オウム真理教怪文書

これは「松本サリン事件に関する一考察」を分析した文書である。オウム信徒が書いたと思われる。「松本サリン事件に関する一考察」とは、オウム真理教に対する強制捜査直前にマスコミに出回った「松本サリン事件はオウムの仕業だ」と暴いた怪文書のことだ。したがってこの文書は、怪文書に反論する怪文書という珍なものである。

この文ではオウム真理教特有の陰謀史観がいやらしく鼻につくが、彼らの思考パターンの一端が明らかになるものであると考え掲載することにした。情報提供者によると、おそらくネット上では初公開であろうとのことだ。この資料を提供してくれた某氏に感謝したい。(編)


「松本サリン事件に関する一考察」に関する一考察

  by ata to atoyama&た.き.もとオウム在家信徒

 これは「HtoH&T.K.」なる者による『松本サリン事件に関する一考察』

という怪文書を解析したもの。宝島30に載ったものをテキストにしたが、そ

の後JICCから怪文書をまとめた本が出ている。

 立花隆の解析はデタラメであり、彼がやはり「公安の御用ライター」である

ことがわかる。

 JICCの方はそれよりはましだが、やはり本質をとらえていない。

【概論】

○オウムについて詳しくない人でも書ける内容。

○特別な情報(特別に調べなければわからないこと)は、

1:宮崎から上九へ来る途中のJAFのこと。

2:毒ガスの使用法

 の二点のみである。

○感情的にならず、非常に冷静、時にふざけた口調で語っている。

○ただし、追伸は非常に緊迫感がある。

追伸1は1/1〜1/4の間。読売新聞記事以降、オウム側の告訴以前。

追伸2は1/4以降。すばやく告訴したので、あわてて対処した感じ。

【話題の中心】

○どういうわけか宮崎事件が極めて重視されている。

 また、宮崎事件に関してはかなり詳しいと思われる。

 宮崎事件から毒ガス事件に無理やり結びつけられている。

○毒ガスの扱い方について極めて詳しい。

 松本事件の実行犯の実際の手口を知っているように思える。

○全体に裁判に対する興味が高い。

「裁判」「訴訟」「弁護士」という用語が多用されている。

また、オウムが訴訟好きということを執拗に強調している。

筆者は「裁判」関係者なのか?

【オウム内部に関して】

○オウム真理教に関する情報は、

1:「宮崎の男性」から得られる情報(機関誌の内容も含めて)

