遊撃インターネット雑記35
北のりゆき=死売狂生=行方未知

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2007
94日(火)『天地無用!in LOVE2遥かなる想い』をみる

 最初の『天地無用! 魎皇鬼 1期』が発表されたのは、もう15年も前なんですねえ。和風SFというのが斬新で面白かった。かなり評判にもなったよね。でも、天地無用!で面白いのはこの第1期だけ。その後に発表されたのテレビ版やらGXPやらは全然面白くない。途中でみるのをやめちゃったよ。お話にもならない作品でした。

 でも、映画版はかなり出来がいい。特に1作目『天地無用!in LOVE』と3作目『天地無用!in LOVE 2 遥かなる想い』は、なかなかのもの。部屋の整理をしていたらこの『遥かなる想い』のビデオが出てきて懐かしさのあまりついみてしまったのでした。
 

 いや、面白いですな。特にこの映画版に登場するハルナのキャラクターがいい。ヒロインであるはずの魎呼や阿重霞よりもはるかに作画に気合いが入っていて、全然違うんだぜ。それに妙に色っぽい声だと思ったら、声を当てているのは井上喜久子おねいさんでした。

 ストーリーは『牡丹灯籠』です。ジイさんの死んだ昔の恋人の魂がなにかの拍子に復活して天地をさらい、記憶を失った天地を画学生にしたてて70年代ふう貧乏下宿で同棲している。ヒロインの魎呼や阿重霞が天地を探し回りハルナと対決して…、というもの。ハルナのちょっとエッチなシーンもあるぞお。

 設定もいいねえ。貧乏画学生。ちょっと依存的な内気美女と同棲。神田川ですか? この依存的内気美女が、魎呼や阿重霞と対決するときにはガラリと雰囲気を変え、ふてぶてしくなるところには、まったくシビレちゃったぜい。ハーレム物の主人公の常として、どーにもならないくらい優柔不断な主人公・天地なんだけど、天地が本当に好きなのは魎呼で、阿重霞もそのことに気づいていると匂わせているところにも好感が持てたよ。

 もっと評価されてもいい作品だと思うんだけどなあ。レンタルビデオ屋にいけば300円で借りられるけど、一応アマゾンにリンクを張っておきます。

 

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95-6日(水-木)『「狂い」のすすめ』『サウスバウンド』を読む

 クーラーが故障したせいで元気がでません。夏の盛りだったら死んでいたな…。修理にくるまで一週間かかるとのこと。三洋電機はたるんでるなあ。故障したら困る家電や車やパソコンは、サポートがしっかりした会社の製品を買わないとダメだね。

 ねらったわけではないのに同じようなテーマの本を2冊続けて読みました。『「狂い」のすすめ』(ひろさちや)と『サウスバウンド』(奥田英朗)です。

「世間」というものは、個人を押しつぶし従わせようとする、くだらないシロモノである。そんなものに従う必要はない、というところが共通した主張でしょうか。『「狂い」のすすめ』はこう続けます。そんな世間に刃向かうと敵は牙をむき袋だたきにあう。弱い個人は、ひどい目にあわされて敗北するであろう。だから真っ向から逆らうのではなく、世間の良識やらしきたりやらを冷笑してやれ。そして心に「狂い」を保持して「世間」に踊らされないことだ。本当に狂っているのは「世間」のほうである。我々が持つべき「狂い」とは、いかなるものであるか…。

 この人は仏教学者なのに過激です。良いことをいっているので、かなり長くなるけど引用します。

 思想・哲学を持つといっても、大したことではありません。
 まあ、わたしたちは、自分が弱者だと自覚することです。
 強者に対しては、世間のほうが遠慮してくれます。強者を叩くなんてことはしない。
 考えてみれば、世間を維持しているのが強者です。いや、世間の甘い汁を吸って生きているのが強者であって、その甘い汁を吸っている連中の集合体を名づけて「世間」と呼んでいるわけですから、世間イコール強者なんです。だから、世間は強者を叩かない。
 叩かれるのは弱者です。そして、弱者は甘い汁を吸われる。
 で、わたしたちは、そのことをはっきりと認識すればよい。自覚するとよいのです。
 そう自覚するだけで、少し状況が変わってきます。
 なぜなら、弱者は自分の思想・哲学を持っていません。持っていないのではなしに、正確にいえぼ持ってはいけないとされているのです。持つことを禁じられています。弱者が独自の思想・哲学を持てば、強者は甘い汁を吸えなくなり、利益が激減するから困るのです。それで巧妙に、弱者に思想を持たせないようにしています。そういう社会のカラクリになっています。
 一見、弱者が思想を持っているかのように思えることがあります。でも、それは思想ではありません。それは、
 ―常識―
 なんです。よく聞いてみてください。赤提灯で得々として語っているサラリーマンおやじの「意見」なんてものは、商業新聞や週刊誌に書いてあることと同じです。いわゆる体制護持的な思想、それを弱者は自分の「意見」だと思っている。思わせられているのです。そして、そのような「まともな意見」に逆らう奴を、
「なんて非常識な奴なんだ、おまえは……
!?
 と、蔑みの目で見ます。じつは、その人は奴隷でしかないのですよ。世間の奴隷、常識の奴隷になっているのです。
 困るんです、この奴隷になった連中が。奴隷は、自分が弱者のくせに、ちっとも弱者だと思っていません。権力者の太鼓持のくせに、自分が権力の一端を握っていると考えている。虎の威を借る狐です。彼らは最後には、自分には何の力もないのだと自覚してしょぼんとするのですが、その自覚のないうちは、虎の威を借りて威張っていて、弱い者いじめをやっています。なに、わたしは、あなたの身の回りの話をしているのですよ。奴隷・太鼓持というのは、会社の肩書きを名刺に刷り込んで、それで権力の一端を握っていると錯覚している連中です。停年退職して、その肩書きがなくなるとしょぼんとしてしまう連中です。あなたの身の回りにいっぱいいますよね。
 そんな奴隷・太鼓持にならないためには、われわれは自分を弱者だと自覚することです。なんの権力もない弱者だと自覚すれば、それで状況はだいぶ違ってきます。
 自分を弱者だと自覚した人は、まず第一に世間を信用しなくなります。世間に踊らされることはなくなるのです。

 こういう奴隷・太鼓持は、ネットでも肥の中のウジのようにわいているよね。ヘドがでそうになるのであまりみないように気をつけているよ。

『サウスバウンド』は、元過激派幹部の父親を小学6年生の子どもの視点から描いた小説です。事実上の主人公は、この元過激派の父親ですね。この人は組織を離れても反体制の思想からは転向せず、例の「世間」とあつれきを起こし家族が翻弄されます。舞台が中野で自分に土地勘があるので、なお面白く感じられたよ。まんだらけも出てくるしね。

