通算‐１８万９６２円

　今回の敗北の原因は、ＮＯＫの損につきるでしょう。この銘柄だけで２８万２３４５円のマイナス…。あう〜。これが無ければ１０万１３８３円のプラスになっていたのですが…。

　ＮＯＫは、自動車のグリースやオイルを密封するオイルシールを主に生産している会社です。最近はトヨタなど自動車メーカーは業績がよく、株価も上昇しています。そのため自動車部品メーカーのＮＯＫも業績がよく、おそらく株価は上昇するだろうと睨んだのです。ところが中間決算で業績の下方修正が発表され、株価はストップ安の暴落。買値から３０パーセントもマイナスになってしまいました。どうやら台湾の企業に価格競争を仕掛けられ、儲けが吹き飛んだようです。

　調査不足だったかもしれませんが、今回の下方修正は会社の内部か自動車部品業界にでもいなかったら分からなかったと思いますしねぇ。他の銘柄は、ほぼ思惑通りにいっていたので残念です。

　二週間程度持つ予定でしたが、売り時期がちょうどＮＯＫの暴落に当たってしまいました。極端に暴落した株は、ちょっと待つとある程度リバウンドすることが多いので、二週間ほど手仕舞いを伸ばしました。一時期はマイナス４０万近くまで損がふくらんでいたのが、なんとかマイナス１８万まで戻したのは不幸中の幸いです。しかし、今回は多少戻ったからよかったですが、さらに損がふくらむ可能性もあったわけで、最初に決めた時期がきたら機械的に損切りすべきだったかもしれません。今後の検討課題です。

　今までの売買の実現損益が２４万５９００円のプラスでしたので、今回の損をさし引くと６万４９３８円のプラスになります。儲けは５万とか、せいぜい１０万程度をちょこちょこなのに、損するときは一気に落っこちます。積んでは崩しみたいですね。またフリダシに戻った感じですが、まだプラスなのが救いです。今回の敗北を教訓に、より慎重な取引を心がけたいと思います。

　明日は釣りに行く予定。早寝しました。

　朝の３時に起き、５時に家を出ました。一人では退屈なので細君も実家に帰るとか。起きだして食事を作ってくれました。釣りに行くにしてはずいぶん遅い出発です。船の釣り座は早いもの順なので、早く着いたほうが良い席を取れます。普段は４時前には出発しますからね。

　行き先は羽田。多摩川の河口にある船宿です。朝から高速道路を使って遠出をするのはしんどいので、東京湾奥から出発する船で釣り場に連れて行ってもらおうという作戦です。コンビニで弁当を買い、６時過ぎに到着しました。どうでもいい話だけど、オレは釣りにおにぎりは合わないと思う。稲荷寿司を買いました。

　ネットにアップされている５００円割引券を出して船代が８５００円。２００円の仕掛けを二つ購入し合計８９００円払いました。エサやコマセは船代に含まれているので無料でもらえます。コマセはイワシのミンチ。イワシをグチャグチャにすりつぶしたものです。冷凍したものをバケツに入れてもらいます。こいつをアンドンビシに詰めて寄せ餌にします。

　つけエサは青イソメ。こいつをハサミで２センチくらいに切ってつけます。イカを食紅で赤くした赤タンというのを使うこともありますが、今回は青イソメでした。青イソメが脱走しないようにフタに仕掛けがあるのが面白いですね。

　７時１５分出発です。土曜だというのに客はオレとベテランのおじいさんの２人だけでした。いっしょに出発するカワハギ船は２０人以上乗っているのになあ。今年は全国的にアジが釣れていないため、人気が無いみたいです。でもねー、東京湾のアジは絶品だからね。食べたかったんだよね。デパ地下で購入した天然物のシマアジにも負けていないくらいうまいですよ。

　アジくらい釣れ場所で味が違う魚もいないと思う。魚屋で売っているのは外海で回遊しているアジ。こいつは普通のアジです。美味いのは湾内の根についたアジです。こいつは色からして違います。幅広で金色なんですね。関アジ、関サバが有名ですが、東京湾のアジもこれに負けていません。東京湾は、栄養が豊富で湾口は走水という地名があるくらい潮の流れが速い。いい物を食べて運動している魚が美味いのは当然です。それに浦賀水道の本船航路があるため漁師が網を入れることができず、魚影が濃いのです。公害は大丈夫なのかとよく聞かれますが、最近の東京湾はきれいですよ。特に東京湾横断道路の外側はきれいで、ゴミすらほとんど浮いていません。むしろ民度の低いどこかの国から流れてくるゴミが多い田舎の海岸のほうが汚れていますよ。

