいったのは、平日の昼間でお客はちらほら程度。ゆったりできました。

 入浴後に隣の中華レストランから1000円の中華弁当をとって食事しました。とても1000円とは思えないほどうまかったですよ。この中華レストランも、よみうりランドの子会社らしい。良心的な商売をしているなあ。

 温泉で3時間くらいゆっくりして気持ちよく帰宅しました。使った金額は3000円程度なのに、なんだかものすごく贅沢したような気分になりましたねえ。

 温泉ブームのおかげで都内にもけっこう温泉施設ができているらしい。赤ちゃんづれだと遠出はきついので、これから東京近郊の日帰り温泉にちょくちょくいこうかと思っています。

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1010日(水)『催眠術2』をプレイ

 ネットで評判が良かったエロゲー『催眠術2』をプレイしました。さえない高校生が催眠術を会得し親切な叔母さん、妹キャラのイトコ、隣のお姉さん、幼なじみ、それに自分の母親とセックスするというゲーム。

 なかなか狂っていてよさそうな感じのゲームだったんだけど、やってるばっかりでねえ。たしかにエロ度は高いんだけどねー。オレは、エロゲーでしか味わえないようなぶっ飛んだ話しを読みたいわけで、エロ単体がいくらすごくてもあんまり面白くないんだなあ。4時間くらいプレイして飽きて放り出してしまったよ。

 でも、エロ声優の熱演はすごかった。おしとやか叔母さんが喜久子姉さんみたいな声で「クソをきれいにしたからケツ穴につっこんでぇ〜」とかいうんだぜ。さすがに爆笑してしまったよ。☆☆★★★

 

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1011日(木)井の頭公園へ行く

 細君と赤ちゃんをつれて吉祥寺にある井の頭公園の動物園に行ってきました。出歩いているばかりだと思われるかもしれないけど、夏休みは体調を崩したこともあってほとんど出かけなかったからね。ちょっとは埋め合わせをしないとね。しかし、大学から動物園まで吉祥寺ってなんでもあるところだなあ。

 赤ちゃんは、放し飼いにされているリスと遊べるという『リスの森』コーナーが気に入ったようでした。意外にリスが人なれしていてチョロチョロと寄ってきます。あまりそばにくると気合い負けした赤ちゃんが尻餅をついたりする。
 

 最初はおびえてチキンな感じに母親の後ろに隠れていたんだけど、なれてくると変な叫び声を上げてリスを追いかけていました。油断しているとリスのフンを拾って食ったりするので一瞬も目が離せません。閉館時間の5時まで遊んでしまいました。

 オレは日本一良いソバ店だと思っている『神田まつや』で食事をして帰宅しました。神田の本店は、かなり混んでいるのに東急デパートに入っている支店はすいています。赤ちゃんづれでソバ店に入るのはマナー違反かとも思ったんだけど、たすかりました。オレは大好物のごまソバを注文。おいしいよ〜。
 

 しかし、動物園ではしゃぎすぎた赤ちゃんは、ゴハンを食べさせたらゲロゲロ吐きやがるの…。幸い前掛けをさせていたのでそいつで受け止め、手ぬぐいやビニール袋も用意していたので事なきを得ました。疲れる…。

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1012日(金)ボクシングをみる

 子供好きの友人が遊びにきてくれました。赤ちゃんは地団駄踏んで喜び「きゃおー!」と叫び声をあげて遊んでもらっています。大はしゃぎでしたよ。子供相手に遊ぶのに疲れてしまっていたので、たすかるー。

 赤ちゃんを寝かせてから友人と録画していたオタクな番組を鑑賞しました。まずは『クラナド』です。原作ゲームの評判が高いけど、オレはプレイしたことがない。だってエロがないんだもん。オタクの共通言語としてメジャーなものはやっておかないといけないんだけどね。そうはいっても異様に長いらしいエロなしゲームは、おっくうです。アニメになってくれてありがたいぞ。しかも『AIR』『kanon』『涼宮ハルヒの憂鬱』『らき・すた』とおそろしくクオリティーの高い作品を連続して出してきた京都アニメーションですからねえ。これは期待するなというほうが無理というもの。そういえばkanonDVDを全巻買うともらえるクラナド予告DVDを、未開封のままヤフオクに出したら19000円で売れたぞ。もうけー。で、さっそくクラナドをみてみたわけです。作画は、さすがという感じでしたね。お話のほうは、原作をやってないからまだどうなっているのかよくわからん。第一話だからこんなもんかな。

