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 自分の好きな音楽ジャンルを好みの音質で聴いていると、とても幸福感を感じます。
 そこで重要となるオーディオシステム(録音等したソースから音を取り出し、人の耳に
音として再生するまでの一連の機器のこと。)の音作りについて、お話したいと思います。

 音楽ジャンル・音質の好みは人それぞれで、多種多様ですが、私の好みの音楽ジャンル
は、聴いて楽しければ、何でも聴きます。音質については、原音忠実再生を基本とします
が、極わずかであれば、味付けを加えても、許せるといったところでしょうか。文字で表
現するのは、なかなか難しいです。

 今まで、我家で聴いてきたオーディオシステムは、左右の2チャンネルステレオ方式で、
現在も現役使用をしています。まず、このオーディオシステムを紹介し、今までに試行錯
誤して行ってきたオーディオシステムの音作りについて、お話したいと思います。
  

1 使用している機器


プリメインアンプ AU-α907 LIMITED
メーカー名
    :SANSUI(山水電気梶j
出   力    :80W+80W (8Ω) A級動作
周波数特性(1W)  :DC〜300 KHz (+0dB、-3dB)
スルーレイト   :200 V/μsec (8Ω)
全高調波歪率(80W):0.01 %以下
バランス入力端子 :バランスアナログ音声入力(L/R)×1
重   量    :34 Kg
実機の製造年   :1994年
2011年12月に山水電気且w定の正規サービスセンターでメンテナンスを行った。
実機を実写。

 このアンプについてのコメント:2,000機限定で生産された。発売当時は、オーディオ
雑誌でも紹介され、複数のオーディオ評論家がリファレンス機として使用したアンプで、
多くの人に絶賛された名機です。

 超ハイクオリティーの音再生を実現するために、高価で高品質の部品が惜しげもなく投
入され、消費税を入れた発売定価は430,500円でした。
 このアンプの最大の特徴は、音楽ホールで録音された音を再生すると、音楽ホールの臨
場感が極めてリアルに伝わってくることです。
 そして、このアンプの真価を最大に発揮させるためには、このアンプに設けられている
バランス入力端子と、CDプレーヤー等に設けられているバランス出力端子をバランス接
続して使用することが重要です。
 このことについては、当時のオーディオ雑誌にも記事として、掲載されたので、オール
ドユーザーは、良く知っていると思いますが、中古で購入した若いユーザーは、知らない
人が多いのではないでしょうか。




SACD・CDプレーヤー DCD-SX1(SP:プレミアムシルバー)
メーカー名    
:DENON(株式会社ディーアンドエムホールディングス
周波数特性    
:CD:2Hz〜20kHz (±0.5dB)
         
:SACD:2Hz〜50kHz (-3dB)
全高調波歪率   
:CD:0.0015% (1kHz)
         
:SACD:0.0005% (1kHz、可聴帯域)
ダイナミックレンジ
:CD:101dB
         
:SACD : 118dB (可聴帯域)
S N 比    
:CD:122dB
         
:SACD:122dB (可聴帯域)
DAC量子化数  
:16/24 bit
バランス出力端子 
:バランスアナログ音声出力(L/R)×1
重   量    
:25 Kg
実機の製造年   
:2014年
2014年3月購入、実機を実写。

 このSACD・CDプレーヤーについてのコメント:内蔵しているUSB-DACは、DSD
入力2.8MHz/5.6MHzに対応。PCM入力は最大192kHz/24bitまで対応。また、PCM入力
信号は、CDの音声と同様にAdvanced AL32 Processingにより、ハイビット(32bit)&ハ
イサンプリング(705.6kHz)化される。メーカー希望小売価格は税抜で55万円。


 
音質については、高音、中音、低音の全域にわたってフラットな音出しがなされており、
音像の解像が良く、クリアーで、音のエッジが崩れず、エネルギー密度が高い音作りをし
ており、原音忠実再生と感じました。また、
USB-DAC等で再生した音質も同感でした。





CDプレーヤー DCD-S10
メーカー名
    :DENON(日本コロムビア梶j
周波数特性    :2〜20,000 Hz
高調波歪率(1KHz) :0.0018 %
ダイナミックレンジ:100 dB
S N 比     :118 dB
DAC量子化数   :16 bit
バランス出力端子 :無し
重   量    :14 Kg
実機の製造年   :1994年
実機を実写。

 このCDプレーヤーについてのコメント:1994年9月に発売された当時、オーディオ雑
誌に、音質の良さに関しては50万円クラスのCDプレーヤーを超えていると評価された記
事が掲載され、私も実際に試聴して同感でした。世界初のアナログ波形再現技術=ALPHA
プロセッシングを搭載し、16ビットデータを20ビットクオリティで再現するもの。
 発売定価は税込みで18万9千円。残念ながら、バランスアナログ音声出力端子は設けられ
ていません。

 音質については、重厚な感じで、低音が少し強い感じがします。バイオリンの倍音を含む
演奏ホールの残音は、とても忠実に再生されて美しい。





スピーカー HARBETH  MONITOR  HL5
メーカー名     :HARBETH(イギリスのメーカー)
周波数特性     :50〜20,000 Hz (±3dB)
クロスオーバー周波数:2,000 Hz
最大入力      :100 W
インピーダンス   :8 Ω
音圧出力      :86 dB/W/m
方  式      :2ウエイ・バスレフ方式
スピーカー接続   :バイワイヤリング接続可
重  量      :17 Kg
外形寸法      :幅325×高さ640×奥行310mm
実機の製造年    :1994年
実機を実写。実機は左右同形で、両方を実写するのは、めんどうなので片方は複写して貼
り付け。
           
 このスピーカーについてのコメント:イギリスのBBC放送局のモニタースピーカーに
採用された同社のスピーカーモデルの改良型であると、1988年発売当時、宣伝していまし
た。音質の特徴として、バイオリン、チェロ等の弦楽器の再生音は大変すばらしく、楽器
から発せられる倍音がきちんと再生されるため、目の前で楽器を演奏しているように聞こ
えます。また、このスピーカーは、音に対する色付けが極めて少なく、ナチュラルに再生
されます。
 
 そして、長時間聞いていても、あまり疲れを感じません。どちらかと言えばクラシック
音楽、人の声を聞くのに向いていると思います。エネルギッシュな音や、立ち上がりの速
い重低音を聞くのには不向きと思います。バイワイヤリング端子を備えています。
 当時、秋葉原のオーディオ機器専門店では、2台ペアー税込みで44万円の販売価格が表
示されていました。為替レートの変動により、当時、高額の輸入品は販売価格の変動が、
よくありました。