 この小説は二部構成です。一部は妥協をしらない父親がさまざまな「世間」と衝突し、一家が中野にいられなくなるまで。この第一部は良かった。二部は、沖縄に移住した一家が地元住民の共同体に受け入れられ、リゾートホテルをつくろうとする開発業者と対決するお話。当然のことながら負けて叩き出されるんだけど、父親は地元住民の英雄になる。この第二部は全然ダメだね。この作者はなにもわかっていない。

 無我利道場って知っているでしょうか。『ウィキペディア』の宇検村(うけんそん)。 鹿児島県の奄美大島にある村の1つで、大島郡に属するの項より引用します。

 入植者グループは村内の久志集落に定住し、コミューンを「無我利道場」と名付け共同生活を営んでいた。1987年頃から入植者グループの子供達が地元の小学校に登校することを止めたことなどから地元住民との関係が悪化しはじめ、村議をはじめとする村の有力者によって「無我利道場解体村民会」が結成された。
 
19888月に東京の右翼団体松魂塾の代表者が無我利道場の母屋の所有権を取得し、街宣車で入植者グループの追い出しを図り始めた。(19901月にはこの街宣活動について軽犯罪法違反で構成員5名が逮捕された。)、同年1030日松魂塾の構成員がダンプカーで無我利道場に突入し母屋を破壊、入植者1名に重傷を負わせる。(建造物損壊罪、傷害罪で5名が逮捕された。)

 たしか追い出し運動に反対した家の子どもがいじめられて自殺した事件もあったはずだ。松魂塾の構成員がダンプカーで無我利道場に突入し母屋を破壊、入植者1名に重傷を負わせる事件の直後に東京でも無我利道場の支援集会がひらかれたんですよ。20年くらい前のことだけどね。オレも参加しました。そこにも右翼が押しかけてきやがってよお。『サウスバウンド』の父親だったら棍棒をもって突撃するところだろうけど、オレはおとなしいのでやつらの写真を撮っていました。そしたら私服がとんできてカメラを取り上げようとするんだぜ。

 作者は甘ちゃんだ。権力に睨まれた者を暖かく受け入れてくれる村落共同体なんて存在しない。田舎の人は親切だとよくいわれるし実際親切なんだけど、戦時中に田舎に疎開した都会の子どもたちが徹底的ないじめにあったという例があります。まあ、田舎の人が親切なのは自分の身内であると判断したか利益になるときなんだよね。都会者も同じだけど、田舎の人のほうが正直というか露骨だよ。右翼暴力団を雇ってダンプをつっこませるなんてバブル時代の悪徳地上げ屋みたいなまねは都会の住民運動ではちょっと考えられない。

 作者の沖縄幻想? 田舎幻想? 共同体幻想? が浅薄なんだな。小説なんだから面白ければそれでいいんだけどさ。第一部は傑作。第二部は読み物としては面白いという程度。それに作者は過激派についてよく調べているけどちょっと気になるところもあった。

「見たか! かつて警視庁第四機動隊の放水車を成田の大地に落としたのは、何を隠そうおれ様だ。恐れ入ったか。はっはっは」
 父が吠えた。

 第四機動隊ねえ…。60年安保の「鬼の四機」からなんだか強そうだと思って書いたんだろうけど、空港反対闘争の主敵は千葉県警機動隊です。たしか第三機動隊まであったはず。連中は警察の暴徒鎮圧部隊というよりほとんど国営暴力団だったとかで、ひどく過激派から憎まれていたなあ。ここは千葉県警機動隊と書くべきでしょう。それに過激派は「成田」という言葉をつかわない。なぜか「三里塚」というんだよね。

   

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97日(金)ARIA The ANIMATIONをみる

 細君が病院にいくため赤ちゃんと朝から留守番です。7時半にたたき起こされて細君を見送りました。昨日は夜中までいろいろやってて3時間しか寝ていないのに…。

 テレパシーでも通じているのか細君が家を出て10分もしないで赤ちゃんが起きてしまい、ウロウロと母親を探しまわります。スイッチが入ってしまうと狂ったように泣きわめくから大変なんだよ。絵本を読んだり歌をうたったり、疲れた…。

 疲れたら腹がへったので食い物を探しました。なにもなし。テーブルの上にしなびたバナナが置いてあったけど、こいつを食えということだろうか…。どうも女房を甘やかしすぎた気がする…。

 ようやく赤ちゃんが昼寝をしてくれたので、レンタルビデオ屋で借りてきた『ARIA The ANIMATION』をみました。寝れば良かったんだが、腹がへって眠れないのだ。むかっ腹を立てていたせいか、あんまり面白くなかったねえ。マンガはとても面白いんだけどアニメはたいしたことない。

 2時ごろ細君帰宅。今日は病院のハシゴじゃなかったので比較的早かった。それにしても二食抜くとさすがにヘニャヘニャになります。土産に買ってきた果物をむさぼり食ってから気絶したようになって眠ったのでした。

 

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98日(土)『鉄子の旅』を読む

 赤ちゃんにクッキーをやったら、両手でにぎりしめていつまでもオモチャにしている。いらないのかと思い、ヒョイと取りあげて食ったら「ギャオー」と色をなして怒りました。まだ言葉もしゃべらない赤ちゃんなのに所有の観念があるんだなあ。興味深い。

 鉄道実録マンガ『鉄子の旅』(菊池直恵)1から5巻を読みました。JRと私鉄の全9843駅を下車したという実在の超人を案内人にした鉄道旅行マンガです。実録マンガなのにアニメ化されたとか。

 基本的にこの鉄道超人・女性漫画家・編集者の3人旅で、鉄道に思い入れたっぷりの鉄道超人が苦行的な鉄道旅行をプロデュースし、そんな旅に不平たらたらの女性漫画家がつっこみを入れ、編集者がなだめたりすかしたりするという珍道中がパターンです。演出なのかもしれないが、この女性漫画家は、鉄道超人のすごさが分かってないよな〜。この人物には禅的な趣すらあるよ。

 オレが最近かぶれている禅の思想では、目的と手段の乖離を嫌います。簡単にいうと、大学に受かるため勉強する→×、勉強をしたいから勉強する→○ ということです。鉄道の駅すべてに下車したいから人生をかけて下車するというのは、◎でしょう。43才にもなって結婚も就職もせずに食パンをかじりながらひたすら全駅下車を目指す。狂をを発しておられます。『「狂い」のすすめ』(ひろさちや)の「狂い」とは、このように発揮すべきだと思ったよ。「それになんの意味があるんだ」という問いこそ無意味です。なぜなら↓