　文字通り雲ひとつない快晴。涼しく非常に気分がよい。５０分ほど走り、横須賀の先の中の瀬というポイントで釣り開始です。水深３８メートル。ここは１５センチ程度の小型アジが数釣れるところ。オレは大物狙いよりも小物の数釣りが好きです。いつ釣れるかわからない獲物をじっと待つ釣りって退屈だからね。上げたり下げたり外したりの小物釣りのほうが性格に合ってるんです。ところが、…釣れない。いくらコマセをまいて誘ってもダメ。なにをやっても当たりがありません。１時間以上頑張って一度だけ当たりましたが、あわててあわせたら口が切れて逃げてしまいました。アジ釣りは２年ぶりです。すっかり忘れていましたが、アジは口が弱くすぐ切れて針が外れてしまうので、あわせないんです。さらに１時間頑張ると変なのがかかりました。通称パックンチョと呼ばれるイトヒキハゼです。こんなの持って帰ってもしょうがないので、放流します。イトヒキハゼが掛かるということは海底は砂地なのだろう。

　２時間待ってもダメなので、３０分ほどかけ東京湾口の観音崎沖に移動しました。水深８０メートル。最初に釣れたのは金魚みたいなシロムツ。深場から上げたので目が飛び出して死んでしまってます。けっこういい魚らしいけど小さすぎて食べるところがないので放流。トンビが拾っていきました。

　辛抱して１時間ほどコマセをまいていると、ようやくきました。１匹目は、水面まで上げたのに上手くタモ網に入れられずバラシ。あう〜。２匹目からは、立て続けに上げることができました。計ると３７センチの立派な大アジです。タイではないかと思うほどよく引きました。

　せっかくの獲物を劣化させないようシメなければなりません。ナイフを使う人がいますが、魚が暴れると危険だし手間がかかるのでオレは手でシメています。親指と人差し指をＵ字型にして、魚の腹から両のエラに指を突っ込み、魚のノドをちぎります。それからグイイイと頭を上にあげてヘシ折ります。こいつはサバなど青魚に使う方法で、冗談みたいだけど「サバ折り」といいます。相撲のサバ折りはここから取ったんじゃないかな。魚はエラから劣化するのでエラもむしりとり、ついでにエラとくっついて出てくる胃袋も引っ張り出します。臭いがつかないように胃袋の中のコマセを取るためです。１０分ほど海水を入れたバケツに入れて血抜きして、氷水を入れたクーラーに保存します。

　５匹釣ったところで当たりが無くなり場所移動。違う根についたらしく、今度は２５センチくらいの中アジが３匹つれました。この日は風が強く、三浦半島の反対側の相模湾の船宿は出船中止になったほどです。２０メートル近い風速のなかで揺られながら魚を釣っていると、いかにも生き物を狩っているという野性的な気分になりますね。大中あわせて８匹釣ったところで当たりがなくなりました。釣りというのは、釣れるときはポンポンかかるけど、当たりが遠のくとまったく食いません。平均的にポツンポツンと釣れることはあまりない。

　３０分ほど走り戦前の要塞島第二海堡周りに転進。水深２８メートルに糸を下ろします。船長はもうアジは釣れないと見切ったらしく、今度はサバねらいです。すぐに４０センチを超える大サバが食いました。立派な松輪サバです。松輪港で上がった東京湾の一本釣りのサバを松輪サバといいます。関西で人気が高く、年末には浜値で７５０グラムの魚が５千円以上するとか。こいつもシメて丁寧に持ち帰ります。

　サバは４０センチ超えるのが４匹釣れました。１匹はゴマサバ。姿形は同じだけど、ゴマサバは腹にゴマ状の斑点があります。こいつはパサパサしてあんまり美味くないので、放流してしまいました。でも、今は脂の乗っている季節だから、持って帰ればよかったかな…。その後どんどん風が強くなり、２時半で沖上がりになりました。