 つづいて『ULTRASEVEN X』をみました。『ウルトラセブン』40周年記念作品というふれこみで制作された最新版のウルトラセブンです。『オタク』というとアニメというイメージがあるだろうけど、オレの経験からすると特撮オタクのほうが重症のような気がします。オレは、あんまり特撮には思い入れがなく、子供のころ夕方6時から放送していたウルトラセブンをなつかしく思い出す程度です。40年もたつとセブンもずいぶん変わりましたなあ。ウルトラセブン + ブレードランナー + マトリックスみたいな作品になっていましたよ。薄汚い高層都市にジトジト雨と俗悪広告飛行船…。節々に低予算の臭いがするけど、これはこれで面白いかも…。でも、もう少し宇宙人や怪獣をかっこよくしてくれよ。続きもみるつもりです。

 さらに続いて亀田ナントカいう人のボクシングの試合をみました。ボクシングには、なんの関心もなかったんだけど、評判だったので録画しておいたのです。なかなか面白いものですな。テレビ放送の殴り合いでこんなに燃えるんだから、古代ローマの闘技場で刃物を使って剣闘士が殺し合いするのをみたらそりゃあ熱狂するだろうと思いましたよ。最後のほうで挑戦者がチャンピオンにむしゃぶりついてぶん投げたのにはびっくらこいた。レスリングみたいなボクシングだー。まあ無茶で面白かったですよ。

 格闘技に詳しい友人にきいたところ、亀田一家にはバックにヤクザがついていて、前に兄弟がチャンピオンになった試合を平日に開催したのは、その日がヤクザの親分の誕生日だったからで、会場の最前列はヤクザがずらりとならんでいたとか。ホントなのかなあ。

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1013日(土)新聞が面白い。遠藤周作

 なぜか土曜日は新聞が面白い。面白い記事をいくつか紹介します。これは毎日新聞より論説委員と思われる松田喬和という人のコラム。

 最近出された「私の後藤田正晴」(講談社刊)で、おいの井上晋方元社会党衆院議員は自・社・さ連立の村山富市首相誕生の秘話を明かしている。

 冷戦が崩壊し、社会党も方針転換を模索していた。そこで、土井たか子氏(元委員長・当時)と共に、福田赳夫元首相を極秘で訪ね、助言を求めた。今なおアジア外交の基本となっている「福田ドクトリン」の提唱者であったからだ。

 その席で福田氏は60年の日米安保条約改定を強行、退陣を表明した岸信介首相の後任に、西尾末広民社党委員長を推薦したエピソードを紹介した。だが、「政治家として死ぬことになる」と固辞され、頓挫した。

 極秘会談後、福田氏は「『村山さんでも、土井さんでも総理にしていいのではないか。国政を任せて心配ない』と言っていたという」と井上氏は記している。

 94年の村山首相擁立工作で、活躍したのは旧福田派の流れをくむ三塚派の面々と、井上氏は証言する。「一番反対するはずの三塚派が、実は一番早く村山さんに会っていた」「特に福田さんは熱心だった」「福田さんの連絡役ということで、小泉純一郎(元首相)さんとはよく会った」と。

 村山政権樹立をバネに自民党は時にパートナーを代え、政権を維持している。旧福田派出身の総理・総裁が4代続くのも、連立の陰の推進役が福田元首相だったからかもしれない。