 人生には意味などなく、人は生きることでなんらかの目的を達成することはない。生まれようと生まれまいと大した意味はないし、生きようが死を迎えようが意味はない。生は無意味であり、死もまたしかり。

 何事かを達成しようと達成できなかろうと、問題ではない。失敗しても問題でなく、成功してもこれまたなんにも意味はない。この地球にごく短期間存在している人類のなかで、自分はもっとも取るに足らない小さな存在にすぎない。

 ↑なんだから、いわゆる勝ち組人生を送ろうが全駅下車に人生を費やそうが無意味という点では同じこと〜。無意味といわれるようなことでも、やりたいことをやっておかないと損をしてしまう。

  

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99-10日(日-月)『仏教の歴史』6.7巻を読む

 最近取り組んでいる『仏教の歴史』(ひろさちや)の6巻と7巻を読みました。「取り組んでいる」なんていうほどムズかしい本じゃないけどね。

 6巻は中国仏教の後半。7巻は日本仏教です。作者のひろさちやによると、中国仏教は事実上滅びたといいます。豊かなインドでは(インドが貧しくなったのは植民地化されイギリスに徹底的に搾取されて以降なんだそうだ)民間の布施により教団が維持され民衆と宗教との距離が短かく権力から自立できたが、中国や日本は貧しいために権力の保護がなければ教団は成りたたなかった。そのため必然的に国家仏教となりました。国家仏教は、権力の保護があると発展するが、弾圧や体制内にとりこまれると衰退するという特徴があります。日本では江戸時代に、中国では明朝の時代にそのような現象が起こったらしい。

 明朝をたてた洪武帝は、食い詰めた乞食坊主から宗教をよりどころにした大衆反乱に参加したという経歴をもつため、大衆を組織した宗教の恐ろしさを知悉しており、そのため表面上は仏教を保護しつつもその骨抜きをはかりました。さらに清末にはキリスト教系新興宗教の太平天国により仏教寺院が徹底的に破壊され、共産中国の成立でとどめを刺されることになった。現代の中国仏教にはみるべきものは全くなく、中国仏教は滅びたとまで書かれています。

 7巻はいよいよ日本編です。聖徳太子から最澄と空海までですね。ひろさちやによると、聖徳太子の存在がなければ日本は仏教国にならなかったかもしれないと。聖徳太子といえば山岸涼子の名作『日出処の天子』を思い出します。数年前に上野で王羲之から空海や親鸞までの書を集めた大展覧会がありました。そこで聖徳太子の法華経義疏の真筆が展示されていたんですよ。文字というものは恐ろしいもので、字をみれば1500年も前の人の性格がなんとなくだけど分かる。聖徳太子の真筆は、活字みたいな字でした。聖徳太子ってものすごーく几帳面な人だったんじゃないかな。

「弘法も筆の誤り」の空海の文字も見たはずです。でも、なぜか覚えていないんだよね。上手な字って印象に残らないからだろうか。ひろさちやによると最澄と空海は、日本仏教の二大巨人なのだそうです。弘法大師空海は、大師信仰で大衆に人気があります。でもインテリ層には空海は山師あつかいで最澄のほうが人気がある。オレもどちらかといえば最澄のほうが好きですね。真言密教はマジナイ臭いし、空海はちょいと性格が悪い気がするよ。最澄の天台宗は、人間どころかすべての山川草木にまで仏性があるという本覚思想を唱え、浄土宗や日蓮宗などの鎌倉仏教の母体となりました。山川草木悉皆成仏の精神は、神道にも通ずる気がしますね。

   

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911日(火)チキンラーメン号が来る

 最近ペプシネックスにこっています。カロリーゼロなのに結構うまい。しかし、しょせん化学甘味料の味で、どうもひと味たりない気がしました。そこでいろいろ実験した結果、こいつに5分の1から4分の1程度コカコーラを混ぜると化学味が消えてグンと風味が増し、実にうまくなることが判明しました。混ぜるのがペプシコーラではなく、コカコーラだというところがミソです。マジでうまいので一度おためしあれ。

 日経ビジネスによるとペプシネックスは、ペプシコ社が総力をあげて宣伝しているそうで、かなり売れているらしい。500mlペットボトルのものが100円ショップにもおいていて安価なのも魅力です。毎日ガバガバ飲むのでいつもオレは、500mlペットと注ぎたし用に1.5リットルのコカコーラを購入しています。1.5リットルのペプシネックスだと、すぐに気が抜けてまずくなるんだよね。

 ペプシネックスが切れたので、スーパーに買い出しにいきました。そこで日清食品のチキンラーメン号なる試食キッチンカーが来ているという情報を仕入れ、さっそく見物です。
 

 駐車場にトラックを改造したチキンラーメン号が駐車し、ちょっとかわいい女の子が呼びこみをしていました。なんでもチキンラーメン号は、日本に2台しかなく全国を巡ってチキンラーメンを布教しているらしい。以前、日経新聞の『私の履歴書』にチキンラーメンを発明した安藤百福翁のインスタントラーメン開発秘話が連載されていて、すっかり感心したものでした。それを思い出しましたよ。やはり大物は考えることが違います。この人はインスタントラーメンだけでなくカップラーメン(カップヌードル)も発明してるんだぜ。
 

 

 無料でチキンラーメンを食べさせてもらい、いい気分で帰宅したのでした。

 

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912日(水)冷たいオシッコ

 赤ちゃんと風呂に入りました。いつも暖まったころに細君がやってきて頭を洗ってやります。オレは赤ちゃんが暴れないようにつかまえている役目。赤ちゃんは、本当にシャンプーが嫌いみたいで泣いちゃうことが多い。

 浴槽で赤ちゃんを腹の上に乗せていました。ラッコ方式とよんでいます。ふと思いついて身体をずりずりと下げ、お湯の中にもぐってみました。水中で息をはいてブクブクと泡を出し顔を上げてみると、赤ちゃんが顔をこわばらせている。恐いのかな? 不思議なのでもう一度お湯にもぐり泡を出していると、赤ちゃんがブルッと震えてオレの腹の上でオシッコをしてしまいました。オシッコは生暖かいものですが、冷たく感じましたよ。考えてみれば当然で、40度くらいのお湯の中で37度くらいのオシッコをひっかけられれば冷たく感じられるはずだ。オシッコをもらすほど恐い()ことをしてしまったのを反省。

 赤ちゃんの感性って独特です。遊んでやろうと思って目の前でボールを転がらせたらおびえて泣いてしまったこともある。それに風船をふくらませるのも嫌いで目の前で風船に息を吹きこんだらやっぱり泣いてしまった。…どうもよく分からん。

 