スーパーツイーター PT−R4
メーカー名     :パイオニア(株)
周波数特性     :21 KHz〜70 KHz (−3dB)
カットオフ周波数  :20 KHz・20 KHz(ATT −3dB)・30 KHz 3種類切替
最大入力      :100 W
インピーダンス   :6 Ω
音圧出力      :90 dB/W/m
方  式      :全面ダイレクト駆動方式 リボン型(軽量アルミ振動板)
重  量      :1.3 Kg
外形寸法      :幅100×高さ102×奥行151.5 mm
実機の製造年    :2012年
2013年5月購入、実機を実写。

 スーパーツイーターPT−R4についてのコメント:発売は2001年8月で、超ロング
セラーの商品。メーカー希望小売価格は発売時、1台30,000円(税抜)、2013年5月
点では1台50,000円(税抜)。
 本体部分には剛性が高い、厚さ6mmのアルミ押し出しケースを採用。高品位再生で定
評のあるリボン型を採用し、70kHz (−3dB) の超高域再生が可能。

 既存のスピーカーに本機を追加設置すると、既存のスピーカーの音質に大きく影響を受
けることになりますが、既存のスピーカーの音質が優れ、かつ、本機との周波数特性等の
マッチングが良く合致した場合、今までの音質を超えた、より自然な素晴らしい音質へと
変身させてくれました。



  

2 音作りについて
 オーディオシステム(音を再生するために使用される機材、電気機器・接続ケーブル等)
の音作りとは、何でしょう。それは、オーディオ機器等の購入前の選定から始まり、オー
ディオ機器の購入後、さまざまな対策を行うことにより、対策前の音に比べて原音に近い
音が出るようにしたり、好みの音に近い音が出るようにするという意味で「音作り」とい
う表現をしています。

 ここから後は、既にCDプレーヤー、アンプ、スピーカーを購入した後の対策について
記述したいと思います。
 スピーカー等のセッテング、スピーカーケーブル等で異なる種類のケーブル等を使用す
ることにより、音質は変化します。

 音作りで重要な位置を占めるのがスピーカーのセッテングです。このセッテングで、音
質が大きく変わります。
 オーディオシステムの本来の性能を発揮できるか、できないかは、スピーカーのセッテ
ングにより、大きく影響されます。

 もちろんアンプ、CDプレーヤーのセッテングも音質に影響しますが、スピーカーのセ
ッテングに比べれば小さなものです。

 次に重要な位置を占めるのがスピーカーケーブルです。電源ケーブル、信号ケーブルも
音質に影響をあたえますが、スピーカーケーブル等は後で説明するバイワイヤリング接続
等を行うことによって、ある程度音質をコントロールすることができます。
  

3 スピーカーのセッティングについて

床の材料
 スピーカーを置く床は畳、じゅうたんのような柔らかいものよりも、硬くて比重が大き
い物が適しています。例えば、コンクリート床、板貼りのフローリング床の上にストーン
プレート(石板)を敷く等。
 柔らかい材料で出来た床の上にスピーカーを置くと、張りのない音、もやもやした音、
濁った音等になってしまいます。

置く位置
 スピーカーを置く位置は、床面から一定の高さの範囲内では、スピーカーを床から上方
に上げるほど低音が減少して、高音が良く聴こえるようになります。床からの高さを調整
して自分好みの高さを仮決め@します。

 そして、後ろの壁、左右の壁から一定の距離の範囲内では、スピーカーを壁から離すほ
ど低音が減少して、高音が良く聴こえるようになります。壁からの距離を調整して自分好
みの距離を仮決めAします。

 さらに、スピーカーとスピーカーの間隔によって、音像(再生音の中での元々あった音
源の場所)の定位が良くなったり、悪くなったりするので、スピーカーとスピーカーの間
隔を調整して仮決めBします。

 次に@、A、Bの仮決めの位置をそれぞれ調整して自分好みの位置を決定します。
 ここで、重要なのは、リスナー(音を聴く本人)の位置です。基本は図1の赤い矢印の
範囲内になりますが、自分の好みでどこでも。

     

 微調整として、スピーカーの向きを調整します。スピーカーの前面をリスナーに向ける
と、音圧は強くなりますが、音の広がり感、間接音の響きが、不自然に感じます。
 これを改善するためにスピーカーの前面をリスナーより後ろの壁、又は更に後ろ方向で
二等辺三角形になるように向けると自然な感じになります。
   
スピーカー台
 スピーカーを置く位置(床からの高さを含め)が決まったら、次はスピーカー台を選定
することになりますが、注意事項として、スピーカーを置く目標の高さから、インシュレ
ーターの厚さ(高さ)分を差し引いた高さの、スピーカー台を選定します。

 オーディオにおけるインシュレーターとは、防振材のことです。スピーカーから出る音
に対して、とても大きな影響を与えます。

 まず、スピーカー台の材料の検討をします。基本的には共振しにくい材料を選びます。
例えば、石材(御影石等)で厚さが5cm以上の物、木材等。共振し易い物としては、厚
さが薄い金属、ガラス等がありますが、内部に砂等を詰めて共振しにくい対策がしてあれ
ば、大丈夫です。
   
 我家のスピーカー台は、以前、御影石とコンクリート板を重ねて、その上にふた付きの
ガラス瓶の中に砂を詰めた物を載せて使用していました。下の写真1です。
 音質は、どこまでも透きとおったクリスタルサウンドで、とても美しい透明感あふれる
すばらしい音でした。
 しかし、最近、地震の発生が多く、当地では先日、震度4の地震があり、危うくスピー
カーが転倒しそうになりました。2011年3月11日の東日本大地震の時は転倒しました。
       
 それで、仕方なく断腸の思いで、このガラス瓶を撤去し、代わりに軽量コンクリートブ
ロックを入れて使用することにしました。下の写真2です。

 音質は、以前の様などこまでも透きとおったクリスタルサウンドには及びませんが、大
切なオーディオ機器の破損防止と安全を確保するためには、やむを得ないと思い、変更し
ました。
 しかし、しばらくこの状態(写真2)で聞いていましたが、演奏している楽器の倍音や、
演奏しているホールの反響音が良く再生されないことに不満がつのり、元のガラス瓶を使
用した状態(写真1)に戻しました。
 ただ、このままでは、スピーカーが転倒する危険があるので、ガラス瓶の周りをガラス
瓶の高さより、極わずか低い木枠で囲い、転倒防止を図ろうと考えています。
  

