冥土通信18号
北のりゆき
はじめに
この文は、98年12月30日に開催されたコミケで配ったビラの一部です。改行など原文と一部変えたところがあります。
遊撃インターネットに戻る遊撃隊発行のマンガ同人誌は、ペン入れまでできていたのですが、遊撃隊落選の通知がきてガックリきてしまい発行しませんでした。
ところでみなさん、カタログの937ページを読みましたか? 「彼氏・彼女のコミケット事情」というコーナーの「徹夜は禁止なのになんでテント張って徹夜してる人がいるの?」というところで、こんなことが書いてあるのです。「この世の中には、言葉やモラルが通じない、とっても困った人たちがたくさんいるんだ。―略― 人の迷惑とかコミケの存亡とか考えない、まるで渋谷のチーマーや新宿のホームレスと同じような人たちなんだ。自分の都合で社会のルールを守れない人たちだから ―略― 」。おいおい、資本の論理により恒常的に生み出され「流民労働者」として搾取され、日常的に野垂れ死にを強制されている日雇い労働者を「自分の都合で社会のルールを守れない人たち」だと! この寒い時期に好きこのんでホームレスになる者がいるわけありません。どうやらこの書き手は、毎年何人も凍死者が出ていることも知らないようです。今の時代は、身よりのない人が大きな病気をして貯金を使い果たせば誰だってホームレスになってしまう可能性は十分にあります。オレだって一歩まちがえればホームレスになりかねず、人ごとじゃありません。コミケスタッフよ、ずいぶんと偉いじゃないか。同じコーナーで放火事件についていろいろ書いているけど、こんなシロモノを読まされたらいいかげん共感する気も失せるってもんです。
そういえば夏のコミケ放火事件では、遊撃隊/冥土出版は容疑者らしいです。危険本を発行し、左翼系のサークルと見なされたからなのでしょう。「オレってサヨクなのかなー」という疑問はさておき、そんなことで放火の容疑者にされたらかないません。あるスタッフを通じて準備会から「警察から遊撃隊/冥土出版の申込書を提供しろという依頼がきたので、提出した。申し訳ない」という言づけがありました。提出したことを黙ってられるよりずっといいけど、なんとも迷惑千万な話です。まぁ、捜査してもらう立場の準備会は、なかなか拒否もできないだろうし、この件に関しては勝手な見込みで捜査している警察に腹が立ちます。でも、放火事件があった日は、自宅で知人と目を三角にして同人誌の製本をやっていました。本当に疑いをかけられたらその人が証言してくれるそうです。まぁ、とんだ見込みちがいで、たしかに迷惑で不愉快ですが大した心配もしていません。
遊撃隊/冥土出版が疑われているということは、ひょっとしたら犯人はこの冥土通信を読んでいるかもしれません。一言メッセージです。放火という危険な行動をとったということは、それなりの意図があるはずです。しかし送られた声明も公開されませんし、なぜコミケに火を放たねばならないのか意図が読めないのです。大勢の人が「なぜ」と思っているはずです。どのような形でもよいですから、声明を遊撃隊/冥土出版にも送ってください。もし送ってくれたらできるかぎり公開します。犯人しか知り得ない事実を提示してくれれば、ニセモノと区別が付きますので、よりベターです。(北)
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