 ここまで書いたところで安倍首相の辞任表明が報道されました。参院選の惨敗後よくもったほうだと思いますよ。右翼(正確には右派?)の希望の星として華々しく登場した安倍氏は、あきらかに経験不足でしたね。右翼とはいえ人柄は悪くないようだけど、冷徹な政治の世界ではそれだけではどうにもならなかったということでしょう。それに自民党の人材の払底にはあきれるばかりです。昔はナチスばりの極右から共産党よりも左なんじゃないかと思えるような左翼までいて、非常にふところが深い政党だったのですが…。今の自民党を象徴するのが顔面ガーゼ農相だろう。
 これが日本の代表の一人だぜ。なんぼなんでもこれはないんじゃないだろうか。政治家にはたいして期待していないけど、せめて見栄えだけでもなんとかしてほしい。こんなのを大臣にするようじゃあ、自民党組織の生命力が相当衰えているというほかない。

 つぎの首相は麻生太郎氏が有力らしい。麻生氏に関してちょっと前に毎日新聞で特集していた。この人は、大金持ちのぼっちゃんで若いころの友人によると、いっしょに自宅にいくと白手袋をした執事が3人も現れて「ぼっちゃま、おかえりなさいませ」とお辞儀したとか。射撃でオリンピックに出場できたのは、自宅に射撃場があったのが大きかったらしい。うらやましいけど、そういう恵まれた人に大半は金持ちでもない大衆のためになる政治ができるかねえ。それにこんな話も伝わっています。『野中広務 差別と権力』(魚住昭)より。

 永田町ほど差別意識の強い世界はない。彼(野中広務)が政界の出世階段を上がるたびに、それを妬む者たちは陰で野中の出自を問題にした。総裁選の最中にある有力代議士は私に言った。
「野中というのは総理になれるような種類の人間じゃないんだ」。
 自民党代議士の証言によると、総裁選に立候補した元経企庁長官の麻生太郎は党大会の前日に開かれた大勇会(河野グループ)の会合で野中の名前を挙げながら、
「あんな部落出身者を日本の総理にはできないわなあ」
 と言い放った

 一部ではマンガ好きとして人気があるようだけど、ウィキペディア(Wikipedia)によると↓

 1989 - 1991年に掛けての「有害コミック」騒動では、「有害コミック」を規制する立場から1991年「子供向けポルノコミック等対策議員懇話会」を結成し、会長となった。

 …だそうで、この人が総理になってもマンガや同人界にはロクなことがなさそうだよ。ところが市場は麻生が首相になるとみたのだろう。まんだらけやブロッコリーといったマンガ関係企業の株が安倍首相の辞任表明直後から大幅に上がっている。安倍がやめた つぎの首相は麻生だ マンガ関係企業の業績が上がるだろう、こんなことオレにはまったく思いもおよばなかったよ。市場のこういう「抜け目のなさ」って本当にすごいよな。

 

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913日(木)『かみちゅ!』『のだめカンタービレ』をみる

 レンタルビデオ屋で借りてきた『かみちゅ!』一巻と『のだめカンタービレ』一巻をみました。

『かみちゅ!』は、『大運動会』『今、そこにいる僕』『R.O.D』の倉田英之氏の脚本だということでみてみました。DVD一枚に二話しか収録されておらず、ちょっと高いね。内容は『もののけ姫』+『耳をすませば』ですな。ショートカット内気ロリ中学生が神道の八百万の神の一人になってしまってアレコレという作品。文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞受賞というだけあってテレビ作品にしては抜群に作画がよい。すごく面白いというわけではないけど、みて損をする作品ではないですね。続きもみようと思う。

『のだめカンタービレ』一巻は、マンガが面白かったので借りてきました。特にどうということもない作品だったけど、当たり前だがアニメなので音楽があるのがよかった。のだめ役の声がオレのイメージしていたのだめ声とぴったり一致。…うまい。『まほろまてぃっく』でまほろさんを演じた川澄綾子という人。しかし『のだめ』は、マンガも四巻までしか読んでないからなあ。アニメをみるんだったらマンガを買ってきたほうがいいような気が…。これは続きをみるかビミョーです。

 先日注文した天野こずえの画集『Cielo』が届きました。三冊目の画集で、一冊目と二冊目はすでに売り切れとか。プレミアがついているらしいぞ。
 

 内容はだいたいARIAの女の子カラーイラストがメイン。上手だけどこの人は白黒のマンガの絵のほうがいいねえ。

 

 安倍辞任後の新総理大臣は、麻生氏かと思ったらよってたかって引きずり下ろされ福田氏に決まりそうな感じです。政界の一寸先は闇ですなあ。福田氏といえば一年前の総裁選で途中で降りた人だよね。安倍の無能を見越して自爆を待っていたとしたらたいしたものだが…。

 

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914日(金)クーラーの修理

 9月5日に故障したクーラーがようやく直りました。どうして修理が終わるまで10日もかかるかなあ。盛夏だったら死んでた…。三洋電機はダメだ〜。ちなみに修理代は17800円。いい機会なので修理に来た人にいろいろ質問しました。

 Q ドライモードとはなんなのか?
 
A 弱冷房のことです。ついでに湿気をとって外に捨てます。

 Q 三日くらいつけっぱなしのことがあるが、休ませる必要はあるのか?
 
A そんな必要はなし。自分も一週間くらいつけっぱなしのことがある。

 Q 室外機にモノをのせたら故障する?
 
A 説明書にはやめるように書いてあるけど実際に故障したのをみたことはない。

 Q 雨にあたるところに室外機を置いたら故障するか?
 
A 問題なし。

 Q このクーラーを買ってから八年たつがあとどのくらいもちそうか?
 
A あと四、五年はもつんじゃないかな。 

 四、五年しか持たないのかよ…。二〇畳のリビングと八畳の寝室、それに六畳の子ども部屋を同時に冷房する強力クーラーなので二〇万以上したんだ。あと一〇年は使えないとやってらんないよー。

 

 最近『初音ミク』という面白いソフトが発売されました。楽譜を入力して歌詞を打ち込むとパソコンが歌ってくれるという優れものです。こいつを使って革命歌や軍歌をロリ声で歌わせたら面白そうだ。

 さっそくニコニコ動画でアップしている人がいました。MEIKOというのは初音ミクの前に出たバージョンです。二つのソフトで別々に歌わせてから合成しているんだろう。合唱させるとわずかに残っている機械っぽさが消えて本当にすごい。外国のオタクのあいだでは日本はすごい技術を変なことに使うと定評があるんだそうな。ナットクですよ。↓をクリック。

 

 

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915日(土)Future Fiction AKIBA-POPSHORT CIRCUIT IIが届く