4 インシュレーター

 インシュレーターは、不要な振動を吸収したり、防ぐ役目をしています。このため、材
質は適度な柔らかさを必要とします。「適度な柔らかさ」と表現したのは、個々の機器の
重さ、設置状況によって、適合する柔らかさが異なるからです。

 最適なインシュレーターを見つけるには、多種多様の柔らかさ、大きさの物を実際に自
分の機器で試してみることです。その中から最適の物を自分で見つけることになります。

 一般的な材料としては、ゴムということになるでしょう。ゴムも多種多様な形状、柔ら
かさの物が市販されていますが、先ず厚さ1mmのシート又はベルト状の物で、柔らかめ、
中間、硬めの3種類を用意して、インシュレーターとして使うときは、ベルト状の物をの
り巻きのように巻くことで、厚さを自由に変えることができます。
   
 我家のスピーカー用インシュレーターは、厚さ1.2mmのゴムシートで縦4cm、横8
cmの物を二つ折りにして使用しています。
 写真1(以前)では、スピーカーと砂入ガラス瓶の間、御影石とコンクリート板の間、
コンクリート板とフローリング床の間に入れて使用していました。
 写真2(現在)では、スピーカーと御影石の間、御影石とブロックの間、ブロックとコ
ンクリート板の間、コンクリート板とフローリング床の間に入れて使用しています。
 ただし、写真2ではスピーカーと御影石の間に、このゴムシートの上に厚さ1.2mm、
縦横1cm角のゴムシートを重ねて使用しています。これによって透明感が一段アップし
ました。

 インシュレーターを使用した場合の効果は、音に対して、どのように現れてくるのでし
ょうか? スピーカーの箱の構造、設置場所等によって、さまざまです。すぐ上の写真の
例では、澄んだ音に変わりました。そして、音の輪郭がはっきりして、音像の定位が良く
なり、オーケストラで音が出ている各楽器の場所が、前後の奥行きを含めて良く解るよう
になりました。

 インシュレーターの効果を最大に発揮させるためには、スピーカーの箱の構造を良く理
解しておく必要があります。スピーカーの箱の構造は、大きく分けて2種類あります。

 一つは、スピーカーの箱材を振動させない箱鳴り抑制型構造の物。振動しにくい材料を
使用したり、箱鳴りしないように補強材等を使用して高強度の構造で作られた物が多くあ
ります。純粋にスピーカー部品の振動板のみを振動させて振動板の表側で音を出す物や、
箱の構造材料を振動させずに、箱の内部空間を振動させ、位相を反転してバッフルから出
た音と、スピーカーの振動板の表側の音を重合させて音を出す物等があります。

 もう一つは、スピーカーの箱の材料を振動させ、箱鳴りを活用する構造の物。古来、楽
器は木材を使用して作られることが多く、この木材を共鳴させて音を出している物が多く
あります。スピーカーの箱の材料に木材等を使用して、スピーカー部品の振動板だけでな
く、スピーカーの箱も振動させて、楽器のように音を出す物等があります。バッフルが付
いている物もあります。我家で使用しているスピーカー(ハーベス・モニターHL5)も
この「箱鳴り活用型」のタイプです。

 文章が長くなってきたので、ここでティータイム(1)です。
 我家で以前、使用していた白砂入のガラス瓶と二つ折りにしたゴムシートです。(下の
写真3)

 

 スピーカーの箱には、大きく分けて「箱鳴り抑制型」と「箱鳴り活用型」のタイプがあ
ることを説明しましたが、インシュレーターの影響を大きく受けるのは、「箱鳴り活用型」
のタイプなので特に注意する必要があります。

 インシュレーターは、適度に柔らかいゴム等の材質と、硬い金属等の材料を組み合わせ
て使用するのが一般的です。我家の例では、上の写真3のように、白砂入のガラス瓶と二
つ折りにしたゴムシートを組み合わせて使用していました。

 スピーカーの箱に使用するインシュレーターは、どこに設置したら良いのでしょうか?
答えは、自分で設置場所を変えて、試しながら自分好みの場所を見つけることです。

 自分で設置場所を変えて、試す際のインシュレーターの設置場所と音の傾向について、
お話ししておきましょう。スピーカーの箱の底板にインシュレーターを均等に4個使用す
る場合の例です。底板の中心部に寄せて設置すると、低音が強く、高音が弱く聞こえるよ
うになります。逆に底板の周辺部に拡げて設置すると、低音が弱く、高音が強く聞こえる
ようになります。

 底板に設置するインシュレーターの数は3個でも可能ですが、4個使用する方が全音域
に対して安定した音になるので、我家では4個使用しています。

 我家で使用していた白砂入のガラス瓶は、高さが11cmほどあり、底板の下へ自由に手
が入り、ガラス瓶の設置場所を変える際は、簡単に行うことができますが、反面、地震の
揺れに対しては不安定で大変危険です。

 参考として、インシュレーターの設置場所を調整する時は、低音と高音が適度に含まれ
たピアノの独奏曲を再生しながら、ピアノの音が生音に聞こえるように調整すると、調整
し易く、良いセッティングができます。ただし、ピアノの生音を良く知っている必要があ
ります。ピアノの音が適している理由は、低音から高音までの音域が広いためです。

 <ティータイム(2)>
 昔、オーディオの趣味を始めたばかりの頃の話ですが、私が当時使用していたオーディ
オ機器は安物のため、機器のスペックは低く、スピーカーケーブルを別の物に取り換えて
も、全く音は変わらず、当時のオーディオ雑誌にも「スピーカーケーブルを換えると音が
変わる」と書かれていましたが、このての記事を読むたびに、また、でたらめなことを書
いていると思っていました。

 しかし、かなり後になって、あの記事は本当のことなんだと解るようになりました。そ
れは、ハイスペックのオーディオ機器をやっと購入できるようになって、色々試してみる
と、明らかに異なる音となって聴こえたのです。

  