　同乗のベテランはアジ１０匹。オレは８匹だけど、アジ釣りはかなり腕の差が出ます。久しぶりにしては、まあまあだったかな。でも、アジだったら２０ぐらいは釣りたかったなぁ。今年は全般にアジは不漁みたいですね。

　左上の３匹がサバ。他がアジです。この金色に輝く魚体を見よ！

　細君は実家に帰って不在のため、風呂に入ってインスタントカレーを食い、すぐ寝ました。明日魚を食べるのが楽しみです。

　１１時に再び起床。細君が赤ちゃんを連れて実家に帰っているので、いつも世話になっているお礼に昨日釣った魚を持って迎えに行くことに。高速道路は高価いので下道をトコトコと行きました。なかなか着かない…。２時間近く走ったらいい加減イヤに。高速に乗りました。細君実家では、赤ちゃんはチヤホヤされていたようでご機嫌。１時間ぐらいお邪魔して大アジ２、サバ１を置いて帰りました。ついでにオレの親の家にも寄り、ここでもアジとサバを土産に。

　帰宅後、細君がアジの刺身とサバの塩焼きを作ってくれました。すごい脂の乗りかたで包丁を入れたらすぐに真っ白に。刺身は、アジトロという感じ。脂がのっていて美味かったですよ〜。アジは、もともと美味い魚ですけどね。自分で釣ったものは、刺身や塩焼きみたいに素材を生かした料理がいいですね。しかし、アジ以上に驚いたのはサバの塩焼きです。あぶらたっぷりの巨大サンマという感じ。サバ臭さは控えめで、むしろ好ましい香りに。うまみたっぷりで、塩か醤油をかけただけで、スルスルと口の中に吸い込まれていきました。さすがに５千円も出す人がいるだけあって美味い！　

　食事中に親から電話。アジを刺身にしたら大変美味かったとのこと。サバをどうしたのかと聞いたら、食いきれないので冷凍したと。あああああ…。せめて干物にしてくれよ。モノを知らない人にいい物をやってもあんまり意味無いなあ。

　昨晩もあんまり眠れなかった。くたびれているのに眠れないというのは困るよなぁ。金曜に約定しなかった株を取引しました。

　そうそう。皇室献上の最高級愛媛ミカンの格安キズあり品というのが届きました。ネットで送料込み３キロ千円と安かったので４箱注文してみたものです。皇室献上というと、なにやら大したもののように思えてしまうのは、オレの内なる天皇制の故であろうか？　本物の献上ミカンは、いちいちメロンみたいに包んで桐の箱に入れてるのな。１６個入りで１万円だと。たか〜。

　さて、どんなもんだろうと思って食べてみました。大型で皮が厚く味が濃いタイプですね。たしかに美味いけど、抜群というほどではないなぁ。オレは小粒で皮が薄くフニャフニャして優しい味のミカンが好みです。

　献上ミカンと同じ木になっていたというふれこみだけど、これで１万円は…ハハハ、出さないなぁ。それに献上といってるけど、勝手に送りつけただけかもしれないしね。でも、送料込み３キロ千円だったら、すごく安いよ。好奇心も満たされたし、いい買い物をしたと思う。

　評判の良い『ユリア１００式』を読みました。超高性能ダッチワイフの女の子が押しかけ女房するマンガ。こう書くといかにも下らなそうだけれども、その通り下らなかったです。期待に違わぬ下らなさというか…。

　主人公のユリアが、ダッチワイフというのが新機軸で面白い…のかな。男は相手を人間の女の子だと思っているのに、本当はダッチワイフで、美少女がダッチワイフ的言動をするというギャップがこのマンガの笑いのキモなんだな。ユリアと男がセックスしちゃったら話しは終わってしまうので、毎回アブなげなシーンを描きつつも常に寸止めです。ずっとこの調子で何巻も描きつづけるのかな。笑いながら可愛い女の子の下品でエッチなマンガを読みたければ楽しいと思いますよ。ただ、イマイチ横向きの顔がヘタだしなぁ。☆☆☆★★くらいかな。