 電波音楽の二大巨峰『I've』のSHORT CIRCUIT IIと『MOSAIC.WAV』のFuture-Fiction AKIBA-POP!!が届きました。なぜかアマゾンでは、ふたつとも『ソフトウエア』のコーナーにあるので見つけるのに手間がかかってしまった。

 まあたいていの収録曲はny氏にもらって持っているんだけど、好きな曲はちゃんとCDで買わないとね。特にFuture-Fiction AKIBA-POP!!は、ニューアレンジが多いので買わないと。おっとっと…。

 SHORT CIRCUIT IIは、けっこう昔にエロゲーのオマケについていたCDなどに収録されていた曲が中心です。なかなか手に入らなかった名曲が数多く入っているので喜んだ人も多いのではないかな。

 Future-Fiction AKIBA-POP!!は、最近の曲が中心ですね。とりわけ超電波名曲『ガチャガチャきゅ〜と・ふぃぎゅ@メイト(NewTake)』が収録されているのがすばらしい。NewTakeなのでオリジナル版にくらべて「そんなに乱暴にしたら、こわれちゃうよ〜」の声が違っているとか、聞きくらべると楽しいよ〜。

 両方とも電波音楽好きだったら買わなきゃお話にならないようなCDです。

   

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916日(日)『仏教の歴史』8.(ひろさちや)を読む

 『仏教の歴史』(ひろさちや)の8巻と9巻を読みました。8巻は平安時代末期から鎌倉時代にかけて。浄土宗と浄土真宗について。9巻は禅宗と日蓮宗。南北朝時代までです。

 日本の仏教は、国家仏教だったが鎌倉時代に民衆宗教を目指す動きがあった。それが鎌倉仏教であったが、結局その運動は失敗して江戸時代にいたって日本仏教は死んだという問題意識で書かれています。ひろさちやは、もともと浄土宗の人なので浄土宗の開祖・法然びいきで、浄土真宗の親鸞はもとより日蓮宗も禅宗も法然の影響から生まれたとしています。浄土宗系以外の人が読んだ怒りだしそうです。

 そこらへんは割り引いてもオレは、仏教の中では禅宗と浄土宗系が高度な宗教だと思う。自分を鍛えるか他者にまかせきるかということでしょ。両方ともオレには無理そうだが…。

 

『週刊現代』を買ってきました。『安倍晋三「相続税3億円脱税」疑惑』の記事が目当てです。この記事がダウン寸前の安倍首相にトドメを刺しました。

 記事によると発端は、父親の安倍晋太郎が総裁選のためにかき集めた六億三千万円です。所得税で申告すると税金を取られるため全額自分の政治団体に寄付したというかたちをとった。そうすると全額控除になるらしい。ところが肝心なときに晋太郎が死んでしまったため六億ものカネが宙に浮いてしまいます。晋太郎のあとをついだ安倍晋三は、当然政治団体も引きついだのだけど、この六億円を遺産として申告していない。ちなみに申告した場合の相続税は三億円になります。これは政治活動に名を借りた脱税ではないのか。国税幹部に取材した結果、これは明白な脱税であるという言質を得、週刊現代は回答期限を12日にした質問状を安倍事務所に送った。そして期限の12日に突然の辞職。病気を口実に病院に引きこもってしまった。

 新聞記者に追及されるのが恐かったんだろう。ダメダメじゃん。よくこんなのを総理大臣にしていましたなあ。政治資金の問題で総理大臣のクビがとんだのは、リクルート事件以来じゃないかな。くらべるとずいぶんスケールが小さいが。

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917日(月)『仏教の歴史』10(ひろさちや)を読む

 ようやく『仏教の歴史』(ひろさちや)を全巻読み終えました。最終巻の10巻は室町時代から江戸時代まで。室町時代以降は、仏教はたいして発展せずユニークな坊さんのエピソード集みたいになってしまいました。変な坊さんはやっぱり禅宗に多いねえ。

 著者のひろさちや氏のによると、仏教とはこの世(此岸)には価値をおかず、あの世(彼岸)の価値観を身につけることを目指す宗教である。だから仏教が習俗みたいになったり現世利益を言いだすのは、堕落どころか仏教の死ととらえます。そうなったのが江戸時代で、仏教寺院は幕府の民衆支配の道具として戸籍役所になり、また習俗となって機械的に仏教行事を行うだけのものになりました。明治の廃仏毀釈は、第二役所として腐敗堕落し民衆を搾取してきた寺に対する人々の怒りの爆発であったとみます。明治政府が呼びかけた程度で仏寺を打ち壊す運動があれほど広範に行われるはずがない…。

 ちょいと浄土宗系に傾きすぎている気がしたけど面白い本でした。つぎは神道か民俗学の本でも読もうかなあ。

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918日(火)富士山にドライブにいく

 家に閉じこもってばかりいて逼塞ぎみなので朝から富士山にドライブにいってきました。赤ちゃんはチャイルドシートにくくりつけらるのが苦痛のようなので、まだ赤ちゃんが眠っている早朝に出発です。朝は高速道路の代金もETC割引してくれるしね。

 東名高速の御殿場で降り、まず須走の五合目にむかいます。道の両側は自衛隊の東富士演習場。看板が立っていたので記念撮影したら自衛隊の見張りがこっちをみていた。スパイ容疑かな?
 

 クネクネした山道は面白い…。すぐに須走の五合目に到着しました。無料の駐車場にクルマを置いて散歩します。数年前ここから富士登山したのを思い出しました。須走口から登るのが一番楽なコースらしいよ。富士山は、上に登れば登るほど山小屋の態度が悪くなってヤクザになります。頂上で雨が降ってきたので軒先で雨宿りしていたら追い出された人がいるとか。富士山を目指すなら頂上の山小屋には泊まらないで八合目か九合目の山小屋に泊まって日の出前に小屋を出て頂上を目指すのがおすすめだよ。オレはうっかり頂上で泊まっちゃったけど、山小屋は威張ってるし空気が薄くて眠れないしであんまりいい思いはしなかった。

 連休明けの平日なのにけっこう人がいました。登山口の商店街をウロウロしていると赤ちゃんがうんちをしてしまった。空気が薄いからだろうか? クルマにつれて帰ってオムツをかえてやります。いつも思うことだけど、ヒトがせっかく尻をふいてやっているのにどうしてこんなに泣いて暴れるんだろう。

 つぎは富士山スカイラインを通って五合目と新五合目にいきます。富士山に四カ所ある五合目をすべて制覇するつもりでした。途中、富士信仰で有名な浅間神社があったので寄ってみました。想像の三分の一くらいの規模の神社でしたね。でも、よく整理されたきれいな神社でしたよ。本殿が工事中だったのが残念。