5 スピーカーケーブルについて

スピーカーケーブルには個性がある
 多くの種類のスピーカーケーブルが市販されていますが、スピーカーケーブルは種類ご
とに、それぞれ個性(音の違い)があります。なぜ、個性があるのでしょうか?
 答えは、スピーカーケーブルには抵抗成分、コンデンサー成分、コイル成分が含まれて
いるので、スピーカーケーブルの種類が異なると、これらの成分の数値が異なり、音の電
気信号が、スピーカーケーブルを流れる時に、これらの成分の影響をうけるため、結果と
して異なる音となって聞こえることになります。

 スピーカーケーブルには個性があることを説明しましたが、スピーカーケーブルの選択
にあたっては、自分のオーディオシステムに良くマッチングしたスピーカーケーブルを選
ぶことが重要です。

 例えば、自分のオーディオシステムで、もっと高音が良く鳴ってほしい場合は、高音を
良く通すスピーカーケーブルを使用することによって、自分好みの音に近づけることがで
きます。この場合にお勧めするケーブルは、スピーカーケーブルとして製造された物では
なく、高周波用ケーブルとして製造されたアンテナ用ケーブルです。我家で使用している
のは、UHFテレビアンテナ用のフィーダー線(2本平行ケーブル)です。高音特性に優
れ、とても澄んだ音がします。反面、このケーブルは低音特性が悪いのです。また、高出
力の電流・電圧には使えません。

 そこで、低音特性が悪い欠点を補うために、低音特性に優れた別のケーブルを平行使用
することによって、それぞれのケーブルの良いところを発揮させることができます。
  

6 バイワイヤリング接続

 スピーカーケーブルの個性を再生音に大きく反映(影響)させるためには、スピーカー
ケーブルをバイワイヤリング接続の方法で接続することが重要です。当然ながらスピーカ
ーボックスには、バイワイヤリング接続に対応した端子が付いている必要があります。
 下の図2は、スピーカーボックスにバイワイヤリング接続に対応した端子が付いている
例です。

 
 図2から解ると思いますが、バイワイヤリング接続とは、設置されている複数のスピー
カーに対して、各個別のスピーカーと各個別のスピーカーケーブルを、各個別に附属する
周波数フィルター、入力端子など介して接続することです。
 図2の例では高音用スピーカーと中低音用スピーカーに分かれている2way方式ですが、
高音用スピーカー、中音用スピーカー、低音用スピーカーに分かれている3way方式等も
あります。

 スピーカーとアンプをバイワイヤリング接続によって、接続する方法は、図2の2way
方式の場合では、図3のように接続するのが一般的です。
 なお、これらのバイワイヤリング接続を行う場合に重要なことは、スピーカー、アンプ
等の各機器の取扱説明書等に従って実施する必要があります。



 この接続方法によって、それぞれのスピーカー又はオーディオシステムに適したスピー
カーケーブルを接続することができるので、音質の改善効果が大きくなります。

 一種類のスピーカーケーブルで高音、中音、低音の電気信号をそれぞれ、全て完全に歪
等無く良く通す物は、ケーブルの特性上、造ることが極めて難しく、ほとんど存在しませ
ん。従って、高音、中音、低音の全てではなく、いずれかの電気信号を良く通す物を選択
し、組み合わせて使うことがベターとなります。

 バイワイヤリング端子が付いているスピーカーをバイワイヤリング接続せずに、アンプ
と通常の接続で使用する場合は、図4の様になります。左側スピーカーボックスの高音ス
ピーカー用の+端子と中低音スピーカー用の+端子を導線等で接続して、アンプの左側出
力端子の+端子にスピーカーケーブルで接続します。−端子も同様に接続します。また、
右側スピーカーボックスとアンプの右側出力端子も同様に接続して使用します。


 <ティータイム(3)>
 ここまで、説明してきましたが、スピーカーケーブルを交換したり、バイワイヤリング
接続に変更したり、手間をかけなくてもアンプのトーンコントロール機能を使用すれば、
簡単に高音又は低音を増大又は減少させることができるのに〜と、素朴な疑問が生じませ
んか?この素朴な疑問を解決するには、自分でこれらのことを試してみると良く解ります。

 アンプのトーンコントロール機能を使用して高音・低音などを調節すると、不自然な音
として聞こえるのです。例えば、低音を増大させると低音の音の立ち上がりに、鋭さがな
くなり、ぼやけた立ち上がりとなってしまうなど、不自然に感じるのです。それゆえに、
オーディオマニアは自分の好みの音になるように手間がかかることを行うのです。

   

7 スーパーツイーターの追加

 ハイエンド・オーディオショー等で聴いた音と、今まで我家で使用してきたオーディオ
システムの音を比較してみると、我家の再生音は、高音に伸びがない、具体的には、ピア
ノ、バイオリン等の楽器の再生音に、倍音・余韻の音量が不足していると感じていました。

 この高音問題を改善するため、CDプレーヤー、プリメインアンプ、スピーカーのそれ
ぞれの周波数特性を検討した結果、我家のスピーカーにスーパーツイーターを外付けする
ことにしました。我家のスピーカーの周波数特性等を考慮して探してみると、価格が安く、
周波数特性を3種類に切替えることができるスイッチが付いて、取付け簡単な物が見つか
りました。スーパーツイーターPT−R4です。

 カットオフ周波数を切替スイッチで3段階に切り替えて周波数特性を変更でき、また、
ハイパスフィルターを内蔵しているため、既存のスピーカーにケーブルを用いて並列接続
するだけで使用できますが、スーパーツイーターを並列接続で追加することによって、ス
ピーカー全体の負荷インピーダンスが小さくなり、アンプには大きな過負荷となる場合が
あるので、アンプの定格で定められている負荷の許容範囲内で使用することが重要です。

 下の写真は既存のスピーカーにスーパーツイーターを追加設置したもの。
        
  

8 スーパーツイーターの追加による音質の変化
 スーパーツイーターを追加設置したことにより、再生音がどの様に変わったか、ご紹介
しましょう。
 切替スイッチでカットオフ周波数を3つのポジションに切り替えて周波数特性を変更し
てみたところ、

@ カットオフ周波数20 KHzのポジションでは、高音が自然な感じで良く伸び、音の輪
 郭が明確になり、より透明感を感じると共に、低音の立ち上がりも、しゃきっとしてイ
 ンパクトのある音になりました。また、音の密度・エネルギー量(力強さ)が増したよ
 うに感じます。そして、音像定位が増し、オーケストラの各楽器の場所が前後左右良く
 わかるようになりました。我家のスピーカーとのマッチングとしては、ベストポジショ
 ンです。

