《 植物に優しい太陽電池とモーターファン 》
最近話題のエコ・グッズのお話。
小生が洋蘭に興味を持ち始めた25年ほど前のこと。当時、電車通勤をして
いました。電車が途中の駅に停車し、車窓の外を何気なく見ていると、''洋蘭''
の文字の看板と栽培温室が見え、その存在に初めて気が付きました。
毎日の通勤で、その栽培温室を見ていると、温室の中を見てみたいという興
味がわいてくるのですが、栽培温室には人影が見えません。いつも見る時間が
通勤時間帯のためか?、もしかして、営業していない?とか思い始めていまし
た。
ある日の土曜日の午後(当時、土曜日は午前中だけの半日勤務)、電車の車
窓から、その栽培温室を見ていると、一般客らしき人影が2人出て来るのが見
え、営業していることがわかり、後日、土曜日の通勤の帰りに寄ることにしま
した。
その栽培温室をたずね、中を見せてもらえることになり、興味津々で、のぞ
いて見ると、中は、熱帯ジャングルのように高温、多湿で、多数のカトレアの
鉢が広大なテーブルの上一面に敷き詰められていました。
その中で、ひときわ目に付いたのは、大きな扇風機が数台、風音をたてて設
置されている状況でした。
扇風機は、カトレアに直接風が当たらぬよう、より自然の環境に近い状態で
風を送っていました。この時、改めてプロの栽培技術に感心しました。
前振りがだいぶ長くなりましたが、この光景を見て、我家の栽培環境にも風
が必要と解かり、太陽電池セルと直流モーターファンを秋葉原のパーツ屋で購
入し、日中、太陽電池に陽が差すと自動的にファンが稼動するエコ・グッズを
25年ほど前に自作して使用してきました。先日、その自作した太陽電池セル
が装着されたパネルを落としてしまい、フロントガラスが割れて、修理した際
に、写真を撮ったので、このエコ・グッズの作り方をご紹介することにしまし
た。
まずは、実際に使用している状況(下の写真NO.1)を見てもらいましょう。
写真NO.1
強い風は必要なく、自然な穏やかな風が理想的です。この程度のモーターフ
ァンでも充分です。8cm角の小さなモーターファンですが、けっこう強い風が
出るので、風が直接葉などに当たらないようにモーターファンを置きます。
使用しているモ-ターファン(下の写真NO.2~3)。
写真NO.2
写真NO.3
自作した太陽電池パネルの表側 写真NO.4。
フレームに装着したパネルの裏側 写真NO.5
以上が、太陽電池を使用した送風エコ・グッズの概要です。
最近は、太陽電池パネルの完成品、太陽電池とモーターファンのセット商品
が安く販売されているので、このような商品をお求めになった方が良いでしょ
う。
以下は、ある程度の専門知識をお持ちのマニア向けのご紹介です。
エコ・グッズの作り方ですが、作るにあたって、心がけたことは、『メンテ
ナンス無しで、長年故障がなく使えること。また、安い費用で完成すること』
です。
このコンセプトを実現するためには、パーツの選定時から注意して選定する
必要があります。
まず、モーターファンの選定ですが、デスクトップ型パソコン等の電気機器
内の冷却・換気用のモーターファンを選びました。理由は、
①多種類のものが販売されていること。
②稼動音が静かなものが多い。
③モーターとファンが一体化して、小型のものが多い。
当時、メーカーが作り過ぎて余っているものが多く、安く購入できました。
上記の写真のようなものが販売されています。(小生が製作した当時は、秋
葉原のあちこちのパーツ屋さんで販売されていました。そして、店によっては
新品なのに驚きの低価格。)
次は、モーターファンのモーターですが、太陽電池が直流を発電するので、
当然、モーターも直流用のモーターを選びます。ここで、重要なのは、ブラシ
レス型の直流モーターを必ず選ぶことです。基本的に直流モーターにはブラシ
がありますが、このブラシは磨耗し、消耗部品なのです。この消耗部品のブラ
シを無くしてしまったものがブラシレス型です。最近はブラシレス型が多くな
りました。我家で使用しているモーターファンにはDC BRUSHLESSと表示
されています(写真NO.6)。なお、DCは、直流の意味です。
写真NO.6
そして、回転部を支える所にボールベアリングが使われているモーターを選
びます。ボールベアリングが使われていると滑らかに回転し、エネルギーロス
が少なく、磨耗も少なく、稼動音が小さくなります。使用しているモーターフ
ァンにはBALL BEARINGSの表示があります(写真NO.6)。
次は太陽電池セルの選定ですが、安く作成するため、出力【W】/セル単価
の大きなものを選べばよいでしょう。
昔購入した太陽電池セルの特性表があったので下表に示します。
開放電圧【V】 | 最適動作電圧【V】 | 短絡電流【A】 | 最適動作電流【A】 | 最大出力【W】 |
0.57 | 0.45 | 0.50 | 0.47 | 0.21 |