 富士山スカイラインを通って五合目にたどり着きました。途中、有名な自衛隊の富士学校があります。富士学校の隣って米軍基地なのな。知らなかったよ〜。五合目は残念ながら霧。だんだん濃くなってきて視界は三〇メートルくらいになってしまいました。目が疲れるし危険なので新五合目はあきらめて朝霧高原に行くことにしました。

 ここらへんはちょっと日本離れした風景です。北海道を彷彿とさせる牧場。オウム真理教のサティアンがあったところ。それに青木ヶ原樹海を貫通する道路となかなか面白いドライブコースでした。

 河口湖畔にある『道の駅かつやま』でイトリキカレーを食べました。なんでも地酒の店が裏メニューとして出したのが始まりらしい。凝り性のマスターが趣味で開発したカレーで、コピーライターの糸井重里が「世界一美味しいカレー」と絶賛したとか。サラサラした独特のカレーで胡椒の粒が丸ごとはいっています。ここで食べるのは二度目だけど、やっぱりうまいねえ。値段も650円とそんなに高価くない。
 

 ずっとチャイルドシートにくくりつけられていた赤ちゃんが不満げにうなっていたので湖畔の芝生で遊ばせました。はしゃいでそこらへんを歩きまわっていましたね。

 中央自動車道から帰りました。まあ、定番のしょぼいドライブコースだけど、赤ちゃんづれだとこんなもんですよ。いい気分転換になりました。

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919日(水)『JR全線全駅下車の旅』を読む

 『鉄子の旅』の案内人、横見浩彦氏の『JR全線全駅下車の旅』を読みました。これは読んで面白い本というより、感心する本ですね。××線の○○駅で降りたという記述が続くばっかりだからねえ。○○駅で降りた、△△駅で降りた、□□駅で降りたという記述がずっと続くと眠くなってくるぞ〜。

 オレもかなりの電車好きです。一般人の細君をつれて(当時は彼女君だったか…)青春18キップで1月に根室まで行ったことがあるくらいだからね。そんなオレでもJR全線全駅下車なんて想像もしたことがなかった。そのうえ著者は、単に降車しただけではなくいちいち駅の見取図まで描いてるんだよね。旅費はバイトで稼ぎ旅行中は駅寝で食パン生活。よく身体を壊さなかったな。すごいな〜。

 

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920日(木)赤ちゃんが口を三角にして泣く

 最近知恵がついてきた赤ちゃんは、よく絵本などをもってきて読んでくれと要求します。彼女の最近のブームは使わなくなった携帯に入っている自分の動画で、こいつをみせると喜ぶんだよね。ナルシストなのかな。

 ソファーにねっころがって本を読んでいたら、ヨチヨチと携帯をもってきた赤ちゃんが顔面に投げつけてきた。携帯は口の付近に激突。いってー! 歯が折れるかと思ったよ〜。赤ちゃんをつかまえて「め〜〜〜〜っ」といいながらおしりをペシペシたたきました。オムツをしてるし手加減したから痛くないはずなんだけど、自分がしかられているということはわかるみたいで、口をダースベイダーみたいに三角にして激しく泣いちゃいました。

 細君がとんできて赤ちゃんをとりあげ「よちよち」となぐさめます。この人は、何回も投げつけられているのに怒らないんだよね。悪いことをしたら叱ってやるのも必要なことだと思うんだがな。根本的に甘いんだよな。オレが締めねば。

 赤ちゃんは10分くらい泣いたらケロリとして、今度は絵本をもってきたのでした。

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921日(金)新宿にいく

 細君が病院にいく日なんだけど、もう赤ちゃんと留守番はこりごりです。メシのしたくをしてくれないから半日絶食するはめになるしな。赤ちゃんもつれていってもらうことにしました。しかしそこは非情になりきれないオレのダメなところで、新宿まで車でつれていってやることにしました。

 なんでこんなに混んでいるのというくらい道路が渋滞していましたね。連休の前だからか…。普段の倍くらいかかっちゃったよ。新宿で二人を降ろし紀伊國屋書店へ。古本屋と提携して絶版文庫フェアをやっています。三時間くらいぶらぶらと本をながめていました。いつもはアマゾンを利用しているけど、たまには本屋の棚をながめないとだめだねえ。最近の流行をつかめて勉強になるんだよね。『真犯人 グリコ・森永事件「最終報告」』『面白いほどよくわかる神道のすべて』『完訳 プリンセス・マサコ』『右翼と左翼はどうちがう?』 の4冊を購入。

『真犯人 グリコ・森永事件「最終報告」』はキワモノかと思ったら朝日新聞社の発行なので買ってみました。グリコ・森永事件の真犯人は同和関係のヤクザだとささやかれているけどこの本ではどうだろうか。

 神道ついてもちょっと知識がほしいと思って棚にいってみたけどたいした本がない。仏教やキリスト教と違って教典がある宗教じゃないからね。習俗みたいものなのかな。比較的面白そうな『面白いほどよくわかる神道のすべて』を購入。

『完訳 プリンセス・マサコ』は、講談社から翻訳版が出ることになっていたのに宮内庁や外務省が抗議したために出版中止になった本。アマゾンの日本サイトで一番よく売れている洋書です。過激な本を出すので(オレの中では)有名な第三書館からでましたね〜。日本の出版の自由いまだ死なず。応援のためにも買ってあげました。ちょっとのぞいてみたけど、雅子妃は適応障害ではなく鬱病だと書かれていた。オレがマスコミ関係で仕事をしていたときには、美智子妃はアル中だとか秋篠宮は知能がちょっとアレだとか皇室関係の噂を聞いたもんだけど、実際はどうなんだろうねえ。

『右翼と左翼はどうちがう?』は、ミニスカ右翼の異名をもつ雨宮処凛の本。右翼というかこの人は新右翼ですな。「14歳の世渡り術」なんていう副題がついているぞ。子ども向けの本なのかな?