A カットオフ周波数20 KHz(ATT −3dB)のポジションでは、音の輪郭がぼやけ、丸
 味をおびた柔らかい感じの音になり、音像定位は悪くなりました。

B カットオフ周波数30 KHzのポジションでは、高音がほんの少し伸びたと感じるくら
 いで、音が変わったとはあまり感じませんでした。

 以上の結果から、既存のスピーカーとスーパーツイーターの特性の相性によって、全て
良い結果が出るとは限らないことがよくわかります。
  

9 スーパーツイーターの選定について
 それでは、既存のスピーカーにスーパーツイーターを追加設置する際、どの様なことに
注意してスーパーツイーターを選定するか、説明しましょう。

T 追加するスーパーツイーターの音圧出力・周波数特性のグラフを見て(メーカーのw
 ebサイト等に掲載されています)、再生可能周波数帯域の音圧出力が−6dB以上の周波
 数範囲内で、音圧出力が大きく変化せず安定し、既存のスピーカーと同じ音圧出力値以
 上、+3dB以内であること。既存のスピーカーの音圧出力値と比較して低いもの、高す
 ぎるものは避けた方がよい(音圧出力値が低いと効果があまり期待できない。また、高
 すぎるものは、音質のバランスに悪影響を与える)。

U 既存のスピーカーと追加するスーパーツイーターの音圧出力が−3dB以上の再生可能
 周波数帯域において、両者の再生可能周波数帯域が重ならないこと。(両者の再生可能
 周波数帯域が重なってしまうと、お互いの再生音が干渉し合って悪影響が生じる。)

 以上が主な注意点ですが、現実には、スーパーツイーターの音圧出力が−6dB以上の周
波数範囲内で、大きく変化しないこと等、条件を全て満足することは難しいかもしれませ
ん。しかし、上記の条件を満足していないと、期待していた内容と大きくかけ離れた結果
がでる確率が高くなると思います。
 ただし、音に対する好みは、人それぞれですから、思いがけない結果がでるかもしれま
せん。
  

10 スーパーツイーターの設置位置の調整について
 次に、スーパーツイーターの設置位置の調整方法について説明しましょう。
 我家の場合は既存のスピーカーボックス天板の上にスーパーツイーターを置いています。
スーパーツイーターの脚部には、ゴムシートを二つ折りにして挟み、インシュレーターの
代わりとして使用しています。
 調整方法は、スピーカーボックス天板の最前面とスーパーツイーターの最前面を合わせ、
スピーカーボックス天板上の左右中央にスーパーツイーターを置き、左右中央のまま、ス
ピーカーボックス天板の最前面から後方へスーパーツイーターを1mmづつ下げては音を
聴き、これを繰り返しながら、バイオリン、ピアノの再生音の余韻が濁りなく、歪みなく
自然に聴こえる位置を探して調整します。場合によっては、スピーカーボックス天板の最
前面より前方へスーパーツイーターの脚部がはみ出ないようにスーパーツイーターの最前
面を1mmづつせり出して音を確認する必要があります。

 良い感じの場所がだいたい定まったら、次に最終調整として、定まった場所から0.1mm
づつ前後に移動させてみてベストポジションを決めます。
 我家の場合はスピーカーボックス天板の最前面から後方へ2mm下げた位置がベストポ
ジションでした。
   

11  超高音域再生による音質改善理由について

 最後に、スーパーツイーターを追加設置したことにより、再生音の高音が改善されただ
けではなく、低音の質(しゃきっとした立ち上がり等)まで改善された理由について理論
的に説明しましょう。

a* 高音の改善については、楽器から出る超高音域の倍音がスーパーツイーターによって
 再生できるようになったのですから、あたりまえですね。でも、スーパーツイーターの
 再生音域は、人間の耳では聞こえない高音域なのに、どうして改善されるの? と不思
 議に思いませんか? 理由は、次の低音の質の改善と同じです。

b* なぜ低音の質(しゃきっとした立ち上がり等)まで改善されたの? 
  答えは、低音に限らず、人間の耳では聞こえない超高音域の音まで再生すると、原音
 の元の波形と同じ波形に再生音を近づけることができるからです。
  逆の言い方をすると、人間の耳では聞こえない超高音域の音まで再生しないと、原音
 の元の波形と同じではない歪んだ波形になってしまいます。それゆえ、しゃきっとしな
 い低音になったり、違和感のある高音になったりします。

  ここからは上記のb*で述べたことを理論的に解りやすく説明しましょう。
  音波も含め、波形は一般的に関数として数式で表すことができます。数式を見て、に
 げないでくださいね 解りやすく説明しますので。
  一般の人は、あまり聞いたことがない矩形波や三角波を参考に説明したいと思います
 が、これらの波がどのような波形をしているのか、まず、下記の図5を見てください。
  矩形波や三角波をフーリエ級数展開という手法をもちいて見てみると、上記b*の理由
 がよく解ります。

  それでは、図5の上の方に記載した矩形波を例として説明します。矩形波をフーリエ
 級数展開した式を、少しだけ見てください。
 

  

12  矩形波のフーリエ級数展開が示しているもの(その1)
 この式の意味することは、赤色で書いた1項〜4項及び4項の後に続くsin波の項を全て
加えて、4/πを掛けると、元の矩形波を再現できることを示しています。
 逆の言い方をすれば、1項〜4項及び4項の後に続く項を全て加えなければ、4/πを掛
けても、元の矩形波を再現できない。すなわち、どれか一つの項または複数の項が失われる
と、元の矩形波を再現することができないことを示しています。
 まるで、ジグソーパズルの1個のピースまたは複数のピースを失くして、全体が完成でき
ないことと似ています。
  

13  矩形波のフーリエ級数展開が示しているもの(その2)
  赤色で書いた1項は、sin波の基本波です。2項は1項のsin基本波の3倍の周波数で、
 波高値が1項のsin基本波の1/3。3項は1項のsin基本波の5倍の周波数で、波高値が1
 項のsin基本波の1/5。4項は1項のsin基本波の7倍の周波数で、波高値が1項のsin基
 本波の1/7です。
  このように、1項より後ろの項になるほど周波数は、高い周波数になり、波高値は小
 さくなることがわかります。