　長いこと積んでいた『螺旋回廊２』を、ちょこっとプレイしました。前作の鬼畜レイプゲーム『螺旋回廊』は、非常な傑作でした。終わったらすぐに２を買ってきたくらいですからね。ただ、あまりにも黒いゲームだったので、２をプレイするのに踏ん切りがつかなかったのです。女の子のキャラを立てて、追い詰めて、くり返しレイプして、人格を崩壊させ、性奴隷化するという螺旋回廊の黒い内容は、抜けると同時に猟奇ゲームとしても大したものでした。それもそのはず、名作エロゲー『君が望む永遠』のスタッフが作ったゲームなんですね。マナマナルートをレイプの方に持っていった感じでしょうか。

　ただねぇ。細君がそばにいるんで没頭できませーん。もう慣れっこになったらしく、普通のエロゲーだったらどうってことないんだけど、螺旋回廊２は「ひいいぃぃぃ」「ぎゃあああぁぁぁぁ」「いゃあああぁぁぁぁ」「やめてえええぇぇ」とか、そんなセリフばっかりだからねぇ。細君のスキを盗んでプレイして、クリアしたら改めて感想を書かせてもらいますよ。今のところ☆☆☆☆☆

　先日下のような記事がブル新サイトに載っていました。

「床に尿の跡」ということは、小１用の小さなパンツやズボン（１２０サイズ？）では吸収しきれず、股などからチョロチョロと流れ出るほど、たくさん漏らしてしまったようです。オシッコを我慢できないくらい、とっても苦しかったんだね・・・（涙）

この子が尿を出して訴えた、「絞殺の苦しさ・むごさ」のメッセージを真摯に受け取って心に刻み、このような悲しい最期をとげる子どもを、少しでも減らすことで、亡くなったお子さまの尊い犠牲に報いたいと思います。

　そういえばこの写真…　奥から、「Ａ香ちゃんのご遺骨」、「Ａ香ちゃんのご遺影」「大好きだったポケモングッズ」、「Ａ香ちゃん死亡時のお洋服」など、貴重なものがたくさん写っていますが、もしかしたら、このお部屋でか細い首を「ギューギュー」と絞められてしまったのかもしれませんね。Ｇ憲くんが、手足や全身をバタつかせながら、必死に助かろうとする姿やグッタリと力尽きて生温かいオシッコが流れ出てくる様子を、Ａ香ちゃんのご遺影とピ●チュウたちが、優しいまなざしで見守っていたのでしょうね。（あれ？　左下になんだか尿失禁のようなシミが・・・気のせいかな？）

　こいつ、しょうがねぇなあ…。しかし、なぜこのセンセイが書類送検されるハメになったのか考えました。著作権法違反ということですが、明らかにこれは別件だよね。要するに他人の癇に障ることをしたというのが、センセイの真の「罪状」だろう。

　それにしても、死んだ子どもの画像を使われた親は、子どもの姿を見せて同情されることはあっても、面白がるヤツがいるとは夢にも思っていなかったんだろうな。甘い、と思う。

　今日で日記を書きはじめて二ヶ月目です。よく続いたと思う。これからも途切れさせることなく続けていきたいと思っています。

　１１月６日と１３日に買った株を決済しました。わずかながら儲かりました。下に詳細な結果を載せました。買埋と売埋の後ろに書いてあるのが決済金額です。ぴったり計算が合わないのは、金利を差し引いているため。手数料は売り買いそれぞれ４７２円です。

１１月６日分

１１月１３日分

　今回はサイバネットの大幅下落がこたえましたね。新興株系がさらに下がるというのは予想外でした。　

　天気がよく気分がいいので家族３人で散歩しました。イチョウの黄色が美しい。食い物は美味いし涼しいし、オレは１０月後半から１２月にかけての季節が一番好きだな。今後二度と通ることがないだろう路地を歩いたり、川べりに出たり。細君の提案で子どもを遊ばせる母親が多く集まるという公園を偵察。もう１２月なのに数人のお母さんが地面にビニールシートをひいてピクニックみたいにしていた。寒くないのかな。

　帰りがけに子ども連れで気楽に入れるマクドナルドで食事。ファストフードはあんまり感心しないんだけど、他に選択肢がないのだからやむ得ない。慣れればそんなに悪くもなく、けっこう重宝しています。マクドナルドの子ども椅子は合理的にできているな。そろそろ購入しようか検討。