 

 本をながめていると病院の順番待ちに夕方近くまでかかるはずの細君からメール。担当の医者が休みで、違う医者から薬だけ処方してもらったと。おまえなあ…。いまさら怒ってもしょうがないので合流してタカシマヤタイムズスクウェアで買い物をしました。

 赤ちゃん用の積み木を買ってやろうと思ってオモチャ売り場をのぞいたら、ちっぽけな積み木ごときが一万四千八百円! たかっ! こんなもん誰が買うんだよ〜。細君は赤ちゃん用の靴を五千円で買っていました。赤ちゃんの足はすぐに大きくなるので数ヶ月ごとに買い換える必要があるとか。だったら西松屋あたりでもっと安い靴を買おうよ…。

 いつの間にかタカシマの12階に引っ越した鼎泰豐(デイタイホン)で小籠包を食って帰宅したのでした。

    

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922日(土)『日本奇僧伝』を読む

 先日注文した『GEKIDAS 激裏情報@大辞典3』が届きました。この本の内容が問題にされて一部の県で18禁になっているようなことが新聞で書かれていたので、どれほどのものかと思い買ってみたんです。

 貧乏くさくて下らない本でしたよ。たとえば『エプソンのプリンターで得する方法』とかいう項では、リコールされたエプソンのプリンターを手に入れてもっといい新型に取り換えさせるとかいう内容です。あるかないかわからないプリンターを探し回るより、そんなことしている時間に働いてまっとうにプリンターを買ったほうがはるかに良くないかい。他にもタイムズ駐車場で駐車券をなくしたと申告すると駐車料金は五千円になるので、長期間駐車した場合は駐車券をなくしたことにしたほうが得だとか、しょぼセコいシロモノ。精神までみみっちくなってしまった悪い意味での下層の臭いがぷんぷんして面白くも何ともない。特に理解できないのが、「クレジットカードのキャッシングの枠を倍にする方法」とか「ブラックでもさらにカネを借りる方法」のたぐいです。どうせ20パーセント近いバカ高い金利をつけて返さなければならない借金だぜ。そんなのをわざわざ借りてどうするんだよ? そんなこともわからないバカが多いんだなあ。

 ちょっとながめただけでうんざりしてしまい、口直しに『日本奇僧伝』(宮元啓一)を読みました。奇僧といえば禅僧なんだけど、この本には禅宗の坊さんは一人も載っていません。自分は悟ったわけではないので禅僧の行動はわからないといういさぎよい理由からです。有名どころは役小角・行基・空也・西行・徳一くらいで、あとは聞いたこともない坊さんが20人以上収録されています。だいたい平安時代の坊さんです。いろんな坊さんがいるけど、なにもかも捨てた乞食坊主がオレは好きだ。

 

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923日(日)『完訳 プリンセス・マサコ』を読む

 21日に買ってきた『完訳 プリンセス・マサコ』を読みました。内容を要約すると、日本人はひどく民度が低く、その民度の低さを利用した宮内庁が雅子妃をボコボコにいじめて、そのせいで雅子妃が鬱病になってしまったというもの。宮内庁は適応障害といっているけど、作者は症状からいって鬱病に間違いないと断言しています。だいたい診ている医者が鬱病の専門医だってさ。最近すごい勢いで鬱がはやってるよね。首相、横綱、皇太子妃と、日本を代表する権力と権威のトップはみんな鬱になって職場放棄ですよ。

 まあ、皇室ゴシップは萌えるけど、たいして内容のある本でもない。むしろオーストラリア人ジャーナリストには、日本がこういうふうにみえるのかというところが興味深かったですね。こんな感じです。「数年前にトンネル工事に女性が加わることを禁止する法律が廃止された。この法律は、女性にトンネルの女神が嫉妬するからという理由でできた!」…どこかの未開民族みたいな書かれ様だよね。アメリカのどこかの町には劇場にライオンをつれていってはいけないとかいう条例があるらしいし、トンデモ法律はどこの国でもあるものだと思うんだけどね。書き手の先入観が強いんだな…。

 宮内庁にかぎらず組織のために個人が押しつぶされるというのはよくある話で、チッソの重役だった自分の祖父が水俣病の患者に典型的にそういうことをやってきたわけだけど、お嬢さんでエリートだった雅子妃には社会のそういったいやらしさへの理解がたりず耐性もなかったのでしょう。しかし、あれだけ優秀な人を徹底的に痛めつけてとうとう鬱病にしてしまうのは、宮内省が悪いというよりも、その後ろにいる善意の日本人の無神経さや民度の低さや残虐さやある種の狂気の表れだと思うよ。こだわるようだけど公害病の患者を見殺しにした日本人に通じるものがある。

 皇室は日本人の道徳的規範として必要不可欠だなんていう保守派がいるけど、人を精神病にまで追いやっておいてよく言うもんだ。まあ、宗教みたいなものだから崇拝することは否定できないけど、崇拝される側は失語症になったり鬱になったりと大変そうです。人間には無理じゃないかな。いっそ木で彫るか金で鋳るかして像を造り、それを天皇にしたらいいんじゃなかろうか。…高師直みたいだなあ。

 ヨーロッパの王室は、親戚の王族が近所の国にいるのでそれなりに息抜きができるらしいけど、日本の皇室は十数人程度の皇族を数千人の宮内省の役人がとりかこんで管理し、電話一本自由にならないらしい。世界で最も孤立した王族だと。すさまじいストレスがかかるようで、そのせいか生まれてくるのは女ばかり。彬子、瑶子、継子、典子、絢子、真子、佳子、愛子、それからようやく悠仁。

 オレは、天皇制は不健康な制度だと思う。役所に完璧なまでに管理され動かされている人たちをあがめ立てるありさまは、うそ寒く気持ちが悪い。皇室にこのまま男が生まれなかったら天皇制は自然になくなるかもしれない。それは良いことだと思っていたのに、男子が生まれて予想が外れたよ。しかし、いずれ生命力を失った現在の天皇家が絶えるのも時間の問題だと思う。そうなったら武烈天皇から応神天皇5世の孫と称する継体天皇に継承したように、孝明天皇の曾曾曾孫あたりを天皇にするのだろうか。

 

 警察官の父親を斧で殴り殺したゴスロリ少女の事件で思い出し『ひぐらしのなく頃 解』をプレイしました。おっかないゲームだから、はじめるのに決心がいるんだよね。ひと晩かかって『目明し編』の解をクリア。一言でいえばキチガイ部落でキチガイ少女がキチガイなことを言いながらキチガイに拷問して殺しまくるというキチガイゲーム。キチガイな上に非常に良くできた話で、よくぞまとめたと作者の才能に脱帽しました。ちょっと太宰の『人間失格』とドストエフスキーの『罪と罰』をパクってるけどね。この二作からパクれるんだから、やはりこの作者の才能はすごい。

 キチガイの一人称でゲームが進むもんだから、こっちのアタマまで狂いそうになってしまった。美少女に「ぐぎゃぎゃぎゃ」とか言われても困ってしまう。えらく血なまぐさい話しだしな。アニメ化されプレステゲームにもなったらしいけど、こんなのそのまま出せるわけがない。どのように薄めたんだろう。

 同人ゲームなのに楽天の通販で購入できます。便利になったもんです。

    

 左が本編で右が回答編。
 
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924-25日『I LOVE 過激派』(早見慶子)を読む

 424日の雑記(雑記27)で書いた過激派上司さんの本が出ました。なかなか出ないからもう出版されないのかと思ったよ。しかし、表紙の写真はいただけない。ちょっとブスに写りすぎてるよ。実物はずっと美人なのに…。