2:マスコミ報道された内容

 のみである。

○情報の内容から見て、出家者から情報を得ているとは思えない。

 この程度なら出家者内のスパイ利用や公安の調査もする必要なし。

 カジヤさんが見聞きできる範囲の情報にとどまっている。

○出家者が書いたとは考えられない。立花が言うような、内部の人間でなけれ

 ば知らない情報など全くない。

○集団自殺説も、具体的な論拠はなく、一般論から述べている。

○オウム食=野菜の煮物という表現。カジヤさんは確かにそう言っているが、

 この時期に特別にオウム食を食べてたのはカジヤさん一人。オウムの出家者

 はこの時期「お供物」と呼ばれる食事をとっている(ま、オウム食の方が豪

 華だと思う)。

  ※被害対策弁護団の滝本氏が九五年二月ごろのフォーカスで、「オウムの

   出家者」が野菜の水煮を食べていると断言しているのと一致する。ごく

   最近まで滝本は野菜の水煮説を主張していた。

  ※実際にはカジヤさんの料理は、「お供物」+野菜の煮物であったという。

   オウム内ではきわめて異例の「豪華」な食事だったということだ。

○ロシアでオウムがテレビ放送していたのはオスタンキノと書かれているが、

 誤り。「真理探究」は「ツー・バイ・ツー」で放映されている。オスタンキ

 ノは、ロシア・オウム真理教シンフォニー・オーケストラ「キーレーン」の

 パンフの中で、オスタンキノの音楽担当者の賛辞が述べられているだけであ

 る。オウム内部の者なら、このような誤りはありえない。「真理探究」の単

 行本を見てもわかることである。やはりオウムをよく知らない者の記述。

  オウムのロシア進出を裏付けるべきところに誤りがあっては、怪文書とし

 ての目的を果たせなくなるから、意図的な誤りとは考えられない。よって、

 これはオウムを十分に知らない者が筆者であることを示す。

  なお、オウムを十分に知らない、とは、滝本弁護士レベルを含む。江川紹

 子もひどいが、まだまし。それ以外はみんな知ったかぶり。

【宮崎事件に関して】

○宮崎の件については関心も高く、またJAFの件など、よく調べている。

※JAFから事故現場の状況を聞いている形になっている。

そんなことをわざわざJAFに聞いて調べる者は限定されるはず。

一般人が聞いても、そんなことは簡単には教えてくれないだろう。

この事故状況を話したJAF社員はだれか?

そして彼はだれにそれを話したか?→継続調査必要

○また、そのときの状況については「宮崎の男性」の発言が重視されている。

○宮崎の件に関わっていた者が関係者にいるのではないか。

【毒ガスに関して】

○この集団がオウムに対する毒ガス攻撃を仕掛けていたのかどうかは不明。

○しかし、松本事件の「推論」は「推論」ではなく、実際の犯行を知っている

 と思われるほど詳細。

○しかし、公判で述べられている方法とはまったく違っている。

○執筆者は、松本サリン・地下鉄サリン級の事件を起こせるが、オウムとは

 まったく別の存在であることがわかる。

【その後のマスコミ報道について】

○この文書以降の新しいネタを除けば、論調はほぼこのまま。

○この怪文書は「オウム真理教第二次弾圧のプロトコール」と呼べるのではないか。

 その後の展開はまさにこの「プロトコール」にのっとっている。

【この文章の筆者について】

○上述のとおり、法律に極めて興味を持っている人物が絡んでいる。

○子供の身を案じ、「子供の救出」が目的の大半を占める人物がいる。

○輪廻転生などあり得ない、とバカにしている(オウムではない)。

○筆者は、HtoH&T.K.という署名どおり、最低二人いるように思う。

主筆:やや皮肉っぽい、ふざけた表現を取ることがある。

法律関係者。清書も彼。

科学担当:サリンの使用法等の部分に限る。

 もしかしたら、もう一人法律関係者が関与しているかもしれない。

  主筆は、嫌悪があったとしても皮肉っぽい表現で攻撃する。ある意味で冷静。

  しかし、特に追伸などでは、非常に感情的な文がある。

○ロシアにいたプンナ・マンターニプッタ正悟師が筆者説も流れたが、

彼はがちがちの尊師崇拝者である。尊師に惚れているような人物である。

彼が筆者とすれば、尊師を誹謗する言葉が怪文書に登場するのは異常。

尊師に近い「幹部連中」を批判するのなら該当するかもしれないが。

策略にしろ尊師を誹謗する言葉など決して吐けない人物である。少しでも彼

を知っている者なら、プンナ正悟師=著者説には首をかしげざるをえない。

○「神の名の元に」「御霊に哀悼の意を表し」「ご冥福をお祈り」等の表現は、

 オウムの者は決して使うことのない表現である。輪廻転生を否定しているこ

 とを考えあわせると、

  1 キリスト教的or神道的な者? 御霊に云々は神道臭いが。

2 「神の名の元に」は、宗教団体を攻撃する内容にあわせて、気を利か

 せた表現のつもりで書いたもの?