  波高値が小さい項は、ジグソーパズルに例えると、1個のピースの面積が小さいこと
 と同じです。1個のピースの面積が針の穴くらい小さくなると、1個のピースを失くし
 たとしても、ジグソーパズル全体を見た場合、失くしたピースの部分が目立たず、あま
 り影響がありません。
  しかし、波高値が大きい項の場合は、ジグソーパズルに例えると、1個のピースの面
 積が大きいことと同じで、このピースを失くすと、ジグソーパズル全体を見た時に、失
 くしたピースの部分が目立ち、大きく影響します。
c* 矩形波の場合では、波高値の小さい項が失くなっても、矩形波全体の波形が大きく歪
 むことはなく、あまり影響しませんが、波高値の大きい項が失くなると、矩形波全体の
 波形は大きく歪むことになります。
  

14  矩形波のフーリエ級数展開の具体例
 上記のc*について具体例を示します。周波数が10 kHzの矩形波では、1項のSin(x)の
周波数は10 kHzとなり
、2項のsin波の周波数は1項のsin基本波の周波数の3倍となる
ので、30 kHzとなり、3項のsin波の周波数は50 kHz、4項のsin波の周波数は70 kHzと
なり、2項以後は人間の耳では聞こえない高音域ですが、2項は波高値が1項のsin基本
波の1/3、3項は1/5、4項は1/7と比較的大きな値なので、原音の再現に与える影響は
大きなものとなります。

 ここで、スーパーツイーターを追加設置して、50〜70,000 Hz まで再生できるスピー
カーシステムで、例1:周波数が10 kHzの矩形波を再生すると、1項の10 kHzのsin波
から4項の70 kHzまでのsin波が再生(加算)できることにより、大きな歪が生じないた
め、比較的、原音の波形に似ているので、高音の音質の改善効果が現れてくることになり
ます。
 また、低音に関しては、例2:周波数が100Hzの矩形波を再生すると、1項のSin(x)の
周波数は100Hzとなり、100Hzから70kHzまでの多くの項のsin波が再生(加算)され、
例1より、さらに原音の波形に似てくることから、低音の音質の改善効果が現れることに
なります。

 上記の具体例では、前提条件として再生周波数0〜∞Hzの理想的広帯域アンプにより、
理想的矩形波が理想的カットオフ周波数を有するスピーカー及びスーパーツイーターに
印加された場合について、説明しました。
  

15  最近のオーディオ機器の周波数特性
 上記のフーリエ級数展開で説明しましたように、原音と同じ波形を再生するためには、
人間の耳には聞こえない高い周波数成分まで再生する必要があり、オーディオ機器の設計
者にとっては常識です


 それでは、最近のプリメインアンプの再生周波数範囲を見てみると
 マランツ   PM-11S3   周波数特性   5Hz 〜 120kHz (±3dB)(CD,1W,8Ω負荷)
 LUXMAN   L-507uX     周波数特性  20Hz 〜 100kHz(+0、-3dB)
 DENON   PMA-SA11  周波数特性   5Hz 〜 100kHz(0〜-3dB)
 最近のものではありませんが、
 SANSUI AU-α907 LIMITED 周波数特性 DC〜 300kHz(+0、-3dB)

 次に、最近のスピーカーの再生周波数範囲を見てみると
 KEF Q900       周波数特性  32Hz 〜 40kHz (±3dB)
 DALI IKON 6 MK2      周波数特性  39Hz 〜 30kHz (±3dB)
 Tannoy Turnberry/GR   周波数特性  34Hz 〜 44kHz (-6dB)
 Bowers & Wilkins 
     803 Diamond   周波数特性  28Hz 〜 33kHz (-6dB)
              周波数特性  35Hz 〜 28kHz (±3dB 基準軸上)

   ※周波数特性の記載で (±3dB)、(+0、-3dB)、(-6dB)のように
    条件が異なっていることに注意。

 上記のアンプ、スピーカーの例のように、人間の耳には聞こえない高い周波数まで再生
できるように作られていることがわかります。
 なぜ、アンプ、スピーカー等の再生周波数範囲が人間の耳には聞こえない20 kHz以上
まで再生できるように作られているのだろうと、不思議に思っていた人も多いのではない
でしょうか。

 なお、上記のアンプとスピーカーの再生周波数範囲の例を見ると解りますが、アンプが
高域100kHz (±3dB)以上再生できるのに対して、スピーカーは高域 40kHz (±3dB)以下
になっています。その理由は、スピーカーが電気信号の波形を音波に変換する役割を担っ
ているためです。電気信号の波形を歪なく音波に変換することは技術的に大変難しいこと
だからです。
  

16 オーディオシステムの点検・調整に使用する音楽ソフトについて

 オーディオシステムの点検・調整を行う時に、音楽ソフトを再生してチェックしますが、
とても重要なことは、良質な音で録音されている音楽ソフトを使用することです。あたり
まえのことですが、意外と気付かないことがあります。
 音楽CDを例にすると、優れた録音技師が優れた設備(機器)を使用して良質に録音、
良質な製品として販売されている音楽CDもあれば、音質が今一歩といった音楽CDが販
売されているのも現実です。
 
 このHPをご覧になっている方の多くは、既に自分で選んだチェック用音楽CD等をお
持ちのことと思いますが、当HPオーナーがチェック用に使用している音楽CDは、下記
のものです。
 
@CDアルバム名→ Kristina & Laura Best Selection 
 【アーティスト:Kristina & Laura】
 バイオリン、チェロ、ピアノの音に含まれる倍音が良く録音されており、自然な響きの
音で収録されています。また、ピアノの音が低音から高音まで、広い音域で録音されてお
り、演奏もすばらしい。クラシックのポピュラーな小曲とクラシック調の映画音楽が収録
されています。このアルバムの中で特に「シンドラーのリスト」を使用しています。

ACDアルバム名→J. S. バッハ:無伴奏チェロ組曲全集/シャコンヌ(クニャーゼフ編曲)
 【アーティスト:アレクサンドル・クニャーゼフ】
 3枚組のCDのうちの1枚。チェロの独奏で、弦の響きの倍音がほんとうに生々しく録
音されており、力強い低音は、ゆるむことなく、がちっと収録されてきます。そして、演
奏者の演奏もすばらしい。このアルバムの中で特にDisc 1「無伴奏チェロ組曲第一番ト長
調BWV1007 2.アルマンド」を使用しています。