　この本は、９０年に東欧民主革命を受けて放送されたＮＨＫスペシャル『社会主義の２０世紀』の書籍版です。この『社会主義の２０世紀』は、録画して何回も観ました。今でもＤＶＤ化して大切に保管しています。社会主義と暗い音楽が妙にマッチした貴重映像満載の傑作です。

　書籍版では前半は取材の苦労話、後半はソ連史の専門家が「記憶の蘇生・ソ連史の七〇年」としてロシア革命の暗黒史を書いています。和田春樹と下斗米伸夫という気鋭の学者が執筆しただけあって、この部分がよくまとまっています。しかし、この４巻だけでなく全巻を通じてソ連型社会主義の批判ばかり書かれ、北欧などヨーロッパで主流になっている社会民主主義についてなにも書かれていないのが不満でしたね。レーニズムは、モンゴル型社会主義とか兵営社会主義といわれるように、社会主義運動の異端でした。それが主流になってしまったところが問題だったのですが。

　現実には、レーニン率いるボリシェビキは、右翼や王党派に対する闘争以上に穏健社会主義者や民主主義者を弾圧し、内戦とテロルによって他党派を絶滅させるというものすごいことをしています。そもそも十月革命で打倒されたのは、帝政ではなく穏健社会主義者と民主派の連合政権です。だから、極左ならともかく社会党やリベラル派がボリシェビキを評価するのは、とんでもない間違いだよね。ロシア革命史では、レーニン率いるボリシェビキが政治技術とテロルと軍事を駆使して他党派を殲滅していくさまに第一に興味を引かれました。

　ソ連の鎌とハンマーの国章や日本共産党の歯車と稲穂の党章は、労働者と農民を表しています。労働者と農民の結合を謳いながらボリシェビキの農民に対する残虐さはどうだろうか。ソ連だけではなく中国でも共産党革命によって最も多くの犠牲者を出したのは農民でした。スターリンによる人口飢饉によって数百万人もの農民が餓死に追いやられていたということは、９０年当時もよく知られていました。同様に、レーニンも食料の強制徴発というかたちで農民に戦争を仕掛けています。政策として強盗軍隊を農村に派遣し穀物を奪ってくるという荒っぽさです。この本に部隊長が農民を集めておこなった演説が収められています。

　当然農民は反乱を起し、内乱になってしまいました。『収容所群島』の作者であるノーベル賞作家ソルジェニーツィンは、レーニンからスターリンにいたるボリシェビキによる農民虐殺を大きなテーマにしています。

　他党派を絶滅し、「階級敵」である自営農を根絶したあと、ボリシェビキは自らを食いはじめます。対立勢力を一掃し国家と一体化した党派は、その内部で権力闘争を激化させるのです。他に政治勢力がないのだから、当然といえば当然です。まずレーニン最後の闘争。レーニン死後の後継者争い。スターリンの権力掌握後の反対派との闘争。そして大粛清。ロシア革命史の中でもとりわけ暗く陰惨でどうにもならない部分なんだけれど、それゆえに興味をひかれます。政治のものすごさというか…。スターリンは、専制権力を維持するため大粛清で共産党すら空洞化させようとしたという説も紹介されています。

　スターリンや大粛清関連の本は、当時集められるだけ集めました。どうしてオレは、こんなに革命の暗黒面にひかれたのだろう。革命というのは、被支配階級が支配階級を打倒する社会体制の根本的な変革をいうらしい。オレの中では、貧しい人たちが権力者に立ち向かう行動で、貧しい人たちが死ぬほどひどい目にあっているのならそれ自体は「正義」といえると思う。しかし、「解放」「平等」「自由」などの理念をかかげて行われたはずの革命が、結局「圧制」「特権」「抑圧」しか生み出さなかった矛盾。一時期は世界の良心といってもよかった毛沢東が、中華皇帝に堕落して同志を殺し農民を殺していく。命がけで専制と闘った革命の闘士が、スターリンに屈服して同志を裏切っていくありさま。そのスターリンだって、５回逮捕されて６回脱走している筋金入りの活動家だった。スターリンのパラドックスは昔のことではなく、今でも政治運動や市民運動に忍び込んで、しばしば醜さをさらけ出します。