 2年くらいでやめちゃったけど社会党員だったことがあります。オレが社会党員だったのはゴルバチョフが訪日したころでしたよ。そのころ直接聞いた話です。自民党がゴルバチョフ歓迎パーティーを開き、社会党の職員も応援にいったんだって。そのパーティーを仕切っていたのが福田派だったとか。岸-福田-安倍-三塚とつづく清和会は、自民党の中でもイデオロギー的で右翼なイメージがあるけど、だからかえってイデオロギー的な連中にも平気で近づくのかもしれない。単なる利権集団にすぎなかった田中派とは、ひと味違うということだろうか。

 同じく毎日新聞で客員編集委員の岩見隆夫が『近聞遠見』というコラムを執筆しています。今回は「一点突破・全面展開主義」という題で小沢一郎を評論しています。内容よりも「一点突破・全面展開」という言葉を当たり前のように使用しているのが面白かった。これって学生運動用語ですよ。たしか社青同解放派が使っていた用語のはず。岩見隆夫は、息子が革マル派の幹部で抜けるときにひと騒動あったらしい。どういうつながりで革マル派の宿敵・解放派の用語が出てきたのか興味深かった。

 日経新聞では、瀬戸内寂聴の『奇縁まんだら』が面白かった。遠藤周作についてです。遠藤周作といえば狐狸庵なんて称してジイさんの格好をしたふざけた作家というイメージがあるかもしれない。実は大変な問題作家なんですよ。『海と毒薬』では、戦時中に捕虜になった米兵を実験解剖した九州大学生体解剖事件を小説にしています。右翼から「殺してやる」というたぐいの脅迫が殺到したけど一切屈さずに書き上げました。奥さんに「作家として脅迫で筆を曲げることはできない。殺されても書く」といったらしい。大変な根性ですよ。

 転びキリシタンを描いた代表作の『沈黙』は、ノーベル賞候補になる一方でローマや一部の国では異端として禁書の扱いを受けたらしい。世が世なら火あぶりだよね。 

『遠藤周作の世界』中村真一郎ほかより 

主人公の神父が、幕府のキリシタン禁制によって、信者たちのこうむっている苛酷な拷問から救うために、踏絵を踏んで棄教するのを是認する作者の考え方は、日本人的仏教的な深い慈悲の心として、キリストの神としても許し得るのではないかと、私は作者の主張に共感を覚えたのだが、果してローマ内部の反撥は強く、『沈黙』は禁書のリストに加えられる危機を迎え、スウェーデンのノーベル委員会内にも、授賞反対の声が上った

 悲惨な境遇の人間がいるというのにどうして神は黙って見ているのか?という「神の沈黙」がこの作品のテーマのひとつのようです。オレは、もし存在するとしたら神は(仏でもなんでもいいけど…)人間に関心を持っていないからだと思う。しかし、遠藤周作の答えは違います。『沈黙』では、踏み絵を踏んでしまう人間の弱さを赦し「踏むがいい」と神が語りかけてくるんですよね。いかにも日本化した母親的な神様になっている。キリスト教の神ではないみたいだ。異端といえば異端なんだろうけど、右翼なんぞの攻撃よりもカトリック教会の異端攻撃のほうが遠藤周作にはこたえたんじゃないだろうか。

 かくれキリシタンに関心があり、長崎に行ったことがあります。その際に乗りあわせた船でテレビがたまたま遠藤周作特集を放映していました。妙な共時性を感じましたね。『奇縁まんだら』によると「死ぬのは恐い。死にたくない」口癖のようにいっていたいう遠藤周作は、その番組では晩年は終末医療などの問題に取り組み、死にあたっては神様に会って感激しながら逝かれたようでした。

 長崎の教会で遠藤周作についてきいてみるとお年のシスターが「ああ、遠藤先生…」となつかしそうに話しをしてくださったのが印象にのこっています。長崎では異端あつかいされ冷遇されたこともあったそうだけど、亡くなってから遠藤周作資料館が建設されるなど受け入れられているようです。「死者をむち打たない」という思考は、いかにも日本人的で長崎のキリスト者も日本人というくくりから逃れられないんだなあ。おお、これこそ遠藤周作が生涯追究してきたテーマじゃないかと、感慨深いものがありましたね。