BCDアルバム名→ミスター・ロンリー〜魅惑のラブ・サウンズ
 【アーティスト:高嶋ちさ子/12人のヴァイオリニスト】
 大勢のバイオリニストによるバイオリンのストリングスの音とピアノの音が美しく良く
録音されています。また、ピアノと個々のバイオリンの倍音もしっかり録音されており、
演奏もすばらしい。クラシック調の映画音楽などが収録されています。このアルバムの中
で特に「蒼いノックターン」、「シェルブールの雨傘」を使用しています。

 以上、ご紹介しましたが、音質が良質な音楽CDは、やはり録音設備(機器)、録音技
術等が日々進歩しているためか、近年に録音され、製作された物の方が多いと感じます。
   
 当HPオーナーがチェック用に使用している音楽ソフトのSACDは、下記のものです。

CSACDアルバム名→SUPER AUDIO COLLECTION 6(オーディオメーカーLINN
 が録音・販売)
 ジャズ女性ボーカル1曲、パーカッション1曲、クラシック13曲の計15曲で、各曲とも
完全収録ではなく、部分的に収録されています。音質は大変良く、再生するオーディオシ
ステムが良ければCDとSACDの音質の違いを明確に認識させてくれます。
 このアルバムの中で特に「Claire Martin Lazy Afternoon」、「Mozart:Piano Son
ata K330 -U Andante cantabile」等を使用しています。

 音楽CD等を使用して、オーディオシステムの点検・調整を行う際、重要なことは、音
楽ソースが、どこの場所で録音されたものか確認しておく必要があります。
 録音場所は、一般的には、音楽CD等の表装等に記載されています。具体的には、スタ
ジオの録音室で録音されたものか、コンサートで使用する一般の音楽ホールで録音された
ものか等を確認します。そしてオーディオシステムで音楽CD等を再生して、録音された
場所の雰囲気が正しく伝わってくるか点検等を行います。

 メジャーなスタジオの録音室で録音された音楽CD等の場合は、再生した際、一般的に、
室内の反響音はほとんどない傾向にあります。

 音楽ホールで良質に録音された音楽CD等を再生した際、その音楽ホールに特有の音の
響きが伝わってくれば、オーディオシステムが優れているとともに良く調整されているこ
とになります。ただし、音楽ホールで録音された時、音楽ホールの観客席に大勢の人が座
っている場合と、観客席に人がいない場合では、音の響きが異なります。

 録音された場所を確認せずに、再生した楽器の音を聴いてオーディオシステムの点検・
調整を行っている人、けっこう多いのではないでしょうか。
   

17 ハイ・レゾリューション・オーディオ
 ハイレゾ音源を再生して楽しむためには、ハイレゾ音源に対応したオーディオシステム
が必要になります。上記.14のところにも記載しましたが、超高音域の再生については、
70 kHz(-3dB)以上再生できるオーディオ機器が欲しいところですが、現実はきびしく、
市販されているものは、ほとんどありません。

 我家の2014年3月に購入したSACDプレーヤーは、50kHz(-3dB)で及ばず。
 プリメインアンプ
は、300kHz(-3dB)で、余裕でクリアー。
 スピーカーは、スーパーツイーター70kHz (-3dB)を追加して、ぎりぎりクリアー。

 こうして見ると、本物志向の70 kHz(-3dB)以上再生できるハイ・レゾリューション
・オ
ーディオ機器を一般の人が購入して使用できるのは、もう少し先のように思えます。

 ハイレゾ対応の機器を含め、オーディオシステムの機器は、音の入口から出口まで、全
てにわたって共通したレベルの性能を維持していることが重要で、どれか一つの機器でも
性能がレベルダウンしていると、オーディオシステム全体の音がレベルダウンしてしまい
ます。我家の場合では、SACDプレーヤーの再生周波数上限50kHz(-3dB)が、オーデ
ィオシステム全体の足を引っ張っています。

 ただし、本物志向の70 kHz(-3dB)以上再生できるーディオ機器でシステムを構成
しなくても、40 kHz(-3dB)以上再生できるーディオ機器のシステム構成でもハイレ
ゾ音源を楽しむことができます。

 ハイレゾ音源を楽しむためには、対応したオーディオ機器のほかに、信号ケーブル、ス
ピーカーケーブル、電源ケーブル等のオーディオケーブルの品質アップも必要になります。
 ハイレゾ音源の再生には、より高い周波数の電気信号を信号ケーブル、スピーカーケー
ブル等に通さなければなりません。より高い周波数になると、これらのケーブルに含まれ
るコンデンサー成分、コイル成分が大きく影響し、電気信号の波形及び音にも大きく影響
することになります。
  

18 オーディオ機器を購入する際の注意事項
 アドバイス(1)
 オーディオ機器を購入する際、一般的に、購入したい候補の機器を販売店等で試聴して
から購入すると思いますが、試聴する場合は、複数の販売店等で試聴してから購入する機
器を決めたほうが良いと思います。その理由は、同一機種なのに試聴する販売店等によっ
て音質が違う場合があるからです。音質が違うというのは、当然のことで、販売店等が異
なれば使用しているオーディオケーブル、オーディオ機器の接続切替スイッチ、スピーカ
ーのネットワーク(ダイヤル等で可変できる場合)の設定値、アンプの各種設定等も異な
っていることが考えられるからです。
 私の経験では、SACDプレーヤーの新機種が発売されたので気に入っているCDを持参
し、某販売店で試聴したところ、透明感のない高音、立ち上がりの悪い低音、音像の場所
(前後左右)が良くわからない音でした。その後、別の販売店で同一機種(SACDプレー
ヤー、アンプ、スピーカー)により試聴したところ、前に某販売店で試聴した音とは、ま
るで違い、クリアーな高音、立ち上がりの良い低音、音像定位が良くわかる音でした。

 アドバイス(2)
 ーディオマニアは既にご存知のことと思いますが、これから書くことは、オーディオ
趣味の初心者に、とても参考になると思います。
 それは、オーディオ機器の再生周波数の数値を見る時に、注意したいことです。

 次の個別のオーディオ機器に記載されている再生周波数の記載例を見てみましょう。
@ 30Hz 〜 40kHz(0〜-3dB)
A 30Hz 〜 40kHz(0〜-6dB)
B 30Hz 〜 40kHz
 再生周波数の低い方の数値(30Hz)は小さいほど低い音が再生でき、高い方の数値(40
kHz)は大きいほど高い音が再生できます。