 の二つの可能性が思いつく。

○オウム内部の者が組織防衛のために書いたと言うのなら、少なくとも

尊師を誹謗している

輪廻転生を否定している

 のはなぜか、明確な解説が必要。

【文体について】

○週刊現代に「怪文書の筆者は『ヴァジラヤーナ・サッチャ』の執筆者」とい

 う怪説があった。もちろん全く論証になっていないので、その後一顧だにさ

 れていない。文体が酷似しているという怪説である。

○証拠として、某学者による文体の分析があったが、これがまたいいかげん。

1 段落の頭に接続詞(しかし、さて、また等)を多用する

2 強調すべき部分を「」でくくる

 これは何の証拠にもなっていない。

  1については、まさにこの記事のこの場所で「また、段落の頭で〜」とい

 うような記述あり(正確な引用ではないが、「また」が段落の頭にきていた)。

  1、2の条件を満たす文章としては週刊新潮が有名であろう。つまり、単

 なるジャーナリスト的文章であるというだけのことである。

  逆に言えば、新潮の記者がこの怪文書を書いたとしてもおかしくない。

  なお、文体鑑定とは、

 1 漢字の使用頻度

 2 漢字にするかかなにするか

 3 文末に多用される形

 4 句読点の打ち方の癖

 5 用語・記号の使い方(その人独特の言葉の使い方など)

 というようなものが基本になるのだが、この「教授」氏はその基本すら抑え

 ていない。本当に文体に詳しい専門家なのか?

○いや、教授は確かに文体の専門家で、記者に取材されて「ほとんど似ていな

 い」と言ったのだが、「強いて似ているとすれば……」として挙げた二点を、

 記者がそれだけ取り出して「同じ作者だ!」と書いた可能性もある。確かに、

 その二点以外、共通項はみあたらない。

  また、このような作意は、週刊誌記者の常套手段であり、驚くには値しな

 い。

【推論するに……】

+-宮崎事件弁護団:宮崎事件を起こす

|         空港にやくざを連れてきてカジヤさん拉致

| 宮崎事件の情報を簡単に執筆陣に伝えた

怪文書執筆陣--+-被害対策弁護団:怪文書方針通りの情報をマスコミにリーク

| 裁判関係に対する関心は当然高い

+-毒ガス事件実行犯:怪文書方針どおりに事件を起こす。プロ

+-村井秀夫暗殺計画:「第二怪文書」に記載

||(連携)

羽根組抹殺計画:羽根組に「鉄砲玉」徐を送り込む

※村井秀夫暗殺は、山口組系羽根組潰しという重要な目的も存在する。

※書き手は「被害対策弁護団を動かしている者」という印象がある。

 実行部隊ではなく、計画者なので、最初は文章にも余裕があった。

 しかし、一月の時点でいよいよ「仕掛け」を動かすことになり緊迫感が出た。

※この「怪文書チーム」の担当は

1:各種事件を起こすこと

2:マスコミ報道を誘導すること

3:そしてオウム真理教に数々の罪を着せること

 オウム真理教を犯罪集団に仕立て上げるところまでしか書かれていない。

 実際に法的にどう解散に持っていくかとか、捜査の仕方等には触れていない。

 とにかく、ぬれぎぬを着せることが目的のように思われる。

公安・警察らしくはない。

○被害対策弁護団の背後にはだれがいるか?

そこにサリン事件真犯人がいる。

〈一考察〉

+---→新潮、フォーカスはこれを垂れ流し

| →世論コントロール

|

-+-----N一派--+--怪文書--------------+--サリン事件真犯人

| | | +--暗殺事件の黒幕

| | | +--被害対策弁護団

| | +--かみそり------公安-----------(内偵)

| | +--------------自衛隊------(毒ガス噴霧)

+-----米軍-------------------------------(毒ガス噴霧)

※怪文書チームは公安・自衛隊・米軍の動きについて知らされていない可

能性高し。

※江川紹子は絡んでいないであろう。

※事件を自分たちで仕組み、それに合わせた供述をさせたのは公安。

公安のスパイ岡崎の自供どおりのところからモノが出てきても当然である。

こういうのを自作自演という。


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