ここにアップした絵画は情報提供者の方がカンボジアを訪れ、ポルポト派の虐殺刑務所として有名なトゥール=スレーンで買った「案内書」に掲載されていたものです。
ひどく悪い印刷ですが、拷問の様子などショッキングな絵もあります。これらは現地に掲示してあるものだそうです。。
以下情報提供者の方からいただいた説明に少し手を加えました。
トゥール=スレーンはプノンペン市街のごちゃごちゃとした家並みの中にあります。ここで展示・紹介されているような残虐な事が全部そのとおりにあったのか、確かめることはできません。
現在の政権はヴェトナム寄りですが、カンボジアの国民感情としては歴史的にヴェトナム人に対して被害者感情を持っています。タクシーの運転手もヴェトナム人の悪口を言っていました。従って、ヴェトナムの援助でポル=ポトを倒したヘン=サムリン政権の直系である現政権としては、ポル=ポト時代のネガティヴさを強調することが自らの正当性を主張することになるのです。
たとえば訪問者のために英語で囚人の掟を紹介したり、拷問の様子をへたくそな絵で展示するなど、感情に訴えようとしています。ベランダに張られた有刺鉄線の網も20年以上も前からのものとは思われず、張り直されています。
しかし大量の頭蓋骨は偽造できるものではありませんし、生き残った人たちによる残虐行為の証言はかなりあるようです。トゥール=スレーンで紹介されているそのままの事が全部あったわけではないにせよ、質・量ともそれに近いものがあった、と判断してもよいのではないか、と思います。
「案内書」表紙