 注目ポイントは、 @には(0〜-3dB)、 Aには(0〜-6dB)のように再生周波数を測定
(使用)する際の条件が書かれています。これは、オーディオ機器を購入しようとしている
人に対して、測定(使用)時の条件が見てすぐわかり、とても親切で、良心的なメーカーと
言えます。
 ところが、Bには、再生周波数の測定(使用)時の条件が書かれていません。これが、く
せ者(物)なのです。どのような条件で測定(使用)したときのものか解らないからです。

 それでは、再生周波数の測定(使用)時の条件が、どれだけ重要なものなのか、説明しま
しょう。
 一般的に、オーディオ機器の再生周波数特性は、同じ機器において、定格出力(最大)時
は、低音から高音までの再生周波数の帯域が最も狭くなり、定格出力(最大)より出力を小
さくするほど再生周波数の帯域が広くなります。
この概要を図で示した一例が下の図6です。
この周波数の特性は、各機種によって、多少異なりますが、定格出力(最大)より出力を小
さくするほど再生周波数の帯域が広くなる傾向については、ほとんどのオーディオ機器につ
いて当てはまります



 例として、次のように同じスピーカーで、出力(入力)を変えて測定(使用)すると、
A●定格出力(最大)近辺で使用した時(0〜-1dB)は、
 再生周波数が 70Hz 〜 20kHz
B●定格出力(最大)の半分(0.5)の出力で測定(使用)した時(-3dB)は、
 再生周波数が 35Hz 〜 40kHz
C●定格出力(最大)の4分の1(0.25)の出力で測定(使用)した時(-6dB)は、
 再生周波数が 25Hz 〜 60kHz

 以上のようになります。上記のA、B、Cの再生周波数だけを見るとCの25Hz 〜 60kHz
は、一番広い帯域に見えますが、元々同じスピーカーで、出力(入力)を変えただけです。
 このように出力(入力)の条件を変えることによって、再生周波数の帯域が変わるので、
再生周波数の測定(使用)時の条件を良く確認することが重要です。


 オーディオ機器を購入する際の練習問題です!
 
ここで、再び上記@ 30Hz 〜 40kHz(0〜-3dB)の記載例を見てみると、この記載が
意味することがよく解ると思います。すなわち、定格出力の0〜-3dBの範囲内で測定(使用)
した場合、再生周波数は、30Hz 〜 40kHzの範囲内であることを示しています。

 それでは、上記@、A、Bの機器の中で最も再生周波数帯域が広いのは、どれでしょうか?

 Bは論外として、@とAを比較した場合、答えは@となります。
 一般的に、オーディオ機器は、定格出力(最大)より出力を小さくするほど再生周波数の
帯域が広くなりますから、@の出力を更に小さくしてAと同じ-6dBまで小さくすると、再
生周波数は30Hz 〜 40kHzよりもっと帯域が広くなり、Aの-6dBの帯域より広いことにな
ります。


<ティータイム(4)>
 市場競争の勝ち組、負け組は、日本の某自動車メーカーの成功例と、某オーディオ(電気
機器)メーカーの失敗例を見て、両社の姿勢の違いによって生じていたことがよく解ります。
 ずいぶん前のことになりますが、アメリカで自動車エンジンの排気ガス規制を格段に厳し
くすることが決まり、日本の某自動車メーカーは、この厳しい規制をクリアーするために、
前向きに取り組みました。その結果、厳しい規制をクリアーしただけではなく、エンジンの
燃費も改善し、製品の自動車がとてもよく売れるようになりました。

 これも、ずいぶん前のことになりますが、当時、ヨーロッパのオーディオ(電気機器)メ
ーカーの多くは、再生周波数の表示基準を[0〜-3dB]で行っていました。
 アメリカのオーディオ(電気機器)メーカーの多くは、再生周波数の表示をメーカー独自
の基準で定め、日本等に輸出していました。その製品の多くは、[0〜-3dB]より、かなりゆ
るい[0〜-6dB]、[0〜-12dB]等の基準で表示していました。
 日本の某オーディオ(電気機器)メーカーは、特に、スピーカー等の広い再生周波数帯域
を実現することが難しいオーディオ機器をアメリカのオーディオ(電気機器)メーカーの多
くが行っていたゆるい基準に基づいて測定し、再生周波数を表示することにしました。

 その結果、特に、高級品の高品質のオーディオ用スピーカーは、ヨーロッパのオーディオ
(電気機器)メーカーが、広く市場に参入し、実力不足の日本の某オーディオ(電気機器)
メーカーが、市場を失って行きました。市場を失って行ったのは、為替、製造コスト等も関
係しますが、日本の某自動車メーカーと、某オーディオ(電気機器)メーカーの両社の姿勢
の違いは大きく影響すると思います。技術者自身の「やる気(モチベーション)」に大きく
影響することは、間違いないでしょう。
   

19 <参考> オーディオケーブル(信号ケーブル)
 最後に参考として、私が使用しているお気に入りのオーディオケーブル(信号ケーブル)
を紹介しておきましょう。
 現在、SACDプレーヤーの出力端子とプリメインアンプの入力端子を接続しているオーデ
ィオケーブルは、ノイマン(NEUMANN)マイクケーブル(ドイツ製)とベルデン(BEL
DEN)88760です。それぞれ非常に優れたクオリティーの音質で甲乙つけ難く、それぞれ
良い特徴があるので、音楽ソース等により、使い分けて楽しんでいます。
 また、2015年4月購入時の両社の当該ケーブル価格は、それぞれ1m当たり2,000円程度
でコストパフォーマンスも抜群に良い製品でした。長年使用してきた古いケーブルから当該
ケーブルにつなぎ変えて再生音を聴いた時、非常に感動したことを覚えています。
 それでは、当該ケーブルの特徴を紹介します。
 ノイマンの方は、おおざっぱな表現として、重厚で、低音を少しだけ多く感じます。
 ベルデンの方は、おおざっぱな表現として、明るく開放的で、高音を少しだけ多く感じま
す。
 当該ケーブルの共通な特徴としては、音に透明感があり、各楽器等の純粋な音が伝わって
きます。
 とても重要で、注意してほしいのは、これらのオーディオケーブルを交換して終わりでは
なく、ケーブルを交換した後に、スピーカーの設置位置、インシュレーターの設置位置等を
再生音を聴きながら改めて調整し直すことです。こうすることによって、オーディオケーブ
ルを含めたオーディオシステムから最良の音が出てきます。







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