 オレが出てくるのはこんだけ(270ページ)↓ せっかくだからもっと登場させてほしかった…。

 そんな私もやっと世代の違う人とコミュニケーションをかわせるようになってきた。山崎君の友だちの北君。彼は大学生でマンガを措いていた。マンガの表現に必要だと、死体の写真を集めてみたり、猟銃の免許を取ったりと変わったヤツ。変人だけどカワイイ。

 変人だけどカワイイってなんだよお。もっと正直にカッコイイと書けばいいのにい。172ページのこの部分にもちょっと関わりがある↓

 集会での尾行。集団で巣を壊された蟻のようにいっせいに散らばる。権力を悩ませるため、同じ方向は避けなければいけない。数人の単位で行動する。全員紺のヤッケを着ているので顔は断定しつらいはずだ。ちょつと引っ込んだところで、ヤッケをぬぐ。そして普通の若い男女に戻る。ヘルメットを持っている人はどうしても怪しまれる。だから「見せろ」と警察に言われたこともある。私も一度間違って、警察署の前を走ってしまった。もちろん警察署に引っばられた。
「集団で走っているから何かしたんじゃないか?」と疑われる。
「名前を言わないと拘束するからナ」と言われた。
 何もしてないのに拘束されたら、仲間や職場に迷惑をかける。まだ私はいい。他の人は集会にしか参加していない大衆だ。私は取り引きした。自分の名前を名乗れば、他の人についてはいっさい聞かないようにと。話し合い成立。オルグしている人の情報は知らせないですんだ。

 このとき、オレもいっしょに警察に引っ張られたんですよね〜。いかにも不当弾圧みたいな書きかただけど、どうかなあ。過激派集会が終わって警察の尾行をまくために裏道を走り回るわけです。過激派上司さんについて走っていたら警察署の前に出ちゃってさあ。紺ヤッケを着たあやし〜やつらが4人もドタドタとかけてきて警察署の前でUターンして逃げていったんだぜ。警察署の入り口で歩哨していた中年刑事はビックリして30センチくらい飛び上がっていたよ。そのまま遠くに走っていけばいいのに路地で着替えたりしてたもんだから、すぐに十数人の警官隊に取り囲まれて警察署に引っ張られてしまった。

 そりゃあ捕まるだろうと思ったよ。上司さんには悪いけどイカリなんてまったく感じず、ひたすら滑稽でおかしかった。過激派集会には身元が割れるようなものは持っていかないし、「悪い」ことをして逮捕されたわけでもないからね。留置所に放りこまれるとしてもどうせ一泊か二泊だろう。それもいい経験だと思ったくらいでした。青ざめた過激派上司さんが警察に抗議している様子も気の毒というか滑稽というか…。「なに、気がつかないうちに署の前に出ていた? 過激派失格だな」なんていう警官のセリフを漏れ聞いて、もう笑いをこらえるのに必死でしたよ。この件をそんなに気にしていたとは意外でしたね。

 そうそう、この本を読むと過激派上司さんはヤリマンねーちゃんみたいだけど、そんなことはないよ。実にまじめな人でした。この人は正直だからそっち方面も素直に書いてしまうんだよね。そういう部分を読んで、いかに女性が強く『性』に束縛されているかを感じましたね。

 雙田さんという人とも自動車で三里塚につれていってもらったりして、ちょっとだけ面識がありました。実に立派な人でしたよ。しかし、なぜ社会の矛盾に怒りを感じたからって過激派に入るということになるのだろう。中庸ということを知らないのがこの人たちの最大の欠点でしたねえ。

 後半に活躍する山崎君を上司さんに紹介したのがオレなんですよ。よせば良かったと後悔している。栄養失調になって血を吐いて倒れるまで活動しちゃって…。骨と皮になった彼に、いいかげんにしとけと何度か忠告したんだが…。金を渡すとみんな上司さんに渡しちゃうのは目に見えていたから、家によんで豚スキを食べさせ、薬だと思って飲めといって卵を食わせたりしたっけなあ。上司さんは、仕方なかったみたいなことを書いているけど、恋愛感情を利用して他人をあそこまで搾取していいのかねえ。資本家をはるかに超えてるぞ。親に頭を下げて助力を乞えば娘が過激派を抜けてくれたんだから大喜びで助けてくれただろう。自分の意地のために山崎君を犠牲にしたともいえるわけで、もう少し反省の言葉があると思ったけどな。山崎君は、その後秋の嵐でリンチされて自殺寸前まで追い込まれちゃって……。書きたいことはあるけど、まあやめておこう。

 その後上司さんは、自殺してしまった右翼で作家の見沢知廉氏とつきあっていたらしく、見沢知廉追悼誌で見沢知廉氏を『罪と罰』のラスコーリニコフに、自分を「聖なる娼婦」ソーニャになぞらえ、自分はソーニャになれなかったと書かれています。今回出版した『I LOVE 過激派』では雙田さんをキリストに、自分をマグダラのマリアになぞらえている。自己愛が強いのかなあ。そういうのが好きなんですねえ。

 今度出版記念パーティーがあるということなので、伺わせてもらおうかなと思っています。 

 

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926日(水)『イエス』(安彦良和)を読む

 ファーストガンダムの作画を担当された安彦良和氏も学生運動経験者で、それどころか弘前で活動をしすぎていられなくなってしまい、やむえず東京に出てきて虫プロに入ったのがアニメーターになるきっかけだったとか。

 『イエス』 はオールカラー408ページという大作です。新約聖書が元ネタなんだけど、イエスを神の子ではなく天才的な宗教家として描いています。こういった聖書の解釈は、八木雄二の『イエスと親鸞』を参考にしているね。ここからとったなというところが結構ありますよ。

 あんまり面白かったので、同じくオールカラーシリーズの『我が名はネロ』を読みました。安い中公文庫版が出ているけど読みにくいから最初に出た大判を買ったほうがいいよ。『我が名はネロ』はモンタネッリの『ローマの歴史』とスエトニウスの『ローマ皇帝伝』が元ネタの暴君ネロの伝記です。この本の後半にイエスのダメな弟子だったペテロが登場。『イエス』につながっています。両方とも最も優れた歴史マンガだろうと思う。文庫本を一冊読むくらいの読みごたえがありました。

 

 話は変わるけどネットで面白い写真を見つけました。『安倍前首相の氏名標(名札)に手を乗せて談笑する小池百合子元防衛相…高村前防衛相と
 

 安倍が今も首相だったら、こんなにもバカにはされるまい。その場にいない安倍の名札をわざわざ立てて、手をのせているもんな。安倍は事実上失脚しちゃったわけで、権力を失った政治家とはあわれなものだ。それにしても政治家ってのは人品が卑しいな。

    

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