  

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1014日(日)カメラを買う

 ちょっと株でもうけました。以前は、株について日記にちょこちょこ書いていたんだけど、最近は書きません。わけがあるんですよ。株ってのは上がっても売りたくなるのを我慢し、逆に下がったらさっさと見切って逃げるのがコツだと思います。ところが日記に書いちゃうと、「損切りしたらカッコわるいな〜」とか邪念が出てきちゃって、なんだかうまくいかないんです。そういうわけで株について日記に載せるのはやめました。おかげでまた儲かってきたぞ。

 自分へのご褒美ということで、カメラを買うことにしました。ちょっと前に買ったリコーのCaplio R6は、オモチャとしては面白いんだけど、ちょっと暗いとすぐにぶれてしまい実用性がイマイチです。早朝の神社の参道を撮影しようとして手ぶれ注意の警告が出たのにはびっくらこいた。

 メインに使っている富士フイルムのFinePix F31fdは、実用性満点のすばらしいカメラです。ちょっとくらい暗くてもなにも考えないで平気で撮影でき、それなりの写真になります。でも一万枚近く撮影していると、ちょっと物足りないところが出てきました。28ミリの広角が使えないのが特に不満ですね。それでR6を買ったんだけど、ちょっと暗くなると使えないんじゃあ意味がない。ちぇっ。

 いいカメラなのにF31fdは、かわいそうに人気がイマイチで生産終了になってしまいました。しまいには17500円とか信じられないような値段で投げ売りされていましたね。たしか以前この雑記でも紹介したことがあったはず。今じゃあ幻の名機ということで未開封品は35000円以上します。

 なんでF31fdの人気がなかったかというと630万画素というのがネックでした。1200万画素とかいうカメラが普通に出ていますからね。しかし実は、1200万画素が630万画素よりも画質がいいかといえばそんなことないんです。デジカメは、CCDというところで光を受け止めるんだけど、無理に画素数を大きくすると受ける光の量が減って逆に画質が落ちてしまい特に暗いところの撮影ではノイズが入るようになるらしい。バランスが大切で、コンパクトデジカメのCCDだったら630万画素くらいがちょうどいいとされています。でも消費者はそんなこと知らないので、画素数が大きいほどよいとかんちがいされ、見かけ倒しで画質はイマイチのカメラばかり売れて、F31fdは人気がでなかったんです。発売元の富士フイルムも商売だから1200万画素のF51fdとかいうのに路線転換してしまいました。画質的にはフツーの凡庸デジカメに退化してしまったらしい。そうしたら現金なもので、F31fdの人気が爆発してあっという間に売り切れてしまった。A4判に印刷する程度だったら630万画素で十分なんだよね。

 F31fdなみに暗所に強くて画質が上のカメラといったら一眼レフしかない。値段は、最低でもカメラ本体が5万にレンズが5万といったところか…。それにかなり重たくなるぞ。ちょっとなー、と思って調べていると、すばらしいカメラを発見しました。FinePix S6000fdです。F31fdを一眼レフ風の格好にして28ミリから300ミリのズームレンズをつけたというもの。ネオ一眼と称しています。たまたま安売りをしていてオレが買ったショップでは、29800円という投げ売り価格でした。同じクラスのレンズをつけた一眼レフの三分の一以下の値段ですよ。飛びつきましたね。同じような人はけっこういたらしく、100台限定の商品が数日で売り切れてしまいました。

 もともと60000円以上した製品です。定価でも安い。他のカメラと液晶などの部品を共通化しているので安く上がったらしい。そりゃあ、中身はもともとコンパクトデジカメだから一眼レフにくらべれば画質は落ちますよ。でも、ポスターくらいの大きさに現像しなければ素人にはわかりゃしない。モニターでみたりA4くらいの大きさに印刷するんだったら必要十分ですよ。重量も一眼レフの半分以下で持つのがラクそうだしね。レンズが良くなったF31fdがどんな感じになるか、S6000fdが届くのが楽しみです。

 

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